2024年11月13日

簿記3級の試験日程や難易度・合格率は?勉強法やメリットも解説【2024年最新】

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「日商簿記」は認知度の高い経理資格の一つであり、取得を目指す人も多いのではないでしょうか。
日商簿記の中で最も受験数の多い「3級」は、社会人としての一般常識が身につき、経理だけではなく、様々な職種で役に立ちます。

今回は、日商簿記3級について概要難易度メリットなどの情報をまとめました。
簿記3級に興味がある方や勉強中の方はぜひ参考にしてみてください。

日商簿記3級とは?

簿記とは、全ての業界・規模の企業における日々の経営活動を記録・計算をすることで、経営成績・財政の状態を明確にする技術を意味します。

簿記に関連する資格は、「日商簿記」「全経簿記「全商簿記」の3種類ですが、日本商工会議所が主催する「日商簿記」が最も認知度が高く、受験者数も多い傾向です。
日商簿記の中でも最も受験者数の多い3級は、「ビジネスパーソンが身につけておくべき基礎知識が身につく資格」として企業から評価されています。

日商簿記3級を取得することで、商業簿記の基本を習得し、小規模の企業での経理処理を行えるレベルであることをアピールできるでしょう。

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【2024年度最新】日商簿記3級の試験日や会場・問題形式は?

日商簿記3級の試験日・会場

<統一試験>

統一試験とは、各商工会議所が指定した会場で行うペーパーテスト方式のことです。
試験会場は、全国各地の商工会議所や学校などで受験票から確認できます。
試験は例年6月・11月・翌年2月と、1年で3回実施されており、2024年度のスケジュールは下記の通りです。

  • ・第164回:2024年6月9日(日)
  • ・第165回:2024年11月17日(日)
  • ・第166回:2025年2月23日(日)

<ネット試験>

ネット試験とは、全国のテストセンターにてパソコンを利用して受験する方式のことです。CBT方式とも呼ばれています。
地域・都道府県、日程から絞り込み、その中で希望のテストセンターを選択することが可能です。
試験はテストセンターが定めた日程で随時受験可能で、試験終了後に即日合否発表されます。

日商簿記3級の試験概要

日商簿記3級の試験概要は下記の通りです。

受験資格 どなたでも受験可能
試験科目 商業簿記(3題以内)
受験料 3,300(税込)
※2024年度から受験料改定されました。
試験時間 60分
合格ライン 70点以上

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日商簿記3級の合格率や難易度は?

日商簿記3級の合格率を見ていきましょう。

日程 実受験者数 合格者数 合格率
167 2024年6月9日 20,927名 8,520名 40.7%
166 2024年2月25日 23,977名 8,706名 36.3%
165 2022年11月19日 25,727名 8,653名 33.6%
164 2023年6月11日 26,757名 9,107名 34.0%
163 2023年2月26日 31,556名 11,516名 36.5%

回によってばらつきはありますが、過去5回の平均合格率は約36.2%です。
2級の平均合格率は19.2%、1級は12%のため、3級は比較的難易度が低いことが分かります。

ネット試験

期間 受験者数 合格者数 合格率
2024年4月~2024年6月 54,763名 22,080名 40.3%
2023年4月~2024年3月 238,155名 88,264名 37.1%
2022年4月~2023年3月 207,423名 85,378名 41.2%
2021年4月~2022年3月 206,149名 84,504名 41.0%
2020年12月~2021年3月 58,700名 24,043名 41.0%

過去5年間におけるネット試験の合格率は40.1%です。
統一試験・ネット試験の出題範囲や問題の難易度は同じですが、合格率はネット試験が約4%高い傾向があります。
これは、ネット試験が自分の好きなタイミングで何度でも受験できることが理由だと考えられます。

日商簿記3級の標準学習時間目安は約70時間、毎日2時間勉強した場合の勉強期間は1ヵ月程度を見込んでおくと良いでしょう。
日商簿記3級を取得するための教材は数多く出版されています。独学で取得を目指す人、スクールに通って勉強する人など勉強方法は様々です。
自分に合った方法を選ぶことが合格するためのポイントと言えます。

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日商簿記3級に合格できる勉強法は?

