【弁護士の残業事情】平均時間や繁忙期、残業が少ない求人例など
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多数のクライアントを抱え、複数案件を同時並行で進める弁護士は、総じて残業が多い傾向だと考えられています。
そのため、残業は必須であると認識している弁護士も多いですが、実際は勤務先次第でワークライフバランスの整った働き方を実現することも可能です。
この記事では、弁護士の残業にスポットを当てて、平均残業時間と繁忙期の残業時間、残業が少ない求人例などをご紹介します。
弁護士の残業時間とは
大前提として、弁護士の仕事は、完遂して初めて実績となるため、一般的な労働者と異なり「残業」という感覚がない弁護士も少なくありません。
そのため、本記事では労働基準法による法定労働時間の考え方をベースに、1日8時間を超える労働時間を残業時間としてカウントします。
統計から紐解く残業時間
まず、日本弁護士連合会が公表している2023年版弁護士白書によると、弁護士の昨年1年間の総労働時間に関する回答結果は、以下の割合です。
1年間の総労働時間(2022年) | 割合 |
---|---|
1,000時間以下 | 14.3% |
1,001~1,500時間 | 6.3% |
1,501~2,000時間 | 18.7% |
2,001~2,500時間 | 27.0% |
2,501~3,000時間 | 20.5% |
3,001~3,500時間 | 8.0% |
3,501~4,000時間 | 3.9% |
4,000時間超 | 1.5% |
中央値は2,200時間で、最小値・最大値付近のそれぞれ5%を外れ値とした平均値(5%調整平均)は約2,143時間です。
数字を見る限り、年間で1,501~3,000時間勤務している弁護士が66.2%と、半数以上を占めています。
次に、中央値をベースに弁護士の残業時間を試算してみましょう。
年間所定労働日数を240日(365日-125日)と仮定した場合、1日の労働時間は「2,200時間÷240日=9.16時間」と算出できます。
1ヶ月の労働日数を20日と仮定すると、月の労働時間は「9.16時間×20日=183.2時間」です。
月の法定労働時間は「8時間×20日=160時間」を差し引くと、弁護士は月23.2時間の残業をしている計算になります。
また、参考値として独立行政法人 労働政策研究・研修機構の「データブック国際労働比較2024」もご紹介します。
同年における「日本の平均年間総実労働時間(就業者)」は、1,607時間です。弁護士の労働時間と同様に計算すると「1,607時間÷240日=6.69時間」となります。
弁護士の1日の労働時間から、就業者全体の1日の平均労働時間を差し引くと「9.16時間-6.69時間=2.47時間」となります。
月単位で算出すると「2.47時間×20日=49.4時間」です。
つまり、日本で働く労働者の平均労働時間よりも、弁護士は月49.4時間多く労働が発生している計算になります。
法律事務所に勤務する弁護士の方が、残業が長い
やや古い統計となりますが、2010年に発表された日本弁護士連合会の「弁護士の活動実態」も見ていきましょう。
同統計では、弁護士の週の平均就労時間は46.5時間となっており、単純計算で週6.5時間の残業です。
月単位で計算すると約200時間で、月あたり40時間ほどの残業があることになります。
また、この統計は、法律事務所内における「地位」ごとの就労時間も集計しています。
弁護士1人で運営する個人経営法律事務所の場合、週に40~49時間の時間外労働をしていると答えた人が最多で、全体の28.9%を占めています。
また、週60時間以上の時間外労働をしているのが13.5%、そのうち、週80時間以上が1.5%です。
週80時間であれば、平日に1日16時間働いていることになるため、おそらく休日出勤をしていると考えられるでしょう。
複数の弁護士が所属する法律事務所の所長クラスでも、週に40~49時間の時間外労働をしていると答えた人が全体の30.2%を占めています。
数字を見る限り、平均2時間の残業が一般的であると考えられるでしょう。
また、週60時間以上が20.3%、そのうち週80時間以上が2.1%となっており、個人経営の事務所よりも残業時間の長い弁護士の割合が高いことが分かります。
さらに、法律事務所の勤務弁護士(アソシエイト)の場合は、さらに激務となる傾向です。
週に40~49時間の時間外労働をしていると答えた人が、全体の22.2%である一方、50~59時間の時間外労働をしていると答えた人が最多で29.0%となりました。
毎日平均2~4時間の残業となるため、かなりの長さといえるでしょう。
なお、週60時間以上の時間外労働をしている勤務弁護士は30.7%で、そのうち、週80時間以上が4.0%となっています。
弁護士の繁忙期はいつ?
