【弁護士も副業をする時代に】おすすめの副業と注意点を解説!
20代、30代は、キャリアの重要な転換点です。弁護士として充実したキャリアを築いている一方で、新たな収入源やスキルアップの機会を模索している方も多いのではないでしょうか。
副業は、経済的な安定を図るだけでなく、幅広い経験を積むことで本業にもプラスの影響を与えます。本記事では、弁護士におすすめの副業や注意点を解説します。
弁護士は副業できる?
弁護士の副業は認められている
日本では、弁護士が副業を行うことは基本的に認められており、法的な問題はありません。副業の範囲は幅広く、法律事務所以外の場所での法務業務や、法律とは関係のないビジネスまでさまざまです。収入の増加やスキルの向上など、多様な理由で副業をする人がいます。
ただし副業を行う際には、一般的な会社員と同様、本業への影響を最小限に抑えなければなりません。法律事務所での業務が疎かにならないように時間管理を行うのはもちろん、副業が原因で本業の顧客・依頼者への利害に影響を与えるのも問題です。
弁護士法に基づく副業の許可要件
副業の許可要件は、弁護士法30条に定められています。
弁護士法 第30条(営利業務の届出等)
1 弁護士は、次の各号に掲げる場合には、あらかじめ、当該各号に定める事項を所属弁護士会に届け出なければならない。
一 自ら営利を目的とする業務を営もうとするとき 商号及び当該業務の内容
二 営利を目的とする業務を営む者の取締役、執行役その他業務を執行する役員(以下この条において「取締役等」という。)又は使用人になろうとするとき その業務を営む者の商号若しくは名称又は氏名、本店若しくは主たる事務所の所在地又は住所及び業務の内容並びに取締役等になろうとするときはその役職名
「届出」があれば問題なく、基本的には受理されます。ある程度の自由が認められてはいますが、弁護士法1条「弁護士は、基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命とする」とあるため、弁護士のイメージを損なう仕事はあまり好ましくありません。
弁護士におすすめの副業一覧
司法試験予備校の講師
副業として弁護士におすすめなのは、司法試験予備校の講師です。
弁護士としての知識と経験を活かし、司法試験予備校の講師として受験生を指導します。自身の知識を再確認するだけでなく、講義を通じて教育に関するスキルを磨けるなど、メリットはさまざまです。
予備校の講師は、弁護士業務とは異なるスキルセットが求められるため、講師として腕を磨いていく過程でキャリアの多様化にも役立ちます。基本的には平日の夜、もしくは土日での勤務です。
コンサルタント(税理士や弁理士として)
弁護士におすすめの副業として、コンサルタントも挙げられます。
弁護士資格を持っていれば、税理士や弁理士などの専門資格にも登録が可能です。企業法務や税務の知識があるため、弁護士によるコンサルティング業務は企業からの依頼も多く、安定した副業収入を得られます。
予備校講師とは異なり、実質的な拘束時間がそれほど長くない点や、リモートなどで対応できる点が主なメリットです。クライアントとの打ち合わせや納期に合わせてスケジュールを調整できるため、ライフスタイルに応じた柔軟な働き方ができます。
法律系Webライター
弁護士の副業として、法律系Webライターとして活躍する道もあります。企業から依頼を受けて法律に関する記事を執筆し、報酬を得るのが基本です。専門家として、他のWebライターが執筆した記事を監修することも多くあります。
自身の名前で記事を発表することで、弁護士としての知名度を高められるのが主なメリットです。法律関連のニュースやトピックに対する解説記事、法律の基本的な知識を紹介する記事など、コンテンツ内容は多種多様です。
こちらも時間の融通が利きやすく、ライフスタイルに合わせて働ける副業です。
法律系YouTuber
法律系Webライターと同じようなジャンルとして、法律系YouTuberも副業の1つとして挙げられます。動画を通じて法律に関する解説やアドバイスを提供し、多くの視聴者に情報を届けます。
YouTubeチャンネルの運営は、マーケティングスキルや動画編集スキルの向上にもつながり、副業としての収益も期待できます。ただしYouTubeの規約上、収益を得るにはある程度チャンネルを育てる必要があるため、注意が必要です。
弁護士が副業を行うメリット
本業以外の収入が得られる
弁護士が副業を行うメリットは、本業以外の収入が得られることです。本業での収入に満足できない弁護士や、独立したものの仕事が少なく本業での稼ぎでは収入が足りない弁護士にとって、副業は重要な収入源となります。
副業によって、本業に依存しない複数の収入源を確保でき、経済的なリスクを分散できる点もメリットの1つです。
副業の経験を本業に活かせる
副業の経験を本業に活かせるのも、弁護士が副業を行うメリットです。たとえばコンサルタントとしての副業を行うことで、経営戦略やビジネスの知識を深められます。より実践的かつ具体的なアドバイスができるようになるため、本業の業務でもパフォーマンスを発揮しやすくなるでしょう。
また、法律系Webライターや法律系YouTuberとして活動することで、弁護士としての知名度を高められます。多くの人々に自分の名前や専門知識を知ってもらえれば、本業での依頼件数が増える可能性もあるでしょう。
弁護士の副業の注意点
弁護士の副業は公開される!?
