2024年07月18日

女性弁護士の年収は?弁護士の年収に性別は関係あるのか?

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弁護士を目指す女性が、「女性弁護士は男性弁護士に比べて年収が低いって本当?」「女性弁護士が年収を上げるにはどうすればいい?」といった疑問を抱えるケースは多いのではないでしょうか。
性別による弁護士年収の格差は年々縮まってきているものの、男性と女性では少なからず差があるのが現実です。

そこで本記事では、弁護士の年収における実態や、女性弁護士が年収を上げるための具体的な方法を解説していきます。
年収アップを実現した女性弁護士の転職成功事例も紹介しますので、特に弁護士を目指して勉強中の女性の方は、今後のキャリアの参考にしてください。

女性弁護士の平均年収

「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、弁護士が含まれる「法務従事者」の女性の年収は約864.7万円(企業規模計10人以上)でした。
この数字を踏まえ、女性弁護士と男性弁護士ではどれくらい年収に差があるのか、近年の女性弁護士の年収はどう推移しているのかを確認していきましょう。

弁護士全体における女性弁護士の割合は年々増加

平均年収を見ていく前に、弁護士の男女比を確認しておきましょう。「弁護士白書 2023年版」によれば、2000年時点での弁護士の男女比は「男性15,596人(約91%)、女性1,530人(約9%)」でした。
2010年時点では、「男性24,129人(約84%)、女性4,660人(約16%)」という割合です。さらに直近の2023年では「男性36,015人(約80%)、女性8,901人(約20%)」となっており、年々女性弁護士の割合が高くなっている様子が読み取れます。

また、日本組織内弁護士協会(JILA)の2023年度調査によると、企業内弁護士に限れば女性の割合は41.5%とのことで、弁護士全体における割合と比較して高い水準にあります。
ワークライフバランスや福利厚生などの待遇面に魅力を感じ、企業内弁護士を選ぶ女性が多いようです。

弁護士年収に男女の差があるのは事実

2023年では弁護士の約5人に1人が女性と、年々女性弁護士の割合が高まってはいますが、性別による年収の差があるのも事実です。その要因のひとつに、「出産・育児による影響」が挙げられます。
女性弁護士の場合、出産・育児をきっかけに業務量を減らしたり、休業を選択したりする人の割合が多いことが、年収格差に繋がっています。

実際、先述の資料「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、弁護士が含まれる「法務従事者」の男性の年収は約1,176.4万円だったのに対し、女性の年収は約864.7万円でした(いずれも企業規模計10人以上)。
あくまで法務従事者の年収であるため、少なからず誤差があると考えられますが、それでも女性弁護士の年収が男性に比べて数百万円単位で低いのは確かです。

性別による年収の差は縮まりつつある

女性弁護士と男性弁護士では数百万円単位で年収に差があるとお伝えしましたが、その差は年々縮まりつつあります。「令和2年賃金構造基本統計調査」によると、法務従事者の男性の年収は約1,010.1万円、女性の年収は約533.5万円でした(いずれも企業規模計10人以上)。おおよそ600万円の差です。

一方「令和5年賃金構造基本統計調査」を見ると、法務従事者の男性の年収は約1176.4万円、女性の年収は約864.7万円と、300万円ほどの差に縮まっています。
まだまだ差があるのは事実ですが、女性弁護士の増加や待遇の改善によって、性別による年収の差が縮まっており、今後もさらにこの傾向は強まっていくと考えられます。

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勤務形態別の弁護士年収

弁護士には「勤務弁護士」「開業弁護士」「企業内弁護士」という3つの勤務形態があり、働き方によって年収の目安が異なります。ここでは、勤務形態別の弁護士年収をそれぞれ紹介します。
ぜひ、勤務先選びの判断材料のひとつにしてみてください。

勤務弁護士

勤務弁護士はたいていの場合、事務所の規模によって年収が決まります。個人で運営しているような小規模事務所では約1,000万円を上限とするケースがほとんどですが、大手事務所になると、勤務初年度から1,000万円以上の年収を目指せるケースも少なくありません。

また勤務弁護士は、個人事件を扱えるか、経費負担が何割に設定されているかによっても年収が変動します。勤務弁護士として働きながら個人事件も大量に受任できる環境であれば、平均を大きく上回る高年収を目指すことも可能です。

開業弁護士

開業弁護士は、勤務弁護士や企業内弁護士と比べて、によって年収の差が大きい勤務形態です。仕事の受注量が多いほど高年収を目指せる点が大きな魅力ですが、クライアントがいないまま独立してしまえば、ほとんど収入を得られない状況に陥るリスクもあります。

開業弁護士の平均年収は、1,000万~1,500万円程度です。仕事の量だけ収入が増えるスタイルにやりがいを感じる方や、自分で働き方を自由にコントロールしたい方に向いています。

企業内弁護士

企業内弁護士の平均年収は、500万~1,000万円程度です。ほかの勤務形態ほど年収の水準は高くありませんが、開業弁護士のように自分で仕事を探す手間を省ける点が、企業内弁護士ならではの働くメリットとなります。

また、専門性を高めて長く企業に貢献していけば、年収アップが見込めるのも企業内弁護士の魅力です。長期間にわたって安定した収入を得たい方や、ワークライフバランスを保ちながら働きたい方に向いています。

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女性弁護士が年収を上げるには

女性弁護士が年収を上げるには

弁護士は専門性が高く、高年収を目指しやすい仕事ですが、勤務先によって年収に開きがあります。特に女性は、男性と比較して年収が低い傾向にあるため、高年収を実現する方法について押さえておきましょう。

