法律事務所に転職したい!弁護士とパラリーガル・事務スタッフそれぞれの転職市場やポイント
法律事務所とは、弁護士が所属する法律に関わる業務を行う事務所です。
ただし、法律事務所に就職・転職するためには必ず弁護士資格が必要というわけではなく、弁護士を支えるパラリーガルや事務スタッフとして働いている方もいます。
本記事では、「法律事務所への転職」という大きなテーマを、弁護士とパラリーガル・事務スタッフに分けて解説します。
前半は「法律事務所に転職したい弁護士」、後半は「法律事務所に転職したいパラリーガル・事務スタッフ」に向けて解説しますので、確認したい章を目次からお選びください。
・「企業法務」を担当する弁護士の需要が高まっている
・弁護士が法律事務所に転職するには「やりたいことの明確化」「情報収集」がカギ
・パラリーガル・事務スタッフは「事務スキル」「スケジュール管理能力」「ビジネスマナー」が重要
法律事務所で働く弁護士の仕事内容
法律事務所における弁護士の仕事は、大きく「民事事件」「刑事事件」「企業法務」の3つです。
民事事件
民事事件とは、日常生活の中で起こる争いごとのことで、弁護士は当事者同士では解決できない問題を解決したり、法律知識のない方を助けたりします。
具体的には、法律相談、和解・示談交渉、訴訟活動、行政庁に対する不服申立てなどの仕事を行います。
刑事事件
刑事事件とは、被疑者・被告人に対して捜査や取り調べを行い、裁判で刑罰を科すかどうかなどを決める事件です。
弁護士は、クライアントになる被疑者や被告人の正当な権利や利益を擁護するために、有利な事情を主張、立証する役割を果たします。
企業法務
企業法務とは、その名の通り企業の法務活動のことを指しますが、法律事務所に勤務する弁護士は企業の顧問弁護士として、クライアントとなる企業の法務活動を専門的な立場でサポートします。
具体的な仕事内容は、クライアント企業の法務体制にもよりますが、日々の法律相談や法的トラブルの対応など様々です。
法律事務所の種類と特徴
法律事務所といっても、規模や扱う案件などは事務所によって様々です。以下にそれぞれの事務所の主な特徴をご紹介します。
五大事務所/国内大手法律事務所
五大事務所をはじめとした国内大手法律事務所では、大規模かつ先進的な国内外の案件を扱っており、高い専門性を持った弁護士が活躍しています。
チームで業務を進めることが多く、効率的かつ戦略的なアプローチが求められます。弁護士の所属人数が多いことから、サポート体制が整っているのも特徴的です。
国内準大手/中堅法律事務所
国内準大手/中堅法律事務所は、率先して学習する姿勢が求められます。それは大手法律事務所を比較して、アソシエイト弁護士の比率が少ないためです。
一方で、事務所の成長に伴い、パートナーのポジションを狙いやすかったり、横断的な経験を積めるチャンスがあったりする点が魅力です。
外資系法律事務所
外国弁護士が所属していることも多い外資系法律事務所では、国内業務がメインでもコミュニケーションで英語を使用することが多いです。
近年では、グローバル展開を進めている国内大手企業の案件を担うことも増えてきているのも特徴的です。
日系の事務所と社風が異なる傾向が強いですが、給与や福利厚生などの待遇面は国内大手法律事務所に引けを取りません。
企業法務系法律事務所
企業法務として、直接ビジネスの意思決定に関わることが多いです。契約法、コンプライアンス、リスク管理など、企業運営に直接的に貢献する業務を担います。
ビジネスと法律の両面でのスキルをバランス良く活用したい弁護士に適しています。
一般民事系法律事務所
個人のクライアントを多く持ち、民事訴訟、家事事件など幅広い案件に対応します。クライアント一人ひとりに密接に関わることができるため、対人スキルを磨きたい弁護士におすすめです。
大手ほど教育体制は整っていないものの、早めに案件を任せてもらえる傾向があります。
ブティック系法律事務所
特定の法律分野に特化しており、その分野の深い専門知識を持つ弁護士が活躍しています。小規模ながらも専門性の高い法律サービスを提供し、顧客からの信頼も厚いです。
弁護士として、何か特定の強みを作りたい方に向いている事務所と言えるでしょう。
【最新】法律事務所における弁護士の転職市場
毎年司法試験では、1,500人強の司法試験合格者が輩出されています。弁護士は定年がないため、弁護士の人数は増え続けていると言えるでしょう。
そこで気になるのは、弁護士の飽和状態により仕事がなくなるのではないかという問題です。
しかし、最近の転職市場では弁護士数の増加に伴い、弁護士の採用人数も増加しているため、弁護士の仕事がなくなるということは考えにくいです。
特に昨今は、企業のコンプライアンス意識の高まりやグローバル進出により、法律のスペシャリストとして弁護士の需要が高まっており、企業法務を担当する弁護士の転職市場が活発になっています。
また、WEB3などの先端技術の発展により、新規領域に強みを持つ法律事務所の弁護士需要が高まっています。
法律事務所の在り方も変革期にあるため、弁護士も自らの専門性を高め、アピールしていくことが求められるでしょう。
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【2024年最新版】弁護士の転職市場動向を徹底解説!
