【2024年度版】日商簿記1級の試験日程や難易度、取得のメリットを徹底解説!
簿記1級は、会計分野において高度な知識とスキルを身につけたことを証明する資格です。
簿記1級を取得することで、「財務諸表」「原価計算」「経営分析」の分野で高い専門性を発揮できるため、会計・経理分野でのキャリアアップや転職活動において大きなアドバンテージとなります。
本記事では、2024年11月17日に行われる簿記1級試験に向けて、日商簿記1級の試験難易度や取得メリット、さらに簿記1級を活かしたキャリアアップの実例などについて詳しく解説していきます。
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日商簿記1級は「簿記の最高峰」
日商簿記とは、企業の経理業務に必要な会計・簿記スキルを身につけるための資格です。
簿記資格には日本商工会議所が主催する日商簿記の他に、全国経理教育協会が主催する全経簿記、全国商業高等学校協会が主催する全商簿記があります。このうち最も知名度が高く、就職・転職活動においても評価を受けやすいのは日商簿記です。日本のビジネスシーンで「簿記の資格を持っている」という場合、日商簿記を指すケースがほとんどです。
日商簿記には資格難易度に合わせて1級、2級、3級、簿記初級、原価計算初級の5種類があり、中でも日商簿記1級は「簿記の最高峰」と呼ばれるほど、試験の学習範囲が広く難易度も高い資格です。
経理求人の応募資格となっていることが多い日商簿記2級は、経理の実務に近いレベルの簿記資格ですが、日商簿記1級はそれ以上の簿記スキルを身につけたい方向けの資格です。合格することで税理士試験の受験資格も得られます。
日商簿記1級の試験概要
日商簿記1級の試験スケジュールと試験科目、合格基準は以下の通りです。
試験スケジュール
日商簿記1級の試験は、6月と11月の年2回実施されます。
ネット試験はなく、最寄りの試験会場に出向いて受験する必要があります。2級までは2月、6月、11月の年3回実施されますが、1級は6月と11月のみのため注意が必要です。
また、合格発表日は実施した商工会議所によって変わりますが、試験日から約1カ月半~2カ月後で、2級以下の合格発表日よりも遅くなる傾向があります。ただし、自己採点自体は合格発表前にできるため、合格か不合格かの判断は発表以前に可能です。
試験日 | 回 | 級 | 合格発表日 |
---|---|---|---|
2024年 6月9日(日) |
第167回 | 1〜3級 | 2024年7月~ 2024年8月 |
2024年 11月17日(日) |
第168回 | 1〜3級 | 2024年12月~ 2025年1月 |
2025年 2月23日(日) |
第169回 | 2〜3級 | ※簿記1級はないため注意 |
申し込み時期は受験希望場所によって異なるため、試験日の3カ月程前に商工会議所に問い合わせてください。
試験科目/合格基準
試験科目は、商業簿記、会計学、工業簿記、原価計算の4科目です。
試験科目 | 出題内容 |
---|---|
商業簿記 | 貸借対照表、損益計算書などの決算書を作成するために必要となる知識が出題されます。 |
会計学 | 大企業の会計処理に必要な知識が出題されます。 |
工業簿記 | 工業製品の製造に必要な簿記の知識が出題されます。 |
原価計算 | 製品の原価を計算するための知識が出題されます。 |
3級までは商業簿記のみ、2級は商業簿記と工業簿記の2科目のため、1級は最も科目数が多いです。1級で新たに2科目が追加されるため、2級までの商業簿記、工業簿記の知識を深め、その上さらに新規科目の勉強も必要です。
試験時間は商業簿記と会計学の試験が90分、工業簿記と原価計算の試験が90分で、合わせて180分(3時間)です。長丁場になるため、試験前の準備をしっかりと行いましょう。
合格するには全体で70%以上の正解が必要です。ただし、各科目で40%以上の正答率がなければ、全体で70%以上正解していても不合格となります。
日商簿記1級における過去10回の合格率の平均は11.15%!
