上場企業の経理はきつい?非上場企業との違いや求人の選び方を徹底解説
上場企業への転職といえば、繁忙期に残業が続いたり、分刻みのスケジュールに追われたりするイメージを持っている方は少なくありません。
そこで、上場企業の経理部への転職を考えている方向けに、上場企業の経理は激務なのかを解説します。
また、上場企業の経理職に転職するためのスキルや求人の選び方、求人例を紹介します。
上場企業の経理は「激務」「きつい」って本当?
上場企業は、四半期報告書の提出が法律によって義務付けられています。
年に4回の決算業務をこなさなくてはならないため、一見すると忙しい印象を受ける方も少なくありません。
しかし、実態は異なり、
上場を維持するべく経理部門に十分なシステムを投資しているので働きやすい環境です。
業務が細分化されているほか、経理部門に人材を十分に配置しているケースが多いため、業務配分に偏りが出る心配をしなくて済みます。
個々のスケジュール管理がしっかりとできていれば、業務量に偏りがない分、むしろ労働環境は良好です。
上場企業の経理は非上場と何が違う?
上場企業と非上場企業では、経理部の業務内容に大きな違いがあります。
上場企業は株主の意向に沿った経営を行う必要があります。
株主などのステークホルダーに対して財務状態を明らかにするために、財務会計が重要視されています。
一人あたりが担当する経理業務の範囲は狭くなるものの、より専門的な分野を担当します。
たとえば業務の一例として挙げられるのは、決算短信・四半期報告書・有価証券報告書・内部統制報告書の作成や、監査法人の対応などです。
専門性の高い仕事に就く分、給与は非上場企業よりも高めに設定されています。
一方で、非上場企業における経理部の主な業務としては、財務諸表・税務申告必要書類の準備や作成、月次決算や年次決算の処理などが挙げられます。
非上場企業は財務会計に重きを置いており、経理部では企業の所得額を計算して国や地方に納める税金を算出します。
四半期報告書の提出は上場企業だけに義務付けられているので、決算業務は年に一度のペースです。
また、株主と経営者が同一であることが珍しくないため、ステークホルダーへの財務状態の報告よりも、借入がある銀行への経営成績報告が重視される傾向にあります。
有価証券報告書の提出義務はなく、決算関連書類の作成負担も少なくなっています。
上場企業に比べて専門性の高い経理業務が少ないものの、業務が細分化されておらず、他部署が行う業務も兼任するケースが少なくありません。
給与計算・会社の備品管理といった総務の業務を任せられる可能性もあります。
このように業務内容の違いから、一般的に上場企業では専門分化した仕事が多く、非上場企業では幅広い業務を担当する機会が多いのが特徴です。
上場企業の経理に求められる知識・スキルは?
会計基準に関する知識
上場企業は会計基準に則って計算・開示する必要があります。
有価証券などの時価評価・固定資産の減価償却や減損・退職給付会計・税金や税効果会計・連結決算といった決算処理の知識が求められます。
複雑な決算処理を扱うスキル
上場企業の経理部では、決算に関する業務が多いため、決算処理を扱うスキルが必要です。
決算短信・四半期報告書・有価証券報告書の作成が求められます。日商簿記2級を取得していると、転職時に有利に働きます。
申告書の作成スキル
上場企業の経理部では税務報告書を作成するため、税理士と同レベルの作成スキルが求められます。
税理士の資格を取得していると、転職時に重宝されます。
連結財務諸表の作成スキル
本社や関連会社の連結財務諸表を作成する必要があるので、作成スキルを身に付けておくことがおすすめです。
日商簿記1~2級を取得していると、転職時の強みとなります。資格取得を目指すのはもちろん、実務経験を積んでおくとよいでしょう。
コミュニケーション能力
経理業務をスムーズに行うには、同部署・他部署の人と適切なコミュニケーションを取る必要があります。
さまざまな部署と関わりを持つため、感情的な判断や先入観で仕事に支障をきたさないように、線引きをして接することが大切です。
上場企業の経理へ転職する際の求人の選び方
上場企業の経理職に転職する場合は、求人の募集背景や組織構成にしっかりと目を通しましょう。
転職で求人に応募する際に、経理業務はどの企業も類似しているので、つい年収や応募要件に目が行きがちです。
しかし、募集背景によっては、入社後の業務内容が大きく変わる可能性があるので気を付けなければなりません。
求人の理由が増員の場合、将来的に仕事が増えたり、業務が拡大したりする見込みがあります。
現在の仕事量は今いる人員で補えている可能性が高く、転職後は一時的に担当業務が少なくなるケースも珍しくありません。
一方で欠員補充の求人の場合は、現在の仕事を任せられる人員を探しているので、担当業務量が多くなる傾向にあります。
ただし、スピード感を持って人材を採用することが多いため、選考を通過しやすいのは後者の欠員補充の求人です。
前者の増員の求人では選考に時間をかけられる分、優秀な人材でなければ太刀打ちできないことも考えられます。
また、企業の組織構成も把握しておきましょう。
経理部が独立しているほど、専門性の高い経理業務に就けます。
求人の募集背景や組織構成を把握しておけば、採用担当者に対してより具体的な質問ができ、入社後のギャップを少なくできるのでおすすめです。
求人を探す際は、転職エージェントに相談をしたり、企業の口コミを自ら情報収集したりして、応募先を絞り込んでみてください。
求人に記載のない情報は転職エージェントを活用して収集しよう!
