法務の転職・求人|最新の転職市場や転職成功のポイントを解説!
昨今、コンプライアンス意識の高まりやビジネスのグローバル化が進む中で、「予防法務」と「戦略法務」の両面で法務の重要性が一層増しています。
それに伴い、転職市場においても法務人材のニーズは高まり、経験者・未経験者を問わず、法務への転職を考える方が増えています。
この記事では、30年以上にわたり法務人材の転職をサポートしてきた管理部門・士業特化型転職エージェント「MS Agent」が、最新の法務転職・求人情報をお届けします。
法務/コンプライアンス/知財の求人情報
法務担当
仕事内容 |
・和文/英文契約書の作成・審査・修正(和文7割、英文3割) ・紛争案件対応 ・知的財産の取得・管理 ・会社法務(取締役会事務局対応等) ・M&A案件の法務対応 ・子会社への法務支援 ・社内法律相談、セミナー開催 |
必要な経験・能力 |
<必須> ・法務実務経験(契約書対応等) ・英語力(TOEIC700点以上推奨) <歓迎> ・知的財産権に関する知識 ・M&A、英文契約経験 ・海外勤務または留学経験 |
想定年収 |
600万円~1,000万円 |
法務・コンプライアンス担当
仕事内容 |
・トレーディングを中心とした契約書チェック ・社内法務相談対応 ・社員向け法務研修 ・社内コンプライアンスに関する啓蒙活動、コンプライアンス施策実施 ・紛争対応 ・コンプライアンス事案対応 など |
必要な経験・能力 |
・事業会社での企業法務経経験(目安:7~10年以上) ・英語でのコミュニケーションにご抵抗のない方、または、意欲のある方 ・マネジメント志向をお持ちの方 |
想定年収 |
1,160万円 ~ 1,270万円 |
知的財産担当
仕事内容 |
・経営戦略・事業戦略に基づく、知財ミックス戦略の立案・実行 ・商品化の際の知財アセスメント業務、侵害予防、デザイン確認 ・出願台帳管理、年金管理、関係部署への研修 など |
必要な経験・能力 |
特許と商標いずれかの実務経験が5年以上の方 |
想定年収 |
600万円 ~ 1,000万円 |
【希望条件別】法務の求人情報
法務/フルリモート
仕事内容 |
・契約書のチェック、作成 ・事業部門からの法務相談対応 ・顧問弁護士など外部機関とのやり取り ・コンプライアンス関連業務 ・株主総会・取締役会関連業務 など |
必要な経験・能力 |
・事業会社にて法務業務のご経験をお持ちの方 ・法科大学院修了の方(実務未経験可) |
想定年収 |
420万円 ~ 502万円 |
未経験OK/法務
仕事内容 |
・契約書審査(月200本程度、ひな形ベースが基本) ・一般法務相談 ・知財管理 ・訴訟対応 ・M&A関連業務 ・新規事業やプロジェクト案件のリーガルサポート |
必要な経験・能力 |
<必須> ・法科大学院修了生 <歓迎> ・不動産業界やIT業界での経験 ・人事・労務業務経験者、弁護士資格保有者 |
想定年収 |
350万円~450万円 |
企業内弁護士/法務
仕事内容 |
・本社、グループ各社の法律相談 ・コンプライアンスチェック ・契約書のレビュー、チェック ・顧問弁護士や事業部門との打合せや調整 ・予防法務 など |
必要な経験・能力 |
・弁護士資格 |
想定年収 |
600万円 ~ 1,000万円 |
【地域別】法務の求人情報
法務/東京本社
仕事内容 |
・英文契約書の審査 ・海外企業取引法務業務 ・M&Aの法務面のサポート ・訴訟管理 ・知的財産管理 ・コンプライアンス業務など |
必要な経験・能力 |
・国際法務経験5年以上 ・英語力上級 |
想定年収 |
434万円 ~ 1,024万円 |
法務総務/大阪市内・駅近
仕事内容 |
・契約書の作成審査 ・株主総会関連事務 ・取締役会の運営事務局 ・広告/販促物に関するコンプライアンスチェック ・社内規程管理 ・コンプライアンス教育 など |
必要な経験・能力 |
・事業会社もしくは法律事務所での企業法務としての経験(目安:5年以上) |
想定年収 |
540万円 ~ 880万円 |
法務/福岡/リモートメイン
仕事内容 |
・契約審査 ・訴訟、調停、仲裁(外国仲裁)などの法的手続対応 ・事業部門に対する支援(債権回収支援、顧客対応支援など) ・役員・社員に対する教育 |
必要な経験・能力 |
・法務実務経験(目安:3年以上) |
想定年収 |
550万円 ~ 960万円 |
2024年最新の法務転職市場
法務の転職成功には、まずは最新の法務転職市場を把握することが重要です。
この章では、2023年に「MS Agent」で募集のあった法務求人データをもとにした、「法務の転職市場」について解説します。
実務経験者の求人倍率は前年対比150%アップ
上記のグラフは、法務の求人倍率推移です。
新型コロナウイルスの影響で一時的に求人数が減少したものの、回復傾向に転じた2021年度から2023年度にかけて190%以上上昇しています。
現在は求職者が有利な売り手市場だと言えるでしょう。2024年度の法務の転職市場は、さらに求人倍率が上がる見込みです。
転職希望者目線ではより検討できる求人が増え、企業目線ではより採用のハードルが上がるでしょう。
昨今の法令・コンプライアンス遵守強化の風潮や企業のグローバル化により、企業側のニーズが高まっています。
また、リモートワークやフレックス制度のある企業も増加傾向であることから、働き方の柔軟性を高め、応募者を集める企業が増えると考えられるでしょう。
未経験可の求人数は約15%のみ
上記のグラフは、法務の未経験OK求人の割合を示しています。
未経験OKの法務求人は全体の14.6%にとどまり、経験者向けの求人と比較するとかなり少ないことが分かります。
法務は法律に関する専門性の高い職種のため、未経験者を採用して教育するよりも、経験者や法学部・法科大学院卒業生を優先して採用するケースが多く見られます。
また、多くの法務部が少数精鋭で組織されており、未経験者を教育するリソースを割けないことが、未経験者採用に消極的な理由とされています。
法務でも約70%がリモートワークを導入
上記のグラフは、法務のリモートワーク求人の割合を示しています。
2023年に募集された法務求人のうち、67.7%がリモートワーク可能でした。
法務は業務上、企業の機密情報や個人情報を多く扱うため、リモートワークに消極的と考えられがちです。
しかし、コロナの影響で、特に大手企業やIT企業を中心にセキュリティ対策を強化し、リモートワーク環境を整備する企業が増えています。
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法務の転職市場レポート2024
「法務の転職は難しい」と言われる理由は?