日商簿記1級の過去10回の合格率は以下の通りです。
回数 | 実受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
第153回(2019.11.17) | 7,520人 | 735人 | 9.8% |
第156回(2020.11.15) | 8,553人 | 1,158人 | 13.5% |
第157回(2021.2.28) | 6,351人 | 502人 | 7.9% |
第158回(2021.6.13) | 7,594人 | 746人 | 9.8% |
第159回(2021.11.21) | 9,194人 | 935人 | 10.2% |
第161回(2022.6.12) | 8,918人 | 902人 | 10.1% |
第162回(2022.11.20) | 9,828人 | 1,027人 | 10.4% |
第164回(2023.6.11) | 9,295人 | 1,164人 | 12.5% |
第165回(2023.11.19) | 10,251人 | 1,722人 | 16.8% |
第167回(2024.6.9) | 9,457人 | 992人 | 10.5% |
※参照元:簿記 受験者データ│商工会議所の検定試験
※第155回は中止
日商簿記1級の試験合格率は第157回の7.9%から第165回の16.8%まで倍以上の差がありますが、過去10回分の平均合格率が11.15%と、試験の難易度が高いことが分かります。
また、日商簿記2級統一試験における合格率は約20%、日商簿記3級は40%です。これらと比較しても、その難易度の高さがうかがえます。
日商簿記1級の難易度が高い理由としては、2級と比較してより深い知識が必要な問題が多く、出題範囲も大幅に広がることが挙げられます。
簿記2級の出題範囲は「商業簿記」と「工業簿記」ですが、簿記1級では「会計学」「原価計算」も加わり、全部で4科目になります。
さらにどの科目でも一定以上の得点を取らなければならないため、偏りなく幅広い知識や理解が必要です。
日商簿記1級と税理士試験簿記論はどちらが難しい?
同じく難易度が高いとされている、税理士試験の簿記論と日商簿記1級はどちらが難しいのでしょうか?
税理士試験の簿記論の合格率は約10%~20%です。合格率だけでみると日商簿記1級に比べてやさしいようにもみえますが、合格率以外にも気を付けるべき点があります。
日商簿記1級は、受験資格がなく誰でもすぐにチャレンジできる資格です。
税理士試験は令和5年の試験より簿記論・財務諸表論は受験資格の制限が撤廃されたものの、税法科目を受験する場合は規定の学識要件・資格要件・職歴要件のいずれか1つを満たす必要があります。
学識要件・職歴要件が満たせない場合は、資格要件の簿記1級ないしは同等の資格を取得しないと受験することができません。
簿記1級は税理士資格の登竜門とも呼ばれています。これまでの試験では日商簿記1級に受かった方のうち10%~20%だけが簿記論に合格していると考えると、簿記論の方が難しいとも受け取れます。
どちらの難易度が高いかは、さまざまな理由から明確には判断することができません。
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日商簿記1級取得のメリットは?
日商簿記1級の取得には、以下のようなメリットがあります。
ビジネスに役立つ会計知識が身につく
日商簿記1級試験では、簿記理論の背景知識と、よりビジネスシーンに近い形での実践力が問われます。
2級までの試験は簿記のルールを理解して、そのルールに基づいて問題を解いていくのが基本的な形式です。しかし1級になると、ルールの背景にある簿記理論の存在と、その理論が構築された背景知識まで問われます。
つまり、過去問題や類題を機械的に解いたり暗記したりするだけでは1級合格の実力はつきにくく、会計処理の背景にある理論そのものの深い理解が必要になるのです。
また1級の試験では、実際に会計・経理の職場で起こることを想定した形での出題がされ、簿記知識を応用する能力も求められます。会計の専門家としての総合力が問われると言えるでしょう。
税理士試験の受験資格が得られる
国家資格である税理士の資格試験を受けるには、下記いずれかの条件を満たす必要があります。
- ・学識による受験資格
- ・職歴による受験資格
- ・資格による受験資格
このうち資格による受験資格の要件とは、日商簿記検定1級合格者もしくは全経簿記上級合格者を指します。日商簿記1級を取得することで、学歴や職歴に関係なく、税理士試験の受験資格を得られるのです。
