内部監査の年収はどのくらい?キャリアパスなども合わせてご紹介
内部監査を行う監査人は、法令順守・不正防止の観点から、自社の業務体制・フローの健全性を証明するポジションです。
企業にとって重要な役割を担うため、年収も高いイメージがありますが、実際に内部監査部門で働く担当者は納得のいく年収を手にしているのでしょうか。
この記事では、内部監査の年収にスポットを当て、年収相場や年収を上げるための方法も含めて、監査人としてのキャリアをより充実させるための情報をお届けします。
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内部監査の求人情報
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内部監査の年収はどれくらい?
監査には、内部監査と外部監査の2種類があります。
外部監査は、外部の公認会計士や委託先の監査法人が行う監査で、内部監査は、内部監査人を担う社内の従業員が行う監査です。
基本的には任意で実施するものですが、上場企業や会社法上の大会社は、内部監査が義務付けられています。
近年、さまざまな企業で内部監査の重要性が見直されており、高度な専門知識とスキルが求められる職種です。
その重要な役割を担う監査人の年収はいったいどれくらいなのでしょうか。
弊社MS-Japanが提供する管理部門・士業特化型転職エージェント「MS Agent」を利用して、2023年4月~2024年3月に内部監査に転職した人のオファー年収を見ていきましょう。
年代 | オファー年収 |
---|---|
20代 | 489万円 |
30代 | 548万円 |
40代 | 869万円 |
50代 | 737万円 |
60代以上 | 610万円 |
全体 | 703万円 |
※オファー年収は月額給与及び定期的に支給される賞与の合計額であり、別途支給される時間外手当や決算賞与等の変動要素がある金額に関しては含まれておりません。
オファー年収が最も高い年代は、40代の869万円で、最も低い年代は20代の489万円、全体の平均年収は703万円でした。
同年の厚生労働省による賃金構造基本統計調査では、一般労働者の平均年収が約500万円なので、内部監査は年収水準が比較的高い職種と言えるでしょう。
特に、30代・40代・50代の年収は平均を上回っており、働き盛りの監査人が企業内で重宝されている傾向がうかがえます。
内部監査が義務化されている上場企業や大会社なら、ボーナスの水準も決して低くありません。
もちろん企業規模によって給与体系が異なるため一概には言えませんが、内部監査に対する重要性や責任の大きさから、待遇面は良いほうと考えられます。
内部監査で年収を上げるには?
内部監査を行う監査人の年収は、平均よりも高い傾向にありますが、さらに年収を上げるためには何をしたら良いのでしょうか。
以下に、内部監査として年収を上げる方法をご紹介します。
資格を取得する
監査業務に役立つ知識を身につけることは、自身の付加価値を高めることになります。
特に、内部監査に関連した資格を取得することで、評価が高まり、年収アップにつながりやすくなるでしょう。
例えば、 CIA(公認内部監査人)、QIA(内部監査士)などの資格がおすすめです。
CIAは、国際的に認められた内部監査の専門家資格であり、内部監査における高度なスキルと知識を証明できます。QIAは、内部監査の理論と実務を体系的に修得するものとして、日本内部監査協会が認定している資格です。
資格取得により、内部監査知識のレベルを客観的に評価できるため、転職活動などでも役に立つでしょう。
英語力を磨く
英語を主とした語学力を磨くことも、年収アップには有用な手段です。
内部監査は国際的なビジネス環境で活動することが多く、特に外資系企業や海外取引のある会社では、英語の監査書類を扱う機会があります。
高い英語スキルを持つことで、対応できる業務の幅が広がり、年収に反映されるメリットが見込めます。
英語力を磨くためには、TOEICで一定以上のスコアを目指すことや、英語研修プログラムに参加することなどがおすすめです。
転職をする
年収を上げるためには、内部監査のキャリアを活かして転職に踏み切ることも一つの方法です。
企業によって給与水準や昇格・昇給制度が異なるため、条件の良い企業に転職できれば、年収アップにつながります。
ただし、高年収の求人をやみくもに探すのではなく、将来に通じる自身のキャリア目標を明確にすることも重要です。
自身に合った転職先を見つけるためには、内部監査業界に強い転職エージェントしましょう。
特に内部監査部門の募集では、応募者に求めるスキルが高く、採用人数も少ないため、転職エージェントの非公開求人を利用して採用活動を行う企業が増えています。
内部監査のキャリアパスは?
