2024年11月19日

社会保険労務士(社労士)試験の難易度・合格率は?勉強時間や資格を活かせるキャリアなど

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社会保険労務士は、社会保険・労働関係の法律に関わる書類作成や給与計算など幅広い業務を任せられることから、採用を検討する企業にとって魅力的な人材として評価されやすくなります。

この記事では、資格取得のための社労士試験について取り上げるとともに、試験に合格した後のキャリアについてもご紹介していきます。

社労士試験の難易度・合格率

直近5年間の合格率からみた社労士試験の難易度

受験申込者数 受験者数 合格者数 合格率
令和6年 53,707人 43,174人 2,974人 6.9%
令和5年 53,292人 42,741人 2,720人 6.4%
令和4年 52,251人 40,633人 2,134人 5.3%
令和3年 50,433人 37,306人 2,937人 7.9%
令和2年 49,250人 34,845人 2,237人 6.4%

社労士試験は、新型コロナウイルス感染症が拡大した令和2年を除き、5万人以上が受験する人気の資格です。
一方で、令和2年~令和6年における合格率の平均は6.6%と非常に難易度が高いことが分かります。

社労士試験の難易度が高い理由

社労士試験の難易度が高い理由の一つとして挙げられるのが、試験範囲の広さです。
試験科目は8科目(労働基準法及び労働安全衛生法、労働者災害補償保険法、雇用保険法、労務管理その他の労働に関する一般常識、社会保険に関する一般常識、健康保険法、厚生年金保険法、国民年金法)あり、それぞれの科目について合格基準点が設けられているため、いずれかを捨てることもできません。

試験方式についても、択一式と選択式の2つのパターンに対応しなければならず、どちらか一方を落としてしまえば試験に合格できません。

また、社労士試験で問われる法律の内容は、毎年のように法改正されているので、常に最新の知識にアップデートしないといけない点も、難易度が高い要因と言えるでしょう。

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社労士試験の内容・合格ライン

社労士試験の概要は下記となります。詳細は『社会保険労務士試験オフィシャルサイト』をご確認ください。

基本情報

受験資格 以下①~③のいずれかを満たす者
①学歴
大学、短大、専門学校、専門大学、他学校の卒業
②実務経験
健康保険組合、国または地方公務員、日本郵政公社、全国健康保険協会、日本年金機構、 社会保険労務士の補助者等
③試験合格・資格
社労士以外の国家資格、司法試験予備試験、行政書士試験
受験料 15,000円(振込手数料は自己負担)
試験会場 指定された都道府県より選択可能
※申し込みの受付順となるため、定員を超えた場合は近隣の会場へ変更の可能性あり
試験スケジュール 試験案内配布・申し込み:4月中旬~5月下旬
試験日:8月第4日曜日
合格発表:10月初旬

試験科目・配点

■選択式試験/試験時間:80分

試験科目 問題数(配点)
労働基準法
労働安全衛生法
3問(3点)
2問(2点)
雇用保険法 5問(5点)
労務管理その他の労働に関する一般常識 5問(5点)
社会保険に関する一般常識 5問(5点)
健康保険法 5問(5点)
厚生年金保険法 5問(5点)
国民年金法 5問(5点)
合計 40問(40点)

※「労働基準法」と「労働安全衛生法」は混合問題として出題

■択一式試験/試験時間:210分

試験科目 問題数(配点)
労働基準法
労働安全衛生法
7問(7点)
3問(3点)
労災保険法
労働保険料徴収法
7問(7点)
3問(3点)
雇用保険法
労働保険料撤収法
7問(7点)
3問(3点)
労務管理その他の労働に関する一般常識
社会保険に関する一般常識
5問(5点)
5問(5点)
健康保険法 10問(10点)
厚生年金保険法 10問(10点)
国民年金法 10問(10点)
合計 70問(70点)

合格ライン

合格基準点は、選択式試験・択一式試験のそれぞれの総得点と科目ごとに設定されます。特定の科目だけに注力するのではなく、まんべんなく対策をする必要があります。

なお、相対評価はありませんが、合格基準点自体は合格発表日と合わせて公表となります。 直近5年間の合格基準点の推移は下記となりますので、参考にしてみてください。

■選択式試験

合格基準点
令和6年 総合得点25点以上かつ各科目3点以上
(労務管理その他の労働に関する一般常識は2点以上)
令和5年 総合得点26点以上かつ各科目3点以上
令和4年 総合得点27点以上かつ各科目3点以上
令和3年 総合得点24点以上かつ各科目3点以上
令和2年 総合得点25点以上かつ各科目3点以上

■選択式試験

合格基準点
令和6年 総合得点44点以上かつ各科目4点以上
令和5年 総合得点45点以上かつ各科目4点以上
令和4年 総合得点44点以上かつ各科目4点以上
令和3年 総合得点45点以上かつ各科目4点以上
令和2年 総合得点44点以上かつ各科目4点以上

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社労士合格までに必要な勉強時間

社労士試験に合格するために必要な勉強時間の目安は1,000時間とされています。1日3時間勉強すると仮定しても1年近くかかる計算となり、社労士試験を突破するのが、いかにハードルが高いものかがわかります。

このため、社労士試験の平均受験回数は4回前後といわれています。 もちろん個人差も生じますが、8科目をすべてマスターした状況で試験に臨まなくてはならない点を考えると、いかに効率の良い学習を進めていくかが大きなポイントとなります。

社労士試験は毎年8月の第4日曜日に実施されているため、勉強時間を最低でも1年程は捻出しなければならないことを考えると、8月~9月から翌年度に向けて受験勉強のスケジュールを立てる必要があるでしょう。