法務の転職は他の職種に比べて難しいと言われることが多いですが、その理由は未経験者と経験者で異なります。
この章では、法務の転職が難しいとされる理由を、未経験者と経験者それぞれの視点から詳しく解説します。
未経験者の転職が難しい理由
法律に関する専門知識が求められる
法務は契約法務、コンプライアンス、労働トラブル対応など、業務ごとに高度な専門知識が必要な職種です。
企業はこれらの専門性を重視するため、未経験者を採用するケースは少なく、実際に業務をこなせるかどうかが評価の基準となります。
特に契約書レビューの経験が求められる場面が多く、この経験や知識が不足していると、未経験者が転職で評価されるのは難しいのが現状です。
法務の募集人数が少ない
法務部門は少数精鋭で構成されており、企業が募集をかける際も1社あたり1〜2名の採用にとどまるのが一般的です。
そのため、求人がオープンになるとすぐに応募が集まり、1名採用が決まればすぐにクローズされることが多くあります。
特に条件の良い求人や人気企業の求人は応募が殺到するため、未経験可の求人であっても採用のハードルが高くなる傾向があります。
経験者でも転職が難しい理由
業界や事業内容で扱う法令が異なる
法務が扱う法令や契約書は、企業の事業内容や業界によって異なります。
そのため、法務の実務経験があっても、応募先企業の業界や事業内容と親和性のある実務経験でない場合、扱う知識が異なるため採用に至りにくいことがあります。
法令の改正が多く、最新の知識が必要
法務が扱う法令は毎年のように改正が行われるため、企業が守るべきルールや罰則の要件も頻繁に変化します。
例えば、税法では毎年課税対象が変わり、以前は合法だった行為が新たに違法とされるケースも少なくありません。
その他の法律も大なり小なり変更されるリスクがあり、企業はそのたびに対応を求められます。
そのため、法務担当者には常に最新の法令に精通し、改正に対応するための知識と経験が求められます。
改正された法律を理解し、企業のリスクを最小限に抑えるための判断ができることが、法務としての評価を高める要素となります。
実務未経験者が法務への転職を成功させるには
「2024年最新の法務転職市場」で紹介したように、法務の未経験可求人は全体の約15%と少なく、未経験者にとっては狭き門です。
しかし、未経験であっても法務への転職成功の可能性を高める方法があります。
法務関連の資格を取得する
司法試験受験者は合否に関わらず、法務部門の採用対象として、企業から人気があります。
もちろん司法試験に合格している場合、一般企業からは引く手あまたです。試験合格後に法律事務所ではなく、企業に就職し、
インハウスローヤーとしてキャリアをスタートすることもできます。
また、ビジネス実務法務検定など実務に即した資格を取得することも有効です。
実務経験がない分、知識をしっかりと身に着けることで、未経験でも転職できる可能性があります。
法務関連の資格について、詳しくは「法務の転職に有利な資格は?」の章をご確認ください。
人事や総務と兼務する
大手企業では、法務は独立した部門として存在しています。独立部門では専門性の高さが求められる傾向があるため、未経験からの転職は難易度が高いでしょう。
一方で、中堅企業や中小・ベンチャー企業では、法務業務のボリュームが大手企業ほど多くないため、人事や総務と兼務しているケースも多く見受けられます。兼任部門は法務の独立部門と比較してハードル高くない傾向です。
未経験から法務に転職するためには、資格の取得や兼任部門を目指す方法が一般的ですが、法務に限らず未経験求人は20代〜30代前半の若年層を想定しているケースが大半です。
30代以降は基本的には、年齢に見合った実務経験がなければ未経験からの転職は難しいことが多いので、ご注意ください。
未経験可の法務求人を多く見つける
法務の未経験可求人は少ないため、未経験から法務に転職するには、「未経験可の法務求人」を多く扱う求人サイトや転職エージェントに登録することが重要です。
一般的に、総合型の求人サイトや転職エージェントの方が、求人数が多い印象がありますが、法務に特化したサービスの方が、その分野の求人を多く取り扱っていることが多いです。
求人サイトや転職エージェントは無料で登録できるため、大手の求人サイトと法務や管理部門に特化した転職エージェントを併用することをおすすめします。
複数のサービスを活用することで、未経験可の法務求人に出会えるチャンスを最大限に広げることができます。
実務経験者の法務転職成功のポイント
企業に求められている経験・知識を洗い出す
法務職として転職するために最も重要視されるのが実務経験ですが、同業種か異業種かによって、求められる経験・知識に違いがあります。
同業種の場合は、業種特有の法律について精通しているかどうかをもう一度自分で洗い出してみましょう。
たとえば、IT企業の法務担当者だったとしたら、自分が現在勤めている会社と、転職を予定している会社を比べ、求められている知識・経験を自分がもっているかどうかをチェックしたいところです。
コンテンツ関連を主体としているのであれば、著作権に関係する法律の知識が必要になりますし、ネット広告中心であれば、電子取引に関する法律の知識が求められることが多いです。
異業種の場合は、現在自分が取り組んでいるものとは異なる法律を勉強しなければなりません。
それだけのポテンシャルがある人材かどうかを企業もチェックするため、転職先に馴染む柔軟性も重要です。
自己PR欄では柔軟性に関するエピソードを加え、詳細にアピールしましょう。
志望動機は論理的に構成する
法務業務には論理的思考が必要であり、志望動機の記載もその思考力を示す重要な選考材料となります。
そのため、志望動機を論理的かつわかりやすく記述することを意識しましょう。
志望動機が完成したら、応募前に志望動機の文章を再確認し、第三者の意見を取り入れて添削することをおすすめします。
また、論理的に構成されていてもネガティブな表現が前面に出ているものは、採用担当者にとってあまり良い印象ではありません。前向きに伝えるように言葉を変換しましょう。
アピールポイントは具体的にする
実務経験をアピールする場合、単に過去の経験を羅列するだけでは不十分です。
具体的に関わった業務や、実際に体験したことなどを実績として提示したほうが、相手側に経験者としてのスキルをアピールしやすいのです。
以下に具体的なアピールポイントを挙げてみましょう。
契約書作成業務の実績を示す
法務における最大の業務は、やはり各種契約書を作成することです。
企業内外に向けた契約書の作成で、主にどのような種類の契約書を扱ってきたのか、また対応できる業務量の目安はどのくらいなのか、具体的な件数を提示できると効果が高まります。
