Big4コンサルに転職するには?各社の特長や選考のポイント、キャリアパスについて解説!



グローバルファームであるDeloitte、PwC、KPMG、EYの4社を指して「Big4」と呼びます。
「Big4」という言葉自体は聞いたことがあるものの、どのような業務を行っているのか分からないという方も多いかもしれません。
本記事では、Big4コンサルの基礎知識や転職するためのポイント、キャリアパスなどを解説します。
Big4への転職成功事例や求人事例などもまとめているので、転職に関心をもっている方はぜひ参考にしてください。
そもそもBig4って?
Big4とは、Deloitte、PwC、KPMG、EYの4つの巨大グローバルファームを指します。
それぞれのグループ内にはコンサルティングファーム、監査法人、税理士法人等が所属しており、それらを呼ぶ際に「Big4」という冠を付けて、Big4コンサル、Big4監査法人、Big4税理士法人といいます。
Big4の共通点として、会計コンサルを中心として、M&Aアドバイザリーや企業再生業務など、企業の経営課題をワンストップで提供している点が挙げられます。
グループに属している監査法人、税理士法人などと協業することで幅広い分野において、高い専門性を発揮できるため、企業の経営課題をワンストップですべて対応できる体制が整っていることから「総合系コンサルティングファーム」とも呼ばれています。
Big4コンサル各社の特徴
以下に、Big4コンサルそれぞれの特徴についてご紹介していきます。
デロイト トーマツ コンサルティング
デロイト トーマツコンサルティングは、デロイト・トウシュ・トーマツの一員として最大規模の総合コンサルティングサービスを展開しており、クロスボーダー案件を得意としています
人材の成長を重視しており、徹底した人材育成を行っているのが特徴的です。
採用時には「一人前のコンサルタントに成長できるかどうか」を採否の判断基準としており、入社後も社内でしっかり面倒を見ながら、コンサルタントとしての成長を支援する文化が根付いています。
PwCコンサルティング
PwCコンサルティングは、グローバルに広がるPwCグループの一部として、多様な専門知識をもつプロフェッショナルと連携し、幅広いビジネスソリューションを提供しています。
個人の自主性を大切にする社風であり、多様なバックグラウンドをもつ人材が在籍しているため、ダイバーシティが生み出す新たな発想や付加価値を武器にしながらクライアントの経営課題の解決をサポートしています。
「やさしいコンサル」をコンセプトに、フラットでオープンなコミュニケーション文化が育まれており、気軽に上司や同僚と相談できる環境下、チームとして連携しながらビジネスを進められることが特徴です。
KPMGコンサルティング
KPMGコンサルティングは、ビジネストランスフォーメーション、テクノロジー、リスク&コンプライアンスの3分野に焦点を当てたサービスを提供しています。
少数精鋭の組織であり、中途採用者も多いため、新しい視点と多様な経験を活かしたプロジェクトが展開されています。
若手でも積極的にプロジェクトに参加し、リード経験をもてるようなチャレンジ精神を大切にする風土であるため、若いうちからプロフェッショナルとしての成長を図りやすい環境です。
プロジェクト型のコンサルティングを提供しているため、経営視点を身に付けやすいのも魅力です。
EYストラテジー・アンド・コンサルティング
EYストラテジー・アンド・コンサルティングは、グローバルに展開するEYグループの一員として、多様なビジネス領域に対する高度なコンサルティングサービスを提供しており、特にデジタル技術とAIの活用に長けています。
