2025年06月18日

経理の志望動機【NG・OK例文付】経験者・未経験者別に徹底解説

経理に限った話ではありませんが、転職成功を左右する重要な評価軸の1つとして「志望動機」があります。
いかに説得力のある志望動機を練り上げるかが転職成功の鍵になるといっても過言ではありません。

この記事では、経理経験者・未経験者の志望動機のポイントや、志望動機のOK例文・NG例文を解説します。

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経理「経験者」の志望動機のポイント

まず、経理経験者の志望動機のポイントとしては、「何の業務をどこまでできて、応募先でどのように活かせるかを明確にする」「前職の経理では実現できなかった目標を明確にする」「応募先で新たに挑戦したい仕事を明確にする」の3点を意識しましょう。
それぞれのポイントを詳しく解説します。

何の業務をどこまでできて、応募先でどのように活かせるかを明確にする

まずは、自身の職務経歴を棚卸し、何の業務をどこまでできるかを明確化しましょう。
帳簿管理や決算業務、税務申告業務など、どのような経理業務をどこまで担当していたかを具体的に説明します。

例えば、「帳簿管理業務」と一口に言っても、仕訳や帳簿の記入、請求書の処理、支払い管理など業務内容はさまざまです。
「決算業務」や「税務申告業務」なども同様で、主担当として携わっていたのか、補助がメインであったのかなど、担当業務裁量の範囲を明確にしましょう。

また、会計ソフトの使用経験や、国際会計基準の知識などは、転職時のアピールポイントになります。
チームを率いた経験や部門成果に対する貢献など、リーダーシップを中心としたアピールも効果的です。
経理業務を通して得た知識やスキルを言語化することが重要です。

次に、これまでの経験を応募先企業でどのように活かせるかを具体的に示します。
応募先ポジションで求められる業務内容と、自身の経験がどのように一致しているのか具体的に説明して、親和性の高さをアピールしましょう。

前職の経理では実現できなかった目標を明確にする

経理経験者の転職では、「なぜ前職の経理を退職して、再び経理を目指すのか」が重要です。
「マネジメント経験を積みたかったが、前職の管理職ポジションに空きがなかった」「上場企業の経理スキルを身につけたかったが、上場が頓挫してしまった」など、自身の目標前職では実現できない理由を明確にしましょう。

また、「応募先企業ではその目標を実現できる」とつなげることで、退職理由と志望動機に一貫性を持たせることができます。

応募先で新たに挑戦したい仕事を明確にする

応募先で新たに挑戦したい仕事を明確にすることも重要です。
挑戦意欲をアピールし、新しい環境で学びたいことや専門性を深めたい分野を明確にします。
例えば、応募先企業の業界に特化した会計知識の習得など、応募先企業だからこそ実現できることであることが重要です。

また、長期的なキャリアプランとどのように結びついているかを説明することも重要です。
応募先企業での長期的なキャリア構築への意欲を示せるため、プラスの評価につながりやすくなります。

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経理「経験者」の志望動機OK例文

ここでは、経理経験者の志望動機について、「OK例文」をご紹介します。

経理経験者の志望動機 例文(上場企業から転職)

現職では、上場企業で5年間、年次決算・月次決算業務を担当していました。
その中で、上司が大手企業での経験を活かしてさまざまな課題を一人で解決しており、その姿を見てより業務の幅を広げていきたいと思うようになりました。
貴社であれば、原価計算や税務申告書の作成といった業務にも関われ、経理担当としてさらに飛躍していけると思い志望しました。
将来的には部門のマネジメントを担えるような人材になりたいと考えております。

経理経験者の志望動機 例文(求人サービス企業から転職)

現職では、求人サービス企業の経理職に従事し、債権債務・会計処理を一通り理解した上で、月次決算を一人で行っていました。
その過程で経理マニュアルや按分自動計算シートなどを作成し、属人的でない経理業務を確立していきました。
今後、経理としてさらに高度な業務に携わりたいと考え、プライム上場企業である貴社を志望しました。
業務の円滑化・効率化を意識しアイディアが浮かんでは試みる積極性を活かして、御社が重要視する「主体性」のある人材として貢献していきたいと思っております。

