経理の転職情報|最新の経理転職市場や転職成功の秘訣を徹底解説!



この記事では、30年以上に渡って経理・財務人材の転職をサポートしてきた管理部門・士業特化型転職エージェント「MS Agent」が教える経理の転職ノウハウやオススメ求人を紹介しています。
企業規模・業種を問わずニーズの高い経理だからこそ、市場価値向上や働き方・待遇改善などのために最新の転職市場や求人情報はこまめにチェックしましょう。
経験者向け経理転職の3つのポイント
経理の実務経験者が転職の際に抑えるポイントは、
・実務経験とキャリアプランが伝わる志望動機
・企業が求めるスキルや経験の把握
・年齢に合わせた自己PR
未経験者向け経理転職の2つのポイント
未経験から経理への転職を目指す場合は、
経理の役割や仕事内容を理解した上で、
・経験をカバーできる資格
・経理関連の業務経験の洗い出し
を行いましょう!
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「高年収求人」「リモート求人」「大手企業求人」「未経験可求人」など希望に合わせた求人を幅広く扱っています。
経理×高年収の求人・転職情報
公共事業を手掛けるIPO準備中企業の財務経理(プレマネ)
仕事内容 |
◆単体・連結決算業務 ・月次連結、制度連結(連結対象子会社 11社) ・連結パッケージの企画・作成 ◆IPO準備に伴う業務 ・決算単身や有価証券報告書の作成、開示体制の構築 ・監査法人の対応 ・経理財務に関わる内部統制の改善・強化 ◆経理チームの部下指導やフォロー業務 ◆グループ会社経理サポート・指導(出張対応:有) ・上記を進めるにあたり、監査指摘事項の改善や決算早期化の指導・サポート業務 |
必要な経験・能力 |
・経理実務経験をお持ちの方(目安:5年以上) ・連結決算(連結パッケージ作成など)経験者 |
想定年収 |
800万円 ~ 1,060万円 |
IPO準備中IT・WEB企業の経理部長
仕事内容 |
・IPO準備に伴う財務経理部門の体制構築 ・月次、四半期、年次の決算資料作成および経営陣へのレポート ・経理チームメンバーの採用・育成・指導 ・内外部監査役との協力 ・会計監査対応 ・内部統制の強化と既定の策定 |
必要な経験・能力 |
いずれか必須 ・上場企業での経理課長以上の経験 ・経理面にてIPO準備に携わった経験 |
想定年収 |
800万円 ~ 1,200万円 |
経理×リモートの求人・転職情報
日本最古の出版社の経理担当【リモート・フレックス】
仕事内容 |
・伝票起票及び伝票チェック(社員立替経費精算、外部支払等) ・報酬料金等のチェック・支払処理及び源泉所得税の支払 ・販売システム等からデータ連携 ・社内外からの問い合わせ対応 ・売掛金・買掛金管理 など |
必要な経験・能力 |
・事業会社での年次決算業務経験 |
想定年収 |
600万円 ~ 1,000万円 |
IPO目前企業の財務経理【リモート・フルフレックス】
仕事内容 |
・ 連結決算処理、開示書類作成 ・ 監査法人及び主幹事証券会社との折衝関連 ・ 経理財務部メンバーのマネジメント、スキルアップ ・ 月次、年次の決算財務体制の安定的運用 ・ 会計ガバナンスの構築・運用 ・ 会計処理基準等の整備・運用 ・ M&A案件等対応 |
必要な経験・能力 |
・連結決算の経験 |
想定年収 |
720万円 ~ 960万円 |
経理×未経験可の求人・転職情報
【未経験歓迎】グローバルメーカーの経理財務スタッフ
仕事内容 |
・原価管理・集計 ・数値分析、レポート作成(Excelのグラフ使用) ・月次損益資料作成補助 |
必要な経験・能力 |
・日商簿記3級以上の会計知識 ・基本的なExcel操作グラフ作成 |
想定年収 |
400万円 ~ 600万円 |
【未経験歓迎】創業65年超の安定企業の経理
仕事内容 |
・仕訳入力 ・入出金管理 ・現預金管理 ・請求書作成等 ・給与計算 ・月次試算表作成、決算業務、管理会計業務 ・電話対応や その他経理業務に付随する業務 |
必要な経験・能力 |
職種未経験歓迎・業種未経験歓迎 <必須> ・日商簿記3級程度の知識 |
想定年収 |
340万円 ~ 420万円 |
経理×大手企業の求人・転職情報
大手上場グループ企業の経理
仕事内容 |
・決算業務(四半期・年次) ・親会社(一部上場企業)への連結レポート作成 ・キャッシュフロー管理 ・予算策定 ・予実分析 など |
必要な経験・能力 |
・経理実務のご経験(月次補助レベル~) |
想定年収 |
600万円 ~ 900万円 |
オフィスもお洒落な大手空間デザイン企業の経理リーダー
仕事内容 |
・仕訳・入出金業務 ・伝票起票・支払処理 ・月次・四半期決算業務 ・連結決算書作成(補助) ・法定開示書類作成(補助) ・税務申告(各種申告書作成補助) |
必要な経験・能力 |
・月次決算取り纏めや年次決算を担当した経験 ・日商簿記2級以上の資格 |
想定年収 |
600万円 ~ 750万円 |
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【2024年】経理・財務の最新転職市場動向
2024年における経理・財務の転職市場は、求人倍率が1倍を超える求人過多の状態であり、2024年内は同様の状況が続くと予想されます。
経理・財務全体で見ると求人倍率は2021年以降右肩上がりですが、経理・財務”未経験者”を対象とした求人の割合は前年対比横ばいの状況であり、”経験者”ニーズの高まりが、求人倍率の増加に寄与していると言えます。
業種別に見ると、製造業の求人が最多で、次いでIT・通信業界やサービス業のニーズが多い状況です。
2023年5月のコロナ5類移行後、出社頻度は増加傾向ですが、2023年に募集された経理・財務求人の内、半数以上がリモートワーク可能です。今後も継続してリモートと出社のハイブリッド勤務が可能な企業も少なくありません。
また、コロナ禍と働き方改革の流れを受けて、フレックス制度を導入する企業が増加傾向にあります。
2024年の経理・財務転職市場は、転職者有利な状況が続き、多くの選択肢の中から、働き方や待遇など、個人の希望に応じた職場選択がしやすい状況と言えるでしょう。
詳しくはコチラ:【2024年最新版】経理・財務の転職市場動向を徹底解説!
