2024年04月15日

経理の王道4つのキャリアプラン・キャリアパス~具体的な行動プランを考えよう~

管理部門・士業の転職

経理としてこれからどういったキャリアプランを描くべきか、悩まれる方は多いと思います。 会計基準の国際化や、単純業務のAI化が進む中、経理のキャリアプランは多様化してきています。
そこで今回は、経理の一般的なキャリアプランに加え、業務のAI化を見据えたキャリアプランなどをまとめました。

経理の代表的な4つのキャリアプラン

こちらでは、経理の代表的なキャリアプランをご紹介します。

経営に携わる上位職を目指す

経理から経営に関わる経営企画役員などを目指すキャリアプランです。
経理は、経営判断に直結する数字に関わる業務です。 数字から自社や取引先の経営状態を読み解き、戦略立案など経営層を直接サポートする高度な能力が必要になります。

中小企業で経験を積み大企業の経理へ転職する

経理は会社の規模やステージによって携われる業務がある程度決まっています。 一概に中小企業より大企業がよいとはいえませんが、経理としての業務の幅が広がるため、中小企業で実務経験を身に付け大企業に転職するキャリアプランもあります。

資格を取得し独立開業する

就職して経理業務の実務経験を積みながら、上位資格を取得して、独立開業を目指すキャリアプランです。 独立開業するには、税理士公認会計士といった難関資格の取得に加え、営業力なども必要となります。

外資系企業に転職

経理職としてグローバルに活躍したいと思う人もいることでしょう。 その場合には、外資系企業への転職というキャリアプランも選択できます。
外資系企業への転職には、国際的に通用する米国公認会計士(USCPA)などの資格を取得するのがおすすめです。

外資系企業には、CFO(最高財務責任者)の傘下にFP&A(財務計画・分析)部門があります。FP&A部門は、企業財務の分析、予測、計画立案、業績報告などの業務を通して、経営層の意思決定を支えることが主な業務内容です。FP&A部門で経験・実績を積むことは、将来的にCFOへのキャリアプランにもつながります。

企業規模に応じた経理のキャリアパス

経理のキャリアパスは、勤務先の企業規模によって変わってきます。
「大手上場企業」「中小企業」「ベンチャー企業」のそれぞれの経理部門におけるキャリアパスとしては、以下のものが考えられます。

大手上場企業

大手上場企業の経理職の場合、自社で昇進を目指すのが一般的なキャリアパスです。企業によって役職名は異なってもきますが、一般スタッフから主任、課長、部長へと段階を踏んで昇進していき、最終的にCFO(最高財務責任者)を目指します。
ただし、大手上場企業の経理はスタッフ数が多く、配属された誰もが自動的にCFOまで昇進できるわけではありません。昇進過程において同年代のスタッフとの競争があり、企業によっては能力・実績を理由として、年下・後輩が先に昇進する可能性もあります。順調に出世していくには、自身の努力と実行力が必要です。

中小企業

中小企業は大企業とは異なり、バックヤードのスタッフは複数の業務を兼任していることが多く、経理に加えて人事、総務、労務などの仕事に携わるケースが多く見られます。
そのため経理の専門職に特化するというより、バックヤード部門を横断的に経験し、マルチな経験・実績を積むことができます。経理だけでなく、その他の業務についても幅広く経験・実績を積んでいきたい方にとっては、中小企業での勤務はおすすめのキャリアパスです。

一方、あくまで経理のスペシャリストとしてキャリアアップを図りたい、将来的に簿記・税理士の資格取得を視野に入れて経理職として活躍していきたいと考えている方にとっては、中小企業は必ずしも適した勤務先とはいえない部分があります。

ベンチャー企業

ベンチャー企業は事業が成功すれば急速に成長していき、状況次第では上場準備など刺激的で貴重な経験を積めます。
企業成長の過程、あるいは上場準備の過程で身に付けた経験・実績は、同じくこれから成長・上場を目指している企業において高く評価されます。自分なりの実務経験・能力・実績を積んでいき、自身の市場価値を高めながら転職を重ねていきたいと考えているなら、ベンチャー企業でキャリアアップを図るのが近道といえるでしょう。

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キャリアプランを考える際の落とし穴

経理でキャリアプランを考える場合、以下の点に注意する必要があります。

全て予定通りにいくとは考えない

キャリアプランを考える際、理想と現実を踏まえることが大切です。
理想が高すぎると、現実との差が大きくなってしまい、その差を埋める方法も思いつかず、絵に描いた餅となってしまいます。計画倒れになることが目に見えているキャリアプランを考えても、自身のモチベーションを高めることはできません。
現実に即したキャリアプランを考えにくい場合は、身近にいる上司や先輩をロールモデルとして設定し、その人がどのようにしてキャリアを積んでいるのかを参考にしてみるとよいでしょう。

経理はスペシャリストかゼネラリストかでキャリアが大きく異なる

経理のキャリアプランは大きく分けて、スペシャリストゼネラリストの2パターンがあります。
経理のスペシャリストとは、「財務分析」や「税務」「会計処理」など、特定の業務に特化した専門的な能力と実績を積んでいくことです。
一方、経理のゼネラリストは特定の業務に限定せず、幅広く知識や技能を身に付け、実績を積んでいくことです。

スペシャリストとゼネラリストは、一方が他方に比べて望ましい・優れているというわけではありません。重要なのは、自分がどちらに向いているか、という点です。
スペシャリストとゼネラリストのどちらを目指すかによって、取得すべき資格も変わってくるため、若いうちにどちらを目指すかを決めておくとよいでしょう