以下では、大手上場企業、IPO準備中企業、ベンチャー企業、外資系企業における内部監査のキャリアパスについて説明します。
大手上場企業
大手上場企業では内部監査が義務付けられているため、内部監査のキャリアは一般的に安定しています。
監査スタッフとしてスキルを磨き、シニア監査スタッフ、監査マネージャー、監査ディレクターなどのポジションに昇進する機会が提供されます。
さらに、子会社への出向があれば内部監査室長として抜擢されるチャンスもあるでしょう。
海外展開している企業では、英語力を活かすこともできます。
IPO準備中企業
IPO準備中の企業では、内部監査は特に重要な役割を担います。
上場に向けて内部統制や財務報告の信頼性を確保するため、内部監査の専門知識とスキルが必要です。
IPO準備企業では、急速に成長している企業特有のチャレンジ性が魅力だと言えるでしょう。
外資系企業
外資系企業における内部監査のキャリアパスは、国際的な要素が強調されます。
多国籍企業の場合、異なる国や地域での監査が必要とされ、英語力はもちろん、多文化環境でのコミュニケーションスキルが求められます。
グローバルな監査プロジェクトに参加する場合は、国際基準の規制を遵守する視点も必要です。
外資系企業での経験は、国際感覚を備えたキャリア形成につながっていくでしょう。
【年代別】内部監査の転職のポイントは?
近年、内部管理体制の整備や法令順守が強化される傾向に伴い、内部監査の需要も高まりつつあります。
そのため、内部監査の転職動向は売り手市場が続いており、30代・40代の即戦力ニーズを中心に、20代のポテンシャル採用や経験豊富な50代以上の起用も増加傾向だと言えるでしょう。
ここでは、年代ごとの「内部監査への転職のポイント」について着目します。
20代・30代
20代および30代は、内部監査の基本知識を身に着けることが重要です。
SOX法とJ-SOX法、会社法や金融商品取引法などの知識を持つことも求められます。
また、転職先企業の業務フローや各部署の役割についても事前に把握しておきましょう。
できれば、内部監査に関連した資格を取得しておくことも、転職を有利に進めるポイントとしておすすめです。
40代
40代では、内部監査の専門的知識・スキルのほか、実務経験が重視されます。
前職と同業界や同規模など、関連性のある転職先を選ぶことで、内部監査実務経験者として良い評価を得ることができるでしょう。
各部署の業務フロー図や業務記述書、RCM(リスクコントロールマトリックス)を作成できるだけの力量も大きなポイントになります。
50代以上
50代以上になると、深い経験値やマネジメント能力が前提条件として問われることが多くなります。
内部監査に関する幅広い知識とスキルに期待され、責任者としてのポジションで迎えられることも少なくありません。
急務の事案でも柔軟に対応し、複雑な問題を解決できる経験値は、ベテランならではの強みとして評価されるでしょう。
MS-Japanを活用して内部監査の転職を成功させた事例
ここでは、弊社MS-Japanの「MS Agent」を利用して内部監査への転職した方の事例をご紹介します。
上場会社の内部監査経験がない方が、上場会社の内部監査ポジションで4社から内定!