経理の平均年収・年収アップの可能性
この章では経理の年収事情について、平均年収と年収アップ方法に分けて紹介します。
経理の平均年収
令和5年賃金構造基本統計調査によると、経理を含む「会計事務従事者」の平均年収は485万円です。
これは、同調査における全職種の平均年収448万円と比較して、約40万円高い水準となっています。
また、年齢別の平均年収は以下の通りです。
年齢 | 経理 | 全職種 |
---|---|---|
20~24歳 | 315万円 | 320万円 |
25~29歳 | 397万円 | 374万円 |
30~34歳 | 465万円 | 412万円 |
35~39歳 | 502万円 | 451万円 |
40~44歳 | 542万円 | 478万円 |
45~49歳 | 550万円 | 498万円 |
全年代 | 485万円 | 448万円 |
「25~29歳」以上の全年代で、経理の平均年収は全職種の年収を上回っています。
さらに、年齢が上がるごとにその差が拡大する傾向にあります。
詳しくはコチラ:経理の平均年収はいくら?年収アップのポイントをご紹介
経理で年収アップする方法
前述のとおり、経理の平均年収は全職種の平均と比較して高めです。
しかし、経理として転職を考えている方の中には、さらに「年収アップ」を希望する方も多く見受けられます。
実際、2023年にMS Agentに登録した経理転職希望者の約5人に1人が、転職理由として「年収アップ」を挙げています。
経理の実務経験者が年収アップを目指すうえで最も重要なのが、実務経験です。
年収を上げるために日商簿記などの資格取得を考える方もいますが、経理の現場では資格による知識よりも、実際の業務で戦力となることが重視される傾向があります。
特に、「決算業務」や「マネジメント」の実務経験が、キャリアアップや年収アップにつながります。
また、転職も年収アップの重要な選択肢の1つです。
経理は、売上を直接生み出す部署ではないため、経理の年収は業種や企業規模に依存します。
年収水準が低い業種や、規模の小さい企業では、努力しても希望する年収に届かない場合があります。
このような場合には、希望年収を実現できる業種や企業への転職が、年収アップへの近道となります。
詳しくはコチラ:経理経験者が転職して年収を上げるには!?おすすめ求人も公開!
経理への転職が難しいと言われる理由とは?
経理の仕事内容からも分かるように、経理の仕事はすべての企業で必要とされるため、管理部門の中では比較的求人が多く、常に需要がある職種です。
しかし、経理への転職活動を始めた方の中には、「経理への転職が難しい」と感じる方も少なくありません。
経理への転職が難しいと言われる主な理由は、「経理職の人気の高さ」と、それに伴う「競争率の高さ」です。
経理で身に付けられる専門的なスキルは、業種を問わず汎用性が高く、経理としての経験を積むことで市場価値の高い人材になることができます。
そのため、経験者、未経験者を問わず、多くの方が経理への転職を希望し、結果として転職のハードルが上がっています。
特に、年収が高い企業やリモートワーク・フレックス制度など柔軟な働き方が可能な求人は、倍率が非常に高い傾向にあります。
そのため、経理として一定の経験を積んだ方であっても、希望条件に合う企業への転職が決定するのは簡単ではありません。
詳しくはコチラ:経理の転職は難しい?未経験・経験別に転職成功へのポイントをご紹介!
経理への転職を成功させるポイント
この章では経理への転職を成功させるポイントを3つ解説します。
経験とキャリアを明確にした志望動機
経理の転職では、転職後に「即戦力」として活躍できるかが重視されます。
採用担当者は、求職者が実務経験を積んでおり、即戦力として期待できるかを選考で判断します。
そのため、志望動機では企業が求める人物像に結びつく具体的な経験をアピールすることが重要です。
また、これまでの経験だけでなく、転職後のキャリアビジョンを明確に示すことで、「なぜその企業でなければならないのか」が伝わる志望動機になります。
経理の転職選考で評価される志望動機については、次の章で詳しく解説します。
求められるスキル・経験を把握する
「経理の転職」といっても、求人によって求められるスキルや経験は大きく異なります。
即戦力となるスキルを求める求人もあれば、管理職や管理職候補としてマネジメント経験を重視する求人もあります。
そのため、求人の募集要項から求められるスキルや経験を正確に把握し、自分の経験やスキルをどのように自己PRに結びつけるかを考えることが重要です。
また、経理の求人全般で求められるスキルや知識については、「経理の転職で求められるスキル・知識」の章で解説します。
自分の年齢に合わせたアピールポイントを抑える
「転職は35歳限界説」という言葉があるように、転職の難易度は年齢によって異なります。
年代ごとに求められるスキルや経験が異なるため、自分の年齢に応じたアピールが求められます。
特に30代以上では、資格や知識だけでは足りない場合が多く、実務経験や具体的な成果が問われる傾向があります。
年齢に応じた強みを明確にし、採用担当者に響くアピールポイントを準備しましょう。
年代別の経理の転職ポイントについては、「【年代別】経理の転職のポイント」をご確認ください。
経理の志望動機の作成方法
経理経験者の志望動機のポイントとしては、「何の業務をどこまでできるかを明確にする」「転職先で活かせることや新たに挑戦したい仕事を明確にする」の2点を意識しましょう。
何の業務をどこまでできるかを明確にする
