2024年07月23日

社労士の資格を取得するメリットは?資格を活かせる勤務先や試験内容、合格率など

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多様な働き方が見直される昨今、人事・労務の専門家である社会保険労務士(以下、社労士)の役割に関心が向けられています。
難関とされる社労士の資格を取得することに、どのようなメリットがあるのでしょうか。

ここでは、社労士資格を活かせる勤務先の具体例や試験内容、合格率も含めて、社労士の資格取得を後押しする情報をお届けします。 これからのキャリアを充実させるために、社労士資格取得の可能性を探ってみましょう。

社労士の資格を取得するメリット

まずは、社労士の資格を取得するメリットに焦点を当てます。
主なメリットは以下のとおりです。

労働関連の専門知識が身につく

社労士資格を取得する一番のメリットは、労働に関する専門的な知識が身につくことです。

資格試験では、労働基準法や厚生年金保険法など、企業と労働者のための法律知識が求められます。学習を通じて、労働者の権利や義務、労働環境に関する規制など、幅広い専門知識を習得していくことになります。
また、労働トラブルの解決や労働条件の改善など、実務に直結したスキルも磨かれます。

このような知識とスキルを身につけることが、人事・労務のプロとしての基盤になるのです。

高年収が期待できる

専門職として高い年収が期待できることも、社労士になるメリットの一つです。

働き方改革の進展や相次ぐ法改正などを背景に、企業にとって労務の専門家は貴重な存在であり、その需要は高まる一方です。企業の安定と成長に欠かせない支援に対して高い報酬が支払われることは珍しくありません。
また、独占業務がある社労士は独立開業することも可能で、努力次第で高額な年収を得ることも見込めます。

社労士を目指すことは、将来的な高収入を見据えた賢明な選択であると言えるでしょう。

就職・転職が有利になるケースも

国家資格である社労士資格は、就職や転職において有力な武器となることがあります。

企業経営で必要な「ヒト・モノ・カネ・情報」の中で特に重要な「人」に関する社労士は、さまざまな職種や業種で求められます。
人事や総務の求人では、社労士という資格が選考評価の対象となるケースもあります。従業員を多く抱える企業であれば、社会保険の手続きを自社で行える社労士有資格者が重宝されるでしょう。

労働者を支援する社労士は、その資格によって労働者となる自らのキャリアを支援することになるのです。

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社労士の資格が活かせる勤務先

社労士資格を取得するメリットの1つとして「就職・転職が有利になるケースも」とご紹介しましたが、社労士は人事・労務のスペシャリストとして、さまざまなフィールドで活躍することが可能です。
以下に、社労士の資格が活かせる勤務先を見てみましょう。

社会保険労務士事務所

社会保険労務士事務所は、社労士の専門知識を活かせる代表的な転職先です。
ここでは、社会保険や労働保険の手続き代行、就業規則の作成、労務管理のコンサルティングなど、幅広い業務に従事します。

社労士の独占業務に直接携わる機会が多く、専門的なスキルを磨くことも可能です。特に、社会保険や労働法に関する専門知識を駆使し、雇用者の法的義務を適切に履行する支援を行います。
求人は少ない傾向にあるものの、採用されれば実践的な経験を積むことができ、将来的な独立開業のノウハウも身につけられます。

一般企業

一般企業の人事部門や総務部門も、社労士資格が活かせる有力な勤務先です。
企業内で「勤務社労士」として所属し、人事評価の制度設計や給与計算、社会保険の手続きなど、労務管理全般を担います。

一般企業という収入面での安定性に加えて、従業員から年金や労働問題の相談を受けることもあり、やりがいを感じられやすい点が魅力です。
最近では、社労士資格を持つ人材を積極的に採用する企業も増えており、労務管理の専門家としての需要は高まっています。

ただし、企業によっては社労士としての業務に限定されない場合もあるため、事前に職務内容をよく確認することが重要です。

独立開業

社労士としての実務経験や実績を積んだ後に、独立して自らの事務所を開業することも一つの選択肢です。
独立開業することで、自分の裁量で業務を行い、クライアントのニーズに応じたサービスを提供できます。

経営に関するスキルや営業力が求められる一方で、成功すれば高収入を得られる可能性もあります。自らの働き方を自由に設定できるため、ワークライフバランスの取り方も自在です。
ただし、クライアントの開拓がスムーズに進まない場合、収入が安定しないリスクもあるため、事前に十分な準備と市場調査が必要です。

社労士の資格を取得するには

社労士の資格を取得するには

ここでは、社労士になるまでの流れと社労士試験の内容について整理します。

社労士になるまでの流れ

社労士になるためには、まず社会保険労務士試験に合格する必要があります。
ただし、この試験に合格しただけでは社労士として登録することができません。

登録には「実務経験2年以上」という条件が伴います。実務経験が2年未満の場合や経験がない場合は、事務指定講習を修了することで条件を満たすことができます。
その後、全国社会保険労務士会連合会に登録し、都道府県の社会保険労務士会に入会して、正式に社会保険労務士としての活動が可能となります。

試験日

社会保険労務士試験は、毎年8月の第4日曜日に実施されます。試験会場は指定された都道府県より選択可能です(申し込み順)。
合格発表は10月初旬です。

受験資格

試験の受験資格は、以下の3つのうちいずれか1つを満たす必要があります。

  • ・学歴として、大学、短大、専門学校、専門大学などの卒業者。
  • ・実務経験として、健康保険組合、国または地方公務員、日本郵政公社、全国健康保険協会、日本年金機構、社会保険労務士の補助者などの経験者。
  • ・厚生労働大臣が認定した国家試験の合格者。