就職や転職で有利になる
日商簿記1級は、合格率が低く難関の資格であり、取得者が少ないため希少性があります。
転職市場における会計・経理部門の求人では、「日商簿記2級取得者」を条件にしているケースが多く見られます。その理由には、簿記2級が実務レベルの経理スキルや知識を問う試験であること、そして日商簿記1級を取得している人が少ないことが挙げられます。
しかし、実際には大企業の経理部門などでは、日商簿記1級レベルの知識やスキルが求められる業務が多く存在するため、日商簿記1級を取得することで就職や転職において高い評価を受けることができます。
また、日商簿記1級合格に向けた勉強では、帳簿の付け方や決算書の作成方法にとどまらず、予算作成や財務分析の方法、製品原価の決定方法など、企業の経営層に助言できるレベルのスキル・知識を身につけることができます。そのため、1級取得者は経理部門にとどまらず、財務部門や経営管理部、マーケティング部などへの転職も可能です。
昇進や昇格につながる
日商簿記1級取得者は、企業全体の業績を把握し、財務戦略の立案を通じて経営層の意思決定に有用な情報を提供できる能力を持っています。そのため、経営層や管理職に求められる高度なスキル・知識を持っていると評価され、昇進や昇格の機会が広がります。
さらに、1級を取得する過程で培われた分析力や論理的思考力は、経営戦略の策定や予算管理など、経理部門にとどまらず幅広い業務に活かすことができます。これにより、部門間の調整役としての役割を果たすことが期待され、組織内での存在感が高まり、上級ポジションへの昇格に繋がります。
年収アップの可能性がある
弊社MS-Agentに登録記録がある簿記資格保有者の平均年収をみると、日商簿記2級保有者は456万円、日商簿記1級取得者は647万円でした(※2022年10月~2023年9月に「MS Agent」に登録のあった簿記資格保有者)。1級取得者は2級取得者よりも、約190万円も平均年収が高いのです。
こうした傾向は転職をする際により顕著になり、日商簿記1級取得者と2級取得者とでは、提示される条件が大きく変わります。経理・会計の専門家として年収アップを図るなら、1級取得を目指すのは有効な方法の1つです。
日商簿記1級を活かしたキャリア
簿記1級を取得することでキャリアの幅が広がります。
主な就職先は、大手企業の経理、会計事務所、大手税理士法人、コンサルティングファームです。
大手企業の経理
主に日商簿記1級の資格が評価されるのは、大手企業の経理部門です。
とくに日商簿記1級レベルであれば、高度な会計処理や連結決算など大手上場企業で必要な知識やスキルを持っていることが証明されるため、待遇のよい企業経理に就職、転職することが可能です。
日商簿記1級を取得している人は求職者の中でも多くないため、採用の際は高く評価されることが多いです。
なお、中小企業では日商簿記1級がオーバースペックと判断される場合があります。その場合、企業が提示する年収が希望年収よりも低くなる可能性があります。
日商簿記1級取得者が中小企業への就職・転職を考える際には、年収を重視するか、それともやりがいなど他の要素を重視するか、事前にしっかりと考えておくことが重要です。
会計事務所
会計事務所では、税理士や公認会計士の資格を持っていると有利と言われていますが、日商簿記1級の資格でも一般スタッフであれば就職、転職することは可能です。
税理士、公認会計士の資格がないと行ってはいけない業務も一部ありますが、資格所有者の管理下であれば行ってもよい業務もあります。
税理士資格取得には、2年以上の実務経験も必要になるため、今後、税理士の資格を取得するために日商簿記1級を取得した方などは会計事務所への就職・転職がおすすめです。
大手税理士法人
税理士法人も会計事務所と同じく、日商簿記1級の資格を取得することで就職、転職に有利に働きます。
即戦力を求めている事務所では資格だけではなく、経理・財務での実務経験があるとさらに評価が上がります。
コンサルティングファーム
コンサルティングファームとは、事業戦略など企業の抱える問題を解決に導く企業のことです。
コンサルティングファームには複数の種類があり、とくに財務系のコンサルティングファームでは、日商簿記1級の知識が役に立ちます。
弊社でも日商簿記1級所有者がコンサルティングファームへ転職決定した成功事例がございます。
日商簿記1級取得で年収は上がる?