弁護士向けの法律事務所求人例
管理部門・士業に特化した転職支援を行っている「MS Agent」では、弁護士向けの法律事務所求人を多数扱っています。
無料の会員登録をすることで、非公開求人のご紹介も可能になります。求人をお探しの際は是非ご登録ください。
ワークライフバランスのよい総合系法律事務所にて弁護士の募集
仕事内容 |
・株式関係業務 ・M&A・組織再編 ・会社オーナー・地主等の相続(遺産分割、遺留分、遺言作成) ・国際関係業務(国際相続、国際取引) ・税務 ・信託/資産承継・管理 ・著作権 ・一般企業法務 など |
必要な経験・能力 |
目安70~76期の弁護士で法律事務所での勤務経験がある方が対象となります。 |
想定年収 |
600万円 ~ 1,500万円 |
ベンチャー支援において強みを持つ法律事務所にて弁護士の募集!
仕事内容 |
・利用規約や契約書のレビュー、作成 ・コーポレート業務(会社設立、種類株式の設計、新株予約権の発行手続き、合併、株主総会対策等) ・ベンチャーキャピタルからの投資契約作成 ・M&A(スキームの検討、契約書作成、デューデリジェンス等) ・IPOサポート ・紛争対応(訴訟、労働審判等) など |
必要な経験・能力 |
<必須> ・弁護⼠資格者 ・コミュニケーション能⼒ (アソシエイトのうちから顧客担当の窓口を担当していただきます) <歓迎> ・英⽂契約書の実務経験をお持ちの⽅ ・理系バックグラウンドの⽅ |
想定年収 |
600万円 ~ 1,000万円 |
弁護士が法律事務所に転職するには
弁護士が法律事務所に転職する際の2つのポイントを解説します。
やりたい業務を明確にする
法律事務所に転職するにあたっては、自分が弁護士としてどのような業務に、どの程度の責任をもって働きたいのかを決めておくべきでしょう。
それによって、専門的な業務を担当するプロとして大手事務所を狙うか、幅広い業務を責任者として担当できる小規模~中堅の事務所を探すかが変わってきます。
そこで重要になるポイントが、事前に各法律事務所の情報を詳細にチェックすることです。
業務内容以外にも、事務所の雰囲気や働きやすさを知ることができれば、転職する上での大きな判断材料になるでしょう。
徹底した法律事務所の情報収集
求人情報である程度転職先候補を絞り込んだら、今度はホームページやSNSで、その事務所に関するすべての情報をチェックしてください。
定期的にブログを発信している場合には、細かい部分にまで目を通しておくべきでしょう。
このように、弁護士が法律事務所をチェックする場合も、やはりインターネットの情報が中心になりますが、あくまでも限られた情報であることを忘れないでください。
もしも、より正確で信頼性の高い情報を手に入れたい時には、それぞれの法律事務所について、豊富な情報を提供できる転職エージェントに相談してみることをおすすめします。
管理部門・士業特化の転職エージェント「MS Agent」では、業界に精通したキャリアアドバイザーがあなたの転職活動をお手伝いします。
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弁護士が法律事務所への転職で求められるスキル
弁護士に求められるのは、法律や裁判手続きの知識や経験だけではありません。ほかに以下のようなものが挙げられます。
分かりやすく説明するスキル
クライアントは基本的に法律に関しての知識がないことが多いため、法律関係の事柄をわかりやすく説明するスキルが必要です。
時にはクライアントに不利な事情を説明しなければならないこともあり、弁護士には分かりやすく説明が出来るスキルが必要になります。
クライアントの信頼を得られる、真摯な人柄
弁護士には、クライアントからの信頼を得られる能力も求められます。
弁護士への相談は、プライベートな内容が多く、クライアントの中には詳細をあまり話したくないと考える方もいます。
信頼を得ることで、クライアントが弁護士になんでも話せる雰囲気をつくることができ、様々な情報を引き出すことが出来ます。
