建設業経理士とは?転職に役に立つ資格なのか?

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経理・財務
2021/07/16

建設業経理士とは?転職に役に立つ資格なのか?


経理に関係する資格と聞くと、多くの人は簿記検定を思い浮かべるかもしれません。

しかし、同じ経理に属する資格の中でも、やや特殊な部類に分類される資格はいくつか存在しており、その中の一つに「建設業経理士」があげられます。

その名の通り、建設業界で重宝する資格として知られており、級が高くなるにつれて合格率も低くなっていきます。

上級クラスの資格取得者がいることで、企業としては入札に有利になる側面があるため、資格取得のメリットは大きいと言えます。

この記事では、そんな建設業経理士の資格について、概要や資格の有用性・簿記試験との違いなどについてお伝えします。

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1.建設業経理士(建設業経理事務士)とは

建設業経理士は、一般社団法人建設業振興基金が行っている「建設業経理検定試験」に合格した人のことを言います。

平成19年3月11日の試験より前に合格した人は建設業経理事務士と呼ばれますが、名称が異なるだけで扱いは同じです。

資格取得者は、建設業における専門会計知識・会計処理能力を持つ人材として評価されます。

一般的な企業で働く経理職は、完成したモノを売る・売るためのモノを作る部分について仕訳を行い、企業活動のお金の流れを記録します。

日商簿記2級を例にとると、商業簿記・工業簿記という2種類の分野を学ぶことになり、その後1級になると原価計算・会計学についても学びます。

これに対して、建設業経理検定試験は、建設業に特化した知識を確認するための試験です。

建設業では、最終完成形が出来上がってから販売するのではなく、仕事を受注してから工事が始まりお金が動くのが基本となるため、会計処理が特殊です。

専門用語についても特殊なものが多く、経理担当者もそれらを理解した上で会計処理が必要となります。

建設業経理検定試験に合格することは、合格者の評価を高めるのみならず、建設業に精通することも意味しているのです。

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2.建設業経理士は役に立つ仕事なの?

簿記試験は幅広い業種で一定の評価を得られますが、建設業経理士は特に建設業で評価される資格です。

よって、建設業界への就職転職を検討している人にとっては、大きなアドバンテージとなるでしょう。

建設業経理検定試験のメリットはやや特殊なもので、資格を持つ本人だけでなく、有資格者を採用している会社側にもメリットがあります。

公共工事の入札では官公庁と契約を結びますが、その際「社内に2級以上の合格者がいる」場合は、経営事項審査の加点対象となるのです。

加点方式は人数と有資格者の種類で決まり、1級建築業経理士は一人頭で1.0ポイント・2級建築業経理士は0.4ポイントが換算されます。

また、公認会計士(会計士補)および税理士については、1級建築業経理士と同じく1.0ポイントとなります。

有資格者の人数によるポイント評価は「公認会計士等数値」という形で分類され、年間平均完成工事高に応じた公認会計士等数値を確保できていれば、所定の点数で入札時に評価されます。

例えば、年間平均完成工事高が10億円以上40万円未満で、公認会計士等数値が1.6以上2.4未満であれば、点数は8点となります。

有資格者がいるだけで加点されることから、応募先の事情によっては有資格者かどうかで採用の可能性が大きく変わる可能性があります。

建設業を目指していて、採用率を少しでも高めたいと考えている人は、まず2級の取得に向けて勉強を始めることをおすすめします。

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3.建設業経理士と日商簿記の違い


建設業経理士と簿記検定は、どちらも基本的には「簿記」というルールを同じように学ぶことから、大枠だけを見ればほとんど変わりはありません。

簿記検定の中で大きな知名度を誇る、日商簿記検定試験についても同様です。

ただ、建設業経理士は「建設業特化型」の知識を試す試験であることから、一般的な業種と異なる概念・時間のとらえ方について理解が必要となります。

そのため、日商簿記で使用されない勘定科目が用いられており、それぞれの意味合いを理解しながらきちんと仕訳・会計処理ができるかが問われます。

特に注意して理解したい勘定科目の一つが「未成工事支出金」です。

これは、日商簿記における工業簿記では「仕掛品」に該当するものですが、仕掛品が製品となるスパンと、建設中の建物が完成するスパンは大きく異なります。

種類にもよりますが、多くの工業製品は1個あたり当日~数日で完成するのに対して、建設工事は完了までに数年かかるのが一般的です。

今年始まった工事は、ほとんどの場合当年中に会計処理を完了させることができないわけです。

売上が立つまでの時間が長い分、未成工事支出金はどんぶり勘定になりがちで、しばしば在庫分の計上を調整して利益を調整するケースも見受けられます。

正しく在庫の金額が把握できていないと、現段階で利益が出ているのかどうか正確なところが分かりにくいため、最悪の場合赤字になっていることに気付かないまま工事が完成してしまうおそれもあるのです。

