2024年03月12日

労務とは?仕事内容や人事との違い、向いている人、資格など

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労務への転職を検討するうえで、「労務と人事は何が違うのか」と調べる方も多いのではないでしょうか。
労務と人事は、どちらも企業の「ヒト」に関わるため、仕事内容が混同されやすい職種です。

そこで、今回は労務の特徴主な仕事内容を解説しながら、人事との違いや労務ならではのやりがいについて詳しく解説します。また、労務に向いている人の特徴や求められるスキル、MS-Japanで取り扱いのある労務求人事例などもまとめました。

労務とは

労務とは、企業がもつ資産であるヒト、モノ、カネ、情報のうち、「ヒト」に関する事務や管理を行う業務を担う職種です。例えば、従業員の給与計算労働時間の管理有給休暇取得への対応年末調整などの業務が該当します。
労務は、営業や製品開発などのフロント部門ではなく、企業経営を支えるためのバックオフィス部門です。

労務以外に企業の「ヒト」に関わる部門は、人事が挙げられます。
人事は、採用や教育・研修、勤怠管理など、ヒトに関わるあらゆる業務を執り行う部門です。カテゴリーで分類すると、労務部門は人事部門に属する位置づけとなります。
中小企業など組織規模が小さい企業では、人事部門で労務業務を担ったり、労務が一部経理、総務などを兼任したりするケースもあります。


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労務の仕事一覧

次に、労務の仕事内容について解説します。労務と人事の仕事内容を比較すると、労務はお金や数字・書類手続きの取り扱いが多い傾向です。

給与計算

雇用契約・自社の各種規定にもとづいて、社員一人ひとりの勤務時間・役職から、残業代等も含めた給与計算を行います。
総支給額だけでなく、健康保険・厚生年金保険・雇用保険・所得税・住民税といった各種税金を差し引いて、最終的な手取り額まで計算するため、税法に関する知識が必要です。

万一、給与計算でミスをしてしまうと、社員の士気を大きく下げることにつながります。
近年は給与計算システムを導入している企業が多く、全て手作業で計算する必要はありませんが、イレギュラーなどに対応するために各種税法・計算方法を正しく理解しておくことが重要です。

勤怠管理

出退勤や休憩時間・遅刻・欠勤・休日取得など、従業員の労働時間を正確に把握して、法的に問題なく社員が働いているかどうかをチェックします。
給与計算に関わる数字であるため、管理に不備があれば、給与支払いにミスが生じて「ブラック企業」と見なされる場合もあるでしょう。そのため、近年は勤怠管理システムなどを使って効率的に管理する企業が増えています。

社会保険の手続き

傷病時に必要な健康保険や、将来の備えとなる厚生年金、退職後の生活を保障するための雇用保険など、各種社会保険の手続きを社員に代わって行います。
それぞれの手続きは、必要書類の提出期限が設けられているため、入社後にスピーディーな手続きが進められるよう、入社前の適切なガイダンスも必要です。

就業規則の作成管理

企業が正しく機能するためには、社員の行動に対する処遇や処分、サポートを円滑に行うための就業規則が重要です。その就業規則の作成・管理も、労務の仕事のひとつに数えられます。


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人事と労務の違い

ここでは、人事と労務の違いを明確化していきましょう。

冒頭でも解説した通り、「ヒトに関連する業務=人事」といった広義の意味で「人事」を捉えた場合、労務部門は人事部門に含まれる位置付けとなります。その場合、「人事部門の労務担当者」といった呼ばれ方が一般的です。

しかし、人事と労務が別々の部・課として分けて設置されている場合、両者の意味合いは異なります。特に、企業規模が一定以上になると、人事と労務は分けて配置されるのが通例です。

その場合、人事部門が担当するのは、企業のリソースとしての人材を集め、社員として力を発揮できるようにサポートする業務です。具体的には、採用業務や人材育成、能力・業績評価、配置転換などを行います。状況によっては、リストラ担当などシビアな役割も任されるでしょう。

一方、労務部門が担当する業務は、より事務的な側面が強くなります。労働三法(労働基準法、労働組合法、労働関係調整法)などを順守しながら、前述した給与計算や社会保険手続き、交通費等の計算などを担います。
人事部門が「リソース」としての社員、労務部門は「費用」としての社員を管理していると言えるでしょう。


