キャリアコンサルタント資格は人事の転職に有利なのか
人事への転職を考えたとき、自分が人事に適していると客観的に判断できる材料が見当たらず、選考時のアピール内容に悩む方が多くいます。
同じ席を争うライバルと差をつけるには、人事業務に関連した資格の取得し、アピールすることもあるでしょう。
そのひとつとして、昨今、注目を集めているのがキャリアコンサルタント資格です。この記事では、キャリアコンサルタント資格と人事への転職について解説します。
キャリアコンサルタント資格とは?
キャリアコンサルタント資格とは、キャリアコンサルティングを行う専門家に値すると認める国家資格のひとつです。
従業員や求職者などのキャリアプランについてアドバイスしたり、将来の目標に向けて職務能力の向上を図るサポートをしたり、自己分析を手伝ったりなど、キャリアコンサルティングの多岐にわたる業務をプロフェッショナルとして担うことができるようになります。
学科試験と実技試験に合格すれば、キャリアコンサルタント名簿に登録し、5年ごとに更新しながらキャリアコンサルタントとして活躍していくことになります。
キャリアコンサルタント資格には受験要件が設けられていますが、4つの要件のうちひとつだけを満たしていれば受験できます。
その4つの要件もそれぞれ、さほど難しい内容ではないので、広く門戸が開かれている資格といえます。
・日本キャリア開発協会『キャリアコンサルタント試験 受験案内』
人事業務とキャリアコンサルタント資格の親和性
キャリアコンサルティングとは、ヒトと仕事の間に介入して総合的なサポートを行う業務なので、人事業務との親和性はとても高いといえます。
企業内でキャリアコンサルティングを行う場合には、従業員との面談を通じて悩みを引き出し、その悩みを生じさせている原因がどこにあるのかを正確に把握します。
そして、それを解消するために何をどうすべきなのか情報収集していき、場合によっては関係者と折衝を重ねていきます。
その結果として、悩みを抱えている従業員に先々へ向けての提案を行い、従業員と会社が歩調を合わせていけるよう教育的な役割も担います。
このように、人事業務とキャリアコンサルティングは共通項が多く、企業はキャリアコンサルタント資格取得者であれば人事業務をとても任せやすいのです。
キャリアコンサルタント資格は人事への転職に有利?
キャリアコンサルタント資格はかつて民間資格でしたが、2015年に厚生労働省が職業能力開発促進法を改正したのを受けて、2016年に国家資格とされました。
この背景には2014年に打ち出された日本再興戦略があり、もっと人々がイキイキと働いていける環境づくりを行うため、国の方針として2024年を目処にキャリアコンサルタントの数を10万人ほどまで増やそうという計画があります。
国が主導して、企業内にキャリアコンサルタントを配置しようとしているわけですから、多くの企業が国の方針に従うだろうことを考えると、人事に転職したいと考えているキャリアコンサルタント資格取得者には追い風が吹いているといえます。
働き方改革、ワークライフバランスといったキーワードが浸透していく中、これらに関連する知識を持つと客観的に判断できるキャリアコンサルタント資格取得者は人事担当者としてうってつけなのです。
人事に転職した後のキャリアプランとは
あるアンケートでは、人事業務に従事する人のうち、9割近くがこれから先も人事のスペシャリストとしてキャリアアップしていきたいと回答しています。
また、7割近くが将来人事担当者の役割はより高まっていくと回答しています。
人事のキャリアは多くの場合、採用または労務担当からスタートしていきますが、キャリアコンサルタント資格取得者は、専門的な知識を活かすためにも労務担当からスタートする場合の方が多いでしょう。
社内から労務についての問合せや相談を受けながら、労使関係のトラブルに対応しつつ、労働基準監督署への対応なども経験して管理職を目指します。
管理職業務として、要員計画や評価制度の構築、人事企画など、経営に近い業務の経験を積んでいくことで、経営に携わる一員となるキャリアプランも考えられます。
まとめ
多様化する労働への価値観を考慮しつつ、国がより働きやすい環境づくりに取り組もうとキャリアコンサルタント資格を設け、2024年までにその数を倍近くまで増やそうとしているのですから、これからのビジネスの現場でキャリアコンサルタント資格取得者へのニーズが高まるのは必至です。
新たな時代へ向けた取り組みであるため、キャリアコンサルタント資格を取得した後、人事に転職してからのキャリアプランを描きづらいかもしれませんが、そのようなときは多くの企業の現場を熟知している転職エージェントに相談してみるのがおススメです。
弊社は実例をもとに、キャリアコンサルタント資格取得後のキャリアについてのアドバイスや、資格を活かせる求人のご紹介なども行っています。
人手不足だからこそ、転職に追い風が吹いているこのチャンスを活かしてみてはいかがでしょうか。
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