弁護士には、「毎年〇月~〇月」などのように特定シーズンで区切られる繁忙期は存在しないと考えられます。
これは、弁護士の業務が、時期的なルーティンで動くのではなく、主に案件ベースで動くことが理由です。
時期を問わず、新規案件が増えた際や、仮差押・事業停止に伴う破産申立などスピードが求められる案件が発生した際は忙しくなると言えるでしょう。
あえて閑散期をあげるとするならば、裁判官の異動の影響がある3月末~4月と、夏季休廷がある8月などは比較的落ち着く傾向です。
ワークライフバランス改善の転職にはインハウスローヤーがおすすめ
弁護士が、ワークライフバランスの改善を目指して転職する場合、事業会社がおすすめです。
事業会社で働くインハウスローヤー(企業内弁護士)は、法律事務所で働く場合と異なり、社員の一員として企業に所属します。
所属企業の就業規則や福利厚生が適用されるため、一般的な会社員と同じような働き方ができるでしょう。
インハウスローヤーの仕事内容は、契約書の審査や作成、株主総会対応、リスク分析などが一般的です。
クライアントから様々な案件を受任する法律事務所と比較して、定型業務が多いと言えるでしょう。
近年のコンプライアンス意識の高まりによって、インハウスローヤー求人が増加傾向です。
残業が少ない「インハウスローヤー」求人例
弊社MS-Japanが運営する管理部門・士業特化型転職エージェント「MS Agent」では、幅広い弁護士求人を取り扱っています。
ここでは、残業が少ないインハウスローヤーの求人例をご紹介します。
法務/医療機器商社/残業少なめ
仕事内容 |
・契約書審査・作成業務 ・法務相談対応業務 ・新規事業スキーム検討に関する調査・助言・提案 |
必要な経験・能力 |
・事務所弁護士又はインハウスとしての1年以上の経験 ・法務実務経験3年以上 |
想定年収 |
500万円 ~ 780万円 |
企業内弁護士/残業0~5時間/週2リモート
仕事内容 |
・契約書関連業務 ・訴訟、クレーム、トラブル等に関する法務面での対応 ・コンプアイアンス業務 |
必要な経験・能力 |
・弁護士資格 |
想定年収 |
600万円 ~ 1,000万円 |
残業が少ない「法律事務所」の弁護士求人例
前述の「ワークライフバランス改善の転職にはインハウスローヤーがおすすめ」でも解説した通り、一般的にインハウスローヤーは法律事務所に勤める弁護士よりも残業が少ない傾向です。
しかし、法律事務所も規模や専門分野、雇用形態によっては、ワークライフバランスを維持しながら働くことができます。
ここでは、残業時間の少ない法律事務所の弁護士求人例をご紹介します。
アソシエイト弁護士/残業0時間/リモート可
仕事内容 |
・一般民事 8割 ・その他 2割 ※自治体、地方公共団体に関連する業務が大半を占めます。 |
必要な経験・能力 |
・弁護士資格(バックグラウンド不問) |
想定年収 |
800万円 ~ 1,000万円 |
弁護士/法律事務所/時短や週4勤務も可
仕事内容 |
・消費者詐欺案件 ・多重債務案件 ・インターネット誹謗中傷案件 ・交通事故案件 |
必要な経験・能力 |
・弁護士資格 ※お人柄重視の選考です。 |
想定年収 |
500万円 ~ 800万円 |
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残業実態は外から見えない!転職エージェントで情報を集めよう
転職先が事業会社でも法律事務所でも、入社前に残業実態を把握するのは難しいでしょう。
また、在宅勤務・フレックスタイム制度がある場合でも、その制度の浸透率や利用率までは把握できません。
転職前に働き方の実態を把握するためには、求人情報の記載内容が本当かどうか、面接で確認する必要があります。
しかし、残業に関する質問ばかりしてしまうと、「就労意欲が低いのではないか」と面接官からマイナスイメージを持たれる可能性があるでしょう。
そのため、残業が少ない職場への転職を目指す弁護士の方は、転職エージェントの利用がおすすめです。
転職エージェントでは、求人依頼を受けた際に企業・事務所側に対して詳細なヒアリングを実施しているため、社内の雰囲気や上司の人柄、在宅勤務・フレックスタイム制度の実態など、内部情報を把握しています。
また、残業や待遇・年収といった「直接聞きにくい質問」を、代行して聞くことも可能です。
