人事経験者は転職しにくいのか?キャリアップするために必要なスキルを紹介!
「転職のしやすさ」という意味では、人事は専門職であるため、転職しやすい職種という一面はあるといえるでしょう。
一方で、その業界や会社ごとの特色や文化が色濃く反映される仕事でもあるため、汎用性の高いスキルと低いスキル(どこでも通用する能力や経験と、今の会社でしか活用できない経験やスキル)をしっかり区別して考えていく必要があります。
この記事では、人事の業務領域を整理した上で、今後のキャリアアップや転職について解説します。
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目次
- 人事の業務領域を整理
- 人事経験者の転職の方向性
- 人事経験者が転職してキャリアアップするためには
- 人事職へ転職するためには
- コンサル系企業に転職するためには
- キャリアアップにつながるスキルや経験
- ①人事企画の構築経験
- ②調整・交渉スキル
- ③人事業務の横断的な経験
- ④マネジメント経験
- ⑤人事以外の管理部門経験
- 人事も資格がある方が有利?
- 転職前に知っておきたい!人事の平均年収
- MS-Japanでの人事の転職成功事例
- まとめ
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人事の業務領域を整理
まず、人事の主業務である①採用・②教育研修・③労務・④制度の4つを説明していきます。ここではそれぞれの業務概要と持っていると強みになるスキルを紹介します。
①採用
<主な業務内容>
・採用計画の立案
・採用手法の選定
・エントリー管理・適性試験・書類選考の実施や管理
・面接の実施や関係部署への各種連絡
・採用・不採用の判断
・内定通知の発送
・内定後の事務処理 など
<強みになるスキル~採用~>
・採用する領域がたくさんあること(新卒・中途・障がい者雇用)
・採用手法を多く持っていること(エージェント・媒体・ダイレクトリクルーティング・採用広報(Twitter・Instagramなど)
②教育研修
<主な業務内容>
・人材開発計画の策定
・人材開発施策の実施・評価
・人材開発の関連業務 など
<強みになるスキル~教育研修~>
・社内の課題を発見し企画に落とし込めること
③労務
<主な業務内容>
・給与計算
・勤怠管理
・社会保険の手続き
・就業規則の作成管理
<強みになるスキル~労務~>
・給与計算・社会保険などの業務に携わっていること
・システム導入・改定の景観があること
④制度
<主な業務内容>
・福利厚生制度
・評価制度
・賃金制度
<強みになるスキル~制度~>
・評価制度・賃金制度の経験があること
人事経験者の転職の方向性
人事経験者の転職について
・人事職へのスライド的転職
・他職種へのチャレンジ的転職
2つの方向性で考えていきます。
人事職へのスライド的転職
人事職への転職は人事経験者の転職活動の王道と言えます。現在の経験年数にもよりますが、基本的に人事職は専門職となりますので、これまでの経験を活かす方向で転職活動をすることになるでしょう。
よくある転職理由として、今の会社では意思決定や業務範囲が狭い、待遇に不満があるなどがあります。
他職種へのチャレンジ的転職
他職種へ転職する場合でも、できるだけ人事としての経験を活かせる仕事がベターです。
例えば、事業会社の人事から組織構築や人事制度の構築/改善を主とするコンサルティング会社への転職です。本業として人事に関わるのではなく、これまでの経験を活かして人事のプロとして他社に対してアドバイスするコンサルタントへの転職です。
組織作りがミッションの人事は会社経営に深く関わる仕事のため、人事コンサルだけでなく戦略コンサルなど経営自体のコンサルティング業務とも意外と親和性が高いと言えます。
人事経験者が転職してキャリアアップするためには
人事経験者がキャリアップするための転職について、人事職へ転職する場合とコンサル系企業に転職する場合で見てみましょう。
人事職へ転職するためには
人事職へ転職する場合には、他社でも人事職として働くうえで通用する経験を積んでいる人が、有利に転職できる可能性が高くなります。
人事の仕事は専門職とはいえ、自社でしか通用しない業務もあります。
勤怠管理や福利厚生の手続きといった汎用性の高い業務は、転職において有利な経験といえるでしょう。
コンサル系企業に転職するためには
コンサル系企業に転職する場合には、人事制度の構築について、会社経営や組織を高い視点から俯瞰することができる人、および案件をスムーズに処理できるスキルをもった人が、有利に転職できる可能性が高くなります。
コンサル系企業が人事制度構築を行う際には、まず「クライアント企業にとって理想の組織・人材がどのようなものであるか」を経営層の考え方を考慮しながら検討し、具体的な制度として立案しなくてはなりません。
また、人事制度構築にあたっては、社内の摩擦が生じることが多くなります。いかに、摩擦を発生させずにスムーズに処理できるかも、コンサル系企業では問われることになります。
キャリアアップにつながるスキルや経験
人事経験者が転職してキャリアアップするためには、以下のようなスキルや経験があれば大きな差別化要素となるでしょう。
①人事企画の構築経験
会社によって呼び方や名称はさまざまですが、会社の経営方針や課題解決といった高い視点から組織構成や人員配置、採用計画の策定などいわゆる「上流」の仕事をした経験を指します。
人事は単に採用や評価を行う仕事ではなく、組織作りから会社の成長に貢献する仕事といわれています。いかに企業経営を理解し、組織の観点に落とし込めたか、どれだけ全体を俯瞰できたかをアピールできれば、人事の実務能力だけでなく汎用性の高いマネジメント能力があることをアピールできます。
②調整・交渉スキル
人事は調整の多い仕事です。例えば採用の現場であれば、求職者・エージェント・配属先の部署など利害関係が必ずしも一致しない関係各所との調整や交渉をしていかなくてはなりません。
このような経験は多職種でも発揮出来る強みになります。
自分の仕事を振り返り、どのような場面でどのような苦労があったか、その結果周囲の人々にどのような影響を与えたのか、準備しておくとよいでしょう。
③人事業務の横断的な経験
人事業務と一括りに言っても、採用・教育研修・労務・制度のカテゴリに分かれていて、業務領域が異なります。スタッフクラスであれば、まずは人事軸でキャリアを考えていくことになるため、幅広い人事業務領域で経験を積んだ方の市場価値が高いです。
④マネジメント経験
実務経験とは別軸で、人事考課を含んだマネジメント経験があると、市場価値の向上につながりやすいです。
⑤人事以外の管理部門経験
マネージャークラスになると、人事だけでなくそのほかの管理部門経験がある方は強みになります。
人事も資格がある方が有利?