まずは、どのような経理業務に携わってきたかを具体的に説明します。
たとえば、日常の帳簿管理や決算業務、税務申告などです。
経理業務は組織体制や企業規模によって、担当者1人が対応する業務範囲が異なります。
こうした部分も考慮し、わかりやすく説明できるのが理想です。
転職先で活かせることや新たに挑戦したい仕事を明確にする
転職先で活かせることに関しては、これまでの経験を新しい職場でどのように活かせるかを具体的に示します。
たとえば、「過去に効率化やコスト削減に貢献した経験を挙げ、それを新しい職場でも実現したい」などです。
新たな挑戦への意欲の表明も重要です。
新しい環境で学びたいことや、専門性を深めたい分野を明確に説明しましょう。
また、その新たな挑戦が、長期的なキャリアプランとどのように結びついているかを説明することも重要です。
応募先企業での長期的なキャリア構築への意欲を示せるため、プラスの評価につながりやすくなります。
転職理由の具体的な例文は以下の記事でご紹介しています。
転職前に考えておくべき経理のキャリア
経理の転職では、求人探しなどの転職活動を始める前に、経理のキャリアについて深く考えておきましょう。
特に、書類選考や面接で志望動機を伝える際には、将来のキャリアを明確にすることで、自分が進みたい方向性を具体的に示すことができます。
経理の王道キャリアプラン4選
経理の王道キャリアプランには、以下の4つがあります。
- ・経営に携わる上位職を目指す
- ・中小企業から大企業の経理へ転職する
- ・資格を取得し独立開業する
- ・外資系企業に転職
目指すキャリアプランによって、必要となるスキルや経験は異なります。
そのため、早い段階で自分が進みたい方向性を描き、計画を立てておくことが大切です。
また、キャリアプランに「正解」はありません。
自分の価値観や目標に基づいた方向性を考え、実現するための具体的な方法をキャリアアドバイザーに相談するのも良い手段です。
キャリアプランを考える際の落とし穴
経理としてキャリアプランを描く際には、注意すべきポイントがいくつかあります。
全て予定通りにいくとは考えない
理想が高すぎるキャリアプランは、現実とのギャップを埋めるのが難しくなる場合があります。
必要に応じて柔軟に見直すこともキャリアプランを考える上で重要です。
また、身近な上司や先輩をロールモデルとして参考にすると、現実的な目標を設定しやすくなります。
経理からのキャリアチェンジも視野に入れる
経理のキャリアプランといっても、「最終的なゴールが経理でなければならない」と考える必要はありません。
特に経理は経営に関わる数値を扱うため、経営企画や会計系コンサルタントなど、他分野へのキャリアも視野に入ておくとよいでしょう。
経理の転職理由
この章では、「経理のよくある転職理由」と「面接で評価される転職理由の伝え方」について見ていきましょう。
経理のよくある転職理由
2023年1月~12月の1年間で、MS-Japanの転職エージェントサービス「MS Agent」に登録いただいた経理・財務の転職希望者を対象に独自調査を行った結果、以下のような結果になりました。
最も多かった理由が「スキルアップ」の41.3%でした。経理は1年間の業務の流れがおおよそ決まっているため、何年も同じ職場にいると、どうしても成長の鈍化を感じてしまいがちです。
転職によって新しい業務にチャレンジして、スキルアップしていきたいという方はやはり多いことがわかります。
また、「会社の将来性不安」や「年収アップ」も20%前後と、約5人に1人が転職理由として挙げていることがわかります。
経理の仕事は売り上げに直結しないため、評価に繋がりにくく、他の部署に比べて昇給昇格が遅い、またはある水準で年収が頭打ちになってしまうという企業もあります。
また、「会社の将来を考えるとこれ以上の年収アップは期待できない」と、会社の将来性に不安を覚えて転職される方も少なくありません。
詳しくはコチラ:経理でよくある転職理由は?転職活動で損をしない伝え方を解説!
面接で評価される転職理由の伝え方
「人間関係」「スキルアップ」「年収アップ」等、経理担当者が転職を考える理由は人それぞれですが、応募先企業への伝え方に悩む方は多いでしょう。
前向きな転職であれば、ありのままの転職理由を伝えれば問題ありませんが、職場環境や待遇面が転職理由の場合、前職での不満をそのまま採用担当者に伝えることは好ましくありません。
その一方で、矛盾するようですが、前向きな内容のみの転職理由は、実はあまり印象がよくないこともあります。
本音の部分の不満を隠しすぎて、前向きなことのみしか語らない場合 、本心が見えづらい為、伝え方には注意が必要です。
転職理由を伝えるときは、本音を隠しすぎずかつ前向きな理由を加えて伝えることがポイントとなります。
例えば残業を減らしたいのであれば、「残業を減らして資格の勉強をしたいと考えている」「子どもが生まれたので、子どもとの時間が取れる仕事に就きたい」などの、具体的な理由を伝えると本心から話している印象になり、心象が良くなりやすいと言えるでしょう。
以下の記事では例文付きで経理の転職理由の伝え方を解説していますので、転職理由の伝え方に悩んでいる方は参考にしてみてください。
詳しくはコチラ:【例文付】経理の転職理由は伝え方が重要!面接官に評価される伝え方や転職成功事例を紹介
経理の面接でよく聞かれる質問と注意すべきポイント