一般的な法律知識以外に専門性を身につける

法律知識以外の専門スキルを磨くことで、弁護士としての価値を高められます。一般的な知識だけでは、ほかの弁護士との差別化が難しいため、特定の領域で自分ならではの強みを作って年収アップを目指しましょう。
具体的には、以下のような知識・スキルを身につけて、独自の価値を見出す方法があります。

  • ・知的財産権
  • ・M&A
  • ・国際取引
  • ・英語力

英語力は弁護士に必須ではありませんが、身につけておくと海外クライアントとの交渉や、英語書類の作成時などに役立ちます。グローバル化に伴って海外案件を扱う事務所が増えていくことを見据え、英語が使いこなせる弁護士を目指すのも有効な手段です。

好待遇の勤務先に転職する

好待遇の勤務先に転職するのも、効果的な方法です。たとえ専門知識・スキルを磨いたとしても、それを勤務先に正しく評価してもらえないことには、自分が満足できるような年収は得られません。
弁護士の年収は勤務先によって開きがあるため、転職の際は仕事内容だけでなく待遇面にもきちんと目を向けることが大切です。

一般的に、大手法律事務所海外案件を多く扱う法律事務所ほど年収が高い傾向にありますが、中小法律事務所であっても役職次第で年収アップに繋がる場合があります。
必ずしも中小法律事務所のほうが年収が低いとは限らないため、個別の勤務先の年収について詳しく知りたい方は、ぜひ転職エージェントで確認してみてください。

働き方と年収のどちらを重視するかよく考えておく

高年収かつ働く環境も完璧な勤務先を見つけるのが理想ですが、実際には希望条件すべてにマッチするとは限りません。
理想を追い求めすぎると転職先の選択肢が狭まってしまうため、働き方と年収のどちらを重視するか、よく考えておきましょう。優先順位を明確にすることで、転職理由が曖昧なために行き詰まってしまうリスクを避けられます。

また、昨今では働き方の改善などを目的に、企業内弁護士への転職を希望する女性も増えていますが、企業によって年収に差があります。
「働き方は改善できるけど、年収が現職より少し下がる」とお悩みの方は多々見られるため、そうした事態に備えて、譲れない条件妥協できる条件を決めておくことが大切です。

弁護士キャリアを相談する

年収アップを実現した女性弁護士の転職成功事例

企業内弁護士から法務職にキャリアアップ!子育て中の女性弁護士の成功事例

Fさん

Fさん(40代・女性)

事業会社(時短)
年収650万円

矢印 矢印

事業会社(フルタイム)
年収:900万円

一般事業会社で企業内弁護士として働くFさんは、現職に大きな不満はないものの、法務職への強い興味から転職を決意。「海外案件に携わってみたい」「仕事と子育てを両立させやすい環境」の2点が、転職先選びで特に重視するポイントでした。

そこで弊社では、人員体制と人事制度がきちんと整備されており、グローバルに事業を展開している大手企業を紹介。リモートワーク制度やフレックス制度を活用して子育てと両立しつつ、希望のキャリアアップも実現できる環境への転職に成功しました。

ワークライフバランス改善のため、法律事務所から上場企業の企業内弁護士に転職!

Hさん

Hさん(30代・女性)

個人法律事務所
年収:450万円

矢印 矢印

新興上場企業
年収:600万円

個人法律事務所で一般民事事件の業務を主に担当してきたHさんは、残業が慢性化している環境に不満を感じ、転職を決意します。転職先選びの軸は、「ワークライフバランスがとれる上場企業」です。

弊社にご相談いただき、新興市場に上場するベンチャー企業を転職先に選びました。月の残業時間は10~30時間程度と、ワークライフバランスを改善しつつ、 前職からの年収アップにも成功しました。

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弁護士の求人情報

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弊社のみが扱っている求人も多いため、ぜひご確認ください。

まとめ

弁護士は、性別によって年収格差があるのは事実です。ただし、女性弁護士の増加や待遇の改善を背景に、その差は年々縮まりつつあり、今後はさらに女性にとって働きやすい環境になっていくと考えられます。

女性弁護士が年収を上げるには、「専門性を高める」「好待遇の勤務先に転職する」「希望条件の優先順位を明確にする」の3点が重要です。一般的な法律知識だけでは、ほかの弁護士との差別化が難しいため、知的財産権の知識や英語力のような専門スキルを身につけて、自分ならではの強みを作りましょう。

希望条件の優先順位が自分でもよくわからない方や、女性弁護士の勤務先について詳しく知りたい方は、管理部門・士業に特化した転職エージェント「MS Agent」の利用がおすすめです。
弊社MS-Japanでは、キャリアの相談から選考・面接対策まで幅広いサポートを提供しています。女性弁護士が活躍する勤務先の求人も多数取り扱っているため、転職活動で悩みを抱えている方は、まずはお気軽にご相談ください。

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この記事を監修したキャリアアドバイザー

高根沢 美帆

大学卒業後、新卒でITベンダーに入社し、営業としてエネルギー業界のお客様を担当。その後、損害保険会社で法務業務に従事。
キャリアアドバイザーとしてMS-Japanに入社後は、法務、弁護士、法科大学院修了生などリーガル領域を中心に担当。

人事・総務 ・ 法務 ・ 法律・特許事務所 ・ 役員・その他 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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