トラブル・クレームへの対応実績を示す
トラブルへの対応実績は、法務経験者としての有効なアピール手段になります。
日常的なクレームから、訴訟に発展するようなトラブルまで、自身が関わって解決できた事例があると、転職にも有利な材料になるでしょう。
幅広い業務での実績をアピールする
ある特定の業務にだけ精通していても、転職時には応募先が限られる可能性があります。
幅広い業務を経験してきた実績があれば、それを整理して提示しましょう。
法務以外でも、業務効率化や業務改善などの実績があれば、プラスの材料になるはずです。
特別なスキルや資格を持っている
一般的な実務経験以外にも、特別なスキルや資格を持っている点は、アピールの材料になります。
例えば、特定の分野での専門知識や資格があり、それが企業に貢献できるものであれば、アピール材料として活用できます。
法務の実務経験を活かした転職成功事例
経験を活かせる業界で年収アップ&働き方改善を叶えたMさんの事例
Mさん(20代半ば・女性)
IT系上場企業
年収:480万円
エンタメ系大手上場企業
年収:540万円
Mさんは、エンタメ系企業で法務のキャリアをスタートし、その後IT系上場企業へ転職しました。しかし、結婚を機に、長く働ける環境を求めて再び転職を決意しました。
転職活動では、当初は業界を絞らず、さまざまな企業の法務ポジションに応募していましたが、選考を進める中で、これまでの経験を活かせるエンタメ系企業で働きたいという気持ちが強くなっていきました。
最終的に、エンタメ系の大手上場企業に絞って選考を進め、内定を獲得しました。
新しい職場では、年収アップに加え、リモートワークやフレックス制度といった柔軟な働き方も実現できました。
Mさんの事例からは、経験を活かせる業界を選ぶことで、キャリアアップや働き方の希望が叶いやすくなることがわかります。
業界特有の経験があることで、企業からの評価が高まり、転職成功の可能性が高まります。
スキルアップを目指して、業務の幅を広げられる職場へ転職成功させたNさんの事例
Nさん(30代・男性)
上場商社企業
年収:500万円
上場IT企業
年収:550万円
Nさんは大学卒業後、老舗の上場商社企業で法務部に従事していました。
しかし、業務が細分化されており、ほとんどの時間を与信管理業務に費やす環境に限界を感じ、より広範な業務に挑戦したいと考えて転職を決意しました。
転職活動では、これまでのキャリアを振り返り、自身の強みや意欲的に取り組んできたエピソードを整理しました。
MS-Japanを通じて、裁量が大きく、業務の幅を広げられる上場企業の法務ポジションに応募し、選考ではキャリアの棚卸しで見つけた強みや、今後のキャリアビジョンを具体的に伝えることを心がけました。
その結果、東証プライム上場でありながら、比較的コンパクトで裁量の大きいIT企業への転職が決まりました。
Nさんの事例からは、転職成功には自己分析と事前準備が重要であることが分かります。
これまでの経験だけでなく、今後のキャリアへの意欲や挑戦したい分野を明確にアピールすることで、新しい分野にもチャレンジできる環境を手に入れることができます。
年代別の法務転職成功のポイント
この章では年代別に法務の転職成功のポイントを解説いたします。
20代の法務転職のポイント
20代で法務経験のある人材は少ないため、20代法務経験者は市場価値が非常に高いです。
また、20代であれば未経験であっても法務に挑戦することは可能です。
以下に、経験者、未経験者それぞれの転職ポイントをご紹介します。
法務経験者の場合
定型業務だけではない法務は、専門的な知識やスキル、経験値が求められます。
そのため、転職市場においては圧倒的に経験者が優位です。さらに、20代で法務経験がある人材は非常に限られているため、20代の法務経験者の採用ニーズは高いです。
転職の際には多くの選択肢から選ぶことができる可能性が高いため、逆に選択肢を絞り切れず迷ってしまう場合もあります。
最初はキャリアアップのために転職を決意したものの、高い金額のオファーが出たために、業務内容はあまり変わらないものの、気持ちが揺らいでしまうという方もいます。
20代の法務経験者が転職する際には、転職活動を始める段階でしっかりと転職の軸を決め、転職活動を続ける中で当初の目的を見失わないように注意しましょう。
未経験者の場合
法務の転職は未経験だと難しい?の章で解説した通り、法務求人のうち、未経験でも応募可能な求人は全体の14.6%と、未経験者にとって法務への転職は狭き門です。
大手企業では、法務は独立した部門として存在しています。独立部門では専門性の高さが求められる傾向があるため、未経験からの転職は難易度が高いでしょう。
一方で、中堅企業や中小・ベンチャー企業では、法務業務のボリュームが大手企業ほど多くないため、人事や総務と兼務しているケースも多く見受けられます。兼任部門は法務の独立部門と比較してハードル高くない傾向です。
未経験から法務に転職するためには、絶対に大手企業に転職したいといった強いこだわりがある場合は難しいかもしれませんが、まずは法務の経験を積むことを目的として、幅広い選択肢を検討するべきでしょう。
転職先で法務経験を積めば、次回の転職の際には大手企業にも挑戦できる可能性が高まるため、「転職先でどのような経験が積めるか」ということを重視して、転職活動に臨みましょう。
30代の法務転職のポイント
30代の法務経験者が転職する際、転職先が求める知識や経験がどういったものかしっかり把握する必要があります。
例えば、「同業種か異業種か」によって、求められる能力には違いがあります。
コンテンツ関連を主体としていたのであれば、著作権に関係する法律の熟知が必要になりますし、ネット広告中心であれば、電子取引に関わる法律の知識が求められるはずです。
異業種の場合は、転職先の企業でどういった知識が求められるか、詳しく確認しなければなりません。
また、応募する企業の採用方針についても把握する必要があります。知識・経験重視なのか、それとも人間力重視なのか、企業側が求める人材像が明確であればあるほど、対策を立てやすくなりますし、自分が役に立てるかどうかも見えやすくなります。
30代法務の転職活動は「情報戦」になるため、Webなどから収集できる情報だけでなく、転職エージェントもうまく活用しながら、応募先企業のニーズをしっかりと把握することが重要です。
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30代・40代の法務経験者が転職するためには!?
