2023年11月02日

内部監査の資格とは?CIAやISOなど各資格を紹介!

管理部門・士業の転職

内部監査は、企業の経営リスクなどの課題を特定して改善する役割を担っています。
高い専門性を求められる仕事でもあり、資格取得を奨励している企業も多いようです。

この記事では、キャリアアップ・転職を叶えるためのおすすめ内部監査関連資格をご紹介します。
内部監査に所属していてキャリアアップを考えている方や、内部監査への転職を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

内部監査ってどんな仕事?

内部監査では、企業の問題点や経営リスクを早期に特定し、解決策を提案して企業の信頼を保つことを目的として、業務効率化や不正防止の観点から、業務プロセスや規定順守ができているかなどを調査・評価します。
具体的な仕事内容は以下の通りです。

監査計画の策定:監査の対象、時期、方法など内部監査を効果的に行うための計画を策定する
予備調査:監査対象の部門に監査の通知を行う
監査:事前に作成したマニュアルやチェックリストに基づき、実際に業務や文書を調査する
監査結果の取りまとめと報告:経営者や監査対象の部門長に報告する
改善案の策定:問題が発生した場合、それを改善するための具体的な提案をする


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内部監査として評価される資格「公認内部監査人(CIA)」

公認内部監査人(CIA)とは

公認内部監査人(CIA:Certified Internal Auditor)は、内部監査の専門家としての能力を証明する資格です。1974年にアメリカで誕生し、現在は世界約190カ国で認定試験が行われている、グローバルな資格として知られています。
日本では1999年から試験が開始され、これまでに1万人以上の資格取得者がいます。継続的専門能力開発制度が設けられており、常にスキルアップが要求されるため、信頼性の高い資格です。
近年、不正会計などの問題が発覚したことから内部統制の重要性が高まり、公認内部監査人の需要が増加しています。公認内部監査人(CIA)は、今後もしばらくは有用な資格として注目され続けるでしょう。

公認内部監査人(CIA)を取得するメリット

公認内部監査人(CIA)を取得する1つ目のメリットは、幅広いビジネス知識が身につくことです。
企業のさまざまな部門や業界に関する監査を行うため、ファイナンスやオペレーション、IT、法務など、多種多様なビジネスの知識を問われます。公認内部監査人(CIA)の受験を通して、監査の過程で発見される問題や課題を解決するためのスキルも磨かれるでしょう。
これは、ビジネスのさまざまな場面で役立つ能力です。

また、転職時にアピールポイントとなることも、公認内部監査人(CIA)取得の大きなメリットです。
公認内部監査人(CIA)は、内部監査の専門知識とスキルをもっていることの証明となり、多くの企業で評価されるでしょう。近年、企業のガバナンスやコンプライアンスの重要性が高まっている事情もあり、転職市場での差別化要因となることも期待できます。

さらに、グローバルな視点でのキャリアアップが可能といったメリットもあります。
公認内部監査人(CIA)は、世界190カ国以上で認知されている資格です。資格取得によって、海外の企業や組織への就職も狙えます。資格をもつ者同士のネットワークもグローバルに展開されているため、海外のビジネスチャンスや情報交換の機会も増えるでしょう。

公認内部監査人(CIA)の難易度

公認内部監査人(CIA)は、情報公開を最小限にしている資格として知られています。過去問題や解答、合格率までも非公開であるため、難易度の評価は人によって分かれるところでしょう。

各パートの合格率は35~40%程度といわれており、そこまで難しくない印象を受ける方も多いかもしれません。しかし、公認会計士や税理士など、受験者の専門性が高いため、合格率から推測される以上の難易度であると言えるでしょう。

とはいえ、司法試験や税理士試験などの難関資格に比べれば受験しやすいことは確かで、目安としては300~500時間程度の勉強時間で合格レベルの力が身につくとされています。


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その他、内部監査関連資格

内部監査関連資格としては、以下のものがあります。

・公認情報システム監査人(CISA)
・公認不正検査士(CFE)
・公認リスク管理監査人(CRMA)
・内部統制評価指導士(CCSA)
・内部監査士(QIA)
・情報システム監査専門内部監査士
・金融内部監査士
・IPO・内部統制実務士
・ISO内部監査員資格

