【メーカーの人事】仕事内容や特徴、魅力、求人例など

メーカーは自動車や機械、食品、化粧品、医薬品など、日本経済を支える産業であり、転職市場でも求人数が多いです。
この点は人事部門でも同様で、他業界に比べて人事経験者や人事で働きたいと考えている人に対するニーズが高い傾向にあります。
そこで今回は、メーカーの人事の特徴や魅力、さらに求人例などについて詳しく解説しましょう。
メーカーの人事の仕事内容・特徴
一般的に人事の仕事は採用・教育・評価・労務管理・人事企画の5つであり、メーカーの人事も同様です。
しかし、メーカーの人事ならではの特徴として、以下の3点が挙げられます。
メーカー特有の人事評価制度がある
人事評価制度とは、従業員の貢献度の度合いによってランク付けを行う制度のことです。
評価結果は昇格・昇給・賞与に反映されるため、従業員自身がどの程度組織に貢献し、何ができていないのかを把握でき、成長を促す人材育成としての機能もあります。
具体的な評価基準としては、仕事の業績や達成度などをもとに評価する「成果・業績評価」と、仕事に対する取り組み姿勢や本人がもつ技能などを評価する「職務・プロセス評価」に分かれます。
メーカーの場合、研究開発職・営業・製造・人事・経理など、幅広い部署が存在し、部署によって業務内容も大きく異なります。
そのため、メーカーでは「職種別人事評価制度」を導入しているケースがあります。
評価を全職種に一律に当てはめるのではなく、職種ごとに評価軸を設定するのです。
労働災害の発生リスクが高い
メーカーが製品を作るためには製造工場が必要です。
工場では、危険な薬品や急性中毒を引き起こす有機溶剤などを扱うほか、原材料・製品の運搬中に転倒や怪我が起こる可能性もあり、他業界と比べて労働災害の発生リスクが高いといえます。
また、海外に製造拠点を持つ企業では、従業員の海外出張や海外派遣も頻繁に行われます。
慣れない海外生活の中で病気や怪我、思わぬトラブルに巻き込まれるリスクも大きくなります。
求人数が多く、高年収求人が多い
メーカーは自動車、電子部品や家電製品など、日本経済を支える中心産業が含まれていることもあり、人事の転職市場においても求人数が多いです。
MS-Japanが実施した調査によれば、人事・総務の転職市場において最も多かったのはメーカー(「製造全般」)で、全体の22.8%を占めていました。
なお、2位は「IT・通信全般」の20.1%、3位が「サービス全般」の17.7%です。
さらに、年収水準が高いこともわかっています。
「想定年収600万円以上」を提示しているメーカー(製造全般)の人事求人は全体の27.9%でした。
求人数が多く、想定年収も高めの求人が多い点は、メーカーの人事の転職市場における大きな特徴です。
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メーカーの人事として働く魅力
人事の仕事は成果が目に見えにくいですが、企業全体の業績に間接的な影響を与えます。
適切な人事評価は従業員のモチベーションや生産性向上につながり、適材適所の人材配置によって従業員が本来の力を発揮し、成果の向上にもつながります。
そうした影響を通じて、間接的に企業に貢献しているという実感を得ることができます。
また、メーカーには多くの部署があるため、日々の業務では多くの人とコミュニケーションを取る必要があります。
さまざまな人との出会いを通して人間関係を構築するスキルを身につけることができ、人脈も広がります。
メーカーの人事での経験を通して、「人間力」を高められるでしょう。
さらに、メーカーの大手企業は総じて年収水準が高く、手当や賞与、退職金なども充実しています。
家賃補助や資格取得支援などの福利厚生も手厚いです。
長く安心して働ける点は、日本のメーカーの特徴といえるでしょう。
化粧品・食品メーカーの人事求人例
株式会社MS-Japanが運営する「MS Agent」は、人事をはじめとする管理部門と士業に特化した転職エージェントとして、30年以上の実績があります。
ここでは、「MS Agent」で取り扱うメーカーの人事求人例をご紹介します。
まずは、「化粧品・食品メーカー」の人事求人を見ていきましょう。
大手化粧品メーカーから人事採用ポジション
仕事内容 |
・採用戦略立案 ・紹介会社への求人依頼、詳細説明、リレーション構築 ・書類選考、面接 ・採用通知書作成・提示、クロージング、入社準備 ・入社オンボーティング計画立案~実行 ・採用広報計画立案~実行 |
必要な経験・能力 |
・事業会社での採用業務経験 |
想定年収 |
500万円 ~ 630万円 |
世界初の食品を開発した東証プライム上場食品メーカーのグローバル人事部
仕事内容 |
・人材育成・研修の企画・運営担当 (海外駐在員に対する階層別研修制度の設計・導入・運用など) ・Global Mobility対応担当 (海外駐在員の配置・就労支援・赴任・帰任対応・経費管理・海外送金など) ・給与計算および労務・福利厚生支援担当 (海外駐在員の給与計算、税務対応、社会保険対応、福利厚生制度運営など) |
必要な経験・能力 |
