法律事務所において、なぜ弁護士が就職難と言われるのか?就職が難しい弁護士の特徴

更新日:2022/01/11
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法律事務所において、なぜ弁護士が就職難と言われるのか?就職が難しい弁護士の特徴

管理部門・士業の転職

弁護士といえば、高度な専門知識を持つ士業として広く知られています。しかし近年、弁護士は就職難と言われることもあるのです。その背景には、新司法試験制度導入などが影響していると考えられています。
そこで今回は、なぜ弁護士が就職難と言われるのか、その理由を解説しました。また、就職活動を成功させたい方向けに、就職に影響することや就職活動において大切なことも紹介していますので、参考にしてみてください。

弁護士が就職難と言われる理由

司法制度改革による司法試験合格者の大幅な増加

司法制度改革によって、司法試験制度は大きく変化しました。そのため、弁護士の数が大きく増加しています。2006年に新司法試験制度が導入されると、合格者数は2000人を超える年も出てくるようになりました。
2005年の司法試験合格者数は1464人であったのに対し、2010年は2133人です。ただし、2017年には1543人となっており、一時期2000人を超えてからは、落ち着いています。
しかし、弁護士の数が増加していることに変わりはありません。

弁護士の数が増えているのとは対照的に、事件の数はほぼ横ばいです。司法統計によると、平成27年の民事・行政事件は1,432,324件。平成28年は、1,470,655件。平成29年は、1,529,392件。
増え続ける弁護士とは異なり、事件の数は横ばいであり、案件の受注競争が激化していると考えられます。このことが、弁護士が就職難となる理由の一つと言えるでしょう。

マスコミの過熱報道

マスコミの「弁護士は食えない」や「弁護士は就職難である」という報道が過熱したことも、弁護士が就職難と言われる理由の一つです。
マスコミの影響で、弁護士は就職難であるという強いイメージが根付き、就職活動に苦労した世代もあったと言われています。

AIの進歩

近年、AIは様々な分野で台頭しています。士業の分野でも、AIの活用が進められているのです。2016年、アメリカの大手弁護士事務所であるBaker & Hostetlerが、人工知能弁護士「Ross」を雇ったことが話題となりました。「Ross」を活用することで、これまで人力で行われていたリサーチの時間を大幅に短縮し、サービスの質の向上に役立つと考えられています。2021年現在はまだ少数ですが、AIは確実に弁護士の仕事を担うようになってきていると言えるでしょう。AIがさらに進歩し、AI弁護士が活躍するようになれば、弁護士はより就職が難しくなる可能性があります。このことも弁護士が就職難と考えられている理由の一つです。

【参考URL】
司法試験合格者の状況

全新受事件の最近5年間の推移【全裁判所】

世界初、人工知能弁護士「Ross」が就職!?

弁護士は就職難とは言えない

第一章では弁護士が就職難と言われる理由をご紹介しました。しかし、実際のところ、弁護士は就職難とは言えないという見方もあります。
2006年に新司法試験制度が導入された後の移行期では弁護士合格者数が2000人を越す年が続き、急激な弁護士の増加で就職が厳しかった時代もありましたが、2020年現在は落ち着いています。また、大手事務所は採用を拡大しており、就職難とは言いづらいです。
ジュリナビのデータによれば、5大事務所の新人採用数が7年連続増加しています。ただし求人は東京など大都市圏に集中している傾向があるので注意が必要です。
事務所の規模や場所などの影響はありますが、新人が就職できるチャンスは増えていると言えるでしょう。

第一章でご紹介した通り、リーガルテックのようなAIの活用が進められています。しかしAIが得意な仕事もあれば苦手な仕事もあります。
むしろAIを活用することによって、弁護士は高度な判断が必要な仕事にのみ集中できるようになり、業務の棲み分けが進むことでサービス向上の底上げができると考えられるのです。
AIの進歩が凄まじくても、一気に弁護士の仕事がなくなる可能性は低いと言えます。

就職に影響すること


弁護士は就職難ではないと言っても、就職活動がスムーズにいくとは限りません。法律事務所において、弁護士の就職活動に影響する代表的なことを見ていきましょう。

受験回数や成績

採用時に受験回数や成績を気にする法律事務所は一定数存在します。特に司法試験に合格してから1年目〜3年目の新人弁護士の採用活動では、司法試験の受験回数や総合順位を法律事務所が気にする傾向があるので注意が必要です。
ただし、気にしない法律事務所もありますので、自身の希望や状況、法律事務所が重視するポイント等を考えて就職活動をすることが大切です。

学歴

学歴だけで大きく不利になることはありません。しかし、4大法律事務所では学歴も重視されますので、学歴は高いほうが有利と言えるかもしれません。
特に4大法律事務所では高学歴の人材が多い傾向にある為、4大クラスを希望する場合は、学歴が低いと就職が厳しい可能性が高いです。
ただし、一口に法律事務所と言っても様々な特色がありますので、自分の希望する就職先が学歴を重視しているかどうかなどを事前にしっかりとチェックしておくことが大切です。

面接時の印象

面接時の印象も就職に影響します。求職者の人間性は大事な評価ポイントであり、自社に合った人間性を持つ人材であるかどうか、面接の場でしっかりとチェックされます。
応募先がどのような人物像の人材を求めているのか、ホームページを見たり、所についての理解がある知人から情報収集を行ったりと、リサーチを行い、面接対策をしておくことが効果的です。

就職するためには

弁護士の就職先としては、主に法律事務所と企業法務があります。就職するためには、どちらも提案してくれるエージェントを利用することがオススメです。
転職エージェントを活用することで、内定率を上げられる可能性が高くなります。
弁護士は高度な専門職なので、弁護士の就職や転職に強いサービスを利用することで、豊富な案件の中からご自身にあった応募先を選ぶことができ、有利です。

なお、弁護士の就職難が解消していると言っても、就職活動をしっかり行わないと、就職が成功する確率は低くなります。就職活動をする前に自己分析をして自分の強みを明らかにしておくことも効果的です。
自身の強みとマッチする就職先を選ぶと、就職活動が成功しやすくなります。もし、客観的に自身の強みを把握しづらい場合は、転職エージェントに相談してみると良いでしょう。
弁護士案件に強い転職エージェントを選ぶと、具体的なアドバイスをもらえる可能性が高いです。合わせて、情報収集を念入りに行い、しっかりと対策をした上で選考に臨むことが大事です。

就職活動がうまくいかない場合は、自身の状況を冷静に省みると良いでしょう。自身の状況と比べて高望みをしていないか、活用しているサービスは適切か、書類は魅力的かなど、適度に見直しをはかることで、希望するところに就職が決まる可能性は高まります。

まとめ

弁護士は就職難と言われていた時代もありましたが、現状を冷静に判断すると就職難とは言えないと考えられます。AIの活用で変化は生じていますが、まだまだ弁護士を必要としているところは多いです。
就職活動を成功させるためには、学歴や司法試験の総合順位など、採用活動に影響があるところを押さえておくことが大切です。
ただし、必ずしも学歴や順位を重視するところばかりではないので、自己分析等から強みを明らかにして、自身に合った就職先を探すと良いでしょう。
悩んだ時は、弁護士の就職に強い転職エージェントの活用が効果的です。弁護士の就職に強い転職エージェントを活用することで、ご自身にあった就職先や今後のステップアップの方法について知識を得ることが可能です。
合わせて転職エージェント以外にもしっかりと情報収集を行い、就職活動を冷静に行うことが大切です。

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