それぞれの概要を詳しく解説します。

公認情報システム監査人(CISA)

公認情報システム監査人(CISA)は、情報システムの監査やセキュリティ、コントロールに関する高度な知識を証明する資格です。資格の歴史が長く、国際的にも認められているため、信頼性が高い資格だと言えるでしょう。
昨今急速に進められているDXとも親和性が高く、今後も高い需要が見込まれます。

公認不正検査士(CFE)

公認不正検査士(CFE)は、不正の防止の専門家であり、CIAと同時に取得する人の多い資格です。とくに不正に注意が必要とされている金融業界で重宝されており、管理職の必須資格として指定している企業もあります。国際的な資格なので、グローバルに活躍したい方にもおすすめです。

公認リスク管理監査人(CRMA)

公認リスク管理監査人(CRMA)は、リスクマネジメントの専門性を証明できる資格です。
受験言語は英語のみで、分野についての知識はもちろん、一定の英語力も求められます。合格率は50%前後ですが、受験資格があることと、受験言語が英語であることから、受験時点で相応の知識があると推測できます。

内部統制評価指導士(CCSA)

内部統制評価指導士(CCSA)は、組織内の内部統制の自己評価プロセスに関する資格です。内部監査のプロフェッショナルを認定する国際団体IIAにも認定されており、内部監査やリスク管理の分野でのキャリアアップのために役立ちます。

内部監査士(QIA)

内部監査士(QIA)は、名前の通り内部監査のプロフェッショナルを認定する資格です。内部監査のプロセスやリスク管理、統制の評価など、内部監査に関する幅広い知識を身につけられます。専門性の向上によるキャリアアップも十分期待できるでしょう。

情報システム監査専門内部監査士

情報システム監査専門内部監査士は、情報システムの監査に関する専門的な知識を証明するための資格です。ITの導入や運用に関するリスクを評価し、適切な監査を行う際に役立ちます。IT企業やIT関連の部門で活躍したいと考えている方におすすめです。

金融内部監査士

金融内部監査士は、金融機関における内部監査の専門家としての知識を証明するための資格です。金融業界は高度な規制が存在するため、専門的な監査能力が求められます。金融機関での内部監査やリスク管理に従事する人に向いています。

IPO・内部統制実務士

IPO・内部統制実務士は、企業の上場準備や内部統制に関する実務的なスキルを証明する資格です。上場企業や上場を目指す企業において、内部統制の実務能力はとくに重視されています。上場準備や内部統制の実務に関わっている人におすすめの資格です。

ISO内部監査員資格

ISO内部監査員資格は、ISO9001やISO14001など、ISO規格に基づくマネジメントシステムの内部監査を行うスキルを証明する資格です。オンライン講座や集合研修、社内で教育を行って自社認定をするなど、さまざまな取得方法があります。


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公認内部監査人(CIA)など資格があると転職に有利なのか

内部監査の転職市場では、公認内部監査人(CIA)や内部監査士などの資格があると有利に働くのでしょうか。

実務経験や職歴を優先する企業が多数派ではあるものの、資格が一定の評価につながるケースもあり、一概にはいえません。
そもそも、内部監査担当者は、企業の問題点を洗い出すとともに、経営面で業務改善の提案をすることが目的の立場です。そのため、内部監査担当者を募集している場合は、監査法人勤務経験者を求めているケース・経営管理や経営企画の実務経験者を求めている求人などが多く見られます。

一方で、応募資格として実務経験を問わない企業も見られます。
そういった場合は、公認内部監査人(CIA)や内部監査士を取得していると転職時に有利でしょう。
給与水準は安い傾向にありますが、キャリアアップを考えるのであれば、資格を備えて挑戦する価値は十分にあります。


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内部監査として評価されるスキルとは

内部監査として 評価される スキルとは内部監査担当者は、資格以外では、どのようなスキルがあれば評価されるのでしょうか。
結論からいえば、どれだけ組織を「マクロ・ミクロで見る能力」があるかがポイントになるでしょう。
内部監査の仕事は、予備調査を踏まえた上で、監査目標の設定を行い、規定がきちんと周知されているかどうか・規定の運用に問題がないかどうかを監査して、報告書と改善計画をフィードバックするという流れで進みます。
つまり、会社の運営状況に問題がないかどうかを、つぶさに観察して評価するのが仕事です。
少しでも違和感がある部分については、徹底的に調べ上げる必要があります。