経理経験者の志望動機 例文(上場企業メーカーから転職)

現職では上場企業メーカーで、決算業務や有価証券報告書作成にも携わっています。
また、在庫ロス削減のための管理システム導入では、プロジェクトリーダーとしてシステム選定から導入・運用までを行った経験もあります。
御社ではこの経験を活かし、決算・財務諸表作成に加え、コスト管理の面でも具体的な成果を出せるよう取り組んでまいります。

経理経験者の志望動機 例文

現職ではIT系ベンチャー企業にて一人で経理をしています。
日々の記帳から月次・年次決算までをすべて担当しましたので、経理業務の全貌と、経営と経理の接点について理解があります。
今回は、規模の大きな会社で経理を経験したいと思い、御社を志望いたしました。
御社では、これまでの経験を活かし、とくに営業部門と経理部門の橋渡しに貢献し、利益率向上のお役に立てればと思っております。

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経理「経験者」の志望動機NG例文

続いて、経理経験者の志望動機の「NG例文」を見ていきましょう。

前職では経理の業務を一通り担当していました。自分にとって天職とも思える経理業務をさらにスキルアップしたいため、御社を志望いたしました。
業務は責任をもって、まじめに取り組む所存です。よろしくお願いいたします。

志望動機は、応募の理由を通して「応募先において自分がどのような貢献ができるのか」などの採用するメリットをアピールすることが重要です。
上記の志望動機例文は、応募先への貢献や採用のメリットがなく、「自分がスキルアップしたい」とだけ書かれています。
この志望動機を聞いて、採用担当者が採用を決断することはないでしょう。

また、社会人として仕事に「まじめに取り組む」のは当たり前です。
当たり前のことを書いてしまうと、かえってマイナス評価になることもあります。

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経理「未経験者」の志望動機のポイント

経理未経験者の転職活動では、経験者のように実績や経験、スキルでアピールできないため、志望動機がより重要な鍵を握ります。
志望動機のポイントは、「なぜ経理を目指すのかを明確にする」「なぜこの会社で働きたいかを明確にする」の2点です。

なぜ経理を目指すのかを明確にする

経理未経験者は、志望動機を考えるうえで「なぜ経理を目指すのか」を明確にしましょう。
そのためには、大前提として経理の基本的な業務内容について理解を深める必要があります。
経理業務は主に日次、月次、年次の3つに分類されます。

  • ・日次業務:売掛金・買掛金の管理、現金・預金の出納管理、会計ソフトへの仕訳入力など
  • ・月次業務:日々の業務を集約する月次締め作業や月次試算表の作成など
  • ・年次業務:決算報告資料の作成など

未経験から経理職を目指す場合、「数字に強い」「業務に興味がある」といった理由だけでは説得力に欠けます。
経理に関心をもった具体的なきっかけを伝えることが大切です。
例えば、「営業職の経験から財務諸表への影響に興味をもち、経理業務への魅力を感じた」「店舗スタッフとして売上管理などに従事する中で簿記に興味を持った」など、前職の経験を関連付けると良いでしょう。

また、これまでの経歴から経理業務に活かせる経験スキルを見つけてアピールしましょう。
例えば、データ入力やデータ管理、レポート作成の経験、問題解決能力や細部に配慮する能力、仕事の正確性、コミュニケーション能力なども評価されます。
さらに、日商簿記2級以上の資格を取得することで、経理転職への明確な志望意欲を客観的に示すことが可能です。

なぜこの会社で働きたいかを明確にする

次に、なぜこの会社で働きたいかを明確にすることも重要です。
志望動機を作成する際は、企業研究を徹底し、経理を目指すにあたって、どの企業でも適合する理由ではなく、応募先企業を選んだ明確な理由である必要があります。

例えば「貴社のチームワーク、そして革新性を重視する企業文化に共感しました」など、企業の文化経営理念は、志望動機の基盤として活用しやすいでしょう。
求人情報や企業の公式Webサイトだけでなく、公式SNSや新卒採用サイト、応募した求人以外の求人情報など、多角的な視点で情報を集めると、より客観性のある志望動機を作成できます。

