2024年04月15日

キャリアコンサルタントの難易度や勉強時間、年収を徹底解説!

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キャリアコンサルタントは、その名の通り、キャリアコンサルティングを行う専門家の国家資格です。
キャリアコンサルタントを取得することでハローワークなど人材派遣の職業で活躍できることは想像がつきますが、実はキャリアコンサルタントは企業の人事においても評価される資格となっています。

この記事では、最新のキャリアコンサルタント試験の結果をもとに、キャリアコンサルタントの資格の難易度について知り、資格を取得することでどのようなメリットがあるのかを紹介しています。

国家資格のキャリアコンサルタントとは?

キャリアコンサルタントとは、就職や転職を希望する方に向けて、キャリアについてのアドバイスをする仕事に必要な資格です。
平成28年4月に国家資格となり、キャリアコンサルタントでない人は「キャリアコンサルタント」という名称を名乗れないようになりました。
一般的に、キャリアコンサルタントが活躍する場は、ハローワークなどの人材派遣の場や大学のキャリアセンターなどですが、最近では企業人事のキャリア形成支援者として従業員のキャリア相談を受けたり、希望のキャリアに合わせて必要な知識やスキル、資格取得の支援を行ったりする機会も増えています。

では、国家資格であるキャリアコンサルタント資格を取得するための試験はどのようなものなのでしょうか?

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キャリアコンサルタントの試験概要

キャリコンサルタントの試験の前に、受験資格として以下のいずれかを満たす必要があります。

・厚生労働大臣が認定する講習の課程を修了した方
・労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力開発及び向上のいずれかに関する相談に関し3年以上の経験を有する方
・技能検定キャリアコンサルティング職種の学科試験又は実技試験に合格した方

受験資格の詳細は、日本キャリア開発協会のHPをご確認ください。

キャリアコンサルタント試験は「学科試験」と「実技試験」の2つで構成されています。
学科試験は全50問のマークシート方式の試験で100点満点中、合格点は70点となっています。
実技試験はさらに設問に対して解答を論ずる「論述試験」とロールプレイング形式の「面接試験」の2つに分かれており、「面接試験」はさらに「ロールプレイ」と「口頭試問」の2つに分けられます。実技試験に関しては、論述試験が50点満点、面接試験が100点満点の計150点満点で、合格点は90点となっています。

キャリアコンサルタント試験

試験の内容は、キャリアコンサルタントに必要な基本的な知識となります。キャリアコンサルタント試験ではロールプレイ形式の面接試験という特徴的な試験があります。試験官が相談者役となり、受験者がキャリアコンサルタントとして実践をする試験です。
この試験では、キャリアコンサルタントの知識だけではなく、態度や展開なども評価されるため、事前に練習を行う必要があります。

【最新版】第25回キャリアコンサルタント試験の結果

まずは、2024年4月15日に発表された第25回キャリアコンサルタント試験の結果を紹介します。
キャリアコンサルタント試験は、厚生労働省が登録した2つの機関によって実施されているため、各機関の試験結果と合計の試験結果を紹介しています。

キャリアコンサルティング協議会の結果

試験種別結果

申込者数 受験者数 合格者数 合格率
学科 4,356 4,117 2,684 65.2%
実技 4,186 4,003 2,716 67.8%

年代別結果

年齢 受験者数 合格者数
学科 30歳未満 407 292
30~39歳 945 706
40~49歳 1,144 736
50~59歳 1,221 735
60~69歳 388 212
70歳以上 12 3
実技 30歳未満 413 270
30~39歳 907 647
40~49歳 1,105 775
50~59歳 1,172 786
60~69歳 394 233
70歳以上 12 5

平均点

学科
(100点満点)
実技
(150点満点)
論述
(50点満点)
面接
(100点満点)
72.2 92.2 33.1 60.2

参照:特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会 第25回キャリアコンサルタント試験試験結果

日本キャリア開発協会の結果

試験種別結果

申込者数 受験者数 合格者数 合格率
学科 1,697 1,581 943 59.6%
実技 1,563 1,498 944 63.0%

年代別結果

年齢 受験者数 合格者数
学科 30歳未満 143 292
30~39歳 340 212
40~49歳 424 259
50~59歳 503 293
60~69歳 169 80
70歳以上 2 1
実技 30歳未満 146 98
30~39歳 311 200
40~49歳 411 270
50~59歳 463 289
60~69歳 162 85
70歳以上 5 2