日商簿記3級に合格するための勉強法をご紹介します。
ポイントは以下の3つです。

スケジュールを立てる

まずは受験する試験日を設定してください。
先述の通り、日商簿記3級の統一試験は年3回(6月、11月、2月)実施され、ネット試験の試験日は各ネット試験会場が決定します。

受験予定日に向けて、学習スケジュールを組み立てましょう。いつまでに何を習得する必要があるかをピックアップして、逆算をしていきます。前半はテキストで学び、後半以降は過去問にチャレンジすると良いでしょう。
2~3ヵ月じっくりと学習するよりも、1ヵ月で受験勉強をした方が効率的です。毎日2時間程度の時間を費やす予定で、学習スケジュールを作りましょう。

また、土日・祝日に集中して勉強するのではなく、平日の出勤前や仕事終わりの時間で、毎日コツコツと継続できるスケジュールをおすすめします。

テキストを熟読する

受験勉強は、テキストの熟読から始めましょう。
最初からすべてを理解できなくても構いません。まずは全体像を理解してください。

テキスト学習では、詰め込み式で記憶するのではなく、簿記の仕組みや概念を理解することが重要です。
例えば、100以上ある勘定科目を短期的に覚えても意味がありません。それぞれの基本的な役割や扱い方を理解できるようになるまで、テキストを熟読しましょう。

特に力を入れたいのは仕訳です。仕訳は、取引の一つ一つをルールに沿って分類しますが、この概念が理解できていないと、正しい回答には辿り着けません。

繰り返し過去問を解く

試験に合格する力を鍛えるために、過去問を解いてアウトプットすることが重要です。
直近の出題傾向をつかめるように、直近2~3年分の過去問を集中して解くことをおすすめします。

一度正解したから「もう大丈夫」と終了するのではなく、出題形式や回答に至るまでのプロセスに慣れるまで繰り返し解いてください。
間違えた問題は、テキストを見て再学習しましょう。正しい答えを知るだけでなく、なぜ間違えたのか、その原因を振り返り、次に活かすことが重要です。
この作業を積み重ねて、つまずくポイントを克服してきましょう。

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数学や数字は苦手でも大丈夫!その理由は?

簿記に興味があっても、「数学ができないから勉強は難しいのでは?」「数字が苦手な人は合格できないのでは?」と受験を躊躇する人は少なくありません。
結論から言えば、数字が苦手でも日商簿記3級に合格した人は沢山います。
合格者の共通点は、過去問や例題の問題を解くなど、手を動かして学習したことです。
実践による訓練を積むことで、数学は苦手なままでも、簿記に強くなることは可能だと言えるでしょう。

また、日商簿記3級の試験では、電卓が使用可能です。
そのため、計算能力に自信がなくても試験には問題ありません。足し算・引き算・掛け算・割り算がわかれば回答できます。高度な数学を理解する必要はありません。

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「日商簿記3級は評価されない」って本当?3つの取得メリットを解説

「転職市場で評価されるのは、日商簿記2級から」と言われることもありますが、企業規模やポジションによっては日商簿記3級も評価対象です。
ここでは、日商簿記3級の取得メリットを3つご紹介します。

数字でビジネスが読める

日商簿記は基本的にどんな仕事にも役立つ資格です。日商簿記の知識を得ることで、ビジネスを数字で読み解くことができるようになります。数字を使って説得力のある提案をすることが可能です。
特に会社経営には日商簿記の知識やスキルが必要不可欠と言えます。
経営者は必ずしも簿記を取得しているわけではありませんが、例え取得をしていなくても簿記の知識を理解していることが多いです。
日商簿記の知識をもとにビジネスを読み解くことで、経営者層とスムーズにやり取りができるようになるでしょう。

他の資格の取得に役立つ

日商簿記3級は他の資格取得にも役立つ資格です。
例えば簿記3級の知識を活かすと日商簿記2級を取得しやすくなります。

また、FP(ファイナンシャルプランナー)公認会計士税理士中小企業診断士などの取得に向けたファーストステップとして役立つでしょう。
日商簿記の最上位級である1級は、税理士の受験資格にも定められています。

就職・転職に役立つ

日商簿記3級を取得する大きなメリットは就職転職に役立つことでしょう。日商簿記3級の取得によって、基本的な簿記を理解していることを、客観的に証明できます。
特に会計・経理といったバックオフィス部門の採用選考で役立つでしょう。
ただし、帳簿記入の方法や経理関連書類の読み方など、3級で学ぶ内容は初級レベルです。大手企業などでは2級以上を必須としている場合もあるでしょう。

また、資格を取得するために工夫したことなどから、自己PRに結び付けることも可能です。働きながら取得したのであれば、どのように計画を立て、時間をやりくりして合格まで至ったのかを伝えることで、計画性や勤勉さ、向上心などをアピールできるでしょう。

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日商簿記3級が活かせる仕事とは?