結論、資格があるからといって必ずしも転職に成功できるわけではありません。
転職においては実務経験が最も重視されるため、必須ではないものの、取得しておいて損はありません。下記資格は人事職においても活かすことができる資格です。
検定資格の合格水準レベルのスキルを証明できるため、モチベーションアップや履歴書に記載することを目的に取得するのもよいでしょう。
・MOS:マイクロソフトオフィスのワード、エクセル、パワーポイント、アクセス、アウトルックのスキルを証明する資格
・人事総務検定:一般社団法人人事総務スキルアップ検定協会が主催し、LECが指定講習実施団体として実施する、人事総務部の知識及び実務能力に関する検定
・ビジネスキャリア検定:ビジネスキャリア検定は、事務系職種のビジネスパーソンが段階的・計画的に自らの職業能力を習得することを支援するための検定
転職前に知っておきたい!人事の平均年収
20代後半~30代前半の一般社員・主任クラスでは、人事職の年収の目安は350万円~450万円です。
30代後半以降の人事職の年収目安は、下の表の通りです。
年齢 | クラス | 人事職年収 |
---|---|---|
30代後半 | 係長 | 450万円~550万円 |
40代前半 | 課長 | 550万円~700万円 |
40代後半 | 部長 | 700万円~900万円 |
MS-Japanでの人事の転職成功事例
会社の安定性だけではない!?自身のスキルで安定性を担保していく
【今回の成功者】
Aさん、34歳/女性
転職前:安定している数千名規模の事業会社 人事担当(年収:580万円程度+諸手当)
転職後:成長中の数百名規模の事業会社 人事担当(年収:550万円程度)
経験:新卒採用メインに中途採用も一部対応、新入社員研修の対応経験あり。
転職する上で、安定性も重視したいが、スキルアップできる環境がいい!
Aさんの転職理由は組織上の問題で他部署へ異動することが決まってしまい、引き続き人事職でキャリア構築をしていきたいというご意向から転職に踏み切られました。前職は安定した企業であったため、転職先としても安定感を求めている一方で、ご自身の市場価値を上げるべく、人事スキルも磨いていける環境を希望されておりました。
安定した中堅企業の管理部門全般ポジションもしくは成長企業の採用ポジション
Aさんは転職活動をスタートされた後、ご経験や人柄が評価され、順調に転職活動を進められておりました。最終的に、安定している中堅企業の管理部門全般ポジションと成長企業の採用ポジション2つから内定を獲得されました。
中堅企業に関しては、管理部門全般ではあるものの、人事経験を積みながら、経理や総務などゼネラルに経験できるポジションで、前職に似た業界で長く勤めれば着実に昇格・昇給できる環境の会社様でした。
一方で、成長企業の採用ポジションでは、IT系の事業を展開されており、様々な採用手法を駆使して優秀な人材を獲得されている企業で、採用業務一つを取っても深い経験を積めることができる環境でした。
Aさんは、非常に悩まれておりましたが、これまで経験してきた採用をより深められることに加え、スピード感を持って常に新しいことにチャレンジできる成長企業の採用ポジションへの転職を決断されました。
会社の安定性だけではなく、自身のスキルで安定性を確保していく!
現在、求人依頼を多くいただく業界はIT企業が非常に多くなっており、今後もこのような状況は継続されることが予測されます。
このような環境化の中で、採用担当者に求められるスキルは、ITエンジニアの採用経験やさまざまな採用手法を駆使して、優秀な人材を採用した経験があるかです。
このような経験を持っていると、市場価値は非常に高くなり、会社の安定性に捉われず、ご自身のスキルで収入や生活、キャリアの安定性を担保することができます。
そのため、転職を考えられている方は、ご自身のスキルをどう上げていくかを視野に、転職活動に取り組んでいただくのも選択肢として良いかと思います。
まとめ
人事経験者は、これまでの業務やスキルによっては、ポジションやコンサルタントなど、高待遇となる転職につながります。
内定件数を増やしてキャリアの選択ができるよう、人事領域の知識を深めて多様な経験をしていきましょう。
そのために、何が足りなくて今後どのようなキャリアを築いていくことが理想なのか、明確にしてプランを設計していきましょう。
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