経理は、経験業務・知識によって担当業務が異なるため、何の業務をどこまで経験しているのかを具体的に伝える必要があります。面接準備の際には、これまでに経験した職務内容や実績などを詳細に洗い出す「キャリアの棚卸」を行いましょう。
「キャリアの棚卸」では、実績だけを洗い出すのではなく、自分が携わった業務でどんな役割を担ったか、気をつけたことは何か、それによってどのような結果が得られたかなど、過程を中心に振り返ることがポイントです。
一般的に経理の求人は、実務を担う一般職と幹部候補・管理職候補の二通りです。
一般職では、経験業務によって担当業務の振り分けが決定されます。そのため、具体的な業務内容をしっかりと伝えることが重要です。
幹部候補・管理職候補の場合は、マネジメント経験が重視されますが、何名規模の部門でどのようなマネジメント業務を経験していたのかを詳細に伝えましょう。
詳しくはコチラ:【経理の面接でよくある質問集】逆質問で聞くべきことや注意点など
経理の転職で求められるスキル・知識
この章では、経理の転職で特に求められる3つのスキルと知識を紹介します。
「簿記」に関する知識
経理の基本的な考え方や仕訳を理解する上で、「簿記」に関する知識は必須です。
特に日商簿記2級は、経理スタッフとして必要な簿記知識を証明する資格として、多くの求人で募集要項に記載されています。
「簿記」の知識をアピールする上で、取得しておくと非常に有効な資格と言えるでしょう。
ITスキル
近年では、会計ソフトやクラウドサービスを活用することが経理業務の一般的なスタイルとなっています。
これらのツールを効率的に使いこなすためのITスキルは、転職市場で求められるスキルの一つです。
さらに、AI技術を活用して経理業務の効率化を図る動きも進んでおり、AIを適切に活用できる能力も、経理担当者にとって重要な力量と見なされます。
そのため、ITスキルの向上は転職活動でアピールポイントとなるでしょう。
コミュニケーションスキル
経理の仕事は単に数字を扱うだけではありません。
関係部署や経営陣に対して、財務報告や予算案を説明する必要があるため、優れたコミュニケーションスキルが求められます。
特に、予算案を提案する際には、相手を納得させるための説得力が重要です。
ただ一方的に自分の意見を押し付けるのではなく、相手の立場を理解した上で話し合う能力が求められます。
経理の転職で有利な資格5選
スキルや知識を客観的に証明する意味で、資格の取得も転職で武器になります。
経理に役立つ資格は20以上ありますが、中でも転職に役立つ資格を5つ紹介します。
- ・日商簿記2級
- ・ビジネス会計検定
- ・FASS検定
- ・公認会計士
- ・税理士
経理の転職市場で最もメジャーな資格は「日商簿記2級」です。
「経営管理に役立つ知識として、企業から最も求められる」レベルとして位置づけられており、実際に多くの経理求人で募集要項に記載されています。
また、ビジネス会計検定やFASS検定も経理や会計に関する知識やスキルを証明できる資格です。
公認会計士と税理士は、それぞれ独占業務をもつ難関国家資格です。
これらの資格を取得することで、一般的な経理担当者としてではなく、企業内会計士や企業内税理士として転職することが可能です。
【年代別】経理の転職のポイント
この章では、年代別に経理の転職のポイントをご紹介します。
20代
20代の場合、経理経験がすでにある方もいれば、他業種から第二新卒やキャリアチェンジで経理を目指す人もいるでしょう。
以下に、経理経験者、未経験者に分けて転職のポイントをご紹介します。
経理経験者の場合
コロナ禍から徐々に経済が回復し、企業の業績が向上しているため、経理職を求める企業が増えている一方で、人口減少や少子高齢化により、働き手としての人材は不足しています。
特に20代で経理経験を持つ人材が少ないため、多くの企業で経理部門は若手人材が足りていない状況です。
経理業務ではビッグデータやAI技術を駆使した自動化が進みつつあるため、ITスキル・リテラシーが必要とされるようになり、デジタル領域に強い若手の需要が高まっています。
20代の経理経験者が転職する際には、ITパスポートなどのIT関連の資格を取得するなど、IT関連の知識を身に着けておくと、転職時に有利に働きます。
経理未経験者の場合
経理の求人では経験やスキルが重視されるため、未経験者や第二新卒者よりも経験者が優遇されることは事実です。しかし、未経験・第二新卒でも応募できる求人は一定数存在します。
経理の実務経験がない、もしくは少ない場合は、簿記や税務の資格を取得して知識レベルを示すことができます。20代の場合は、簿記2級以上の資格が転職活動に役立ちます。
簿記2級は、経理業務における基礎的な知識を身につけることができる資格で、応募条件として簿記2級必須条件にしている求人も多く見受けられます。
未経験から経理への転職を目指す場合、まずは簿記2級を取得しましょう。
30代
経理の転職における30代は、即戦力スキルが求められます。
20代であれば、第二新卒としてポテンシャル採用されるケースもありますが、30代になると、経験値や実務スキルが評価ポイントとなります。
そのため、主な経理経験やスキルを棚卸しして、応募先企業でどのように貢献できるか具体的に伝えることが重要です。
主に求められるスキルとしては、以下が挙げられます。
経理スキル
経理関連業務のスキルは大きく以下のように分類されます。
・主計 …単体の決算や連結決算
・財務 …資金繰りやデットファイナンス、エクイティファイナンス
・税務 …法人税などの申告
・管理会計 …予算や費用・収益などについての分析