事務所内でのコミュニケーションスキル
業務を円滑に進めるためには、他の弁護士やスタッフと良好なコミュニケーションをとれることも大切です。
法律事務所での仕事は弁護士だけで行っているわけではありません。弁護士の仕事をサポートしてくれるパラリーガルや事務スタッフと円滑なコミュニケーションをとることで、仕事も順調に進めることが出来ます。
法律事務所へ転職したい弁護士の転職理由・志望動機
弁護士が法律事務所に応募するのは当たり前のことのように思えますが、当たり前のことを分かりやすく言語化できるかを試されているのだと考えましょう。
応募書類や面接などで、転職理由や志望動機を述べる際に重要なポイントがいくつかあります。
ネガティブな理由を入れない
退職理由がネガティブな内容であったとしても、そのまま述べるのは得策ではありません。ポジティブに転換しましょう。
例えば、「前の職場では新規案件の受け入れが難しかった」(ネガティブ)を「この事務所では幅広く受け入れているので、チャレンジしたい」(ポジティブ)に転換します。ネガティブ発言は好感度を下げてしまうので、注意しましょう。
応募する事務所を志望する理由を見つける
事務所の特徴をリサーチして事業内容や働く環境、事務所の規模などから共感できるものを見つけます。その上で自分の志望動機になりそうなものを決めておきましょう。
こうすることで、「その事務所でなければならない理由」が明確になり、説得力が増します。
謙虚な姿勢を忘れない
応募書類を作成する際や面接で話す際は、上から目線にならないように注意しましょう。
「自分のレベルにそぐわないから辞めた」「この事務所なら大丈夫そうだ」などの偉そうな表現はやめましょう。人柄も見られていることを忘れないようにしてください。
論理的に伝えることを意識する
弁護士は依頼者への説明や相手方との交渉、法廷での主張などあらゆる場面で論理的なやり取りを展開する職種です。
応募書類や面接でも論理的な文章や話し方ができるかを見られているため、常に意識しましょう。
法律事務所への転職なら転職エージェントがおすすめ
法律事務所に転職したいならエージェントに相談するのがおすすめです。
例えば、ワークライフバランスを改善したくて転職先を探しても、事務所や会社内での働き方は外からではわかりづらい部分があります。
特に弁護士は専門性の高い職種であるだけに、事務所の雰囲気が合うかどうかは重要なファクトです。
その点、転職事情に精通したエージェントに相談すれば、事務所の内部事情も含めた詳しい情報を得られます。
また、すでに弁護士として働いている方は、現職が忙しすぎて転職活動が行えない場合があります。
転職エージェントを利用すれば、自分に向いている求人の紹介や面接の日程調整など転職活動全体をサポートしてもらえるため効率よく進められます。
法改正やビジネス環境の変化などにより、法律事務所が求めるスキルや経験が変化する可能性がありますが、転職エージェントは最新の転職市場動向を理解しているため、エージェントに相談しながら転職活動を進めることが大切です。
管理部門・士業特化の転職エージェント「MS Agent」では、業界に精通したキャリアアドバイザーがあなたの転職活動をお手伝いします。
「どのような流れで転職活動を進めるの?」と疑問に思われた方は、
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法律事務所へ転職した弁護士の事例
一般民事系法律事務所から専門性を高められるブティック系へ
Tさん(30代半ば・男性)
一般民事系法律事務所
年収:600万円
ブティック型法律事務所
年収:700万円
Tさんは、一般民事系の法律事務所にて、交通事故や離婚などの案件を中心に携わっていました。
司法試験の選択科目が知的財産法だったこともあり、知的財産に興味を持つようになりましたが、知的財産に強い弁護士がいない環境でした。