40代の法務転職のポイント
法務の転職市場において、40代経験者のニーズは高まっています。
特に、管理職候補や法務部門の立ち上げポジションなど、経験・スキル重視の場合は40代をメインターゲットとして募集する企業が増えています。
管理職候補のポジションで採用する場合、企業は求職者にマネジメント経験を求めるため、応募先のポジションに応じて、適切なアピールが必要です。
その他に40代法務経験者に企業が求めることとしては、業界知識が挙げられます。
40代を採用する際には、即戦力としての活躍が期待されており、20代の従業員のように、業界知識を一から研修やOJTによって教育していくということは想定されない場合がほとんどです。
そのため、企業法務部門での勤務経験、管理職としての経験があっても、それまで全く別の業界に属していると、採用は難しくなる場合があります。
同じ業界もしくは関連する業界で勤務していた人なら、市場動向や製品・サービスに関する商品知識も豊富であると考えられ、採用担当者・面接官からの高評価を期待できるでしょう。
業界を定めることによって選択肢の幅は狭まってしまいますが、これまで培ってきた経験を活かせる環境に狙いを絞ることで、待遇面や働き方などの理想をかなえることができる可能性が高くなります。
また、転職活動は入社を希望する時期の3,4カ月前から余裕をもって開始することで、十分に情報収集、検討を行うことができ、納得できる転職を実現できるでしょう。
法務の志望動機作成のコツ
法務職への転職活動では、志望動機が重要な選考ポイントとなります。
この章では、法務の志望動機を効果的に伝えるためのコツを経験、未経験別に詳しく解説します。
未経験者は「法務を目指すきっかけ」
法務未経験者の場合、「なぜ法務職に就きたいのか」を具体的に伝えることが重要です。
単に「法律に興味がある」という理由だけでは採用担当者の印象に残りにくいため、法務を目指したきっかけを具体的なエピソードを交えて説明しましょう。
例えば、「大学で法律を学んだ際に強い興味を持ち、その知識を仕事で活かしたいと思った」や「法務部でのインターンを通じて、法律的観点から企業を守る責任感ある仕事に魅力を感じた」など、具体的な経験をもとに志望動機を伝えることで、説得力が増します。
きっかけとなった出来事を具体的に述べることで、採用担当者にあなたの熱意が伝わりやすくなります。
経験者は「前職・現職の退職理由」
法務経験者の場合、前職や現職の退職理由をポジティブに伝えることが大切です。
たとえ「年収が低い」「職場環境が良くない」などのネガティブな理由があったとしても、そのまま正直に伝えると採用担当者に悪い印象を与えてしまうため、注意が必要です。
おすすめの伝え方は、スキルアップやキャリアアップを目指しての退職という形でポジティブに言い換えることです。
例えば、社内の意思決定が遅いことや業務範囲の狭さが転職理由の場合、「御社のようなスピード感のある環境で、幅広い業務に挑戦しながらスキルアップ・キャリアアップを図りたい」と伝えることで、前向きな姿勢がアピールできます。
ポジティブな退職理由にすることで、採用担当者に好印象を与えやすくなります。
「なぜその企業の法務に応募したのか」が最も重要
未経験者・経験者問わず、志望動機で最も大切なのは「なぜその企業の法務に応募したのか」を明確に伝えることです。
企業理念や事業内容、キャリアパスなど、応募先企業ならではの魅力をアピールしましょう。給与や待遇には触れず、競合他社にはないポイントを伝えることが効果的です。
企業研究はホームページだけでなく、ビジネス誌やインタビュー記事などからも情報を収集し、多面的な視点で魅力を見つけることが重要です。
特に未経験者は、企業研究を深めて個性的な視点を持つことで、採用担当者の印象に残りやすくなります。
法務の転職は対策が重要?
この章では法務の転職活動における対策について解説します。
法務の職務経歴書の書き方
法務の転職においては、職務経歴書も選考の重要な要素となります。
法務という法令を扱う職業柄、要点を抑えたきれいな職務経歴書を作成できるということが、採用企業の評価にもつながるためです。
職務経歴書を作成する場合、履歴書との整合性を保ちつつ、キャリアの一つひとつを掘り下げて記述することが、採用率を高めることにつながります。
以下のポイントを押さえるだけでも、採用担当者に与える印象は強まるはずです。
職務要約
過去の職務すべてについて、職務経歴書の限られたスペースの中でまとめるのは、現実的ではありません。また、経験内容を丸ごと要約するのも、読み手にとって分かりにくい印象を与えてしまう恐れがあります。
対策としては、応募先の企業にとって「魅力に感じそうな内容」を中心にしてまとめるのがよいでしょう。
例えば、応募先企業で取り扱うであろう法律に関与した経験などを重点的に記載する等の対策が考えられます。
職務経歴
こちらも職務要約と同様に、応募先での仕事内容と親和性が高い経歴をメインに書くことを意識しましょう。
どのような業務に・どのような立場で・どのくらい関わっていたのか、一通りまとめておきましょう。情報が具体的であればあるほど、採用担当者は自社のケースに当てはめやすくなります。
自己PR
これまでの業務を通じて「経験したこと」「仕事を行う上で意識してきたこと」「仕事のスタイル」などを記載しましょう。
また、今後チャレンジしたいこと、より強化を図りたい分野など、入社後の目的、目標を記載することも、意欲の表れとして高評価につながります。
コミュニケーション能力・調整力・社内を巻き込む力・信頼関係構築力といったソフトスキルをアピールポイントとして記載する場合には、エピソード、実績とともにアピールしてください。
アピールポイントは1行程度、エピソードや具体例は3~5行以内だと、端的で読みやすい印象を与えます。少し長くなる場合は、冗長にならないよう1段落3~5行程度にされると、要点がまとまって読みやすくなります。
備考欄
備考欄を利用する場合、応募先が不安に思うと考えられる事実を伝える際に利用するとよいでしょう。
具体的には、以下のようなケースが考えられます。
・前職の在籍期間が1年未満など、短期間で転職を行う場合
・病気、結婚、育児など、何らかの事情から職歴に数年のブランクがある場合
・その他、就業前に伝えておくべき内容など
なお、特に上記のような備考がない場合は、備考欄について書くことを準備する必要はありません。
弊社では法務職の方向けに職務経歴書のサンプルと作成ポイントをまとめた資料を用意しておりますので、職務経歴書作成の際にお役立てください。
【職務経歴書のサンプルはこちら】 法務 職務経歴書サンプル
法務転職の面接で聞かれる質問は?
法務の面接は経験者と未経験者で聞かれる内容が異なります。
法務経験者向けの面接質問
法務経験者に対しては、これまでに培ったスキルや具体的な経験業務を問う質問が多くなります。
質問例としては以下のようなものが挙げられます。
・契約関連の業務経験はありますか?