Aさん 30代前半/女性
転職前:経理経験10年程、非上場で内部監査経験5年程(年収650万円)
転職後:上場会社/内部監査ポジション(年収650万円)
Aさんは、非上場会社で内部監査業務に5年程従事していましたが、経験値を高めるために上場会社での内部監査を希望していました。
しかし、上場会社での内部監査経験がないことと、直近の職場での在籍期間が1年程度と短かったことが不安要素でした。
不安や懸念点を面接で率直に説明し、弊社から企業側へのフォローも行った結果、30代前半での内部監査の経験が評価され、4社から内定を獲得しました。
転職成功の主な要因は、給与面で現状以上の額にこだわらず、自身の目標である「上場会社で内部監査の経験を積む」ことに集中した点です。
年収UPと働き方の改善を両方手に入れたMさんの成功事例
Mさん 40代/女性
転職前:監査法人(年収670万円)
転職後:大手上場子会社(年収800万円)
資格:公認会計士
Mさんは、監査法人で時短勤務をしていましたが、業務量が多く忙しい環境が悩みでした。
子供が大きくなってきたため、フルタイムでも残業が少なく、無理なく働ける職場として事業会社の内部監査部門への転職を希望していました。
働き方を改善したいという明確な軸を持ち、弊社のカウンセラーと相談を重ねていく中で、ご自身が納得できる転職先を見つけることができました。
入社を決めた企業は残業が少なく、ほとんどリモート勤務で、通勤時間を抑えられることも大きなメリットでした。
企業側が内部監査の組織強化を急務としており、公認会計士の経験が活かせる環境であることも入社の決め手となりました。
Mさんは、監査法人の経験を事業会社へ活かし、働き方も改善したいという課題を転職によって解決できたのです。
MS-Japanがご紹介できる内部監査の求人例
次に弊社「MS Agent」で取り扱っている内部監査求人の例をご紹介します。
ご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。
世界シェア約80%、プライム上場メーカーにて内部監査募集
仕事内容 |
・監査目標の設定/監査計画の作成 ・内部監査報告書の作成 ・財務データなど関連データの収集/分析 ・監査結果の報告 ・コンプライアンス関連の見直し |
必要な経験・能力 |
<必須> ・会計・内部監査の経験(7年以上) ・英語および日本語による高い対人コミュニケーション能力(読み書き含む) <歓迎> ・ACCA、CPA、CIAなどのプロフェッショナルレベルの資格取得者/資格取得に向けて努力している方 ・コンピュータ支援監査技法(CAAT)の知識がある方 |
想定年収 |
700万円 ~ 900万円 |
大手上場子会社のグロース上場企業にて内部監査ポジション募集
仕事内容 |
・内部統制評価(J-SOX法)の構築、計画立案 ・全社統制、全社/個別決算統制、業務処理統制(ITAC含む)、IT全般統制、ロールフォワード評価 ・不備事項の改善状況のモニタリングとフォローアップ ・連結子会社の内部統制 ・監査法人との協議 ・年間監査計画の立案 ・部門監査、フォローアップ ・監査報告書の作成、経営者報告 ・グループ会社、監査役との連携、協議 |
必要な経験・能力 |
・内部監査の実務経験をお持ちの方(経験年数目安3年以上) |
想定年収 |
650万円 ~ 850万円 |
急成長中!電子決済事業より内部監査担当募集
仕事内容 |
<システム監査業務> ・リスクマネジメント ・個別監査の遂行(主にシステム監査) ・監査対象部署とのコミュニケーション ・フォローアップ ・内部監査態勢の向上 ・レポーティング <監査企画業務> ・リスクアセスメントの実施 ・年間監査計画の策定・見直し ・品質評価の実施による監査品質の向上 ・内部監査部門の規程等の整備 ・ナレッジ管理、研修支援 ・オフサイトモニタリング態勢の構築・運営 ・レポーティング ・その他内部監査実施態勢の整備・運営 |
必要な経験・能力 |
<必須> ・システム開発・運用、情報セキュリティに関する業務経験5年以上を有する方 <歓迎> ・監査法人もしくは事業会社での監査経験3年以上 ・当局検査の対応経験 ・資金決済業法におけるシステム管理 ・語学力(監査関連資料の英訳、マネジメント層との調整、交渉における一定の意思疎通) など |
想定年収 |
600万円 ~ 1,200万円 |
まとめ
内部監査を行う監査人の平均年収は、比較的高い水準であることがわかりました。
しかし、自身の年収が水準に見合っていないと感じる場合は、資格取得や転職で年収を上げることも可能です。
業界・企業規模によって内部監査のキャリアパスは異なりますが、経験を積み、専門知識とスキルを磨くことでも昇進や年収アップが期待できます。
内部監査のポジションは安定性と将来性を兼ね備えており、キャリアを築く価値がある職種の一つと言えるでしょう。
この記事を監修したキャリアアドバイザー
大学卒業後、旅行代理店にて法人営業を約3年。20代でMS‐Japanへ入社。
企業の採用支援(リクルーティングアドバイザー)を約8年、求職者の転職支援(キャリアアドバイザー)を約5年経験。
両ポジションでチームマネジメントを経験し、キャリアアドバイザーとしては複数回にわたり支援実績数NO1を獲得。リクルーティングアドバイザーにおいても入社1年半後にチームマネジメントを経験させていただきました。現在は子育てと両立しながら、常に社内でトップ10以内の採用支援実績を維持。
経理・財務 ・ 法務 ・ 役員・その他 ・ IPO ・ 公認会計士 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!
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