また、経営者の目線で見た時に、あまりに不合理・非効率的なフローが見つかれば、指摘して改善案を提案できる柔軟性も必要です。
すべての社員にとって動きやすいフローを構築するため、企業の動きや流れを俯瞰して見るスキルも求められます。全体を通して細かい作業が求められるため、厳しい目線で忍耐強くチェックするメンタルも重要です。
さらに、年齢によっては、若くして内部監査に携わること自体に皮肉をいわれるケースもあるでしょう。
内部監査に対し、あまり良い印象をもっていない社員も少なからず存在しているため、意見をすり合わせるタフさと、反論に負けない提案力が必要不可欠です。


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内部監査のキャリアパス

内部監査のキャリアパスは、大きく分けて「社内での昇進を目指す」「転職でキャリアアップを図る」の2つの道が考えられます。
以下、それぞれのキャリアパスについて詳しく説明します。

社内で内部監査室長や経営陣を目指す

内部監査室長は、企業の内部監査活動全体を統括する役職であり、監査計画の策定や結果の報告、経営陣への提言など、多岐にわたる業務を担当します。このポジションに就くことで、経営層とのコミュニケーションが増え、企業全体の動向や戦略を深く理解できるでしょう。
内部監査の経験は、企業の業務プロセスやリスク管理、コンプライアンスの観点から経営を理解する上で非常に有益です。そのため、内部監査の経験を活かして社内で昇進を続け、経営陣や取締役、執行役員などの役職を目指せる可能性もあります。

転職でキャリアアップを図る

社内昇進は、組織の事情に左右されるケースが多くあります。たとえば、内部監査室長を社内登用した実績がない企業であれば、将来的に就任できるか不透明なポジションを目指すよりも、転職を考えたほうが効率的だと言えるでしょう。
転職をする際は、内部監査としての専門性を活用できる転職先であることが重要です。
内部監査の経験や知識は、多くの企業で求められるスキルです。他の企業や業界での内部監査職、リスク管理職、コンプライアンス職などに転職することで、効率的にキャリアアップすることができるでしょう。
専門性をアピールする材料として有用なのが、ここまで紹介してきた資格です。公認内部監査人(CIA)をはじめとして、さまざまな資格があるため、取得を考えてみてはいかがでしょうか。

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まとめ

内部監査は、企業活動に欠かせない重要な役割を担っています。内部監査の専門家としての能力を証明する資格としては、公認内部監査人(CIA)が定番です。アメリカで誕生した国際資格であり、グローバルに活躍したい方にもおすすめの資格だと言えるでしょう。

内部監査のキャリアパスとしては、内部監査室長(責任者)として昇格するのが基本です。その他にも、内部監査室長を社内登用していない企業であれば、転職を通してポジションを確保する方法もあります。

内部監査の経験を活かして転職をする場合は、転職エージェントの利用がおすすめです。
応募者に求める要件が高度で、採用枠が少ない内部監査の求人は、転職エージェントの「非公開求人」で募集されているケースが多く見受けられます。
転職エージェントは、様々な求人を取り扱う総合型と、特定の業界・業種に強い特化型がありますが、内部監査の転職の場合は特化型転職エージェントがおすすめです。
内部監査の転職市場に詳しいキャリアアドバイザーのアドバイスを受けて、効率的に転職活動を進めることができるでしょう。

この記事を監修したキャリアアドバイザー

圓鍔 忍

大学卒業後、旅行代理店にて法人営業を約3年。20代でMS‐Japanへ入社。
企業の採用支援(リクルーティングアドバイザー)を約8年、求職者の転職支援(キャリアアドバイザー)を約5年経験。
両ポジションでチームマネジメントを経験し、キャリアアドバイザーとしては複数回にわたり支援実績数NO1を獲得。リクルーティングアドバイザーにおいても入社1年半後にチームマネジメントを経験させていただきました。現在は子育てと両立しながら、常に社内でトップ10以内の採用支援実績を維持。

経理・財務 ・ 法務 ・ 役員・その他 ・ IPO ・ 公認会計士 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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