そこで、より専門性を磨きたいと考え、転職を決意。最終的に見事知財に強みを持つブティック型法律事務所から内定を獲得しました。
一般民事案件の経験が多い場合、企業法務をメインに行う法律事務所への転職難易度は高いケースが多いです。
しかし、Tさんのように、一般民事系法律事務所にいながら、関連する案件に積極的に携わることで、そこをきっかけに企業法務系の法律事務所への転職を成功させることも可能です。
インハウス弁護士から企業法務メインの法律事務所へ
Sさん(30代前半・男性)
司法修習後、大手企業の法務
年収:1,100万円
企業法務法律事務所
年収:1,150万円
大手企業でインハウス弁護士として勤務していたSさん。弁護士として法律事務所を経験するべきか迷っていました。
インハウスから法律事務所へ転職する場合、経験が1~3年の若手であれば、ポテンシャル採用の可能性が高いです。しかし、経験年次を重ねるにつれて、実務面などが重視されるため、候補が減っていく傾向があります。
そういった市場感をお伝えし、転職活動を開始しました。
最終的には業界内でも有名な企業法務をメインした法律事務所で、コーポレート業務を中心とするポジションで内定。これまでのインハウス弁護士としての経験から、企業活動を内部から理解している点を評価いただき、年収もアップで無事納得する勤務先に転職が決定されました。
「自分の市場価値を知りたい」がきっかけで大手法律事務所のパートナーへ
Jさん(30代後半・男性)
外資系法律事務所
年収:2,500万円
大手法律事務所
年収:3,000万円
外資系法律事務所にて、パートナーとして活躍していたJさん。自分の価値を知りたいと思い、弊社にご相談がありました。転職する場合は、現状よりも事務所規模が大きく、年収水準も高めたいご希望があり、国内大手の法律事務所に提案という形でJさんをご紹介しました。その後トントン拍子で知的財産分野のパートナーとして内定獲得に至りました。
ご自身のキャリアについて、どのような選択肢があるのか客観的に意見を聞きたい場合は是非ご相談ください。思わぬ良い出会いや有益な情報を得ることが可能です。
法律事務所で働く弁護士以外の職種
法律事務所には弁護士以外に、パラリーガルと事務スタッフの方が働いています。
パラリーガル
パラリーガルは、弁護士資格がない事務職の中でも法律知識に精通しており、弁護士の右腕として頼りにされることもあります。
パラリーガルも事務スタッフと同様、資料リサーチを担当することもありますが、現行法の条文や裁判所の判例など、より専門性の高い調べ物を行うことを任務としています。
また、弁護士が裁判などで使用した資料、あるいはこれから裁判で提出しようとしている書類などを、然るべき時に的確に取り出しやすいよう整理するファイリング業務も担当します。
法的資料のファイリングも、法的な基礎素養や理解力が身についていなければ務まりません。
事務スタッフ
事務スタッフ(法律事務員)は、法律事務所に勤務しながらも法律に関する知識が不要な職員です。
法律知識よりも、簿記や秘書検定の資格を取得していたり、PCスキルなどに秀でていたりするなど、弁護士が不得手としがちな分野をカバーしているほうが、就職・転職に有利です。
事務スタッフは、弁護士が行わないデスクワークを一手に引き受け、裁判所や官公庁などに提出する書類の原案となる文面(ドラフト)を作成することもあります。
また、事務所にかかってくる電話などへの応対や、図書館などでの資料リサーチ、法律相談の受付窓口などで、弁護士業務を下支えし、手分けします。
そのことで、弁護士の業務負担を軽減し、本来的な業務や独占業務に集中できる環境を整えます。
このほか、弁護士のスケジュール管理や外出先での帯同などの業務を行う弁護士秘書や、法律事務所のお金の流れを管理する経理担当者なども、事務スタッフに含まれます。
【最新】法律事務所におけるパラリーガル・事務スタッフの転職市場
パラリーガルの転職市場と将来性
専門性の高いパラリーガルは、企業の法務担当としても需要があります。ビジネスのグローバル化が進み、コンプライアンスが重視されるようになった昨今、企業は法務関連部署を充実させようとしています。