Big4の中で唯一、パーパス経営の概念を取り入れており、社会的な課題解決にも力を入れているのが特徴の1つです。
比較的穏やかでクールな社風であり、国内外のプロジェクトにおいても多数対応しているなど、海外とのコラボレーションも積極的に行っています。
Big4コンサルの仕事内容
以下、Big4コンサルの仕事内容をまとめて解説します。
Big4コンサルの仕事
Big4コンサルでは、クライアント企業が抱えるさまざまな課題に対して、専門知識やスキルを活用してコンサルティングを行っています。
扱っている領域の幅広さが特徴で、具体的な例を挙げれば、経営戦略や業務プロセス、IT、リスク管理、財務、M&Aなど多種多様です。
上流から下流まで一貫したコンサルティングを実施しており、戦略立案から実行支援、その後の運用まで幅広い業務を担当しています。プロジェクトの成果を確認し、必要に応じて改善策やさらなる提案を行いつつ、クライアントの長期的な成功をサポートします。
コンサルタントは、特定のプロジェクトにアサインされ、プロジェクト単位で働くのが基本です。
職位やプロジェクトによって役割は変わりますが、マネジャーやパートナーではない一般的なコンサルタントは、クライアント企業の分析や仮説検証などを行います。
Big4コンサルの仕事の進め方
Big4コンサルの仕事の進め方は、プロジェクト単位でチームアップして仕事を進めるのが基本です。プロジェクトの開始時に、クライアントの課題に応じた専門スキルを持つメンバーがアサインされます。
アサインされたメンバーの役割はさまざまです。プロジェクトマネージャーは全体の進行管理を担当し、クライアントとのコミュニケーションやスケジュールの調整を行います。
その他のメンバーは、分析作業や戦略立案、実行支援、データ収集など、各自の専門分野に基づく業務を担当します。
最初にクライアントの現状を調査・分析し、次に戦略や改善策を立案し、実行に移すのが基本的な流れです。フェーズごとにチームで進捗を確認し、クライアントとの共有やフィードバックを行いながら進めます。
プロジェクトの成果物は、クライアントに提出する最終報告書や提案書などの形でまとめられます。
Big4コンサルの具体的な仕事内容
Big4コンサルの具体的な仕事内容は、「提案フェーズ」「デリバリーフェーズ」の2つに分けられます。
提案フェーズでプロジェクトの提案・受注が行われ、その後デリバリーフェーズで実際にプロジェクトが進行します。
【提案フェーズ】
業務 | 内容 |
---|---|
依頼 | クライアントから特定の問題や課題、もしくはビジネスチャンスに関する相談を受ける。 |
提案・受注 | 課題に対して提案書を作成する。 クライアントと交渉を行い、条件が合意されれば、正式にプロジェクトが受注される。 |
【デリバリーフェーズ】
業務 | 内容 |
---|---|
仮説立案 | 解決すべき問題や検討すべき論点を明確化し、問題解決のための仮説を構築する。 |
分析 | 関係者へのヒアリングや市場調査、社内データの分析を行う。 |
戦略立案 | クライアントの課題解決に向けた具体的な戦略を立案する。 |
実行支援 | クライアントとコンサルティングチームが協力して戦略を実行する。 具体的には、業務プロセスの見直しや新しいシステムの導入など。 |
フォローアップ | 実行支援後、プロジェクトの成果を検証し、期待通りの効果が出ているかを確認する。 必要に応じて改善策を提案し、クライアントのニーズに応じたフォローアップを行う。 |
提案フェーズでの戦略的アプローチと、デリバリーフェーズでの具体的な実行支援が組み合わされており、クライアントに対して一貫したサポートを行うのがBig4(コンサル)の特徴です。
Big4コンサルの選考の特長は?