弁護士法30条には、「副業を届け出た弁護士の情報を弁護士会が名簿に記載し、公衆の縦覧に供すること」とも定められています。副業の内容が変更になった場合や廃業した場合も、弁護士会に届け出る必要があります。
実際に名簿をチェックする人は少ないですが、依頼人が弁護士の働きぶりに疑念を抱いた場合、副業の有無を確認しに来ることも考えられます。副業が本業に悪影響を及ぼさないよう、体調管理や仕事のバランスに注意することが重要です。
勤務先の就業規則も要確認
副業を始める前に、勤務先の就業規則を必ず確認しましょう。多くの企業や法律事務所では副業に関する規定を設けており、事前に許可を得る必要があることも珍しくありません。
違反すると懲戒処分や解雇のリスクもあるため、就業規則に従って副業を考えるのが重要です。就業規則で問題がなかったとしても、前述のように、副業が本業の弁護士業務に悪影響を及ぼさないように注意しましょう。
「営利を目的とする業務」とは?
「営利を目的とする業務」ということですから、NPO法人など非営利の活動を立ち上げたり、監事などとして関わったりするのであれば、少なくとも論理的には届出が不要といえます。
また、株式投資や不動産投資、FXなども、あからさまに投資家としての事業所得として積極的に稼ぐのでなく、資産運用の範囲内であれば、「営利を目的とする業務」には該当せず、届出までは必要ないでしょう。
資産運用の範囲内での投資であれば、副業が原則として禁止の公務員であっても、プライベートの場で行うことが認められています。ただ、どこまでが資産運用で、どこからが営利目的の投資なのか、線引きが曖昧なのは確かです。
本業の収益を上回り、営利目的の投資が疑われるほどの儲けが出てしまったならば、念のために投資を副業として届け出たほうがいいかもしれません。
本業だけで精一杯なほど依頼が殺到する弁護士なら、副業は必要ないはずです。必ずしもそうでない弁護士こそ、副業で収入を安定させ、足場を固めてから、本業で取り組みたいテーマに安心して邁進できれば、業界全体にもいい効果が生まれます。
また、副業での経験が弁護士業に活かせる場面もあるでしょう。
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まとめ
日本では、弁護士が副業を行うことは基本的に問題ありません。現に、弁護士としてのスキルや経験を活かして、司法試験の予備校講師やWebライター、YouTuberを副業としている弁護士が多くいます。
ただし、どの副業を始める場合でも本業に悪影響を及ぼさないよう、時間管理や顧客・依頼者への配慮が必要になります。
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この記事を監修したキャリアアドバイザー
大学卒業後、大手サービス会社にて法人営業を経験、その後人材紹介会社にてキャリアアドバイザー経験を経て、MS-Japanへ入社。
主に会計事務所、弁護士事務所の担当を持ちながら士業領域での転職を検討している方のカウンセリングから案件紹介を担当。
会計事務所・監査法人 ・ 法律・特許事務所 ・ 税理士 ・ 税理士科目合格 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!
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