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労務のやりがい

労務の仕事は事務的な内容が多いことから、「単調で飽きやすい」と考える方も多いでしょう。ここでは、労務担当者が感じる業務のやりがいについて解説します。

労務のやりがいは以下の3つが挙げられます。

  • ・習得した知識がそのまま実務で役に立つ
  • ・仕事や生活に役立つ知識が身につく
  • ・従業員のライフイベント・労働環境をサポートできる

具体的にどのようなやりがいがあるのか、以下で詳しく見ていきましょう。

習得した知識がそのまま実務で役に立つ

労務は、取得した専門知識を実務で活かしやすい職種だと言えるでしょう。
労務として働くためには賃金や労使関係、労働条件、社会保険などの幅広い分野の理解を深める必要があります。未経験からのキャリアチェンジ直後は、覚えるべきことが多く、大変だと感じる人も多いでしょう。

また、労務に関連する法律は度々改正されるため、一度学習して終わりではなく、働きながら学び続ける必要があります。
知識を習得す努力は必要ですが、身につけた知識をすぐに現場で役立てられることは大きなやりがいに繋がるでしょう。

特に規模の大きい多い企業では、従業員の数に比例して多くの労務トラブル・相談が発生することが想定されます。日々多彩なジャンルの業務に携わる中で知識が深まり、労務のスペシャリストとして着実にキャリアアップを目指せるでしょう。

仕事や生活に役立つ知識が身につく

労務の仕事で得た知識は、自身が仕事をするうえでも役立ちます。労働に関する法律や社会保険に関する知識などに精通していることにより、仕事との上手な向き合い方を意識しながら取り組むことが可能です。

また、労務の知識は仕事以外の場所でも活かすことができます。例えば家族や友人から労務関連の相談を受けた際も適切なアドバイスでサポートができるでしょう。社内だけでなく、プライベートを含む周囲から頼りにされることで、さらに大きなやりがいを感じることができるはずです。

従業員のライフイベント・労働環境をサポートできる

労務の仕事の主体は「従業員が快適かつ安心して働ける環境・制度づくり」です。そのため、従業員のライフイベントや労働環境を支えられる存在であることもやりがいに挙げられます。

例えば、勤怠管理では、労務担当が「残業・深夜・休日手当が不足なく支払われているか」「人材不足によって各従業員に負担が発生していないか」などをしっかりとチェックし、問題が見られる部署に対して適正な働き方を促すことで、従業員の不安や悩みの解消に繋がるでしょう。

また、福利厚生業務においては、病気やケガ、妊娠・出産等で働けなくなった従業員に対して傷病手当金や産前産後および育休中の社会保険料免除、育児休業給付金などの制度を紹介し、手続きのサポートを行うことで、働けない期間に対する不安を感じている従業員に安心感を与えることが可能です。
労務は、業務を通じて従業員から感謝の言葉をもらう機会が多い職種だと言えるでしょう。


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労務に向いている人

次は、労務に向いている人の特徴について解説します。

コツコツとした作業が得意

労務業務の多くは、給与計算や社会保険料の手続きなど、正確にデータを把握し、各種公的書類に反映させる業務です。特に給与計算は、手続きが細かく煩雑であり、別途外注する企業も見受けられます。
そのような業務を日々行うため、単純な作業をコツコツと長時間取り組むことが得意な人・苦にならない人が労務に向いていると言えるでしょう。

コミュニケーション能力が高い

労務は、全従業員から各種手当や年末調整に関する問い合わせや、結婚や出産に伴う手続きの申請などが届き、社内のあらゆる部門の人と日常的に接します。そのため、労務担当者は、様々な立場の人に対して、滞りなく対応を進められるコミュニケーション力が必要です。
また、従業員のプライベートな相談を受けることもありますが、その内容は自分の家族も含め、部外者への漏えいは厳禁です。口が堅く、秘密を守れる素質も労務に求められます。

法律に対する学習意欲が高い

労務管理は、労働三法やパワハラ防止法など、毎年のように行われる各種労働関連法の改正を踏まえて業務に取り組む必要があります。
そのため労務担当者は、法律に関心をもち、法改正を敏感に察知できるだけでなく、学習が苦にならない人が向いていると言えるでしょう。


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労務に求められるスキル

一般的に、労務担当者には以下のようなスキルが求められます。

労働法に関する知識

労務の業務では、労働基準法や労働組合法、労働関係調整法、労働安全衛生法、最低賃金法などの多様な法律が関わります。これらの法律知識をもつことは、給与計算や勤怠管理、福利厚生などの業務を行う上では欠かせません。