このような理由から、法律知識を備えるパラリーガルの市場価値は高く、中途採用の求人も多くあります。
事務スタッフの転職市場と将来性
AIの影響を最も大きく受けるのは、一般的な事務作業や秘書業務といった領域です。AIがすべて代行できるとは限りませんが、これまで担ってきた業務が減少する可能性は十分にあります。
また、小規模法律事務所では、パラリーガルが事務・秘書を兼ねるところも多いので、事務・秘書のみの経験だけで転職するのはハードルが高いです。将来に向けて、法律知識を備えるなどの対策を検討しましょう。
事務職員能力認定試験を受けるのも方法です。法律事務所で働く職員が、弁護士をサポートするために必要な法律・手続きを学ぶための研修および認定試験です。
日弁連が実施しており知名度と信頼性が高いため、法律事務所への転職で評価される可能性があります。
パラリーガル・事務スタッフ向けの法律事務所求人例
国内外の案件を取り扱う弁護士法人でのパラリーガルの募集
仕事内容 |
パラリーガル業務及び法律事務 ・弁護士の補助業務 ・必要書類のドラフト及び翻訳(日英) ・法令、事実調査 <国内外の案件比率>国内:国外=8:2 |
必要な経験・能力 |
<必須条件> ・パラリーガル及び法律事務の実務経験者 <歓迎条件> ・英語の読み書きに抵抗がない方 ・英語での電話対応経験者 ・弁護士の隣接士業の有資格者 |
想定年収 |
400万円 ~ 500万円 |
未経験歓迎◎有名法律事務所で事務職員・パラリーガルの募集
仕事内容 |
<法的業務> ・受任事件の担当弁護士のサポート ・裁判所・法務局との連絡調整 ・公的機関に対する資料申請・取得 <企画業務> ・受任事件等のシステム管理 ・事務所運営のスケジュール管理 ・来客・会議管理 ・備品・事務機器管理 <経理業務> ・受任事件等の経理サポート ・事務所運営にかかる各種経理処理 |
必要な経験・能力 |
・4年制大学(学部不問)を卒業された方 ※法学部出身であればなおよし |
想定年収 |
380万円 ~ 450万円 |
パラリーガル・事務スタッフとして法律事務所に転職するには
パラリーガルとして転職する際のポイント
前章で紹介しましたが、パラリーガルは業務上法律に関する知識が求められます。
法学部卒の方や司法試験や弁理士試験などの法律系の資格試験勉強中の方であれば、知識を活かして転職することが可能です。
また、事前に法律事務所の特徴について情報収集することも重要です。事務所ごとに得意とする分野や働き方が異なるので、特に試験勉強中の方は自分が学びたい分野の仕事が出来るのか、試験勉強が出来なくなるほど忙しくないかなどを確認しましょう。
そこでおすすめなのが、転職エージェントの活用です。
膨大な数の求人案件を扱う転職エージェントなら、求人票には出ていない情報を掴んでいる可能性があります。
相談すると希少な情報を得られるかもしれないので、転職エージェントを活用して転職活動を進めるのもひとつの道です。
事務スタッフとして転職する際のポイント
直接法律に関わらない事務スタッフは、一般企業と同様に正社員、パート・アルバイトという雇用形態になることが一般的です。
事務スタッフの求人は、欠員が出た場合に補充人員を求人するパターンが多く、通年での募集は少ない傾向にあります。
しかし、弁護士の業界でも業務効率化を重視する動きが強まっている傾向です。
弁護士は自身の担当すべき業務に専念する必要があり、そのために付帯業務をサポートする職種のニーズは年々高まっています。
事務スタッフとして法律事務所への転職を目指すなら、事業会社での経理や総務業務などの実績やスキルをアピールすることが重要です。
さらに、法律面での知識を備えている人材であれば、よりよい条件での転職が可能になるでしょう。
転職を検討する場合、一定の準備期間を設けて、これらの知識やスキルを高めておくと有利に働くはずです。
未経験で法律事務所に転職できる?
