人事が社労士を取得するメリットは?求人や転職成功事例もご紹介!
社労士(社会保険労務士)は難易度の高い国家資格であり、取得できれば、独立開業を目指すことも可能です。もちろん、社労士を取得して、事業会社で人事労務部門に勤めている人も少なくありません。
この記事では、人事担当者が社労士資格を取得するメリットや、社労士試験の概要などについて解説します。さらに、社労士資格を活かせる求人例や資格取得者の転職成功事例も紹介します。
社労士試験の合格率・難易度、勉強時間は?
社労士試験とは、社会保険労務士法にもとづき、厚生労働大臣の指示によって全国社会保険労務士会連合会が実施している国家資格試験です。試験科目は、以下の計8科目です
・労働基準法及び労働安全衛生法
・労働者災害補償保険法(労働保険の保険料の徴収等に関する法律を含む)
・雇用保険法(労働保険の保険料の徴収等に関する法律を含む)
・労務管理その他の労働に関する一般常識
・社会保険に関する一般常識
・健康保険法
・厚生年金保険法
・国民年金法
選択式と択一式の問題があり、選択式が8問(計40点)、択一式が70問(計70点)の計78問が出題されます。合格基準点は試験の総得点及び科目ごとに定められ、すべてが合格基準に達した場合にのみ合格となります。総得点の得点率は例年約65%です。合格基準点は合格発表と同じ日に公表されます。
【参照元】
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社会保険労務士試験オフィシャルサイト:試験の概要
受験資格は、学歴または実務経験によって取得できます。学歴は、大学・短期大学、専門学校、厚生労働大臣が認めた学校などの卒業が条件です。実務経験は、労働社会保険諸法令の規定にもとづき設立された法人の役員または従業者、国または地方公共団体の公務員など、日本郵政公社の役員または職員などが条件です。
学歴、実務経験ともに受験資格は細かく規定されています。くわしくは以下のサイトで確認してください。
【参照元】
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社会保険労務士試験オフィシャルサイト:受験資格について
2023年10月4日に発表された社労士試験の最新合格率は、6.4%(受験者数42,741人、合格者数2,720人)です。また平成26年(2014年)度から令和5年(2023年)度の10年間では、最高が平成26年(2014年)度の9.3%、最低が平成27年(2015年)度の2.6%です。
過去10年の合格率を平均すると6.5%であり、非常に難易度の高い資格試験であることがわかります。
合格率が低く推移している最大の理由は、試験範囲の広さにだと考えられています。
社労士試験に合格するためには約1,000時間の勉強が必要だというのが多くの資格試験支援サイトの見解です。もちろん勉強時間には個人差はありますが、十分な勉強時間を確保することが必要不可欠だと言えるでしょう。
人事が社労士資格を取得するメリット
人事が社労士資格を取得するメリットには「人事労務関連業務に活かせる」「法的に身を守れる」「独立開業を目指せる」などがあります。
人事労務関連業務に活かせる
まず、社労士資格を取得によって身についた知識は、社会保険手続きや労働相談などの人事労務関連業務に活かすことができます。企業の人事労務職では、社労士の知識をすぐ業務に役立てられます。上述した通り、社労士資格を取得するには幅広い法律の知識が必要であり、この知識は人事労務の現場において問題を解決する際の大きな力となるでしょう。
法的に身を守れる
いざというときに、従業員や自分自身を法的に守れるようになることも人事が社労士資格を取得するメリットのひとつです。上述した通り、社労士には労働関係法令に関する深い知識が必要とされます。たとえば、労働関係法令に抵触するような行為に対しては、法令を根拠に撤回や是正を求めることが可能です。また、自らの意思にそぐわない不正行為を押し付けられることも回避できるようになるでしょう。
独立開業を目指せる
社労士資格には独占業務があるため、将来的に独立開業を目指すことが可能です。企業内で人事として経験を積めば、実際の現場での知識や経験も増え、独立開業に役立ちます。
国内で社労士登録している人の数は4万人強と、弁護士と同程度であり、絶対数としては少なくないように思えるかもしれません。しかし、国内の企業数は約380万社あり、安定したニーズがあります。勤務社労士から独立開業すれば、収入は増加し、キャリアアップにもつながるでしょう。
社労士資格は人事の転職も有利に!