ITリテラシー

労務部門では、業務をスムーズに行うために給与計算システム勤怠管理システムを導入しているのが一般的です。最近では社外のクラウドサービスを導入している例も多く見受けられます。
労務担当者には、ITツールの操作だけでなく、設定や管理が求められ、状況によってはプログラミングのカスタマイズも任されるケースもあるでしょう。

個人情報保護に関する知識

労務担当者は従業員のプライバシーに関わる場面が多く、個人情報の漏えいを防ぐための知識・スキルが求められます。例えば、従業員のマイナンバーが社外に流出してしまえば、個人レベルではなく、企業全体の責任問題にも発展するでしょう。
個人情報を守ることへの高い意識と知識が、労務担当者には欠かせません。


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労務で活かせる資格

労務で活かせる資格労務は人事以上に事務処理が多いことから、国家資格も含め、取得しておくと評価につながりやすい資格がいくつか存在します。
以下に、主な資格をご紹介します。

社会保険労務士

労務関連の資格で最も認知度の高い国家資格です。クライアントから報酬を得て労務に関する手続き・帳簿作成などができる独占業務があるため、取得後は将来的に独立開業も期待できるでしょう。
勤務社労士として会社で安定したポジションを得られるメリットもあることから、社労士資格取得を目指す労務担当者は多いです。

労務管理士

労務関連の民間資格で、取得者は労働基準法・労務管理における専門知識を有する人材であると評価されます。
講座受講後、所定の試験に合格すれば資格取得となるため、難易度はそれほど高くない試験として知られています。
労務としての経歴が浅く、キャリアアップを図りたい人向けの資格です。

衛生管理者

従業員の健康障害・労働災害といったトラブルを防止すべく、作業環境の管理や労働衛生教育の実施を行うための専門家に与えられる資格です。
労働安全衛生法で定められた国家資格であり、常時50人以上の労働者が働いている事業場では1人以上の衛生管理者が必要です。さらに、従業員数が増えると、配置すべき有資格者の人数も増えるため、資格手当などの待遇を設けている企業が多い傾向があります。

メンタルヘルス・マネジメント検定

従業員が元気に働けるよう、心の問題を解決することにフォーカスして、メンタルヘルスケアに関する知識を社内の役割ごとに学んで応用するための資格です。
会社で働き続けるストレスにより、心の不調に悩まされるケースが増えたことで登場しました。
コースは3種類あり、人事労務管理担当者が取得すべきコースは「Ⅰ種」で最高難易度のレベルです。


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労務の求人事例

大手総合商社グループ給与労務

仕事内容
・Payroll全般
(給与・賞与計算、社会保険・労働保険関連手続、年末調整、退職金支給)
・労務管理
(入退社・休復職手続き、勤怠管理、健康管理)
・人事労務
(人事労務における企画・運用、スタッフ業務の取りまとめ、相談対応)
必要な経験・能力
<必須>
・四大卒以上
・給与計算、社会保険の実務経験
<歓迎>
・上記以外の人事業務の経験(採用、人材開発等)
・人事制度運用経験(企画経験あれば尚可)
想定年収
500~590万円

プライム部上場企業の孫会社/労務担当

仕事内容
・給与賞与計算
・社会保険手続き
・入退社手続き
・異動の手続き
・安全衛生管理
・ストレスチェック対応など
必要な経験・能力
<必須>
人事労務の経験(労務業務の経験分野は問わず)
想定年収
470万円 ~ 550万円


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労務の求人情報

労務の求人情報

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サイト上に公開されている求人はごく一部の求人です。 会員登録することでご確認可能です。


まとめ

労務は給与計算や勤怠の管理、社会保険手続き、年末調整などの業務を通じて「従業員の労働環境を整える」仕事です。
従業員の採用や育成、評価などに携わる人事と比較すると事務的な業務が多いですが、習得した専門知識を実務に活かしやすく、従業員を陰ながら支えられるなど、様々なやりがいがあります。

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この記事を監修したキャリアアドバイザー

椿 大樹

大学卒業後、外資系小売り業に就職、セールスマネジメントや採用、教育研修を経験。
人がいかに業績を左右するかについて認識し、現職のMS-Japanに転職する事を決断。
入社以来、東海エリアのキャリアアドバイザーとして、キャリアチェンジやスキルアップを目的とした若年層の支援を中心に担当しております。

経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 法務 ・ 経営企画・内部監査 ・ 会計事務所・監査法人 ・ 役員・その他 ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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