未経験でパラリーガルへ転職する難易度は高め
経験豊富なパラリーガルは引く手あまたですが、未経験だとかなり難しいのが現実です。
ただし、中には「未経験歓迎」などとする求人もあります。パラリーガル志望の未経験者は、そういった求人にしぼって応募しましょう。
法律事務所での就業経験がなくても、3年程度以上の社会人経験、特に事務職経験があれば歓迎される可能性があります。
小規模法律事務所では基本的な接客・電話対応・事務処理などを教えていく余裕がなく、社会人経験は必須としているところが多いからです。
また、未経験でも採用される確率を上げるためには、パラリーガル認定資格をもっていると有利に働く可能性があります。
パラリーガル認定資格は、日本リーガルアシスタント協会が提供する、国内で唯一のパラリーガルの資格です。スキルや経験によって3つのレベルに分かれてているため、パラリーガル未経験者でも受験できます。
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パラリーガル認定資格とは?難易度や受験資格
事務スタッフは未経験でも法律事務所へ転職可能
事務職や秘書業務は専門性が求められないため、法律事務所が初めての人でも問題ありません。少人数の職場では、法律事務所での就業経験よりも、人間性やコミュニケーション能力のほうが重要です。
一方で、事務職・秘書に限定した求人が少ないのも現実です。それはパラリーガルが事務・秘書の業務を兼任することが多いからです。
また、パラリーガルと同様に、3年程度以上の社会人経験は必要です。特に小規模法律事務所では、OJTで事務職・秘書の業務を教えてくれる人はいないと考えたほうが無難です。
パラリーガル・事務スタッフが求められるスキル・資格
法律事務所への転職で求められるスキル
パラリーガル・事務スタッフに求められるスキルとしては、以下のようなものがあります。
事務スキル
パラリーガル・事務スタッフ共に資料作成や整理などを行う機会が多いです。法的文書など、重要な内容の書類を扱うため、正確性が求められるでしょう。
そのため、オフィス系ソフトの使用経験やパソコンスキルが必要です。
スケジュール管理能力
社内のタスクはもちろん、多忙な弁護士に代わり顧客とのスケジュール調整を行います。スケジュール管理ができないと、訴訟期日までに十分な準備ができなかったり、重要な文書の提出期限に遅れてしまったりするリスクがあります。
様々なタスクの調整を同時に行う必要があるため、スケジュール管理能力は欠かせません。
ビジネスマナー
顧客対応や裁判者とのやりとりなど、社外とのコミュニケーションが多いポジションです。その際に、ビジネスマナーは当然にように求められます。
法律事務所への転職で求められる資格
弁護士以外の職種の場合、法律事務所への転職で必須の資格はありません。しかし、取得しているほうが有利になる資格は次のものが挙げられます。
・MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)
・日商簿記検定
・パラリーガル認定資格
・TOEIC
・秘書検定
・司法書士
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パラリーガルや法律事務所事務員への転職に有利な資格とは!
法律事務所の面接でよく聞かれる質問
法律事務所だからといって特別な面接が実施されるわけではありません。一般企業と同様に、チームワークや協調性、コミュニケーションスキルといった人柄に関わる面が重視されます。
法律事務所の面接でよく聞かれる質問を、未経験者と経験者に分けて紹介します。
未経験者への質問
未経験者の面接ではまず、「なぜ法律事務所で働きたいのか」との質問に答えられるかが重要なポイントです。
さらには「なぜこの事務所を選んだのか」を説明できなくてはなりません。志望動機については後述します。
ほかによく聞かれる質問として次のようなものが挙げられます。
前職の退職理由
ネガティブな理由は避け、自分の可能性を広げるためなど、ポジティブな理由に置き換えます。
スキル・得意なこと
履歴書に記入済みのことでも、確認の意味で聞かれる場合があります。
「パソコンが得意です」「秘書検定に合格しました」など、自身の強みやスキルについて、自信をもって答えましょう。
コミュニケーションについて
法律事務所では人間関係を重視しているところが多く、コミュニケーション能力についてはよく聞かれます。
上司や同僚と円滑に意思疎通ができること、接客経験があり、外部の人々とのコミュニケーションも得意であることなどを、具体的なエピソードと共に答えるようにしましょう。
趣味・特技など