・1カ月あたりの契約書のレビューは何件くらいですか?
・契約書を確認する際に気を付けていることはありますか?
・契約書をドラフト(原案)から作成した経験はありますか?
・戦略的な法務業務経験はありますか?
・新しい法律や規制に関してどのように学び、対応していますか?
・どのような言語や種類の契約書を扱うことが多かったですか?
さらに、具体的な事例に対して、自分ならどう対応するかを質問するケース面接が行われることもあります。
・我が社で新しい商品を開発する場合、法的にクリアすべき問題は何だと考えますか?
・顧客から訴訟を起こされた場合、どのように対応しますか?
・取引先から契約内容の変更を相談された場合、どのように対応しますか?
面接官は、ケース面接を通して応募者がスキルや知識を測るため、細かいシチュエーションを想定した質問をする場合があります。
面接準備では自身の経験を細かく棚卸しし、振り返りを行うことで質問に回答できるようになるでしょう。
法務未経験者向けの面接質問
未経験者の選考では、応募者の職歴や仕事に対する考え方から、法務への適性やポテンシャルを判断されます。
想定される質問には、以下の通りです。
・法務に興味を持ったきっかけは何ですか?
・法務や法律に関する資格はもっていますか?
・法務に最も重要なスキルは何だと思いますか?
・これまでのキャリアで学んできたことを教えてください。
・法務に転職したら具体的にどんな仕事がしたいですか?
ただ法律に興味があるというだけでなく、前職でトラブルが発生した際に法律知識が役に立ったなど、過去の経験と紐づけて話すことで説得力が増します。
また、学生時代など過去に法律を詳しく学んだ経験がある場合は、その経験をアピー
ルすることも有効です。
法務の転職に強い「MS Agent」の3つの特徴
「リモートワークやフレックス制度がある職場で働きたい」
「未経験から法務にキャリアチェンジをしたい」
「これまでの法務経験を活かして管理職に挑戦したい」など、
法務への転職を希望する理由は人それぞれです。
昨今、こうした多様なニーズに応えられる法務の求人が増えている中で、転職を成功させるためには専門的なサポートが欠かせません。
管理部門・士業特化型転職エージェント「MS Agent」では、法務専門のキャリアアドバイザーが30年以上の支援実績とノウハウを活かして転職をサポートしています。
「MS Agent」が法務の転職に強い理由を、3つの特徴からご紹介します。
1.業界最大級の求人数
法務の需要が高まる一方で、多くの企業が少数精鋭で法務を組織しているため、他の職種に比べて法務の求人数は限られる傾向にあります。
そのため、法務への転職を成功させるには、希望条件に合う求人をできるだけ多く見つけることが重要です。
「MS Agent」は、管理部門・士業業界で最大級の求人数を扱っており、希望条件に合った法務の求人を幅広くご紹介することが可能です。
さらに、一般には公開されていない非公開求人も多数取り扱っているため、人気企業の法務求人にも出会いやすくなります。
2.法務に精通したキャリアアドバイザー
専門性の高い法務への転職を成功させるためには、業界や企業ごとの法務業務の違いを理解し、適切なアドバイスが受けられる環境が重要です。
「MS Agent」には法務分野に精通したキャリアアドバイザーが在籍しており、一般的な総合型の転職エージェントと比べて、法務ならではの転職活動の戦略を提案できます。
さらに、専門特化型ならではの豊富な転職支援実績があるため、最新の法務転職市場の動向や面接対策など、転職成功に必要な情報を的確に提供することが可能です。
3.ステップごとの転職サポート
転職活動には「求人探し」や「職務経歴書の作成」、「面接対策」など、数々の不安がつきものです。
特に、初めての転職の方やキャリアチェンジを希望する方は、転職活動をどのように進めればよいのか、どの対策が効果的なのか分からないことが多いのではないでしょうか。
「MS Agent」では、転職活動の各ステップに合わせたサポートを提供しています。
求人探しでは、希望条件に合った求人を厳選してピックアップし、応募に必要な情報を分かりやすくお伝えします。
また、「職務経歴書の作成」や「面接対策」では、経歴やスキルを効果的にアピールする方法をアドバイスし、選考通過率を高めるお手伝いをします。
法務の転職に有利な資格は?
法務への転職を成功させるためにはどうすればよいのでしょうか。
未経験者はもちろん、実務経験者であっても資格を取得することは大きな強みになります。
自分の業務に適した資格をもっていると、さらなるアピールにつながるでしょう。
法務への転職がしやすくなる資格には、以下のようなものがあります。
弁護士
弁護士資格は法務関連の最高峰の国家資格で、法務業務全般を行う権限があります。
合格率は25%程度であり、3年以上の準備期間が必要です。受験資格は法科大学院の修了または司法試験予備試験の合格により得られ、資格取得後5年間の間に受験する必要があります。
なお、弁護士は司法書士や行政書士の業務も一定条件下で行えます。
近年、企業内で働く弁護士が増加しており、2023年6月末時点で3,184名が企業内弁護士として就業しています。
弁護士にとって代表的なキャリアパスの一つと考えて良いでしょう。
司法修習終了後に企業に直接就職する人も増えており、弁護士資格は企業内法務職への就職を希望する人にとって強力なアピールポイントとなっています。
ビジネス実務法務検定
東京商工会議所が実施する「ビジネス実務法務検定」は、ビジネスに必要となる実践的な法律知識を身につけるための検定です。
1~3級まであり、2022年度の合格率は2級が51.6%、3級が83.2%です。
そのため、急にもよりますが、働きながらでも取得しやすい資格の一つです。
なお、1級は2級を合格することで受験可能です。
この資格は法務関連資格の中で知名度が高く、企業は人事異動や採用の際に能力評価
の参考としています。
法務実務経験がない人でも、2級以上の資格を持っていると、転職や就職の際に企業へのアピールに繋がります。
ビジネスコンプライアンス検定
ビジネスコンプライアンス検定を取得することにより、コンプライアンスを体系的に理解していることを示すことができます。
初級と上級の2段階があり、合格率は初級が40%、上級は25%程度です。
この資格はビジネスマンにとって基本的な知識を証明する価値があり、転職や就職の際に評価する企業が増えています。
逆に試験で問われる知識が不足していると、コンプライアンス違反の行動を取るリスクが高まるため、受験をしておいて損はないでしょう。
個人情報保護士
2005年に施行された個人情報保護法に基づき設立されたこの民間資格は、個人情報の適切な管理と運用方法を学ぶことを目的としています。合格率は35~40%で、1~2ヶ月の学習期間が必要です。
この資格は個人情報漏洩事件の影響で社会的に注目され、多くの企業が社員教育の一環として団体受験を推奨しています。
そのため、企業から高く評価され、転職や就職の際に有利になります。
TOEIC
グローバル化を目指す企業が増えている関係で、国際法務の必要性が高まっています。
英語力をアピールすることも、法務への転職では大きな武器となります。
求められる英語力は企業によって異なりますが、まずは700点以上を目指すと良いでしょう。
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法務の転職にTOEICのスコアは求められるのか?
