2023年09月28日

【40代内部監査の転職】求められるスキルや転職事例など

管理部門・士業の転職 管理部門・士業の転職

内部監査は、職務の特性上、社内の様々な部署で経験を得てから担当するケースが多く見られます。
問題点を指摘し、改善策を提案するだけでなく、改善が円滑に進むよう、監査対象の部署や経営陣との密なコミュニケーションが求められることが理由のひとつです。

しかし、近年は、新たなリスクに対応するため、内部監査に精通した40代以上のプロフェッショナルが活躍する機会が増えています。
この記事では、主に40代で内部監査職への転職を希望する人向けに、転職市場の動向や事例などを幅広い観点からご紹介します。

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内部監査の転職市場

他職種に比べると、ニッチなイメージのある内部監査ですが、決してニーズがないわけではありません。
まずは、転職市場における内部監査のニーズについてお伝えします。

内部監査の求人動向は増加傾向にある

内部監査の求人動向は、2019~2022年までの状況を見る限り、増加傾向にあります。
2020年は、新型コロナ禍で一時的に新規求人の減少・採用意欲の低下が見られましたが、翌年の2021年には回復傾向に転じています。さらに、2022年に関しては、新型コロナ禍以前の2019年よりも求人数が増加しました。

このことから、今後も内部監査に対する企業のニーズは増加し、売り手市場(求職者にとって有利)の状況が続いていくと推測できます。

経験者が少ないこともニーズの高さに影響している

上場企業や会社法上の大企業は内部監査が義務付けられているため、内部監査部門を設置している企業が多いですが、規模の小さい中小企業では内部監査部門がないケースも多く見受けられます。
このことから、営業や経理などの他職種と比較すると、内部監査の経験者は少ないと考えられるでしょう。
そのため、内部監査経験者は転職市場で高く評価されます。


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40代の転職市場

従来は、転職は35歳までがタイムリミットであるという「35歳限界説」がささやかれていました。
しかし、転職市場は次第にミドル・シニア層を取り込み始めており、40代以上でも転職を検討する人は増えてきています。
続いては、転職市場における40代の動向について解説します。

労働力調査の結果から紐解く転職市場

総務省統計局が行った2022年の労働力調査によると、35歳以上の転職者数は35~44歳が56万人、45~54歳が54万人となっています。
35~44歳の年齢階級は、もっとも転職者数が多い25~34歳の75万人に次ぐ人数です。

また、昨年対比では、45~54歳が24万人増加しており、これは調査におけるすべての年齢階級の中でトップの上がり幅です。
このことから、40代以降の転職への意欲は高く、実際に転職している人も一定数存在していることがわかります。

スキル・経験が転職成功のカギ

40代以降の転職は増加傾向ですが、20代と同等の条件で転職できるわけではありません。
社会人経験の長い40代には、20代・30代にはないスキル・経験が求められるため、条件を満たしていなければ採用は難しいでしょう。

その一方で、即戦力と判断されれば年齢に関係なく評価されるチャンスも増えており、重要なポジションであれば社内規定を超える年収提示も期待できます。40代以降で転職を成功させるためには、これまでに培ってきたスキル・経験がカギとなるでしょう。

【参考】
・総務省統計局 「労働力調査(詳細集計) 2022年(令和4年)平均結果」


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40代の内部監査で求められるスキル

40代で内部監査職に転職するためには、どのようなスキルが必要になるのでしょうか。
以下、主なものをいくつかご紹介します。

内部監査や類似業務の経験

内部監査の経験者は、転職市場において圧倒的に少数であるため、類似業務の経験でも評価される傾向があります。
企業によっては、類似業務として会計事務所・金融機関(営業)での勤務経験がある人材を採用する場合もあります。
また、現職に内部監査部門がある場合は、転職を目指す前に、社内異動を希望する選択肢もあるでしょう。

コミュニケーションスキル

内部監査は、他部署への指摘が必要な場面も多く、どうしても損な役回りになりがちです。
かといって、監査対象に媚びるようなスタンスをとってしまうと、監査の本義を見失うおそれがあります。

監査を進めつつ、周囲が改善のメリットを正しく理解できるようにするためには、お互いに気持ち良くやり取りができるコミュニケーションスキルが大切です。
自己アピールでは、過去に在籍していた部署や企業で、どのような指摘・指導をおこなってきたのかにフォーカスしてまとめるとよいでしょう。

組織をマクロ・ミクロで洞察するスキル

内部監査には、組織を鷹の目で俯瞰しつつ、顕微鏡で原因の詳細を突き止めるという、マクロ・ミクロの視点が求められます。
具体的には、そのリスクが社内全体もしくは社外に影響を及ぼす規模のものなのか、それとも支社・部署等のごく一部で起こっている問題なのか、リスクを区分して洞察するスキルが求められます。

個々の事象についてメスを入れつつ、経営全体に非効率的な要素が見つかれば、全社一斉に改善を促す決断が必要になるでしょう。
なお、内部監査担当として評価されるスキルについて、より詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

【関連記事】
内部監査担当として評価される資格やスキルとは?


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未経験で内部監査に転職できる?