為人を知る意味で仕事以外の質問におよぶ場合があります。趣味やプライベートな時間の過ごし方なども簡潔に伝えられるようまとめておきましょう。
逆質問
面接の最後に「何か質問はありますか?」と逆質問の機会が設けられることが多々あります。
未経験者の場合、経験者に比べると経験やスキル面でのアピールポイントが少ないため、意欲を伝えるためにも積極的に質問しましょう。
その際は給与や待遇に関する質問ではなく、業務内容や職場でどんな人が活躍しているのかなど業務に関係する質問が望ましいです。
経験者への質問
法律事務所で勤務したことのある人への質問は、どうしても前職を退職した理由をフォーカスすることが多くなります。これは、同じ理由で辞める可能性や仕事に対する考え方・価値観などを確認するためです。
必ず聞かれることなので、しっかり説明できるようにしておきましょう。
パラリーガル志望者は、入社後にミスマッチが生じないようにキャリアビジョンについて聞かれることも多くあります。司法試験合格を目指すのか、またはほかの法律系資格(司法書士、行政書士、社会保険労務士など)の取得を目指すのかなどの質問です。
キャリアビジョンについて聞かれたときは、自分の未来像とともに、この事務所での役割についても答えましょう。どのように事務所に貢献していきたいかをわかりやすく述べます。
面接時の注意
まず、面接でよく出される質問には回答を準備しておきましょう。
面接で好印象を残すためには、明確な発言、論理的な説明が重要です。自分の回答に矛盾がないか、あらかじめチェックしておきましょう。
また、すでに履歴書で伝えてあることを繰り返しアピールするのは、あまり効果的ではありません。しかし、相手から聞かれた場合は重複していても簡潔に答えましょう。
近年はオンラインで面接を行う事務所も増えているため、オンライン面接にも慣れておく必要があります。
通信環境やパソコン、マイク、カメラなどの機器をチェックするためにも、転職エージェントや知人などに模擬オンライン面接をしてもらうのも効果的です。
パラリーガル・事務スタッフの志望動機
パラリーガルや事務職・秘書の場合は、次のような志望動機が考えられます。
弁護士を目指したい(パラリーガル)
弁護士を目指すためにパラリーガルとして職務経験を積みたいというのも志望動機のひとつですが、それだけでは強いアピールになりません。
自身が目指す弁護士像と、応募先で取り扱う分野や特徴を絡めて伝えるのが効果的です。
社会に貢献する実感を得たい(パラリーガル・事務スタッフ)
弁護士が重要な任務をこなせるのは、パラリーガルや事務スタッフの補佐があるからこそです。
そんなパラリーガルや事務スタッフの役割や魅力を交えつつ、仕事に対する想いを志望動機に含めましょう。
法律に興味がある(パラリーガル・事務スタッフ)
パラリーガルはもちろん、事務スタッフでも、法律に興味をもっていることは法律事務所で歓迎されますし、必須条件とも言えます。
調べ物が好き、裁判記録を読むのが好きなど、業務に役立つ趣味・特技をもっているなら、志望動機に盛り込みましょう。
法律事務所での補助スタッフとして働きたい理由も入れると志望動機の説得力が増します。
まとめ
法律事務所では弁護士をはじめとして、それをサポートするさまざまな職種の方が働いています。
弁護士として転職する場合も、弁護士以外の職種で転職する場合も、転職する際は法律事務所に関する情報収集が重要です。
希望に合う働き方が出来るのかを事前に確認することで、入社後のギャップを出来るだけ軽減させましょう。
転職後にも長く勤務できて、キャリアアップを目指すためには、こうしたポイントを重視して、自分に合った法律事務所を探すようにしてください。
- #法律事務所への転職
- #法律事務所の転職市場
- #法律事務所に転職するには
この記事を監修したキャリアアドバイザー
大学卒業後、新卒でMS-Japanへ入社。企業側を支援するリクルーティングアドバイザーとして約6年間IPO準備企業~大手企業まで計1,000社以上をご支援。
女性リクルーティングアドバイザーとして最年少ユニットリーダーを経験の後、2019年には【転職する際相談したいRAランキング】で全社2位獲得。
2021年~キャリアアドバイザーへ異動し、現在はチーフキャリアアドバイザーとして約400名以上ご支援実績がございます。
経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 法務 ・ 法律・特許事務所 ・ 役員・その他 ・ 社会保険労務士事務所 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!
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