日商簿記3級が活かせる仕事とは?

経理職・経理事務

経理には簿記の知識が必要不可欠ですので、日商簿記3級を持っていることは業務を進める上で武器となるのです。
よりステップアップしたい方は日商簿記2級の取得を目指しましょう。
経理の仕事は大きく、日次業務、月次業務、年次業務の3つがあり、決算の時期は業務が多忙になることが特徴です。
専門性が高く、経験を積み重ねることでより評価されやすくなります。

税理士補助

その名の通り税理士を補助する仕事を指します。税理士の独占業務を行うことはできませんが、独占業務に抵触しない範囲でさまざまな仕事を補助することが可能です。
日商簿記3級の知識も役に立ちます。いずれはステップアップして税理士の取得を目指すという方法もあります。

営業職

日商簿記3級では、ビジネスパーソンが身につけておくべき基礎知識が身につきます。そのため、経理職や税理士補助などの会計関連職種だけでなく、営業職でも役に立ちます。
簿記の知識を活かすことで、数字を根拠とした説得力のある提案ができるようになるでしょう。
また、顧客・取引先の財務諸表を読み解くことで、経済状況に問題がないか与信管理を行うこともできます。

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日商簿記3級の転職成功事例

弊社MS-Japanは、経理をはじめとする管理部門と士業に特化した転職エージェント「MS Agent」を提供しています。
ここでは、「MS Agent」を利用者の内、簿記3級を取得して転職成功した方の事例をご紹介します。

中小企業から上場企業へキャリアアップ転職!

Kさん

Kさん(25歳男性・簿記3級合格)

非上場企業
(施工管理業務)
年収:280万円

矢印 矢印

会計事務所
(会計税務コンサルタント)
年収:300万円


専門性のあるキャリアを目指して会計業界へ!

高校卒業後、営業や施工管理など数社で働いていたKさんですが、30代に近づくにつれ、キャリアに対する不安を抱き、転職を考え始めました。
専門性のあるキャリアを目指したいと考えたKさんは、高校で会計を学習していた会計知識を活かし、税理士を目指すことを決意しました。まずは日商簿記3級を取得し、現在は日商簿記2級も学習を進めているそうです。
このようなKさんの前向きな姿勢とコミュニケーション力の高さも評価され、会計事務所へのキャリアチェンジ転職に成功しました。

転職成功のポイントは「資格取得の先を見据えたキャリアイメージ」

Kさんの転職成功のポイントは、資格を取得した後の「キャリアイメージ」をしっかりと持っていた点です。
現在の転職市場は求職者優位の売り手市場と言われていますが、未経験でのキャリアチェンジ転職は簡単なことではありません。
Kさんは資格取得だけでなく、その先のキャリアまでしっかりとイメージしたことで、会計事務所側もKさんが活躍する姿が想像でき、内定獲得に至りました。

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まとめ

日商簿記3級の合格率は平均30~40%台です。学習スケジュールを組んで、受験勉強を行えば合格できる可能性が高い資格と言えます。
特に、経理や会計事務、税理士補助の職種を未経験から目指す場合は、日商簿記3級が最初のステップだと言えるでしょう。

日商簿記3級を取得して、転職に成功した実績は沢山ありますが、よりスキルアップを目指すのであれば、日商簿記2級の取得がおすすめです。

また、仕事以外でも、家計や資産形成などプライベートにも活かせる点も魅力だと言えます。
日商簿記3級の恩恵を受けるためにも、正しい学習方法で合格を目指しましょう。

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この記事を監修したキャリアアドバイザー

相川 沙緒里

大学卒業後、化粧品会社へ入社し美容部員として従事。全国各地で販売業務や新規店舗の教育係を経てMS-Japanへ入社。
現在はキャリアアドバイザーとして経理・人事・総務を中心に担当。

経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 会計事務所・監査法人 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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