平均点

学科
(100点満点)
実技
(150点満点)
論述
(50点満点)
面接
(100点満点)
71.1 91.8 32.2 60.9

参照:特定非営利活動法人日本キャリア開発協会 第25回キャリアコンサルタント試験試験結果

合計結果

試験種別結果

申込者数 受験者数 合格者数 合格率
学科 6,053 5,698 3,627 63.6%
実技 5,749 5,501 3,660 66.5%

年代別結果

年齢 受験者数 合格者数
学科 30歳未満 550 390
30~39歳 1,285 918
40~49歳 1,568 995
50~59歳 1,724 1,028
60~69歳 557 292
70歳以上 14 4
実技 30歳未満 559 368
30~39歳 1,218 847
40~49歳 1,516 1,045
50~59歳 1,635 1,075
60~69歳 556 318
70歳以上 17 7

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合格率から試験難易度を確認

資格試験で気になるのは、試験の難易度ですよね。
まずはキャリアコンサルタント試験の合格率の推移を見てみましょう。

過去5回のキャリアコンサルタント試験合格率

グラフから分かる通り、実はキャリアコンサルタントの合格率は学科試験、実技試験共に50%~80%ほどで他の国家資格と比較して難易度が低いことが分かります。
また、学科試験、実技試験どちらか1科目のみ合格した場合は、次回受験の際に持ち越せるため、1回の受験で両方合格する必要がないことも難易度を下げている要因と考えられます。

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資格ランキングから難易度を確認

次に他の国家資格と試験難易度を比較してみましょう。

最難関:司法試験、公認会計士、医師 など
難関:社労士、一級建築士、行政書士 など
普通:キャリアコンサルタント、FP技能士1級、社会福祉士 など
やや易しい:ITパスポート、作業療法士、衛生管理者 など

あくまで参考ですが、他の国家資格と比較すると難易度は少し低いことが分かります。
では、キャリアコンサルタント試験に合格するためにはどれくらいの勉強時間が必要なのでしょうか。

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キャリアコンサルティング技能士と難易度を比較

日本キャリア開発協会が出しているキャリアコンサルタントに似ている資格として、キャリアコンサルティング協議会が出している「キャリアコンサルティング技能士」という資格があります。

キャリアコンサルタントは、一定のキャリアコンサルティング能力の中で法律に則って技能や知識を有していることを示す資格なのに対して、キャリアコンサルティング技能士は高いコンサルティング技能や知識を有していることを示す資格です。

キャリアコンサルティング技能士の資格は、1級と2級で等級が分かれており、キャリアコンサルタントよりもキャリアコンサルティング技能士2級の方が難易度が高いと言われています。
合格率でみても、キャリアコンサルタント試験の合格率が50~80%程度であるのに対して、キャリアコンサルティング技能士2級の合格率は約20%弱であることからも資格難易度の違いが分かります。

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キャリアコンサルタント試験合格のための勉強時間は?

キャリアコンサルタントの勉強時間はおよそ200時間と言われています。
1日2時間勉強すると仮定すると100日(約3か月)、1日3時間勉強すると仮定すると約66日(2か月)ほどの勉強期間が必要です。

しかし、キャリアコンサルタントを受験する方の多くは就業しながら勉強する方が多いと考えられる為、しっかりと勉強スケジュールを立てて取り組むことが重要となります。

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キャリアコンサルタント試験合格のための勉強スケジュール

キャリアコンサルタントの試験は毎年3月、7月、11月に実施されます。受験申請受付期間は試験実施月の3か月前になりますので、受験申請受付前に勉強を始めても3か月間勉強が出来れば合格できる可能性はあります。

しかし、キャリアコンサルタントの受験資格である「厚生労働大臣が認定する講習」を修了する必要があるので、試験実施日のおよそ半年ほど前から勉強を含めて準備を行うとよいでしょう。

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独学で合格するには難易度が上がる前の今がチャンス!!

キャリアコンサルタント試験の受験生の大半が受験資格の1つである「厚生労働大臣が認定する講習」を受講しています。しかし、受講にはおよそ30万円~50万円程の費用が掛かかる為、少しでも安く受験したいという方には向いていません。

そこで、「厚生労働大臣が認定する講習」以外の受験資格を得て、独学で受験することも可能となっています。
独学でも十分に合格出来る可能性はあり、特に第18回試験あたりからは学科試験の合格率が上がっているため、今後試験難易度が上がる前に受験することをお勧めします。

ただ、キャリアコンサルタント試験の実技試験では、実際のコンサルティングを想定した試験が行われます。
1人のみでの練習は難しい為、キャリアコンサルタント試験合格者が身近にいれば手伝ってもらえると心強いです。試験合格者がいない場合でも実技試験の参考書をもとにどなたかに手伝ってもらうと良いでしょう。

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キャリアコンサルタントになるメリット・年収は?