法務の転職で求められるスキルは?
法務には法律の知識を活かしたビジネス面へのサポートが求められます。
そのため、法律に関わる課題を解決するための法知識の豊富さが問われるだけでなく、 ビジネスセンスの有無も重要なポイントとして評価されます。
法務の転職でよく求められるスキルとしては、以下の3つが挙げられます。
課題解決能力+提案力
法務の仕事を大きく分けると、法知識を用いて企業利益の増大を図るための攻めの法務、 社内外におけるトラブルの抑止や予防といった守りの法務、の2つがあります。 どちらにも共通するのは、目の前の課題を解決することであり、そのためには説得力のある提案が欠かせません。
課題は与えられるものだけでなく、自ら見つける必要もあるため、いかに積極的な姿勢で業務に取り組めるかが大切です。
法律知識と柔軟性
法知識を豊富に持っているに越したことはありませんが、必ずしも条文に記載されている通りの運用が求められるわけではなく、 状況に応じて柔軟な運用を図る必要があります。
特に企業で活躍する法務担当者の場合、社内の人間としてビジネスを進めていく必要があるため、リスクがあるからNoと断定するだけでなく、どのようにすればリスクを回避してビジネスを実行できるかといった柔軟な思考が求められます。
語学力
グローバル展開している企業では、社内外の利害関係の調整のために英語をはじめとする外国語の知識が必要となる場面が多く出てきます。
また、昨今では日本語の契約書と併せて英語の契約書を作成するケースも少なくありません。今後もグローバル化は進んでいくだろうことから、語学力は大きな評価ポイントになるでしょう。
コンプライアンス・知的財産の転職情報
昨今、企業のニーズや業界の変化に応じて、法務に求められる専門性は多岐にわたるようになりました。
中でも「コンプライアンス」や「知的財産」分野は、企業の成長に欠かせない役割を担っており、法務職としてキャリアアップを目指す方にも注目されています。
この章では、法務の中でも「コンプライアンス担当」や「知的財産担当」といったポジションに焦点を当て、それぞれの役割や仕事内容、転職のポイントについて解説します。
コンプライアンスの転職
コンプライアンス部門は、企業が法律や規制、業界基準、内部ポリシーを遵守しているかをチェックし、健全な経営を支える重要な役割を担っています。
特に近年では、ハラスメント予防や機密情報保護など、社会的な関心が高まる分野での活動が増えており、企業内での重要性がますます高まっています。
コンプライアンスの仕事内容
コンプライアンス担当の仕事内容は、企業が法律や規制を順守し、従業員が適切に業務を遂行するための基盤を支えるものです。
主に「従業員への教育」と「社内ルールの策定」の2つに分類されます。
仕事 | 内容 |
---|---|
従業員への 教育 |
従業員のコンプライアンス違反を 防ぐための研修や相談対応 |
社内ルールの 策定 |
企業の行動規範や社内規定を明確化、 定期的な基準の見直し |
コンプライアンスの転職のポイント
コンプライアンスの転職には、企業規模や業界によってコンプライアンス担当の役割が異なることを理解することが重要です。
大手企業では法務部門とコンプライアンス部門が独立している場合が多く、それぞれが専門性の高い業務を担当します。
一方、中小企業やスタートアップでは、法務とコンプライアンスが一つの部門に統合されていることが一般的です。
そのため、企業規模によって求められるスキルや役割が大きく変わります。
また、金融や製薬、メーカーなどの業界はコンプライアンスの需要が高いため、業界ごとの法規制や必要知識も理解しておくと、転職活動をより有利に進められます。
業界特有の法規に関する知識を持つことで、より専門的な業務ができるため、即戦力として活躍することができます。
知的財産の転職
企業の知的財産(特許、商標、著作権など)を保護することは、市場競争力の維持とビジネスの成長に欠かせない要素です。
そのため、知的財産を専門とするポジションは、多くの企業で重要視されており、特に技術革新や国際展開が進む業界でニーズが高まっています。
知的財産の仕事内容
知的財産の仕事内容は、企業の特許や商標、著作権といった知的財産の保護と管理を中心に、幅広い業務を含んでいます。
仕事 | 内容 |
---|---|
知財の 発掘と権利化 |
知的財産となりうる技術を発掘し、 特許事務所と連携して権利化 |
知財の 管理と維持 |
特許や商標の更新・管理、 知的財産侵害の調査 |
社内外との 調整業務 |
研究者や特許事務所、 関連企業との密なコミュニケーション |
知的財産の転職のポイント
知的財産分野への転職を目指す際には、特定の技術や分野に関する専門知識が求められるため、業界特有の知識を身につけておくことが重要です。
製造業であれば発明や設計の理解、製薬業界であれば薬事法の知識などが評価されやすく、それぞれの分野に応じたスキルが強みになります。
また、近年では日本国内にとどまらず、海外での知的財産の権利化が進んでいるため、英語や中国語などの語学力も求められる傾向があります。
特に国際的に展開する企業では、海外の技術や法規制に関する理解が転職活動での大きなアピールポイントとなります。
未経験から知的財産への転職を考えている場合は、「知的財産管理技能検定」の取得もおすすめです。
知財に関する基礎的な知識を証明できる資格となり、書類選考や面接でのアピール材料として役立ちます。
法務の年収は高い?
