経理の繁忙期を業務スケジュールと共に解説!忙しさを解消する方法など



経理部は定期的に締日がある職種の一つですが、職場環境によって忙しさには差が見られます。
現在の職場の多忙さに不満を感じている経理担当者の中には、他の企業の忙しさが気になる人も多いのではないでしょうか。
この記事では、そんな経理の一般的な繁忙期を業務スケジュールとともに解説しつつ、忙しさを解消する方法などにも触れていきます。
経理の業務スケジュール(4月~9月)
3月末決算の会社を例にして、上半期(4月~9月)の業務スケジュールを見ていきましょう。
各月の業務内容をまとめたので、以下をご覧ください。
主な業務内容 | |
---|---|
4月 |
・決算の準備 ・株主総会の準備(招集通知の送付など) ・固定資産税の納付(第一次) |
5月 |
・決算申告 ・法人税、法人住民税、法人事業税の納税準備 ・消費税の納税準備 |
6月 | ・個人住民税に関する処理 |
7月 |
・源泉所得税の納付 ・社会保険や雇用保険・労働保険の各種手続き ・固定資産税の納付(第二次) |
8月 | |
9月 |
・中間決算書の作成 ・予定納税か中間申告をするかどうかの判断 |
4月
4月は新年度を迎え、決算処理が始まる月です。
経理部のメンバーや税理士・公認会計士などと連携して、決算の準備を進める必要があります。
具体的な業務として挙げられるのは、決算整理仕訳や財務諸表の作成などです。
また5月~6月の株主総会や税務業務に向けて、企業の数字を総じて整理する時期でもあります。
5月
5月は、決算申告や各種納税に関する業務が重なります。
決算申告は決算月の2ヵ月後と定められているためです。
6月
決算申告が終わった後、6月になると住民税の特別徴収税額が新年度分となるため、それらに対応しなければなりません。
7月
7月は源泉所得税の納付や、社会保険・雇用保険・労働保険の各種手続きが待っています。
8月
8月は、業務が比較的落ち着く時期になります。ひと息つけるタイミングです。
9月
9月は上半期が終わる月ですので、中間決算書を作成したり、予定納税か中間申告をするかどうか判断したりする業務を行い、下半期への準備を進めます。
経理の業務スケジュール(10月~3月)
続いては下半期の業務スケジュール(10月~3月)です。
主な業務内容 | |
---|---|
10月 | ・未払い/未収の処理 |
11月 |
・年末調整の準備 ・法人税・消費税などの各種納税 |
12月 |
・年末調整業務 ・固定資産税の納付(第三次) |
1月 |
・給与支払報告書の作成・提出 ・法定調書合計表の作成 ・償却資産申告書の提出 ・源泉所得税の納付 |
2月 |
・決算準備 ・固定資産税の納付(第四次) |
3月 |
・決算準備 ・実地棚卸 |
10月
10月は、中間決算をする場合には未払いや未収の処理を計上する期間です。
中間決算がない場合は、余裕のある時期と言えるかもしれません。
11月
11月に入ると、中間決算をした場合の納税業務を実施します。
年末調整用の資料を収集するなど準備を進めます。
12月
12月には年末調整を完成させる流れとなります。
生命保険料控除証明書、地震保険控除証明書、2年目以降の住宅ローン控除申告関係など、年末調整で手続き可能な控除関係の資料を一人ひとりから収集しなければならないほか、還付や不足額の徴収もそれぞれに行いますので、かなり煩雑な作業を繰り返す時期となります。
1月
1月も給与支払報告書を作成して各市町村に送付したり、法定調書合計表の作成・償却資産申告書を提出したりと税金関連の業務に追われたりするため、繁忙期となる場合が多いでしょう。
2月
2月以降は決算準備に取り掛かり、売掛金をはじめとする各項目のチェックを行います。
3月
実地棚卸をして、4月からの決算処理がスムーズになるよう備えます。
経理担当者が忙しくなりやすい環境
経理職がスケジュールに追われる職種であることは間違いありませんが、毎日忙しく定時で帰宅するのが難しい職場の場合は、環境に問題がある可能性があります。
以下、経理担当者が特に忙しくなりやすい環境について解説します。
一人当たりの業務が多い
経理部の規模が大きい場合、業務が細分化されているため、日・月・年を問わず多忙になるケースはそれほど多くないはずです。
しかし、経理担当者の数が少なく、一人当たりの業務が多い職場では、必然的に負担が大きくなっていき残業が増えるものと考えられます。
仕組みが整っていない
旧態依然の仕組みの中で経理業務を担当しなければならない場合、例えばAIが導入された会計ソフトを使用しているケースに比べると、どうしても作業効率は落ちてしまいます。