ここまでキャリアコンサルタント試験の難易度を中心に説明をしてきましたが、ここからはキャリアコンサルタントの試験に合格のメリットや年収について解説していきます。
まずはキャリアコンサルタントになるメリットを紹介します.

就職や転職に有利

キャリアコンサルタントになることの最大のメリットは、就職や転職に有利になる事です。
記事冒頭でも紹介した通り、キャリアコンサルタントは人材派遣会社やハローワーク、大学のキャリアセンターだけでなく、企業の人事でも活躍することができます。
特に人事は経理などと異なり、取得することで有利になる資格が少ないため、国家資格であるキャリアコンサルタントを取得することで就職や転職の際に人事職への適性をアピールすることが出来ます。

年収アップやキャリアアップに繋がる

キャリアコンサルタント資格を取得することで、正式にキャリアコンサルタントを名乗ることが出来ます。
キャリアコンサルタントの全国の平均年収は584.4万円(出典:令和3年賃金構造基本統計調査)と全職種の平均年収307.4万円よりも高いため、キャリアコンサルタントとして就職や転職することで年収アップが見込めます。
また、企業人事においても国家資格であるキャリアコンサルタントを取得することで資格手当をもらえたり、人事評価に繋がったりする可能性があります。

身近な人のキャリア相談に乗ることが出来る

転職時代の現代、身近にキャリアについて悩んでいる方がいる事は大いにあります。
その時に、キャリアコンサルタントとして親身に相談に乗ってあげられることもキャリアコンサルタント資格を取得することのメリットと言えるでしょう。
しかし、キャリアについて考えるときは客観的にみることが重要ですので、自分自身のキャリアや転職について悩んでいる際は、プロの転職エージェントに相談することをお勧めします。

キャリアコンサルタントは役に立たないというのはウソ?

キャリアコンサルタントは 役に立たないというのは ウソ?

キャリアコンサルタントは、自身のキャリアにとって有利な資格をして紹介してきましたが、ネットでは「役に立たない」などという記事も出回っています。いったいどのような理由があるのでしょうか。

キャリアコンサルタントには独占業務がないから

キャリアコンサルタントは、資格を保有していないと「キャリアコンサルタント」と名乗ることのできないという名称独占資格に分類されますが、キャリアコンサルタント資格を取得しないと違法になってしまう独占業務がないため、資格を取得しなくても同じ業務を行うことが出来てしまいます。
しかし、資格を取得することで相談者にとって安心して相談が出来る相手と判断される材料になる為、資格を取得することのメリットはあると考えられます。

受験費用が高く、得られるメリットと割に合わない

キャリアコンサルタントの受験資格である「厚生労働大臣が認定する講習」を受講するにはおよそ30万~50万円かかり、また受験費用も別途かかる為、資格取得までに高額の出費が予想されます。しかし、キャリアコンサルタントとしての独占業務がないなど特別な恩恵を得ることができないため、費用とメリットを天秤にかけた際に割に合わないと感じる方が一定数おります。
しかし、資格を如何に利用して自身のキャリアや年収につなげるかは人それぞれですので、キャリアコンサルタントの試験を受ける前にしっかりと吟味する必要はありそうです。

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まとめ

本記事では、キャリアコンサルタント試験の難易度について解説してきました。国家資格の中では、比較的難易度の低い資格ではありますが、実際は試験形式が複数あり、資格取得にかかる費用が安くないため、しっかりと準備をしたうえで受験する必要があると考えられます。
また、キャリアコンサルタント資格を取得することで転職や年収アップなど様々なメリットを受けることが出来る為、難易度が低いからと侮らず資格取得を目指してみることをお勧めします。

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この記事を監修したキャリアアドバイザー

佐藤 颯馬

大学卒業後、新卒でMS-Japanに入社。
法律事務所・会計事務所・監査法人・FAS系コンサルティングファーム等の士業領域において事務所側担当として採用支援に従事。その後、事務所側担当兼キャリアアドバイザーとして一気通貫で担当。

会計事務所・監査法人 ・ 法律・特許事務所 ・ コンサルティング ・ 金融 ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ 税理士科目合格 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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