未経験者の場合、実務経験の不足を不利に感じることもあるかもしれません。
企業研究を通じて自身の適性や意欲をアピールすることで、ポジティブな印象を与えられます。
とくに同業界の経験があれば、その業界特有の規則や慣習を理解している点を強調することも有効です。

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経理「未経験者」の志望動機OK例文

未経験者の志望動機 例文(医療事務から転職)

現職の病院の事業縮小に伴い、経理スタッフが企業経営で重要な役割を担っていることを知り、経営部門で働きたいと思いました。
日商簿記2級を取得したのを機に、実際に会社の経営状況を数字で把握できる経理の仕事に携わりたいと思い、未経験でも将来的に決算実務などを目指せる貴社を志望しました。
「調整力」が重要とされる経理部門で、前職の介護スタッフとして培ったコミュニケーション能力を活かして各関係部署との調整や交渉を行いながら、将来的に経営基盤強化に貢献していける人材になりたいと思っております。

未経験者の志望動機 例文(大手都市銀行営業職から転職)

現職では、都市銀行の法人営業職として、融資、預金業務、事業承継サポートや不動産仲介業務に従事していました。
簿記資格を取得したことをきっかけに、これまで銀行で培った財務分析といった業務経験を活かせる経理に興味をもちました。
海外にも製造販売拠点がある貴社で、会計や税務の知識向上を図り、最終的には銀行で培った第三者的な視点を活かしつつ、企業価値の向上に貢献していきたいと思っております。

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経理「未経験者」の志望動機NG例文

経理「未経験者」の志望動機NG例文続いて、経理未経験者のNG例文を見ていきましょう。

前職では営業職として働いていました。
お客様に対する細部に至る丁寧な対応が評価され、会社で表彰されたこともあります。
物事にまじめにコツコツと取り組む性格の私は、営業より経理が向いていると思い、今回御社の求人に応募いたしました。

未経験の志望動機では、前職での経験を踏まえ、経理への意欲と適性をアピールすることが重要です。
しかし、この例文では、適性は「細部に至る丁寧な対応が評価され会社で表彰」と「営業での経験」のみであり、なぜ経理に適性があるのか伝わりません。

また、意欲も「まじめにコツコツと取り組む性格の私は営業より経理に向いている」と主観的に表現されているだけで、具体性・客観性に欠けています。
客観性をもたせるために、資格を取得した(取得に向けて勉強をしている)旨を盛り込みましょう。
また、表彰された実績は具体的な数値などで補足することが重要です。大切なのは、具体性と客観性であることを念頭に作成しましょう。

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志望動機の添削も!経理の転職に困ったら専門のエージェントに相談を!

経理はどの企業にも存在する職種ですが、配置される人数が少なく、退職者も比較的少ないため、求人の数は限られています。
転職を成功させるためには、多くの求人から最適な転職先を効率よく見つけ出すことが重要です。
求人情報を幅広く収集するためには、以下の4つの方法があります。

  • ・転職サイト:最も一般的な方法で、会員登録によって多くの求人を閲覧できる
  • ・ハローワーク(公共職業安定所):厚生労働省が運営し、とくに小規模企業の求人を多く扱っている
  • ・転職エージェント:非公開求人を含む多様な求人を紹介してくれる

上記の中でもとくにおすすめの方法が、転職エージェントです。
転職エージェントは、人を採用したい企業と転職したい求職者をマッチングするサービスです。
幅広い職種・業界の求人を扱う総合型と特定分野に限定した特化型があります。
経理や管理部門に特化した転職エージェントであれば、経理に精通したキャリアアドバイザーがおり、求人の紹介や応募書類の添削、面接対策などの転職サポートを受けることが可能です。

また、転職エージェントの特徴のひとつに、非公開求人の取り扱いがあります。
非公開求人とは、企業と応募者が求める条件を双方満たした場合にのみ紹介される求人で、転職サイトなどで一般公開されることはありません。

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経理の転職でよくある質問

Q.求人を見るポイントは?