この章では法務の年収について解説していきます。
法務の平均年収
上記は2023年1月~2023年12月の1年間でMS Agentを利用された法務人材の年代別平均年収を集計したデータです。
現在年収を見ると、年齢を重ねるごとに着実に年収が上がっていることがわかります。
法務の転職決定年収
年代 | 平均値 | 中央値 |
---|---|---|
20代 | 4,215,133円 | 4,000,000円 |
30代 | 5,841,957円 | 5,481,000円 |
40代 | 7,215,205円 | 7,098,500円 |
50代 | 7,078,667円 | 7,200,000円 |
60代以上 | 7,723,950円 | 7,746,000円 |
全体 | 5,693,317円 | 5,227,382円 |
※上記データは2023年4月~2024年3月の1年間で、MS-Japanの転職エージェントサービスMS Agentを利用して転職された方のオファー年収に基づいて算出しております。
※オファー年収は月額給与及び定期的に支給される賞与の合計額であり、別途支給される時間外手当や決算賞与等の変動要素がある金額に関しては含まれておりません。
20代、30代、40代においては、平均現在年収よりも転職後の平均年収が上がっていることがわかります。
50代においては、平均現在年収よりも転職後の平均年収の方が下がる結果となりましたが、50代の法務転職のポイントで触れたように、50代という年代は法務に限らず、転職時に年収が下がるケースが少なくありません。
50代は年収を上げるという目的だけでなく、キャリアの集大成としてやりがいを求めたいとう理由で転職する方が多い年代といえるでしょう。
法務の転職で年収アップするには
年収アップを目指すための代表的な方法が転職です。しかし、転職先を慎重に選ばないと、かえって年収が下がるリスクもあります。
この章では、法務で年収アップを成功させるために、どのようなポイントに注目して転職先を選ぶべきか、具体的な方法を解説します。
規模の大きい企業に転職する
事業規模が大きく、従業員数の多い企業は資金力が豊富で、従業員の年収も高い傾向にあります。そのため、大企業への転職は年収アップの可能性が高いです。
ただし、高年収の大企業求人は人気が高く、スキルや年齢、コミュニケーション能力、実績などを総合的に判断されるため、競争も厳しくなります。
年収水準の高い業界に転職する
企業の規模が小さくても、年収基準が高い業界に転職することで年収アップが期待できます。
代表例として、メーカーや金融機関、製薬業界などがあります。これらの業界では専門性が求められるため、法務の年収も高めです。
例えば、メーカーでは知的財産や特許関連の法務が利益に直結するため、年収が高い傾向にあります。金融機関や製薬業界も、業務の難易度が高く年収水準が高いです。
ただし、これらの業界も人気が高く、応募要件も厳しいため、転職の難易度も高めです。
「契約」業務のスキルを高める
「MS Agent」が2023年上半期に募集した法務・知財求人のデータによると、「想定年収の下限が600万円以上」の高年収求人で最も求められていたスキルは「契約」で、全求人の50%を占めていました。
契約業務におけるスキルの向上は、年収アップのカギとなるため、契約書の作成やレビューなどの実務経験を積み、スキルを磨くことが重要です。
マネジメント・管理職求人を狙う
高年収求人では、入社後にマネジメント業務が発生する求人が全体の56%を占めています。
一方、想定下限年収が600万円以下を含む全年収の求人では、マネジメント業務が発生する求人は38%にとどまり、約20ポイントの差が見られます。
このことから、高年収求人の半数以上はマネジメント層、またはマネジメント業務を想定したポジションであることがわかります。
年収アップを目指すには、マネジメント経験を積むことが有利に働くため、管理職やマネジメント業務が求められる求人に挑戦することが重要です。
法務の立ち上げポジションでの求人を狙う
法務の立ち上げポジションは、ベンチャー企業やスタートアップ企業であっても年収が高い傾向があります。
コンプライアンス体制の整備や社内規定の策定、法的トラブルへの備えなどを目的に、法務部の設置を検討する企業が増えているためです。特に上場を目指している企業では、法務の役割が非常に重要です。
法務部の立ち上げを重要課題としている企業は、高い年収を提示して優秀な法務人材を確保しようとするため、転職による年収アップが期待できます。
新しい組織を構築するというやりがいとともに、高収入のチャンスをつかむことができるでしょう。
法務で年収アップした転職成功事例
マスコミ業界から金融業界の法務へ年収アップ転職を成功させたOさんの事例
Oさん(20代後半・男性)
上場マスコミ企業
年収:650万円
上場金融企業
年収:700万円
Oさんは大学卒業後、マスコミ業界で法務として3年間の経験を積み、順調にスキルアップしている実感を持っていました。
しかし、さらなるスキルアップとキャリアアップを目指し、より高度な法務業務に挑戦したいと考え、転職を決意しました。
転職活動当初は、具体的なスキルアップの方向性が定まっていなかったため、幅広い業界の大手企業に応募を開始しました。
選考を進める中で、OさんはM&Aや金融分野でのスキルアップに強い関心を持つようになり、最終的に多様な金融関連事業を展開する東証プライム上場企業への入社を決断しました。
Oさんの事例からわかるように、「自分にとってのスキルアップ」を明確にしながら転職活動を進めることが、キャリア形成において重要です。
自分の目指す専門性と年収アップを両立させるための転職が、Oさんの成功の鍵となりました。
大手からベンチャー企業の法務への転職で年収アップを叶えたSさんの事例
Sさん(30代・女性)
大手上場企業
年収:650万円
IPO準備企業
年収:710万円
Sさんはプライム上場企業で契約法務や株主総会の運営に携わっていましたが、新たな環境でスキルアップを図りたいと転職を決意しました。また、現職でリモートワークが減少し、働き方にも不安を感じていました。
転職活動では「チャレンジできる環境」と「働き方の柔軟さ」を重視し、最終的にIPO準備企業への転職を決めました。
この転職で年収アップを実現し、残業も少なく週の半分はリモートワークが可能な働きやすい環境を手に入れました。
Sさんの事例は、自分の希望に合った環境を選び、年収アップと働き方のバランスを両立させる転職の成功例です。
法務のキャリアパス
法務のキャリアには、管理職としてマネジメントに携わる道や、特定の分野に特化して専門性を高めるスペシャリスト、そして幅広い業務を担うゼネラリストといったさまざまな選択肢があります。
それぞれのキャリアパスには異なる役割やスキルが求められ、今後のキャリア形成に大きな影響を与えます。
法務の管理職
管理職としての主な役割は、部下のマネジメントと人材育成プランの設計、さらにはモチベーションを高める評価システムの構築など、法務部をマクロ的な視点で把握し運営することです。
また、管理職に昇進すると、経営陣からの意見を求められる機会が増えるとともに、法務業務における裁量も増加します。
このポジションでは、企業の期待に応え、多岐にわたるニーズを捉える能力が評価される要素となります。
さらに、管理職としての重要な役割の一つは、重大な法的リスクが判明した際に経営者へ直接進言することです。
法律のバックグラウンドを持たない経営者に対して、法的課題を分かりやすく説明し、現実的な代替案や解決策を提示する能力が求められます。
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法務管理職に求められる能力、想定年収などを解説!