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社労士試験の勉強法

スクールに通う方法もありますが、独学で社労士試験に挑む場合には、勉強スケジュールを事前に明確にしておくのがおすすめです。
基礎を身につける期間、応用力を習得する期間、総まとめを行う期間、それぞれに分けた場合、9月から1月までの5ヶ月間は基礎を、2月から6月までは応用力を、7月と8月で総まとめと直前対策をスケジュールのアウトラインとします。
そして、1カ月あたりの勉強量、1週間あたりの勉強量を落とし込み、1日あたりの学習の目安を立てていくと、社労士試験本番までの計画性ある学習がしやすくなります。

自分に合ったテキスト選びも重要なポイントとなりますが、それ以上に、選んだ1冊をしっかりとやり抜くことのほうがずっと大切です。
特に基礎を身につけるための期間は、その後のスケジュールに大きな影響を及ぼすため、より一層の気合を入れて勉強に臨む必要があります。

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社労士試験を合格した後の流れ・キャリア

晴れて社労士試験に合格した後は、「2年以上の実務経験」または「事務指定講習修了」を経たうえで、社労士登録が完了します。
社労士の資格を活かせる勤務先は以下があります。

社労士事務所

個人・企業問わず様々なクライアントの人事課題を解決する社労士事務所は、社労士にとって最もポピュラーな勤務先です。

社会労働保険の手続きや労務相談などの専門的な業務のみを行えるため、社労士としてのキャリアを徹底的に積みたい方将来社労士事務所を開業したい方におすすめです。
一方で、求人数が少なく、資格を取得していても転職の難易度が高く、転職活動の際は長期間かかる可能性が高いことを想定しておきましょう。

一般企業

社労士試験に合格すれば、人事・総務を中心としたバックオフィス業務の広い範囲をカバー出来ます。特に「勤務社労士」は法改正や人事課題が発生した際に外部に依頼する必要がなく、スムーズに解決できるため需要が高まっております。

一般企業で働くメリットとして、社労士事務所よりも求人数が多く、希望の条件で働ける可能性が高い点が挙げられます。また、収入が安定しているのも魅力の一つです。
ただし、「勤務社労士」としての採用ではない場合は社労士としての業務以外も行います。そのため、社労士業務の経験を積みたい方で一般企業も視野に入れる場合は、業務内容を念入りに確認しておきましょう。

コンサルティング会社

コンサルティング会社では、採用コストの見直しや法改正に伴う対応など、人事に関する相談対応を担います。中には社労士事務所が併設している場合もあります。
コンサルティング会社で働くと、社労士としての経験が積めるだけでなく、クライアントの経営にも関わることができる点が特徴です。

社労士事務所以外の士業事務所

税理士事務所では、社会保険労務士が在籍していることで、税金・労務・社会保険に関するサービスをワンストップでクライアントに提供できるようになるといったメリットがあります。
なお、法律事務所や税理士事務所での勤務でも、社労士の業務内容が変わることはありません。また、社労士事務所と同様に求人数は非常に少なく、転職難易度は高いと言えます。

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社労士の資格を活かせる求人例

MS-Japanは、人事・総務をはじめとする管理部門と社労士を含む士業に特化した転職エージェント「MS Agent」を運営しています。
ここでは、社労士の資格を活かせる求人の一部をご紹介します。

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仕事内容
・人事・労務管理及び経営全般に関するコンサルティング
・労務・社会保険手続き
・給与計算
・各種規定作成
・助成金申請 等
必要な経験・能力
・実務経験者(事業会社での経験者も歓迎)
・社会保険労務士有資格者
・excel、wordの基本操作
想定年収
350万円 ~ 700万円

成長著しいベンチャー企業にて総務労務求人の募集!

仕事内容
・給与計算
・社会保険関連
・勤怠管理
・社内規程・規則の制定・審査
・人事評価制度の運営全般
必要な経験・能力
<必須>
・労務業務のご経験者
<歓迎>
・社労士資格者
想定年収
500万円 ~ 800万円

柔軟な働き方が可能/医療・福祉分野に特化した老舗の企業より人事労務コンサルタントの募集

仕事内容
・就業規則の作成/改訂支援
・社会労働保険関係の手続き代行
・人事コンサルティング業務補助
必要な経験・能力
<必須>
・社会保険労務士有資格者(取得予定者含む)
<歓迎>
・社労士事務所または社労士法人での勤務経験3年以上
・医療機関での人事労務実務経験3年以上
想定年収
400万円 ~ 600万円

まとめ

難易度の高い社労士試験を突破するには1,000時間近い学習を積み重ねて8教科をマスターしなければならないので、かなり険しい道となりますが、社労士試験に合格して社会保険労務士になれば、キャリアの幅がグッと広がるのでチャレンジしてみる価値は十分にあります。

資格取得後のキャリアを検討している方は、弊社MS Agentに是非ご相談下さい。
弊社は管理部門に特化した転職エージェントであり、社労士資格が活かせる求人を多く揃えています。また、働きながら資格取得の勉強をしていきたいという方に向けた求人もご紹介できます。

社労士試験合格後のビジョンが明確になると、勉強のモチベーションアップにもつながりますので、お気軽にご相談下さい。

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この記事を監修したキャリアアドバイザー

柴 優太朗

大学卒業後、現職(MS-Japan)へ入社。
入社後は、RA(リクルーティングアドバイザー)として100社以上を担当し、業界問わずスタッフクラス~管理職クラスまで幅広い中途採用支援に従事。
異動の機会をいただき、2021年4月からCA(キャリアアドバイザー)として、管理部門及び士業領域幅広い方の転職支援に従事しています。

経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 法務 ・ 経営企画・内部監査 ・ 役員・その他 ・ 社会保険労務士事務所 ・ 公認会計士 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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