特に、PCを使わず紙媒体で起票する習慣がある場合、それだけでも経理担当者にとっては大きな負担になることが予想されます。
対応方法が複雑
経理職の業務は、一つひとつのルーティンワークの中にも、各種法律や規則・制度が背景にあります。
近年では、インボイス制度や電子帳簿保存法といった新しいルールに順応することが求められるようになりました。
実務に対応できるよう新しい知識・対応方法をキャッチアップしなければならず、経理職が複雑な業務に対応する時間的負担は決して馬鹿になりません。
経理の忙しさを解消するには
経理職特有の忙しさを解消するためには、次のような方法に着手することが重要です。
業務効率化を図る
真っ先に取り組まなければならないのは、現在どの業務に時間がかかっているのかを把握し、それをどう効率化できるか考えることです。
上司や経営陣に新しい会計ソフトを利用するメリットを進言したり、ペーパーレス化に着手したり、現在の負担が軽減できる見通しを職場に理解してもらえるよう働きかけましょう。
閑散期に事前準備をする
先述したスケジュールの通り、経理職には閑散期が存在します。
そのため、月・年単位で時間にゆとりが生まれたら、その時期に繁忙期の準備をしておくなどして、業務負担を軽くできるよう工夫することをおすすめします。
専門知識を磨く
実務上必要な専門知識は、将来的な資格取得等も視野に入れて、できる限り頭に入れておきましょう。
例えば、年末調整の業務につきマニュアルを見ながら一つひとつ手作業するよりも、頭に入っている専門知識を参照して作業を進めた方が、経理業務は効率的に進められます。
帳票や資料作成に関しては、Excelのマクロ機能やVBAについての高度な知識を学べば、実務に応用することが可能になるはずです。
より良い環境の職場へ転職する
積極的に意見を上司等に伝えたとしても、他部署の状況や他の理由などから、自分の意見が通るとは限りません。
職場環境に納得がいかない場合は、より良い環境の職場を探して転職することも視野に入れておくと、現在の職場を離れる判断がしやすいはずです。
経理の求人を見る時のポイント
努力と検討の結果、新しい職場への転職を決意した場合は、失敗を未然に防ぐため求人情報をしっかりチェックすることが大切です。
以下、具体的な確認項目をご紹介します。
仕事内容は範囲と進め方を確認
一口に経理業務といっても、経理部の枠内で仕事を任されるのか、総務や労務も担当するのかなど、企業によって自分に任される業務内容は異なります。
そのため、まずは求人情報の「仕事内容」から任される仕事の範囲を確認しつつ、実際にどのように業務を進めるのか、大まかなスケジュールについてもチェックしておきましょう。
また、体制や進め方なども確認しておくと、実際に対応可能かどうかのイメージが湧き、転職後のミスマッチを防げます。
残業時間は繁忙期・閑散期それぞれ確認
労働基準法上、残業時間の上限は「月45時間」・「年間360時間」と定められています。
これを踏まえた上で、繁忙期・閑散期の平均残業時間について確認しつつ、固定残業制度を採用している場合は基本給に含まれていないかどうかなどをチェックしましょう。
福利厚生や制度も欠かさず確認
働きやすさという観点からは、福利厚生や各種社内制度についても目を通しておくことをおすすめします。
健康保険・雇用保険・厚生年金保険・労災保険といった「法定福利」はもちろん、通勤手当・住居手当などの各種手当が手厚いかどうかも確認しておきましょう。
転職エージェントを利用すれば忙しくても転職活動を進めやすい!
真剣に転職を考えているものの、なかなか職場が忙しく時間が取れない場合は、転職エージェントを活用して転職活動を進めるのも手法の一つです。
転職エージェントを利用すると、専任のキャリアアドバイザーが、希望に合う求人の紹介や選考通過率を上げるための応募書類添削、面接対策、日程調整などを行ってくれます。
特に、業界特化型のエージェントを使うと、経理に詳しいアドバイザーのサポートが受けられるため、より具体的なアドバイスや最新の転職市場などの情報が手に入ります。
その結果、内定獲得までのルートを効率的に開拓できるのです。
MS Agentは、管理部門・士業に特化した30年以上のノウハウを活かし、多くのビジネスパーソンの転職成功に貢献してまいりました。
経理職の転職支援実績も豊富なため、自力での転職活動に不安を感じている方は、ぜひこの機会に無料会員登録をご検討ください。
転職でワークライフバランスの両立を実現させた事例
MS Agentを利用して、転職でワークライフバランスの両立を実現された方は、数多く存在しています。 以下、具体的な事例をいくつかご紹介します。
ワークライフバランスが取れる上場企業へ転職/30代経理スタッフの成功事例