建設業経理検定試験は、そういった建設業独自の事情を勘案した上で、費目の違い・処理方法につき特殊性を加味しています。

入札に有利な人数頭としてのニーズだけではなく、建設業という分野で経理のプロフェッショナルであることを証明できる、希少な資格の一つと言えるでしょう。

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4.建設業経理検定について

建設業経理士となるメリットが理解できたところで、続いては建設業経理検定試験についてご紹介します。

建設業で高く評価されていることもあり、決して誰が受けても合格できるような試験とは言えませんが、努力次第では1級に手が届く可能性は十分にある資格です。

試験概要

建設業経理検定試験は、建設業という受注産業独特の事情を踏まえた上で会計処理ができるよう、知識の向上を図ることを目的とした試験です。

1級・2級レベルの合格者は、公共工事の入札可否において重要な、経営事項審査の評価対象の一つに数えられます。

受験資格に制限はないため、誰もが希望する級の試験を受験できます。

合格率・難易度

建設業経理検定試験の合格率・難易度は、受験する級によって異なります。

もっとも難易度が低い4級では、初歩的な建設業簿記に関する知識が問われ、令和元年実施時の合格率は受験者163名に対して合格者128名・合格率は78.5%となっています。

3級になると受験者数も1,896名となり、うち合格者数は1,219名で、合格率は64.3%と減少します。

この傾向は2級・1級と難化するにつれて進んでいきます。

2級の受験者数は3級のおよそ5倍となっており、令和2年度は10,099名が受験して6,308名が合格・合格率は62.5%です。

ただ、年度によっては30%台の合格率にとどまったケースもあるため、決して難易度は低くありません。

1級は受験科目が3つに分かれ、それぞれ財務諸表・財務分析・原価計算となっています。

令和2年度の合格率は、財務諸表が24.2%・財務分析が32.6%・原価計算が25.6%と、数字の面からも最高難易度であることがうかがえます。

なお、1級には科目合格制度があり、各科目の合格は、合格通知書の公布日から5年間有効です。

全科目に合格できず期間が満了した場合、再度合格が消滅した科目を受験する必要があります。

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5.簿記2級とのダブルライセンスを狙おう

試験概要を確認した上で、これから建設業経理検定試験を受験しようと志す場合、最初から建設業経理検定試験を受けるよりは、まずは日商簿記検定試験にチャレンジすることをおすすめします。

すでに建設業で経理職として働いている場合は、建設業独特の用語・慣習・仕訳などに慣れているため理解が早いかもしれませんが、簿記そのものをよく理解していない人にとっては、なかなかイメージをつかむのが難しいでしょう。

そもそも、建設業経理検定試験において必要なものは、日商簿記2級程度の知識・建設業会計に関する知識です。

また、日商簿記2級を取得していれば、建設業以外の業種でも幅広く資格が評価されますから、可能性を広げる意味でもダブルライセンスを狙った方がメリットは多いはずです。

資格取得の順番に悩んでいる人は、先に日商簿記2級を目指してみましょう。

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6.まとめ

建設業経理検定試験を受け、建設業経理士2級以上のレベルに合格すれば、建設業界で一目置かれる存在になれます。

資格そのものの信頼性も高く、入札で有利になるなど、企業側が有資格者を雇うメリットも明確な点がポイントとなる資格です。

ただし、1級は評価が高い反面、合格は決して易しいものではありません。

独学では合格が難しいという意見もあるため、通信教育や予備校などを使い、効率的に合格を目指したいところです。

合格後に自分の評価が高まることが明確な資格の一つですから、自分のキャリアの幅を広げたい・好待遇を実現したい人は、一度挑戦してみてはいかがでしょうか。

【参考URL】
一般財団法人建設業復興基金「建設業経理検定」

公認会計士等数 評価テーブル

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