人事への転職において、社労士の資格取得は間違いなく武器となりますが必須ではありません。 他の職種と同様に、資格よりも実務経験の方が転職市場で評価されます。
しかし、社労士資格取得に向けた勉強で、体系的な人事業務の知識を身につけることができるため、転職活動においてアピールポイントとなるでしょう。 また、社労士を取得するまでにどのような工夫をしたかを伝えることで、まじめに業務に取り組める人材であるとアピールできます。
社労士資格を活かせる求人例
以下に、MS-Japanで取り扱う社労士資格を活かせる求人の例をご紹介します。
国内大手繊維メーカーの労務リーダー候補募集(フルフレックス制・リモート有)
仕事内容 |
・勤怠・給与関連業務(外部ベンダーとの連携あり) ・ベア・一時金交渉関連業務 ・規制改廃・立案 ・確定拠出型年金関連業務 ・従業員らの問い合わせ対応・社外関係者(顧問社労士事務所等)との連携 ・その他福利厚生・労務管理業務 |
必要な経験・能力 |
<必須> ・給与計算/社会保険手続きの実務経験がある方(事務所・事業会社問わず) <歓迎> ・社労士資格をお持ちの方 ・人事制度の運用に携わったご経験のある方(サポート等含む) |
想定年収 |
500万円 ~ 700万円 |
給与計算事務募集(キャリアアップ制度あり)
仕事内容 |
・給与計算・社会保険事務のアウトソーシング業務 ・人事労務管理業務のプロセス調査(現状フロー調査) ・人事労務管理業務のプロセス改善(BPR)コンサルティング ・中小中堅企業に向けた業務デジタルシフト(選定・導入)コンサルティング ・社会保険労務士のアシスタント |
必要な経験・能力 |
<必須> ・基本的なPCスキル(Excel/Word) ・当該業務においてスキルを身につけたい意欲のある方 <歓迎> ・給与計算・社会保険業務の実務経験がある方 ・社会保険労務士の有資格者 ・マネジメントや人事労務コンサルティング業務に興味のある方 |
想定年収 |
300万円 ~ 500万円 |
デジタルマーケティング・コールセンター業界トップの上場企業の社労士業務マネジメント募集
仕事内容 |
・現場メンバーの管理・指示 ・顧客への報告業務(数値集計、資料作成等) ・業務の進捗管理 ・お問い合わせ対応(TEL、メール) ・その他関連業務 |
必要な経験・能力 |
<必須> ・社会保険労務士資格(もしくは資格登録者)保有 ・なにかしらのマネジメント経験(新人教育でも可) ・社労士業務の実務経験 <歓迎> ・資料作成が得意な方(Excel、PowerPoint等) ・業務マニュアル作成経験 ・業務改善の取り組み経験など |
想定年収 |
500万円 ~ 655万円 |
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社労士の求人情報
社労士資格を保有している方向けの求人一覧ページです。上場企業の人事労務や社労士事務所の求人など企業・事務所両方の求人を確認できます。
またサイト上に公開されている求人はごく一部の求人です。会員登録することでより多くの求人をご確認することが可能です。
社労士資格取得者の転職成功事例
次に、弊社MS-Japanを利用して、準大手社労士法人からIPO準備企業に転職した社労士取得者の事例をご紹介します。
- Mさん(30歳 男性)
- 転職前:社労士法人(年収:650万円)
- 転職後:IPO準備企業(年収:650万円)
Mさんは、社労士法人で従業員100名から5,000名程度の中堅・大手企業向け労務コンサルティング業務に従事していました。コンサルタントとして企業組織作りに携わるなかで、企業内で自身の経験を活かしてみたいと考えるようになり、転職活動を開始しました。
社労士資格や社労士法人での経験が高く評価され、大手企業の人事担当者とIPO準備企業のマネージャー候補の内定を得られました。
大手企業は、事業の安定性や福利厚生、高い年収水準などの魅力がありましたが、Mさんが選択したのはIPO準備企業でした。IPO準備企業のマネージャーであれば、社労士法人で培った経験を存分に発揮でき、大きな裁量権を持って組織形成を行えると考えたことが理由です。年収は前職と同等ですが、転職先企業は働き方改革に積極的であり、新しい制度作りにも携わるチャンスがある点もMさんにとっては大きな魅力でした。
また、転職先企業ではIPOを準備していることもあり、IPOを達成できた場合には貴重な経験となるだけでなく、将来的にはCHRO(Chief Human Resource Officer:最高人事責任者)のポジションを狙うこともでき、大きなキャリアアップのチャンスが得られます。
Mさんの場合は、よりチャレンジングな選択をしましたが、社労士資格取得者であれば、安定した大手企業も挑戦できるIPO企業も、どちらも狙うチャンスがあるでしょう。
まとめ
社労士は、合格率10%未満という難易度の高い国家試験です。ただし、労働関係法令に関する幅広く、深い知識が必要とされる社労士資格を取得できれば、事業会社への就職や転職には大きなアドバンテージとなります。企業内でさまざまな経験を積めば、さらなるキャリアアップを図ったり、独立開業を目指したりすることも可能です。
社労士資格を活かした転職を検討している場合は、社労士をはじめとする士業と管理部門に特化した転職エージェント「MS Agent」にご相談ください。
この記事を監修したキャリアアドバイザー
大学卒業後、外資系小売り業に就職、セールスマネジメントや採用、教育研修を経験。
人がいかに業績を左右するかについて認識し、現職のMS-Japanに転職する事を決断。
入社以来、東海エリアのキャリアアドバイザーとして、キャリアチェンジやスキルアップを目的とした若年層の支援を中心に担当しております。
経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 法務 ・ 経営企画・内部監査 ・ 会計事務所・監査法人 ・ 役員・その他 ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!
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