経理からのキャリアチェンジも視野に入れる

経理は性格による向き・不向きが生じやすい業務です。ルーティン業務が多く、かといっていい加減な業務は許されず、わずかなミスが経営判断のミスにもつながる恐れがあります。
また関連する法律の改正も多いので、法律について一度覚えればそれでよいわけではありません。絶えず制度改正に対するアンテナを張っておく必要があります。
こうした経理業務に取り組む中で、自分に向いていないと感じた場合は、早い段階でキャリアチェンジを検討しましょう。経理で得た経験は、営業部門や研究開発部門などの他部門でも役立ちます。とくにコスト・財務状況を踏まえて物事を考えられる能力は他部門でも重宝され、自分の強みとなるでしょう。

もし今後のキャリアをどう考えればよいのか迷ったり悩んだりしたら、転職エージェントに相談することをおすすめします。
求められるキャリアプランは転職市場の状況によって変わる可能性があり、情報を豊富にもつ転職エージェントは、市場価値を高められる最適なキャリアアップの方法を提案できます。また、転職エージェントはキャリアの目的を達成するための手段を多く知っているので、自分が目指したいキャリアの実現方法へのアドバイスもくれるでしょう。

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面接で使える経理のキャリアプラン例文

転職活動における面接の場では、自分のキャリアプランについて説明することが必要になります。具体例を2つ紹介しましょう。

経営に関われるトップ層を目指す

過去5年間、中小企業にて経理担当として幅広い業務を経験し、経理の基礎を学びました。そこで得た経験・スキルは貴重だと考えていますが、自分の実力をさらに向上させ、より広い視野をもてるキャリアを積みたいと考えています。
現在考えているキャリアプランとしては、まずは御社のような大手企業の経理部門にて高度な財務分析を経験し、これまで得られなかった領域・業務の実績を上げたく希望しています。その上で、数年以内には部門リーダーやマネージャーとしての役割を担えるようになり、「長」としての経験を積みたいと思っています。
長期的には、経理のみならず他の部門との連携、企業全体の視点からの意思決定に関わる管理職を目指したく考えております。経理の知識は、財務状況の正確な把握および最適な経営判断の基盤となるものであり、その知識・実績をもつ管理職として役割を果たしていきたいです。

経理のスペシャリストを目指す

全職での2年間の経理経験により、経理の基礎を学習できました。現在はさらなる専門能力を身に付けるため、公認会計士の資格取得を目指して学習を続けています。
将来的なキャリアプランとしましては、公認会計士の資格を取得後、資格を活かして企業の経理部門でスペシャリストとして実績を積んでいくことを希望しています。御社での業務経験は、企業の財務状況を把握し、経理の業務プロセスをより深く理解する上で非常に価値があると考えています。そして40歳頃を目途として独立し、独立後は中小企業を中心に会計・財務のコンサルティング業務に取り組みたく思っております。私の知識・経験を活かし、地域経済を支える企業の成長をサポートしていきたいです。

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経理に求められるスキル

経理に求められるスキル

経理に求められるスキルを、経験者未経験者のそれぞれで見てみましょう。

経理経験者

経験者に求められるスキルは、経理の実務を通じて身に付けていく業務スキルそのものです。
経理の業務スキルは、日々の伝票処理・会計ソフト入力や支払い・入金の確認などにはじまり、月次や年次での決算関係書類作成、年末調整、上場企業であれば有価証券報告書作成など、経験年数に応じて高度になります。
また、これからの経理では、AIRPAなどを使いこなせるITリテラシーも必要とされるでしょう。

経理の実務未経験者

未経験者の場合には、まずワードやエクセルなど経理業務に必須となるパソコンスキルを身に付けるのがよいでしょう。 また、他部署とやり取りする機会が多い経理職は、コミュニケーションスキルも重要です。
資格については、一般に経理職なら、簿記の2級以上が必要とされています。 ただし、未経験から経理を目指す場合には、自分に経理の適性があるかを判断するため、まずは3級を受検してみるのもよいでしょう。

経理を目指す上で有利な資格

経理を目指す上で有利な資格を見ていきましょう。

簿記

経理を目指す上で欠かせないのは、経理の基本知識となる簿記の資格です。
日本商工会議所が主催する「日商簿記検定」は3級~1級まであり、簿記2級以上を応募資格とする経理の求人も多くあります。
未経験で経理を目指すなら、できれば2級、最低でも3級を取得したほうがよいでしょう。 転職で有利になる上に、勉強した内容は実務に直接役立ちます。

FASS

FASS検定は、経済産業省の発案により開発された検定試験です。
簿記の知識のみを評価する簿記検定とは異なり、経理としての実務能力を測定できるのが特長です。
結果は合否ではなく、レベルA~からレベルEの5段階で評価され、何度も受検してレベルアップしていく人も多くいます。 取得することにより、未経験でも経理実務についての知識をもつことが証明できます。

USCPA

外資系企業などでグローバルに活躍したいなら、USCPA(米国公認会計士)の取得がおすすめです。
試験は英語で行われるため、英文での経理スキルを証明できるからです。 日本の公認会計士試験より会計知識としての難易度は低く、合格しやすいといわれています。

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まとめ

経理にはさまざまなキャリアプランがあるため、仕事をする目的に合わせてキャリアを考えることが大切です。
しかし、キャリアプランには経理の転職市場や経理の将来性など1人で考えてもわからないことが多くあります。そのため、経理に精通したプロの転職エージェントに相談をしながら考えることが有効な選択肢といえるでしょう。

管理部門・士業の転職

この記事を監修したキャリアアドバイザー

長谷川 栞

大学卒業後、化粧品会社へ入社し美容部員として店舗販売業務に従事。
その後キャリアアドバイザーとしてMS-Japanに入社し、
主に経理財務や会計事務所などの会計転職希望の方を中心に担当。

経理・財務 ・ 会計事務所・監査法人 ・ 税理士科目合格 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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