Iさん(32歳・男性)資格:日商簿記2級
上場子会社
人数:100名


東証スタンダード上場メーカー
人数:590名
Iさんは、上場子会社で5年半の経理経験を積まれていましたが、社内でのキャリアアップに限界を感じたこと、結婚を機に子育てをサポートできる働き方が可能な職場環境を探していたことなどを理由に、MS Agentを介しての転職を決意されました。
検討の結果、年収アップなど目先の目標ではなく「今回の転職で実現したいこと」にフォーカスして転職活動を進めた結果、見事リモートワーク・オフィス出社のハイブリッドで働ける老舗上場メーカーへの転職に成功されています。
子育て中のママさんが叶えた、柔軟な働き方ができる経理職への転職事例!

Kさん(30代前半・女性)資格:日商簿記2級
上場グループの事業会社


非上場の事業会社
Kさんは、上場グループの事業会社で産休・育休後に職場復帰し8時間のフルタイム勤務をされていましたが、育児との両立が難しいと感じて転職を決意されました。
当初は「残業はほとんどできない」・「リモートワーク必須」・「子供のお迎えに行ける」といった項目を優先して転職先を探していたものの、企業目線では具体性に欠けていたことから、MS Agentのキャリアアドバイザーとの面談の中でより具体的な希望の言語化に成功された結果、見事条件にマッチする事業会社様への転職に成功されています。
まとめ
経理職は、バックオフィス職の中でも締日に追われる職種ですが、1年を通して激務というわけではありません。
職場環境や任される業務などに応じて、忙しさは変動する傾向にあるため、まずは社内で業務効率化に向けた取り組みを行い、反応が薄ければ転職を検討することをおすすめします。
実際に転職活動をスタートさせてからは、求人情報の中身をよく読んで、現在の職場環境との違いを正しく認識し、魅力を感じた段階で応募することが大切です。
十分な時間が取れず、自力での転職活動が難しいと感じている場合は、MS Agentなど経理職の転職に有利な転職エージェントの利用がおすすめです。
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この記事を監修したキャリアアドバイザー

大学卒業後、ウェディングプランナー、業界大手で求人広告の企画提案営業を経て、MS-Japanへ入社。
企業担当のリクルーティングアドバイザーを経験した後、現在は転職を考えられている方のキャリアアドバイザーとして、若手ポテンシャル層~シニアベテラン層まで多くの方の転職活動のサポートをしています。
人材業界での経験も長くなり、いつまでも誰かの記憶に残る仕事をしていたいと思っています。
経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 法務 ・ 経営企画・内部監査 ・ 会計事務所・監査法人 ・ 役員・その他 ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!
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