A.経理の転職活動で求人を見る際は、前もって自分の希望や各種条件を明確にするのが重要です。
経理は多くの企業で必要とされる職種であり、基本的に「求人が見つからない」ことはほとんどありません。

ただし、選択肢が多く、どれに注力すべきか迷う場合もあります。
転職活動を始める前に、まずは自分の転職理由今後のキャリアプランを明確にすることが重要です。

例えば、キャリアアップや給与の向上、ワークライフバランスの改善など、転職の主な動機を明確にします。
その後、給与や勤務地、企業の規模、業界、職務内容など、複数の要素の中で何を最優先にするかを考えましょう。

ただし、転職先に求める条件を厳しく設定しすぎると、応募できる求人が大幅に減少します。
すべての条件を完璧に満たす求人はなかなか見つからないため、どの点で妥協が可能かを考え、現実的な視点で求人を探しましょう。
もちろん妥協をしすぎても、職場への満足度が低くなってしまうため、バランスを考えるのが重要です。

Q.経理において、経験がない業界への転職は可能?

A.結論から言えば、経理において、経験がない業界への転職は十分可能です。
経理の基本的なスキルセット(財務諸表の作成、予算管理、税務処理など)は、ほとんどの業界で共通しています。
異業界に転職しても、自分が培ってきたスキルを十分に活かせる可能性が高いでしょう。

ただし、製造業(メーカー)の経理業務では原価計算が重要であり、業界特有の会計知識が求められるため注意が必要です。
原価とは、材料費、労働費、製造間接費など製品を製造するためにかかるコストです。
原価計算は製造業の経理業務の中核であり、製品の製造コストを正確に把握し、利益管理や価格設定に反映できるかどうかが重要になります。

とは言え、経理の求人に特定の業界経験者を条件とするケースは多くありません。
通常の転職と同じように、自分のスキルセットや経験を整理しておき、志望動機などに織り交ぜるとよいでしょう。

異業界への経理の転職では、「なぜその業界に興味をもったのか」や「どのように自分の経理スキルがその業界で役立つのか」といった視点で志望動機に盛り込むことが重要です。
業界特有の知識を習得しておくと、より自分をアピールしやすくなります。

無料で経理キャリアを相談する

まとめ

経理の転職において、志望動機の作成は重要なステップです。
経理経験者は、まず自分がどの業務をどこまでこなせるかを明確にしましょう。その上で、転職先でそのスキルがどのように活かせるのか、新たに挑戦したい業務は何かを具体的に示すことが大切です。

一方、経理未経験者は「なぜ経理を目指すのか」、「その会社でなぜ働きたいのか」をはっきりさせることが求められます。
経験者ほど求人の選択肢はありませんが、20代や30代であれば未経験でも転職できるチャンスはあるため、根気よく転職活動を続けるのが重要です。

また、応募企業ごとに最適な志望動機を作成するには、企業研究を通じて求人情報や経営方針、事業内容などを幅広く収集する必要があります。
自分で情報収集をすることもできますが、かけられる時間や得られる情報に限りがあるため、転職エージェントの活用を検討するのも有効な選択肢です。
MS-Japanには、経理の転職を専門としたキャリアアドバイザーも在籍しており、転職活動をトータルサポートしております。
ぜひお気軽にお問い合わせください。

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この記事を監修したキャリアアドバイザー

町田 梓

大学卒業後、新卒でMS-Japanへ入社。企業側を支援するリクルーティングアドバイザーとして約6年間IPO準備企業~大手企業まで計1,000社以上をご支援。
女性リクルーティングアドバイザーとして最年少ユニットリーダーを経験の後、2019年には【転職する際相談したいRAランキング】で全社2位獲得。
2021年~キャリアアドバイザーへ異動し、現在はチーフキャリアアドバイザーとして約400名以上ご支援実績がございます。

経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 法務 ・ 法律・特許事務所 ・ 役員・その他 ・ 社会保険労務士事務所 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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