30代であれば、決算業務の経験があれば十分に転職が可能でしょう。
加えて、財務、税務、管理会計などの経験がある場合はプラス評価になるため、転職時のアピールポイントになります。
コミュニケーションスキル
経理業務がシステム化されている近年は、単純作業がシステムに置き換えられ、上流工程の経理スキルを持つ人材のニーズが高まっている傾向です。
例えば、現場から届く取引の記録を見て、「今どんな取引を行っているのか」 「経理上どんなことが問題となり得るのか」 を推測し、現場にアドバイスできる人材が評価されるでしょう。
現場から相談を受けた場合に「○○だからダメ」と単に答えるのではなく、 「〇〇だからダメですが、△△ならできるかもしれません。クライアントとは□□と交渉してみてはどうでしょう?」 などのアドバイスができるコミュニケーションスキルが求められます。
マネジメントスキル
30代後半に近づいてくると経理職においてもマネジメントスキルが求められるケースが多くなります。
管理職経験があれば、多くの企業において強いアピールポイントになります。しかし、管理職経験はなくても、例えば プロジェクトチームのリーダーとして部下や後輩の指導・評価を行った経験などは大きな評価の対象になります。
また、システムの新規導入を担当するなど業務改善・プロジェクトマネジメントを行った経験も、マネジメントスキルの一つとして評価されます。
40代
40代の場合、経理の実務経験が求められることはもちろん、課長職・部長職といった役職に就く年代に差し掛かるため、実務経験以外にもビジネスマンとしてのスキルも求められます。
主に求められるスキルとしては、以下が挙げられます。
40代経理に求められるスキル
<経理業務経験>
40代の経理人材は、即戦力として経理業務の経験を求められます。具体的には、日次業務はもちろん、月次・年次の決算業務までの経験を有していることが望ましいでしょう。
<マネジメントスキル(素質)>
40代になるとマネジメント経験、もしくは管理職・マネージャーとしての素質も求められるようになります。
マネジメント経験がある場合は、経験した内容を具体的に話す準備をしましょう。経験年数や部下の人数、プロジェクト管理や教育・研修の経験などを具体的に言語化しておくことが重要です。
<柔軟性>
40代には転職先の会社の風土やルールに対応できる柔軟性も重要です。
選考時には、部署移動の経験や、新しいことに積極的に挑戦した経験など、柔軟性をアピールできるエピソードを用意しておくことをおすすめします。
40代経理人材が転職する際のポイント
40代の経理人材が転職する際のポイントとしては、転職活動期間を長めに見込んでおくことが重要です。
企業が20代、30代の採用を検討する際、任せたい業務経験が十分でなくても、ポテンシャルを見込んで採用オファーを出すケースも少なくありませんが、40代を採用する場合、採用企業側は応募者の経験業務と任せたい業務内容を勘案し、即戦力で活躍してくれる人材を求める傾向が強くなります。
そのため、40代の場合は経験業務と採用側のニーズのマッチングがより細かくなってくるため、双方の希望条件が合致する企業・求人を探すこと自体に時間を要する可能性が高くなります。
転職活動時は初めから短期で決めようとせず、数か月スパンでの転職活動になる可能性を念頭に置いておきましょう。
少しでもスムーズに転職活動を進めたい方は、転職エージェントをうまく活用しましょう。
転職エージェントは、キャリアアドバイザーに希望の条件を伝えれば、最適な求人情報を紹介してもらえます。
選考の日程調整や内定後の条件調整なども代行してくれるので、現職中でも効率的に転職活動を進めることができます。
50代
近年の転職市場では、50代の経理求人は増加傾向にあります。60代でも働いているのが当たり前となった昨今、50代での転職はより身近なものになったと言えるでしょう。
経理はここ数年高い求人倍率をキープしており、採用意欲が高い企業では50代の人材採用も積極的に行っています。
また、経験したことのある業務が幅広いほど即戦力として評価されやすいため、50代の経理人材は十分に転職が可能です。
50代経理人材が転職する際のポイント
<事前の情報収集を念入りに>
年収や業務内容はもちろんですが、経理部門のメンバー構成・年齢構成についても調べておくことが重要です。
転職先で上司が年下になる場合もあるため、上司となる方の性格やなどの情報も知っておくと、入社後ミスマッチとなるリスクを減らせます。
しかし、一般的な転職サイトでは求人票に記載されていない限り、自力で調査するのは難しいでしょう。
転職エージェントであれば、企業の内情に詳しいキャリアアドバイザーから情報収集できるため、メンバー構成を含め、さまざまな情報を事前に得ることができます。
<現職と同等のポジション・年収に固執しない>
採用する企業側の立場からすると、どれだけの実績があって現在の年収が高くても、転職直後から同等の活躍が保証されているわけではないため、必ずしも現職と同じ待遇で転職できるとは限りません。
50代の転職では、現職のポジションや年収にこだわるよりも、自身の経験値やスキルとマッチする企業を選ぶことが重要です。
転職後の活躍を評価されれば、現職のポジションや年収に追いつくことも十分可能なので、一時的な収入や肩書きのダウンはある程度受け入れる心構えでいるほうが、結果的には満足度の高い転職が実現できることもあります。
詳しくはコチラ:経理は50代でも転職できる?注意点や経験者・未経験者別転職成功の秘訣など
経理の転職でおすすめの時期はいつ?