受験申し込みの際には、受験資格を証明できる書面を提出する必要があります。

試験内容

試験は、「労働保険科目」と「社会保険関係科目」の2つの大きなカテゴリに分かれています。
出題科目は、労働基準法や労働者災害補償保険法、健康保険法、厚生年金保険法など、計10科目です。

税理士試験のような科目合格制度ではないため、全ての科目を1度の受験で合格する必要があります。
出題形式は、選択式と択一式の2つに分かれており、双方に設定されている合格基準点を満たすことが合格の要件です。

勉強時間の目安

試験に合格するためには、平均で1,000時間以上の勉強時間が必要とされています。1日に3時間の勉強をしても、約1年かかる計算です。
仕事や他の学業と両立しながら勉強する場合は、さらに長くかかる可能性があります。
試験では膨大な知識を要求されるため、計画的な勉強スケジュールを立てて、効率的に学習を進めることが重要です。

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社労士試験の合格率

実用性の高さで人気の社労士は、「難関資格」としても広く知られています。
その試験の難易度を反映しているのが、合格率の低さです。

社労士試験の過去5年間における合格率は以下の通りです。

試験年 受験者数 合格者数 合格率
令和5年 42,741人 2,720人 6.4%
令和4年 40,633人 2,134人 5.3%
令和3年 37,306人 2,937人 7.9%
令和2年 34,845人 2,237人 6.4%
令和元年 38,428人 2,525人 6.6%

引用:「社会保険労務士試験オフィシャルサイト

年度によって若干の増減はあるものの、合格率はおおむね6〜7%という低い水準で推移していることがわかります。

社労士試験の合格率が低い理由の一つは、出題範囲の広さです。
出題は、労働や社会保険に関するさまざまな法律を含めて10科目にわたります。各科目において一定の合格基準点が設定されているため、一つの科目でも疎かにすると全体の合格が難しくなります。
また、法律の内容は頻繁に改正されるため、常に新しい知識をアップデートする必要があることも、合格率の低さに関係しているようです。

難易度が高く合格率の低い社労士試験は、全ての科目に対してバランスよく勉強することが求められます。
試験の特徴をしっかりと理解し、適切な学習方法を選択することが合格へのカギとなるでしょう。

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社労士はダブルライセンスもおすすめって本当?

専門職である社労士は、他資格との相性が良く、ダブルライセンスとなることでキャリアや業務の幅を広げることができます。

社労士にダブルライセンスがおすすめの理由

ダブルライセンスの取得を検討する際にポイントになるのが、資格の組み合わせです。
社労士は労務管理や社会保険に関する専門家ですが、親和性のある資格と組み合わせることで業務範囲が効果的に広がります。
サービスの幅が広がれば収入源も多様化し、安定した収入が見通せるようになります。専門知識が多岐にわたることは、クライアントにとって安心材料となり、社労士としての仕事の需要も増すでしょう。

また、ダブルライセンスを目指すことは自己成長の一環でもあります。
新たな知識やスキルを習得すれば、専門家としてのキャパが広がり、キャリアアップにつながります。複数の分野に精通することで、自身の市場価値を高めることにもなるでしょう。

社労士のダブルライセンスにおすすめの資格

行政書士

社労士が行政書士の資格を取得すると、官公庁に申請する書類作成や、行政手続きの相談などにも対応可能になります。
幅広い法務サービスを提供できる社労士として、業務の多様化と収入の増加に期待できます。

税理士

税理士資格は、社労士と非常に相性が良いライセンスです。
社労士としての労務知識と税理士としての税務知識が組み合わさることで、企業の人事・総務と税務業務を一手に引き受けられるようになります。

ファイナンシャルプランナー(FP)

FPの資格も社労士の業務と密接に関連しています。
労務管理や社会保険の知識に加え、資産運用・リスク管理の知識を持つことで、企業の経営者と従業員に対して包括的なアドバイスが行えます。
特に退職金や年金制度の相談において、FPの知識は非常に有用です。

社会福祉士

社会福祉士の資格を持つ社労士は、高齢者や障害者支援においても有力です。
企業の福利厚生制度だけでなく、福祉サービスの提供や介護保険制度に関するアドバイスも行えるため、福祉分野に強い社労士を目指せるでしょう。

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まとめ

社労士資格の取得には、企業の労務管理や社会保険手続きにおいて不可欠な専門知識を習得し、自身のキャリアを大きく飛躍させるというメリットがあります。
試験の難易度は高いものの、合格後には多岐にわたる業務で活躍できる場が広がります。企業内での人事・労務部門への貢献や独立開業の道もあり、その需要は今後も高まるでしょう。
社労士資格取得を目指すことで、より一層充実したキャリアを築く一歩を踏み出してみてください。

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この記事を監修したキャリアアドバイザー

出口 翔真

横浜国立大学卒業後、電気系の総合商社に新卒で入社し法人営業に従事。
その後、キャリアアドバイザーとしてMS-Japanへ入社。現在は人事総務・経理領域担当として転職支援に従事しております。

経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 社会保険労務士事務所 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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