以下、Big4コンサルの選考に関して詳しく解説します。
選考フロー
Big4コンサルの選考は、各社によって若干異なりますが、「書類選考」「適性検査(Webテスト)」「面接(2〜3回)」という流れが基本です。
最初のステップは書類選考です。履歴書や職務経歴書などを提出し、これまでの学歴や職務経験、スキルセットがポジションに適しているかどうか評価されます。
書類選考を通過した応募者は、適性検査(Webテスト)を受けます。コンサルタントとして必要な分析能力や、問題解決のためのロジカルシンキングが重要視される部分です。
適性検査を通過したら、複数回の面接が行われます。
「1次面接(グループ面接または個別面接」「2次面接(個別面接)」「最終面接」といった流れです。
Big4コンサルといえども、一般的な大企業を受ける際とそれほど大きな違いはありません。
面接のポイント
Big4コンサルの面接で評価されるポイントは、コンサルタントとしての適性と覚悟です。
コンサルタントは、複雑な問題を分析し、最適な解決策を導き出すことが求められます。
面接では、これまでの経験を通じてどのように課題を対処してきたか、具体的なエピソードを交えて論理的に説明できるかが重要です。
面接では、コミュニケーション能力も評価ポイントです。どれだけ明確で簡潔に自分の考えを伝えられるか、質問に対して適切に応答できるかが評価されます。
チームでの協力やクライアントとの関係構築なども求められるため、協調性も重要な要素です。
コンサルタントとしての覚悟も、面接で確認されます。とくに意識したいのは、「なぜそのファームを選び、応募したのか」という点です。
Big4の各ファームは、それぞれに独自の強みやカルチャーがあります。「特定の業界に強みをもっている」「企業文化が自分に合っている」など、特定のファームを選んだ理由を理路整然と説明できるかが重要です。
なぜそのファームで働きたいのか、そしてどのようにそのファームでキャリアを積んでいきたいのかという長期的なビジョンも求められます。
さらに、自分のスキルをどのように活かして貢献できるかを明確に伝えられると、面接官からの評価も高まるかもしれません。
求められる人物像
Big4コンサルが求める人物像は、応募者のキャリア段階によって異なります。
大きく分けて「第二新卒」と「それ以外のキャリア層」の2つです。
第二新卒の採用では、ポテンシャルが重視されます。
過去の経験を簡潔でわかりやすく伝える能力は必要ですが、それ以上に、学歴やスキルが選考基準の中心です。
将来的にコンサルタントとして成長できるかどうかが見られ、「学歴」や「英語力」が重視されます。
- ・学歴:上位の国公立大学(旧帝国大学など)や、早慶上理レベル、さらにはMARCHレベル
- ・英語力:TOEICスコア700点以上
第二新卒以上のキャリア層に対しては、これまでの職務経験や特定の業界での知識が重要な選考基準です。
たとえば自動車業界やエネルギー業界などでの経験は、転職時に有利になりやすいとされています。事業会社の経営企画やマーケティングなど、職種によっても転職時に評価されるでしょう。
Big4への転職で求められるスキルや資格
Big4(コンサル)に転職する際には多くのスキルや資格が求められますが、まず必要となるのが語学力です。
グローバルな環境で働くため、英語のコミュニケーション能力は必須とされており、前述のようにTOEIC700点以上が基準となります。この目安よりもさらに高いスコア800〜850点をもっていると、転職に際して有利に働くでしょう。
また、ビジネスで使用する英語以外の言語能力も評価される場合があります。公認会計士、税理士、中小企業診断士など、専門的な資格も評価要素です。
これらの資格をもっていることで、コンサルティング業務の基本的な知識とスキルをもっていることが認められ、転職の際に有利に働くことがあります。
さらに、Big4は厳しい成果主義の環境であるため、個人の業務スキルを向上させる意欲と能力が求められます。
大規模プロジェクトを任されることもあり、飛躍的な成長の機会も提供されるでしょう。
これらのプロジェクトは通常、チームで進められるため、優れたコミュニケーション能力や協調性も要求されます。
Big4コンサルのキャリアパス
Big4コンサルの職位は、以下の通りです。
Big4コンサル | 職位 |
---|---|
デロイト トーマツ コンサルティング |
ビジネスアナリスト → コンサルタント → シニアコンサルタント → マネジャー → シニアマネジャー → ディレクター → パートナー |
PwC コンサルティング |
アソシエイト → シニアアソシエイト → マネジャー → シニアマネジャー → ディレクター → パートナー |
KPMGコンサルティング |
ビジネスアナリスト → コンサルタント → シニアコンサルタント → マネジャー → シニアマネジャー → ディレクター → プリンシパル → パートナー |
EYストラテジー・アンド・ コンサルティング |