経理職に転職するなら、自分が担当する業務内容に注目したいところです。
大手企業ほど業務内容が細分化されており、システム化も進んでいます。
また、教育体制も整っているので働きやすい労働環境が整備されています。
ただ、実際に入社してみるとギャップがあるケースも少なくないため、転職エージェントの活用がおすすめです。
転職エージェントであれば、利用者一人ひとりに付くキャリアアドバイザーが、経理職への転職を親身になってサポートします。
志望先の企業の内部情報にも精通しているので、業務内容や社内の雰囲気についても質問できます。
また、転職時に気になる給与面の交渉なども、代わりにお願いできるので心理的なハードルを下げられます。
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中小企業から上場企業へキャリアアップ転職を叶えた、20代男性の経理スタッフの事例
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幅広い業務かつ専門性の高い業務に就きたい、リモートワークも可能な環境で働きたいという要望を持っており、経理としてスキルアップができる求人に応募しました。
事業会社は未経験でしたが、未経験領域でも活かせる強みやシステム導入を進めた経験などをアピールし、上場企業の内定を獲得しました。
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病院における経理経験を活かし、上場企業へ転職された方の成功事例
上場企業の経理へ転職した事例
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ワークライフバランスが取れる上場企業へ転職/30代経理スタッフの成功事例
上場企業の経理を経験したあとのキャリア
ゼネラリストとして経営全体に関わる経験を積む
上場企業の経理職の経験を積んだ後は、経理と経営に関して幅広い経験を積んだゼネラリストを目指す方法があります。
経営全体に関わり、オールラウンドで活躍できる経験を積めます。
広範囲にわたるスキルを培って、着実にキャリアアップすることが可能です。
外資系企業で経験を積む
英語のスキルを身に付けて、外資系企業の経理職へキャリアアップするのもひとつの手です。
米国公認会計士などの資格を取得していると、転職時のアピール材料になります。国際的に認知度の高い資格のため取得難易度が高く、合格率は例年50%前後です。試験は全て英語で実施されるので、英語力を身に付けている証となり、転職時に重宝します。
会計のスペシャリストとして独立する
上場企業の経理職として経験を積んだ後は、経理関連の資格を取得して会計のスペシャリストを目指す方法もあります。
取得する資格としては、公認会計士・税理士・社会保険労務士などが挙げられます。
公認会計士や税理士として、将来的に独立開業も視野に入れることが可能です。
他にも、外資系企業でコンサルタントやアナリストを目指す選択肢もあります。
まとめ
上場企業の経理職は激務・きついと言われていますが、非上場企業に比べて業務が細分化されていたり、専門性を極められたりするメリットがあります。
業務に偏りがない分、個々のスケジュール管理次第で良好な労働環境を保てるでしょう。
この記事を監修したキャリアアドバイザー
カナダ州立大学卒業後、新卒でMS-Japanへ入社。求人企業側の営業職を経験した後、2014年にキャリアアドバイザーへ異動。
2016年からは横浜支社にて神奈川県内の士業、管理部門全職種を担当し、現在は関東全域の士業、管理部門全職種を担当。
経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 法務 ・ 経営企画・内部監査 ・ 外資・グローバル企業 ・ 会計事務所・監査法人 ・ 役員・その他 ・ IPO ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ USCPA ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!
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