弊社MS-Japanが運営する「MS Agent」は、弁護士をはじめとする士業・法務を含む管理部門に特化した転職エージェントであり、法律事務所の求人もインハウスローヤーの求人も、豊富に取り扱っています。
弁護士の転職市場に詳しいキャリアアドバイザーも在籍しているため、将来のキャリアを見据えつつ、残業を減らしたい方は、お気軽にご相談ください。
残業時間・ワークライフバランスを改善した弁護士の転職事例
ここでは、「MS Agent」を利用して、残業時間・ワークライフバランスの改善を実現された方の転職事例をご紹介します。
企業法務系法律事務所への転職事例
Kさん(29歳・男性)
大手渉外法律事務所
年収1300万
20名規模
企業法務系法律事務所
年収900万+歩合
大手渉外法律事務所で企業法務を中心に経験を積んでいたKさんは、様々なクライアントの相談に対応できる弁護士となるため、キャリアプランの見直しを検討していました。
また、直近で子供が生まれたことで、朝から終電までの勤務が恒常化している環境からの脱却も希望条件のひとつとして含まれました。
そこで弊社からは、幅広い案件に携わりながら、プライベートの充実が期待できる職場として、平均退勤時間21~22時、在宅勤務可の企業法務系法律事務所を紹介しました。
Kさんは計4回の面談を実施し、様々な年次の弁護士から話を聞くことで、長期就労のイメージを持つことができ、納得感を持って内定承諾に至りました。
昨今の転職活動は、いきなり面接ではなく、まずは事務所のことを知ってもらうために選考要素のないカジュアルな面談を実施している事務所も増えています。
面談を通して様々な立場の人と話をすることで、入社後のイメージを具体的にすることができるでしょう。
業界大手メーカーへの転職事例
Oさん(30代・男性)
民事系法律事務所
年収700万円
業界大手メーカーの法務
年収820万円
地方の民事系法律事務所にて幅広い業務経験を積んでいたOさんは、弁護士としてより知見を広げるべく、首都圏でのインハウス勤務を目指していました。
Oさんは面接で、現職である民事系法律事務所の業務と、インハウスローヤーとしての業務のギャップを指摘されました。
しかし、ポテンシャルとコミュニケーション力を評価され、最終面接まで進むことができました。
最終面接でも同じ指摘をされると考えたOさんは、応募先企業の事業内容や仕事内容を現職と比較し、MS-Japanからの情報提供、インハウス関連の文献チェックなど、具体的にどういう点でギャップとなっているのかを徹底的に調べました。
その結果、その情熱やチャレンジ精神を評価され、業界大手メーカーから内定を獲得することができました。
経験不足であったとしても、そこを自覚し、どう埋めていくのか、応募先の状況をしっかり調べ、どのように貢献していきたいのかを話すことで、高い評価につながることがあるかもしれません。
また、そもそも自身の経験・スキルにおいて、何がネックになっているのかをしっかり押さえておくことも肝心です。
まとめ
弁護士は、その職種の特性上、多くの人が多忙な中で案件を処理しています。
また、特定のシーズンで繁忙期が区切られるケースは少なく、案件が途切れない限り日常的に忙しいものと推察されます。
そのような中、比較的ワークライフバランスの充実が期待できる弁護士の転職先としては、インハウスローヤーが代表的です。
ただし、事業会社であっても残業が常態化しているケースは十分考えられます。
そのため、転職エージェントを活用して、内部情報も細かく把握しながら、希望の条件を満たす求人を探すことが大切です。
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この記事を監修したキャリアアドバイザー
大学卒業後、カーディーラ・小売業を経験し、2008年からMS-Japanでリクルーティングアドバイザーとキャリアアドバイザーを兼務しております。
会計事務所・監査法人 ・ コンサルティング ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ USCPA ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!
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