コンサルタント → シニアコンサルタント → マネジャー → シニアマネジャー → ディレクター → アソシエイトパートナー → パートナー |
ビジネスアナリストは、通常1〜2年、もしくは3年前後で次の職位に昇格することが一般的です。
この段階では、基本的なコンサルティングスキルを習得し、プロジェクトでの実務経験を積むことが求められます。
コンサルタントは、3年前後で次の職位に昇格しますが、場合によっては5年ほどかかることもあります。プロジェクトでの役割や貢献度によって昇進のスピードはさまざまです。コンサルタントは、プロジェクトの実行フェーズで中心的な役割を担います。
シニアコンサルタントからマネジャーへの昇格は、実績やプロジェクト成果により決まります。チームをリードする立場に立ち、クライアントとの直接的なやり取りが増える段階です。
プロジェクトの成功度やクライアントからの評価などが、マネジャーへの昇格に影響します。
マネジャー以降は、完全に結果次第で昇格が決まります。コンサル業界は基本的に成果主義であり、マネージャークラスに昇格できないまま転職するケースも珍しくありません。
Big4への転職成功事例
MS Agentを利用し、Big4への転職に成功した2つの事例をご紹介します。
大手監査法人からコンサルファームへ!(20代・公認会計士)
大学在学中に公認会計士に合格し、大手監査法人で順調にキャリアを積み重ねていたものの、監査以外の面からもクライアントに貢献したいとの思いから転職を希望されていました。
当初は転職先について漠然としたイメージをもっているのみでしたが、キャリアアドバイザーとの面談を重ねてご自身が本当にやりたいことを明確にできた結果、FAS系コンサルファームへの転職に成功されました。
もう一度、大手監査法人へ!(30代・公認会計士)
大手監査法人から独立系の会計コンサルティング会社の立ち上げに参画して活躍されたものの、後々になってワンパターンな業務にも違和感をもつようになり、キャリアを見直すことに。
その結果、大手監査法人でキャリアを再構築したい、今まで経験してこなかった業務にもチャレンジしたい、とのご意向をもつようになりました。
大手監査法人も非監査の業務を積極的に獲得している状況下、会計監査の実務経験者であり、アドバイザリー業務にも積極的に携わっていきたいという姿勢が評価され、比較的スムーズにBig4監査法人からの内定を得ることができました。
Big4の求人事例
MS AgentではBig4を含めたコンサルティングファームや監査法人などの求人も取り扱っています。ここではその一部をご紹介します。
Big4コンサルティングファームのPMI・経営統合コンサルタント
ポジション |
PMI・経営統合コンサルタント(Transaction Strategy and Execution) |
仕事内容 |
・経営統合関連サービス(プロセス管理および統合価値実現のための各種アドバイザリー業務) ・会社・部門分割(カーブアウト・セパレーション)・Divesture関連サービス ・事業計画の精査、シナジーマネジメント、組織・業務の統合プランニング |
想定年収 |
700万円 ~ 2,000万円 |
世界最大規模の業務・戦略コンサルティング会社【事業再生コンサルタント】
ポジション |
事業再生【BRS】 |
仕事内容 |
・経営戦略・事業戦略・成長/撤退戦略、M&A戦略の策定 ・ビジネスデューディリジェンスの実施 ・再生計画、業務改善施策の策定及び実行支援 ・ステークホルダー向け交渉支援(取引金融機関、株主や債権者等) ・国内及びクロスボーダーのM&A、グループ子会社再編等のディール戦略策定及び実施支援 ・海外市場(再)進出または撤退等の検討及び実施支援 |
想定年収 |
500万円 ~ 1,500万円 |
まとめ
Big4は、各社それぞれ異なる強みをもっており、社風も異なります。転職を考えている場合は、Big4でもなぜそこを選んだのかを明確に説明できるよう準備しましょう。
Big4各社の社風をもっとよく知り、求められる資質を把握したい場合は、エージェントを活用するのがおすすめです。
求人の紹介だけでなく、面接対策などさまざまなサポートが無料で受けられます。MS Agentにお気軽にお問い合わせください。
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この記事を監修したキャリアアドバイザー

大学卒業後、不動産会社にて個人向けの営業を経験。その後MS-Japanへ入社。会計事務所・コンサルティングファーム・監査法人・法律事務所・社会保険労務士事務所等の法人側担当として採用支援に従事。現在はキャリアアドバイザーも兼務し一気通貫で担当しております。
会計事務所・監査法人 ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ 税理士科目合格 ・ USCPA を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!
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