欠員補充の場合は時期によらず、退職予定者が出た時点での募集になりますが、増員募集の場合、採用担当者は経理部門から人手不足の解消を求められて採用活動を行うため、経理部門の繁忙期の2~3か月ほど前に求人を出す傾向があります。
1年間の中で、最も業務が多く人手が必要な時期は決算時期であり、年度末決算より少し前に経理の求人が集中します。
日本企業の場合には3月末を決算とする企業が多く、5月末までに税務申告を終えなければならないため、1~2月に求人を出して4月の採用を目指すという企業が多数見られます。
次いで、株主総会が終わる6〜7月頃も半期決算を控えているため、9月の採用を目標とした経理の求人が増加する傾向があります。
上記のように、採用企業の業務スケジュールから逆算して、繁忙期となる2~3か月前には転職活動を開始できるよう、準備を進めておくとスムーズでしょう。
詳しくはコチラ:経理の求人が集中する時期は?未経験者・経験者別に転職成功のポイントも紹介
【企業規模・フェーズ別】経理の転職のポイント
この章では企業規模・企業フェーズ別に経理の転職のポイントをご紹介します。
大手企業の経理
大手企業に経理として転職する場合は、以下の3点が主なポイントになります。
専門性が重視される
大手企業では、経理業務を業務分野ごとに担当分けしていることが一般的なため、採用にあたっても各分野の専門性が重視されます。
経理の専門分野は大きく分けると、以下の4つに分類できます。
・主計 …単体あるいは連結での決算
・税務 …税務申告
・財務 …資金繰りや借り入れなど
・管理会計 …予算と結果、費用と利益などの分析
上記のうち、いずれかの業務に強みを持っていると、大手企業への転職可能性が高まるため、実務経験を通じて業務スキルを高めたり、自己研鑽として税法の学習をするなど、自分の得意分野はこれだと言える強みを持っておくことがポイントです。
マネジメント経験も高評価
大手企業では、チームリーダー経験などのマネジメント経験も高評価となります。
人員が多く、業務が細分化されているため、中小企業よりも経理部門におけるマネジメントポジションの数が多い傾向ためです。
すでにマネジメント経験をお持ちの方は、転職時に積極的にアピールしていきましょう。
英語力や国際会計の知識
近年では日系企業も、海外進出するケースが多いため、大手企業への転職では、英語力や国際会計の知識についても問われることがあります。
実際の海外取引経験がなくても、USCPA(米国公認会計士)などの国際会計基準の資格や語学力がある場合には評価されます。
TOEICのスコアでは700点程度が一つの目安になりますが、800点以上のスコアを保有していれば、さらに転職時に有利になるでしょう。
IPO準備企業の経理
IPO準備企業に転職する場合、実務経験ももちろん評価ポイントになりますが、IPO準備企業ならではの選考ポイントがあります。
具体的には、以下の2つのスキルは、どのIPO準備企業でも重視されるでしょう。
チャレンジ精神
IPO準備企業では、開示体制を整えるために財務諸表を新たに作り直したり、経理規定の見直し、決算の早期化、プロセス設計、API連携といった業務フローの整備など、ルーチン業務だけでなく、新たなものを作り出す、既存の規定やフローを整備するといった業務が多くなります。
そのため、「0→1にした経験や、新しいことにチャレンジする姿勢を持った人材」を採用企業は評価します。
現職・前職などで部署異動した経験、会計システム導入などの新しいものを取り入れる業務に挑戦した経験がある方は、強いアピールポイントになるでしょう。
尚、必ずしも業務上の経験である必要はありません。プライベートで、大人になってから新しく始めた趣味の話など、チャレンジングな性格を示せるエピソードがあれば、面接時に話せるように整理しておくといいでしょう。
コミュニケーション力・交渉力
IPO準備企業では監査法人への対応、証券会社と証券取引所による審査対応といった対外的な対応も多く発生します。その企業の組織構成や転職時の役職にもよりますが、経理の担当者・責任者として会社を代表して対応するケースも想定されるため、対外的なコミュニケーション力や交渉力はIPO準備企業に転職するのであれば必須といえます。
また、IPOを達成するためには経理体制の強化だけでなく、管理部門全体、ひいては全社で上場に耐えうる強固な組織づくりをしていく必要があるため、対外的なコミュニケーション力や交渉力のみでなく、社内での調整力や協調力も必要となります。
選考時には現職・前職での対外交渉経験や、社内の他部署と協力して業務を進めた経験などをアピールすると、高評価につながるでしょう。
詳しくはコチラ:IPO準備企業における経理の役割・転職メリット・キャリアパスを紹介!
中小企業の経理
中小企業の経理業務は日常業務、月次業務、年次業務の3つに分けられます。
・日常業務:現金出納管理、伝票管理、会計帳簿の記帳、仕入・売上の管理、請求書の発行、入金確認、預金管理など
・月次業務:経費精算、月次決算、給与計算、税金や保険料の計算・納付など
・年次業務:年次決算、年末調整、税金計算と納付、償却資産の申告、棚卸など
中小企業の経理業務の特徴は、1人の経理担当者が上記の業務について幅広く対応している点です。場合によっては経理以外の人事・総務業務まで幅広く担当するケースもあります。
また、どの業務を会計事務所や社会保険労務士などにアウトソーシングしているのかによって、担当しなければならない業務範囲が異なってくるため、中小企業同士においても経理業務の内容は違ってきます。
上記のように幅広い業務を担当するケースが多いため、中小企業は応募者にスペシャリスト気質であることよりも、ゼネラリストであることを求めます。そのため、転職活動の際には、幅広い業務に挑戦したいという、前向きな意欲を示せると高評価でしょう。
中小企業への転職はキャリアダウンになるのでは?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、必ずしもそうとは限りません。
大手企業などと違って、役職者のポストに空きがあることが多く、また、年功序列ではなく成果主義で出世していけるケースもあるため、大手企業からあえて中小企業に転職する方もある程度います。
さらに、やりがいという面においても、中小企業であれば資金調達、資金繰りや 経営企画室の業務である、予算の作成や中期経営計画の作成など、レベルの高い業務に携われる機会も増えます。
会社経営全体を見ながら経理業務に関与できる点は、中小企業ならではのメリットといえるでしょう。
詳しくはコチラ:経理で働くなら大手よりも中小の方が得?中小企業の経理に転職するメリットとは
