2018年05月22日

法律事務所に勤める弁護士の一日のスケジュール

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これから弁護士として法律事務所への就業を目指す人々にとって、先輩弁護士がオンタイムにどのようなペースで業務を進めているのか、どのような働き方をしているのかは気になるところでしょう。この記事では、過去の法律系専門誌から「弁護士の一日特集」を引用し、弁護士の業務ペースを概観できるようにしているので、これからの働き方を考えるにあたって参考にしていただければと思います。

サラリーマンから転身した法律事務所に勤める弁護士(アソシエイト)の1日

「Article」 2000年3月号より

AM9:15 法律事務所に出勤
AM9:30 法律事務所の開業時間となり、次々と電話が入ってくるが、いったん、担当の秘書によって手際よく処理されていく。
AM9:40 裁判所に到着する。必要な手続きをとって、開廷まで待機。
AM10:00 開廷し、裁判が始まる。依頼人は同席していない。書面の提出などが行われるも、しばらくして、次回の期日打ち合わせなどに入り、30分程度で終了。
AM11:00 事務所に戻って、依頼人に電話をかけ、裁判の経過を連絡する。
AM11:10 裁判所へ行っていた間にかかってきた電話連絡に関する伝言を秘書から聞き、次々に折り返しの電話をかけていく。その対応だけで1時間かかった。
PM0:30 事務所を出て、昼食をとる。
PM1:30 事務所に戻って、簡単なリサーチを行う。
PM2:30 法律相談や裁判の打ち合わせなど、事務所に数件の来客があるので、対応をする。また、顧問先の企業に出向いて法務部員と打ち合わせを行う。次に訴訟の相手方である法律事務所も訪問する。
PM5:20 外出から戻り、書面の作成や本格的なリサーチを行う。
PM8:00 依頼人が同席して夕食をとる。
PM9:00 スポーツジムのプールで泳いでから、帰途に就く。

大手法律事務所に勤める訴訟弁護士(パートナー)の1日

「The Lawyers」 2008年6月号より

AM4:00 起床 入浴して家を出る。
AM5:20 事務所に到着 朝食代わりのフルーツをとりながら、メールチェック。その場で回答できるものには、即返信。並行してネットニュースを閲覧。
AM8:00 事務所の近くのコーヒーショップで、ミルクティーを購入してテイクアウト。すぐに事務所に戻り、アソシエイト弁護士が作成したドラフトを点検して、レビューを作成する。
AM10:00 訴訟を検討しているクライアント(食品会社)との打ち合わせ
AM11:10 早めの昼食 魚料理店の日替わりランチを、30分ほどかけて食べ、事務所へ戻る。
AM11:50 14時から裁判所で開かれる弁論準備期日に際して、訴訟記録の直前再確認を行う。弁論準備で交わされる情報量が多くなり、質的にも濃密になっていることから、裁判官からどのような質問が来ても的確に応えられる態勢を整えておく。
PM2:00 裁判所の一室で、約1時間の弁論準備期日。原告と被告、それぞれの主張を確認し、争点を整理する手続き。
PM3:00 終わったばかりの弁論準備の件のクライアント(化学会社)と、弁護士会の会議室にて、すぐに打ち合わせを行う。感覚が温まっているうちに情報交換を行う。
PM4:00 事務所に戻る。留守電が5本入っているので、すべてに折り返しを行い、その後にメールチェック。メールチェックの間にも、電話が3本かかってくる。
PM5:00 クライアント(IT企業)との打ち合わせ。
PM5:30 サラダとサンドイッチという軽い夕食を取りながら、再びメールチェック。この間にも電話2本に対応。
PM6:00 所属弁護士らとの内部会議。チームを組んで対応している訴訟案件の準備書面の内容について、白熱した議論が交わされる。
PM8:20 残務整理を始める。14時に行われた弁論準備に関する詳細な期日メモを作成して、クライアントへ送付する。さらに、会議中に入った3本の留守電に対して折り返し対応を行う。
PM9:00 事務所を後にする。帰りの電車の中で、新聞の朝刊の訴訟絡みの記事を読み込む。

「弁護士職務経験制度」の弁護士の1日

「自由と正義」 2008年12月号より

AM9:00 事務所のデスクに着席 メールチェック
AM10:30 裁判所へ出廷
AM11:00 閉廷 事務所へ戻る
AM11:30 依頼人とパートナー弁護士との打ち合わせ(仮処分申し立て)
PM0:30 打ち合わせ終了 (コンビニ弁当で昼食)
PM1:00 別の数人の依頼人からの案件を処理 (リサーチ 訴状などの起案)
PM3:00 依頼人との打ち合わせ (経営する会社の従業員が交通事故)
PM4:00 打ち合わせ終了 (依頼事項に関する起案に着手)
PM11:00 業務終了。事務所を後にする

まとめ

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今回ご紹介した3名の弁護士に共通していえることは、さまざまな依頼人や顧問先から信頼され、頼りにされているという事実です。法律事務所で働く弁護士というと忙しいイメージが多く、終電を逃すといった働き方が辛い...という声もありますが、今回ご紹介した人達は、自分の時間もしっかり確保しつつ、アポイントとアポイントの間のスキマ時間も気を抜かず、限られた時間を有効活用する働き方をしていることが見て取れます。

若手の弁護士の中には、なかなか仕事を取れずに、依頼が殺到して多忙といった働き方に憧れを抱く人も少なくないでしょう。弁護士は、社会から必要とされていることを直接感じられる、充実感のある立場です。ひとつの依頼を「一期一会」と心得て、真剣に向き合うことによって、ひとりずつ信頼を勝ち取っていくような仕事・働き方の信念を持つことが、弁護士として活躍し続ける上で、遠回りのようでいて一番の近道といえます。

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