スペシャリスト
スペシャリストとは、特定の仕事や分野に特化し、その領域での深い知識や技術を持つ人のことを指します。
以下に、いくつかのスペシャリストのキャリアパスを挙げます。
契約法務のスペシャリスト
このキャリアパスでは、契約法務の業務を専門に深めます。特定の業界やビジネスの契約業務に精通し、英文契約の適切な処理能力が重要となります。
知財法務のスペシャリスト
知的財産の業務を専門に究めるキャリアパスであり、特許や商標、著作権などの分野に焦点を当てます。
特に、特許関連の業務では深い技術理解が求められ、弁理士資格がキャリア形成に有利となります。
組織法務のスペシャリスト
企業の組織運営に関連する法務業務を専門とするキャリアパスです。株主総会や取締役会の事務局業務を担い、企業法や金融商品取引法などの法令、社内規定や慣習に精通することが求められます。
スペシャリストを目指す際は法務関連の資格を取得することも重要です。資格を取得することで高い専門性と知識を持つことを証明するだけでなく、年収アップに繋がる場合があります。
管理部門のゼネラリスト
ゼネラリストは法務の基本的な知識と技術を基盤としながら、経営企画、総務、人事などの管理部門で幅広い経験を積めることが特徴です。
ゼネラリストは、チーフリーガルオフィサー(CLO)やジェネラルカウンセル(GC)などの役職を目指すことが可能であり、経営目線での意見が求められる機会が多くなります。
なお、転職でゼネラリストを目指す際には、企業の規模や組織体制を確認する必要があります。
大企業では対応しなければいけない量が多いことから業務が細分化され、一人一人の業務の幅が狭いこと場合があります。
一方で中小企業やベンチャー企業では、組織体制がまだ固定されていないため、法務だけでなく管理部門の多岐にわたる業務経験が得られる場合が多いでしょう。
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法務としてのキャリア形成とは?法律知識に加え大切なもの
法務管理職・スペシャリストの求人例
法務(スペシャリスト)
仕事内容 |
・契約法務 ・会社法等の組織法務 ・知財戦略の推進 |
必要な経験・能力 |
<必須> ・法務経験5年以上 ・契約案の作成、審査、交渉支援経験 <歓迎> ・上場企業での法務経験 ・ソフトウェア業界における業務経験 |
想定年収 |
800万円~1,100万円 |
契約法務 課長候補
仕事内容 |
・国内外の契約法務 ・一般企業法務 ・社内プロジェクト業務の法的サポート |
必要な経験・能力 |
・事業会社での法務経験 ・英文契約書の読解、作成スキル ・マネジメント経験 |
想定年収 |
830万円~1,150万円 |
法務の転職に関するQ&A
法務の転職活動において、多く寄せられる質問をまとめました。
法務職への転職を考えている方に向けて、業務内容や企業規模による違い、求人選びのポイントなど、役立つ情報を解説します。
法務にはどのような業務がありますか?
法務の業務は幅広く、主に「法律相談」「契約法務」「ガバナンス」「紛争(訴訟)対応」「コンプライアンス」の5つに分類されます。
・法律相談: 企業内の他部署からの法的問題への助言を行います。新しいビジネス戦略の法的評価や法改正の影響などについても解析・説明し、企業の法的リスクを未然に防ぐ役割を担います。
・契約法務: 契約書の作成や審査が主な業務です。契約に潜むリスクを排除し、法的観点だけでなく、企業の利益を最大化する経営的視点も求められます。
・ガバナンス: ステークホルダーの立場を考慮し、公正かつ透明性のある意思決定をサポートします。情報開示を通じて企業の財政状況を明確にすることで、投資家や株主との信頼関係を築く重要な業務です。
・紛争(訴訟)対応: 取引先とのトラブルや顧客からのクレーム対応、著作権侵害など法的措置が必要な場面に対処します。
・コンプライアンス: 法令や社会的規範、企業倫理を遵守し、企業の信頼性を守るための取り組みを徹底します。特に、SNSによるリスク管理も重要な業務の一つです。
大手企業と中小・ベンチャー企業で法務の業務に違いはありますか?
大手企業と中小・ベンチャー企業では、法務の業務内容や環境に違いがあります。
大手企業では法務部内の人数が多く、業務が細分化されていることが一般的です。特定の分野に集中してスキルを高められる点や、福利厚生が充実していることが魅力です。
一方、中小・ベンチャー企業では少数精鋭のため、幅広い法務業務に短期間で関わる機会が多く、実力主義の企業が多いことから、年齢に関わらず昇進・昇給のチャンスがあります。
また、ベンチャー企業では法務機能を立ち上げる経験や、IPO準備やM&Aに携わることができるなど、やりがいのある業務にも挑戦できる環境が整っています。
どちらを選ぶかは、専門スキルを磨きたいか、幅広い経験を積みたいかによって異なります。
法務の求人選びのポイントはありますか?
法務の求人を選ぶ際は、企業の知名度や規模だけでなく、教育体制やサポート環境を重視することが大切です。
特にキャリアの初期段階では、しっかりとした教育を受けられる企業かどうかを確認しましょう。例えば、法務の先輩がいるか、メンター制度があるかなどは、安心してスキルを身につけるための重要な要素です。
また、求人を選ぶ際には、長期的なキャリアパスを見据えて、自分がどのような経験を積んで成長できるかを考えることがポイントです。
知名度や規模だけでなく、どのようにキャリア形成をサポートしてくれるかを基準に企業を選定しましょう。
まとめ
法務の転職は、他の職種と比較して難易度が高いと言われています。
しかし、適切な対策や準備を行うことで、経験者、未経験者問わず転職を成功させる事が出来ます。
法務の分野は、法律知識や専門性が重要視されるため、転職活動を進める際には、自分の強みを深く理解し、それを企業にどうアピールするかが鍵となります。
さらに、キャリアアップや年収アップを狙う場合には、企業規模や業界、業務内容といったポイントに注目して転職先を選ぶことが重要です。
そうした中で、転職活動をより有利に進めるためには、管理部門・士業に特化した転職エージェント「MS Agent」の利用がおすすめです。
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参考URL
この記事を監修したキャリアアドバイザー
大学卒業後、新卒でITベンダーに入社し、営業としてエネルギー業界のお客様を担当。その後、損害保険会社で法務業務に従事。
キャリアアドバイザーとしてMS-Japanに入社後は、法務、弁護士、法科大学院修了生などリーガル領域を中心に担当。
人事・総務 ・ 法務 ・ 法律・特許事務所 ・ 役員・その他 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!
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