ベンチャー企業の経理
ベンチャー企業は組織として成熟していない会社も多く、特に経理などの管理部門の整備は後回しとなってしまいがちです。
経理担当者がベンチャー企業で担当する業務範囲が幅広いものとなり、人事、総務、法務などの見識や役割、具体的な業務が求められることもあります。
しかし、考え方によっては今後のキャリア形成を考えた場合、大きなチャンスであるともいえるでしょう。縦割りになりがちな管理部門の中で、広範囲の業務に携わることはスキルの幅を大きく広げていくことができるためです。 このことは、将来、経理を軸として管理職や経営幹部を目指すのであれば、必要不可欠です。
ベンチャー企業の経理に転職を希望する場合には、転職エージェントのサポートを受けながら転職活動を進めていくのがおすすめです。
ベンチャー企業は数多くあり、それらの内部は企業の数だけ異なりますので、実情はWebなどで収集できる情報だけでは把握できないでしょう。
しかし、転職エージェントであれば顧客であるベンチャー企業と日ごろから連絡を取っており、経理担当者に求める役割についても情報収集していますので、入社してから“こんなはずじゃなかった……”といった状況を避けることができます。
詳しくはコチラ:ベンチャー企業の経理で働く魅力と転職成功のコツ
経理経験者の転職成功事例
この章では、経理経験者の転職成功事例を紹介します。
非上場企業から上場企業への転職成功事例
Aさん(30代/男性)
転職前:非上場企業 経理
転職後:上場子会社 経理 年収100万円アップ
資格:簿記2級
Aさんは、7年半非上場企業で経理担当して、日次業務から年次業務まで幅広い経理経験を積んでおり、これらの経験を活かしてさらにスキルアップしたいと考え、転職活動を始めました。
転職活動では、キャリアの棚卸と今後のキャリアプランをキャリアアドバイザーと一緒に考え、選考に向けて十分な準備を行いました。
結果、経験を活かせる上場子会社の経理として転職決定し、100万円の年収アップもじつげんすることができました。
柔軟な働き方を目指した転職成功事例
Kさん 30代前半/女性
転職前:上場グループの事業会社 経理
転職後:非上場の事業会社 経理 年収30万円アップ
資格:日商簿記2級
Kさんは、在籍していた会社の経理部門で産休育休を経て職場復帰し、フルタイム勤務をされていました。
しかし、徐々に任される仕事量が増えていき、仕事と育児の両立に難しさを感じ、転職を決意されました。
転職活動では、柔軟な働き方と少ない残業という2つの希望条件をもとに求人を探していたため求人の数が絞られました。
ただ、産休育休前に主体的に業務に取り組んでこられ、一連の経理業務経験があることを評価され、最終的には2つの希望条件に加え、30万円の年収アップを実現できる企業に転職決定しました。
経理の仕事内容
この章では、経理の仕事内容について簡単に解説します。
特に未経験から経理への転職を希望している方は、選考に進む前に経理の具体的な仕事内容を把握しておきましょう。
経理の日次・月次・年次業務
経理の仕事を期間単位で分けると、「日次業務」「月次業務」「年次業務」の3つに分けることができます。
それぞれの具体的な業務は、以下の表をご確認ください。
業務分類 | 具体的な仕事内容 |
---|---|
日次業務 | ・現金預金管理 ・伝票処理 ・経費精算 など |
月次業務 | ・買掛金・売掛金の管理 ・給与計算 ・社会保険料納付 など |
年次業務 | ・年末調整 ・決算書・確定申告 ・税金の納付 など |
これらの業務は企業規模や組織の構造によって異なりますが、正確さや効率性が求められる点は共通しています。
経理と会計・財務の違い
経理の仕事をより深く理解するためには、経理に似ている職種である「会計」「財務」との違いを把握することが大切です。
経理と会計の違い
会計は、企業の経済活動を記録し、それをもとに経営者や株主などに財務情報を提供する役割を担います。
一方、経理は取引の記録や管理、決算書作成までを担当します。会計全体の一部を構成する業務が経理といえるでしょう。
経理と財務の違い
財務は、企業が成長するために必要な資金を調達・運用する業務です。
銀行融資や資金調達、予算編成、M&A戦略などが含まれます。
経理は財務活動を支える基盤として、帳簿データや決算情報を提供します。
両者は密接な関係にあるものの、役割は明確に異なります。
未経験者の経理転職は難しい?未経験転職のポイント
経験者であっても経理の転職は容易ではありませんが、未経験者の転職はさらに難易度が上がります。
この章では、未経験から経理へ転職するポイントを解説します。
日商簿記2級を取得する
未経験から経理を目指す場合、日商簿記2級は必須の資格と言っても過言ではありません。
日商簿記2級を取得していることで、「簿記や財務諸表についての基礎知識がある」ことを証明できます。
実際にMS Agentを利用して経理への転職を決定した方のうち、約73%の方が日商簿記2級を保有していました。
経理関連の業務経験を洗い出す
経理としての実務経験がない場合でも、経理に関連する業務経験があれば、それをアピールすることが重要です。
経理の仕事に直接関係がない場合でも、数値をもとにした分析業務やお金に関わる業務の経験がないか洗い出しましょう。
特に経理に親和性の高い業種や職種に関しては、次に章で解説します。
20代のうちに転職活動を始める
未経験から経理を目指す場合、20代のうちに転職活動を始めることが転職成功への近道です。
年齢が上がるにつれて、求められるスキルや経験のハードルが高くなるため、30代以上で未経験の場合、ポテンシャルだけでスキルや経験の不足を補うのは難しくなります。
20代の若さを武器に、学習意欲や柔軟性をアピールしつつ、転職活動を進めましょう。
経理に親和性のある業種・職種からの転職
経理の業務に親和性のある税理士補助や銀行から経理へ転職を検討する方も多いです。ここでは、それぞれの転職のポイントを見ていきましょう。
税理士補助から経理
経理職と言っても業務は多岐に渡りますが、特に税務や会計業務で企業が求人を出している場合、税理士補助経験は選考において有利にはたらきます。
税理士補助の経験が豊富な方なら、即戦力として活躍が期待できるので、積極的に採用したいと考える企業は多いです。
しかし、一口に税理士補助経験と言ってもさまざまです。
転職活動をするなら、税理士補助の経験の棚卸しをしておきましょう。
勤務していた税理士法人や会計事務所などの規模、担当していた業務内容、得意としている仕事などの整理をしておくと、ご自身の経験を活かせる企業を見つけやすく、転職活動をスムーズに進めることができます。
銀行から経理