・日本語ビジネスレベル以上 ・英語力(目安TOEIC600点以上) ・何らかの人事業務経験5年以上 |
想定年収 |
460万円 ~ 900万円 |
製薬・医療機器メーカーの人事求人例
続いて、「製薬・医療機器メーカー」の人事求人例を見ていきましょう。
大手内資製薬企業(上場企業)の人事企画担当
仕事内容 |
・国内/グローバルでの人事制度の企画・構築 ・実運用に向けたスキームの構築、浸透施策遂行 ・各国HRとの連携・協業(日本国内は自らがリード) ・各本部長との連携 ・関連人事部門との協働 |
必要な経験・能力 |
・人事制度の企画・運用等に携わった経験 ・事業場(現場)での人事業務経験 ・ロジカルシンキング |
想定年収 |
700万円 ~ 1,050万円 |
創業90年の老舗医療機器メーカーの人事部長
仕事内容 |
・人事(人事制度・給与体系の起案運営、採用・異動・退職・解雇に関する業務、社会保険・労災など) ・総務(株主総会、諸規程の制定・改廃・保管、土地・建物の維持管理など) |
必要な経験・能力 |
・責任にある立場で人事総務の幅広い業務経験 ・マネジメント経験 |
想定年収 |
800万円 ~ 1,000万円 |
化学・自動車メーカーの人事求人例
続いて、「化学・自動車メーカー」の人事求人例を見ていきましょう。
化学メーカーの人事(管理職クラス)
仕事内容 |
大阪本社もしくは国内工場事業所の人事労務責任者として、採用、配置・異動、要員管理、制度・評価、賃金・処遇、勤労管理、福利厚生、教育・研修、労政等の管理および企画業務 |
必要な経験・能力 |
・事業会社での人事労務関連の業務経験5年以上 ・人事関連制度設計における提案・検証業務の経験 ・事業会社での管理部門経験10年以上 ・部下のマネジメント経験 ・英語力:初級以上 |
想定年収 |
800万円 ~ 1,200万円 |
外資系自動車メーカーの開発機関にて人事リーダー候補
仕事内容 |
・人事関連(給与賞与計算、派遣社員管理、契約管理、人事評価制度運営管理など) ・労務管理(労務勤怠管理、労働問題対応、人事制度の運用・改訂対応、関連法令対応など) |
必要な経験・能力 |
・企業での人事・労務業務経験 ・基礎的な人事・労務の知識 ・Excel、PPT、Wordなどを使用した文書作成能力 ・日本語でのコミュニケーションスキル |
想定年収 |
500万円 ~ 1,000万円 |
メーカーの人事への転職を成功させるポイント
メーカーの人事に転職する際のポイントとして、以下の3点が挙げられます。
転職の目的を明確にする
志望動機欄や面接で質問される「なぜメーカーの人事への転職を考えているのか」を明確にしておくことが大切です。
企業規模による違いを把握する
一般的に、大企業は業績が安定していて待遇も良いとのイメージがあり、中小企業は業績や福利厚生、収入面で不安があるという先入観を持たれがちです。
しかしメーカーの場合、中小企業でも優良企業が多く、収入や待遇が良いケースも珍しくありません。
中小のメーカーでも、大手企業との長期的かつ安定した取引がある場合が多く、売上や利益に大きな変動が起こりにくいため、経営が安定しているのです。
メーカーの転職市場では、他業界ほど大きな格差が生じにくいという特徴があります。
大手だから必ず良いというわけではなく、自身の適性や志向に合った企業を選ぶことが重要です。
転職エージェントの非公開求人の紹介を受ける
知名度が高いメーカーの求人は、応募が集まりやすい傾向があります。
特に人事は採用枠が少ないため、競争率が高くなりがちです。
そのため、転職活動においては転職エージェントの活用が効果的です。
転職エージェントの非公開求人は、企業側と応募者側の条件が合致した場合にのみ紹介される求人で、公開範囲を制限しているため、好条件の求人に出会える可能性が高まります。
まとめ
メーカーは数が多く、製造工程ごとに求められる専門性も異なるため、従業員の適性を見極め、各部署の特性に合わせた人事評価体制の構築が不可欠です。
そのため、人事責任者や現場の従業員との高いコミュニケーション力が求められます。
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この記事を監修したキャリアアドバイザー

大学卒業後、ウェディングプランナー、業界大手で求人広告の企画提案営業を経て、MS-Japanへ入社。
企業担当のリクルーティングアドバイザーを経験した後、現在は転職を考えられている方のキャリアアドバイザーとして、若手ポテンシャル層~シニアベテラン層まで多くの方の転職活動のサポートをしています。
人材業界での経験も長くなり、いつまでも誰かの記憶に残る仕事をしていたいと思っています。
経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 法務 ・ 経営企画・内部監査 ・ 会計事務所・監査法人 ・ 役員・その他 ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!
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