他職種にも言えることですが、40代での転職は経験者の方が有利に働きます。
しかし、内部監査は経験者が少ないため、未経験者でも条件を満たせば採用される可能性は十分あります。
以下で、未経験者が内部監査職に転職する際に有利になる条件について解説します。

前職が監査法人である

日本の監査制度には、大きく分けて内部監査・外部監査の2種類が存在します。
監査法人が担当するのは外部監査であり、監査の目的や内容等は内部監査と大きく異なりますが、企業活動を評価する点では同じです。
企業を外から見るのか、中から見るのかという違いこそあるものの、財務・会計・法務等に精通した人材が内部監査を担当するのは、企業にとって心強いものでしょう。そのため、監査法人で培われたノウハウに期待する企業・経営者は少なくありません。

公認内部監査人(CIA)資格を取得している

内部監査に関連する資格を取得していると、転職時に能力をアピールする上で有利です。
代表的な資格のひとつに「公認内部監査人(CIA)」があります。取得者は内部監査知識を体系的に理解していることを証明できます。
サイバーリスクの観点からは、「公認情報システム監査人(CISA)」も、事業会社をはじめとする様々な職場で評価されます。
CISAについて詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

【関連記事】
公認情報システム監査人(CISA)とは。難易度や取得するメリット

公認会計士資格を保有している

公認会計士資格は、会計・監査に関する専門知識を身に着けていることの証明となります。さらに、公認会計士登録をするためには実務経験が必要であるため、試験合格後は9割の人が監査法人で監査業務に携わります。
公認会計士としての専門知識と監査経は高く評価されるため、内部監査への転職にも有利に働きます。


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未経験で内部監査に転職した40代男性の事例

弊社MS-Japanは、管理部門・士業に特化した転職エージェント「MS Agent」を提供しています。
ここでは、「MS Agent」を利用して、実務未経験から内部監査職への転職を成功させた人の事例をご紹介します。

【転職者プロフィール】
Tさん(40代後半・男性)
保有資格:CIA(公認内部監査人)、簿記2級など
転職前:金融、非上場事業会社など3社経験 年収650万円
転職後:東証プライム上場企業の内部監査 年収700万円

Tさんは、金融業で事務業務を20年以上経験された後、内部監査職への転職を決意しました。事業会社へ転職し、経理・総務など、内部監査と親和性の高い業務経験を積みながら、CIAの資格を取得されました。

しかし、内部監査の実務経験不足という理由でなかなか書類選考を通過できませんでした。そんな中、努力を重ねて資格を取得されていることや、これまでの経歴との親和性や可能性、内部監査分野への高い関心を評価され、書類選考を通過し、見事内定を勝ち取ることができました。

Tさんの事例を詳しく読む


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監査法人から内部監査に転職した40代女性の事例

監査法人から内部監査に転職した40代女性の事例

次に、監査法人から内部監査への転職した方の事例をご紹介します。

【転職者プロフィール】
Mさん(40代・女性)
保有資格:公認会計士
転職前:監査法人(年収670万)
転職後:大手上場子会社(年収800万)

大手監査法人で勤務していたMさんは、時短勤務にもかかわらず業務量過多で忙しい状況が続いていました。
そのため、お子様のことを考え、フルタイムで残業が多すぎない環境という条件を満たしつつ、公認会計士の経験を活かせる内部監査への転職を希望されました。

初めての転職でしたが、弊社のキャリアアドバイザー・リクルーティングアドバイザーとのカウンセリングを重ねる中で、転職の軸を「働き方改善」と明確化できたことで、ご自身も納得する進路を見つけることができました。
その後、内部監査職として、ほぼリモート勤務で残業も少ない職場でありながら、コーポレートガバナンスコードの改定により、内部監査の組織強化として、公認会計士経験を活かせる企業に入社を決めました。

Mさんの事例を詳しく読む


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公認会計士資格を活かして未経験から内部監査に転職した40代男性の事例

続いては、公認会計士資格を活かし、未経験から内部監査職への転職に成功した事例をご紹介します。

【転職者プロフィール】
Iさん(47歳・男性)
保有資格:公認会計士
転職前:地方公共団体 (年収:600万円)
転職後:東証プライム上場メーカー (人数:2190名)(年収:600万円)

Iさんは、監査法人不況のため、公認会計士試験合格後は不動産管理会社で実務要件を満たし、修了考査合格後に地方公共団体の財務分析等評価業務に従事されていました。
その後、監査の実務経験が積める職場を目指して「MS Agent」に登録し、転職活動を始めました。

キャリアアドバイザーとのカウンセリングで、監査法人よりも事業会社での勤務に適性があると判断し、事業会社の内部監査・経理に軸を定めて転職活動を開始されました。
その結果、会員登録後約2週間というわずかな期間で、自身の理想に近い就職先である東証プライム上場メーカーから内定を獲得されました。

Iさんの事例を詳しく読む


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まとめ

内部監査に対する企業ニーズの高まりから、内部監査の転職市場は売り手市場となっています。
内部監査の経験者が少ないため、40代以降の転職希望者も、スキル・実務経験次第でチャンスをつかめる状況と言えます。

内部監査への転職は、実務経験者が有利ですが、実務未経験でも内部監査になれる可能性は十分あります。
公認内部監査人(CIA)など、実務に関連する資格の取得も、転職の成功率を高めてくれるでしょう。

この記事を監修したキャリアアドバイザー

河本 俊範

大学卒業後、食品メーカー営業を経て2005年MS-Japan入社。企業側営業担当を1年半経験し、以降はカウンセラー業務を担当。若手中堅スタッフの方から、40~50代のマネージャー・シニア層の方まで、年齢層問わず年間500名以上をカウンセリングさせていただいています。
企業管理部門全般~会計事務所など士業界、会計士・税理士・弁護士資格者まで弊社の特化領域全般を担当しています。

経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 法務 ・ 経営企画・内部監査 ・ 会計事務所・監査法人 ・ 役員・その他 ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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