銀行員はスキルの面で経理とかみ合いが良い傾向にあります。
銀行員は経理畑を歩んでいる人に比べて、会社組織が必要とする知識を横断的に手にする機会に恵まれているため、財務・法務・税務といった面でも役に立つ「管理部門の何でも屋」的ポジションを狙うというアプローチもあります。
小規模な中小企業であれば、経理部門≒管理部門的な立ち位置で仕事を進めることも珍しくありません。
求人情報を熟読し、自分でも活躍できる立ち位置での採用かどうかを見極めた上で、転職を検討しましょう。
詳しくはコチラ:銀行員から経理を目指すには?転職を成功させるポイント
営業から経理
結論から言えば、営業から経理へ転職することは十分可能です。
但し、幾つかの条件をクリアする必要があり、簡単な転職ではありません。 そのため、安易に転職活動を始めることは危険です。転職可能性があるのか否かをしっかりと見極めて、転職活動に取り組む必要があります。
まず、未経験での転職ということになるので、日商簿記検定2級は取得しておきましょう。また、キャリアチェンジになるため、年齢は30歳前後までが目安です。
営業職では売上や利益などの「数字」を意識して働くことが多く、数字を管理する点で経理職と通じる部分があります。
自分自身が、計数管理が得意だったり、自社や顧客の決算資料を読み込んだりして、営業活動に活かしているという方は、経理の適性があるかもしれません。
経理においては以下のようなスキルが求められます。
・正確な事務処理能力
・コミュニケーションスキル
・会計や経営の知識
上記の他に、大前提として、エクセルを中心としたパソコンスキルがあることが求められます。
入社後にその会社が使用する会計ソフトの操作を学ぶことになりますが、会計処理がどのようになされるかの前提として、計算の仕組みが想像できることは必須でしょう。
経理に未経験から転職する際のコツと注意点ですが、転職理由をネガティブに伝えないようにすることが大切です。
「ノルマがキツイ」「ワークライフバランスがとれない」といった理由が多いかもしれませんが、それらをそのまま伝えるのは得策ではありません。
どの仕事もつらい場面は存在するので、「営業よりも経理の方が楽だ」と誤解していると思われる可能性があります。 あくまでも経理の仕事に挑戦したかった旨を第一に伝えましょう。
詳しくはコチラ:営業から経理へ転職はできるのか?キャリアチェンジの注意点やコツ
リモートワーク可の経理に転職する方法
経理業務は、完全に在宅勤務へ移行するのが難しい業務のひとつです。
会社のお金や取引の流れを記録する経理部門では、伝票の書き起こしや請求書の発行、書類の捺印など、オフィスへの出社が必要な業務が多くを占めるため、在宅勤務のハードルが高くなっています。
しかし、書類・印鑑の電子化やセキュリティ構築が進んでいるITに強い企業であれば、経理でも在宅勤務可能と言えるでしょう。
弊社MS-Japanが実施した「【2023年版】管理部門・士業のリモートワーク求人の動向を徹底解説」では、リモートワーク可能な求人を掲載している企業を業種で分類すると、27.3%が「IT・通信全般」でした。
経理で在宅勤務を希望する方は、IT系企業の経理への転職を検討してみてはいかがでしょうか。
また、在宅勤務の経理へ転職成功させるには、求人が多い時期を選ぶことも1つのポイントです。
日本は3月末決算の企業が多いため、税務申告期限は5月末で、4~5月が決算業務に追われる繁忙期に該当します。
そのため、企業が経理の求人を出すタイミングは、繁忙期の2~3か月前の1~2月あたりに求人募集を始める企業が多くなります。
もちろん1年を通してどの時期でも転職できますが、求人案件が多い時期を狙ったほうが、より希望に添った転職先を見つける確率が高まるでしょう。
詳しくはコチラ:経理で在宅勤務は可能?在宅希望者におすすめの求人を紹介!
求人特集リモート可の経理求人を探す
経理の将来性 AI時代に備えるために・・・
「将来なくなる仕事」の中に経理職がランクインするなど、経理の将来性を考える方も増えています。
経理の将来性はその人材が持つスキルによって「ある」とも「ない」とも言えます。
将来的に単純作業を主とするスタッフは淘汰される可能性が高い反面、数字を分析して経営戦略に結び付けられる人材や、M&Aなど高度な専門性が必要な手続に携わる人材は、重宝されるのは変わらないからです。
経理職における定型業務が、AIに取って代わられる時代がもうすぐそこまで来ている中で、将来、経理職が生き残っていくためには、「経理の専門知識を高める」だけでは厳しい時代になってくると予想されます。
会計・税務における影響をデータから読み取って経営のアドバイスができる戦略立案力や判断力を培っていき、来るべきAI時代に備えていきましょう。
詳しくはコチラ:経理の仕事はなくなる?経理の将来性ってどうなの?【現役キャリアアドバイザー監修】
まとめ:経理の転職には「転職エージェント」がオススメ!
経理の転職は、経験者であっても未経験者であっても難易度が高く、成功させるためには十分な準備と対策が必要です。
特に、転職活動を始める前にキャリアプランを明確にし、目指す方向性を具体的に描いた上で、それに基づいたスキルや資格の取得、これまでの経験を効果的にアピールすることが求められます。
「MS Agent」は、管理部門に特化した転職エージェントとして、業界最大級の求人数を誇り、経理の転職市場についても豊富な知識と経験を有しています。
求職者一人ひとりの状況に合わせた求人紹介や選考対策、キャリアプランニングなどを通じて、転職活動をサポートします。
経理の転職を成功させ、理想のキャリアを実現するために、ぜひ「MS Agent」をご利用ください。


この記事を監修したキャリアアドバイザー

カナダ州立大学卒業後、新卒でMS-Japanへ入社。求人企業側の営業職を経験した後、2014年にキャリアアドバイザーへ異動。
2016年からは横浜支社にて神奈川県内の士業、管理部門全職種を担当し、現在は関東全域の士業、管理部門全職種を担当。
経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 法務 ・ 経営企画・内部監査 ・ 外資・グローバル企業 ・ 会計事務所・監査法人 ・ 役員・その他 ・ IPO ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ USCPA ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!
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