弊社MS-Japanのデータを元に、簿記1級取得者の転職決定時のオファー年収の平均を年代別にみると、以下の通りです(2023年4月~2024年3月の1年間のデータで計算)。
年代 | 平均オファー年収 |
---|---|
20代 | 478万円 |
30代 | 601万円 |
40代 | 781万円 |
50代 | 737万円 |
60代以上 | 651万円 |
30代になると年収600万円以上での転職がみえてきます。40代になると800万円近くになり、会計・経理の専門家として高評価を受けていることがわかります。
あくまで平均値のため、40代以降の年代で管理者や最高財務責任者(CFO)として転職できれば、より高収入を得られるでしょう。
また厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」を参考に、「会計事務事業者」の企業規模別年収は以下の通りです。
企業規模 | 平均年収 |
---|---|
10~99人 | 438万円 |
100~999人 | 465万円 |
1,000人以上 | 565万円 |
企業規模が大きいほど年収が高くなる傾向がみられます。日商簿記1級取得者は会計・経理の専門家として、公認会計士、税理士などの士業に次ぐ年収が期待できるため、この平均年収額を大きく上回る年収が期待できます。
さらに勤務先ごとの平均年収についてみていきましょう。
会計事務所
会計事務所の規模や自身の経験によっても大きく変わりますが、日商簿記1級取得者の平均年収は400~500万円程度と言われています。
会計事務所の場合、中心的に活躍するのは公認会計士や税理士であり、簿記1級取得者はそのサポート役に回ることが多いです。そのため一般事業会社と比べた場合、特別高い年収は見込めないと考えられます。
コンサルティングファーム
財務・会計分野に強いコンサルティングとして活躍すれば、年収1,000万円以上も夢ではありません。
「コンサルティング」の資格として中小企業診断士などがありますが、日商簿記1級もスキル・能力を証明する上で大きな武器となります。実際、1級取得者が持つ知識は、コンサルティングの実務で大いに役立ちます。
企業の経営企画部門
経営企画部の平均年収は550~600万円前後で、日商簿記1級取得者は平均値より高めの収入が見込めます。
日商簿記1級取得者であれば、企業の財務・損益状況を根拠とした予算編成や経営戦略立案などが可能です。また投資家や株主といったステークホルダーへの経営・財務状況を広報するIR業務を行う際、日商簿記1級の知識を活かせます。
ただし経営企画部門への転職を成功させるには、1級取得者でも経営企画での経験が求められるため、未経験では採用が困難になりやすいです。
日商簿記1級を活かせる求人例
日商簿記1級は、会計士、税理士に次ぐ会計系資格として評価されるため、高度な会計スキルのある人材を募集している求人で応募資格となっています。
以下3つの求人は、日商簿記1級を応募資格(または歓迎資格)としている実際の求人例です。
管理部門・士業特化型の転職エージェント「MS Agent」では、他にも簿記1級を活かせる求人を多数扱っていますので、求人をもっと見たい、紹介してほしいという方は一度ご相談ください。
日本を代表する自動車メーカーの連結決算担当
仕事内容 |
財務会計制度に則った連結決算を毎月行い、収益管理部署や役員向けの財務実績レポートの作成及び外部関係者に向けた決算開示書類(有価証券報告書等)を作成します。 |
必要な経験・能力 |
・連結決算業務経験 ・USCPA、会計士資格、日商簿記1級 |
想定年収 |
400万円 ~ 780万円 |
【会計士・簿記1級取得者歓迎】大手金融機関の経理担当
仕事内容 |
・財務諸表の作成など決算に係る各種業務(米国会計を含む) ・決算に係る各種開示書類及び当局報告等の作成 ・決算業務の高度化・プロセス効率化 ・会計制度・会計基準等に係る調査研究、新会計基準対応等 |
必要な経験・能力 |
・業務経験:事業会社での会計実務経験、監査法人、コンサルティングファーム等経験 ・会計資格:CPA(日・米)、または日商簿記1級 |
想定年収 |
450万円 ~ 1,200万円 |
【簿記1級/税理士科目合格者歓迎】上場企業の経理担当
仕事内容 |
・月次・四半期・年次の決算業務 ・上場企業として必要な決算開示業務 ・財務に関する管理や金融機関との折衝 ・部内のマネジメント業務(将来的に) ・監査法人対応 |
必要な経験・能力 |
<必須> ・年次決算業務の経験 <歓迎> ・日商簿記1級 ・公認会計士資格、もしくは公認会計士試験合格(科目合格者OK) ・税理士資格(科目合格者OK) |
想定年収 |
500万円 ~ 900万円 |
日商簿記1級保有者の転職成功事例
簿記1級を取得すれば転職に有利になるとは限らないものの、その資格が財務・経理のスペシャリストとして評価されたことで、今までよりもレベルの高いキャリアに転職した例は少なくありません。 その中から具体的な転職事例をいくつか紹介しましょう。
中小企業から上場企業へキャリアアップ!
Hさん(20代後半 男性)
保有資格:日商簿記1級、TOEIC800点
転職前:売上高20憶円弱 中小企業(年収:350万)
転職後:売上高5兆円 上場企業(年収:400万)
簿記1級取得者のHさんは、売上高20億円の中小企業から、売上高5兆円の上場企業へ転職を成功させました。
Hさんは中小企業での経理経験を活かし、上場企業の基準で働きたいと考え、簿記1級とTOEIC800点を武器に転職を実現。30代以降の転職は難易度が上がるため、20代のうちに上位資格を取得し、キャリアの可能性を広げることが重要です。
大手企業の経営企画部門でキャリアアップ!
Pさん(20代後半 女性)
保有資格:日商簿記1級
転職前:上場メーカー IR・経営企画部門(年収:500万円)
転職後:大手企業 FP&A専門部門(年収:650万円)
Pさん(20代後半、女性)は、上場メーカーの経営企画部門で活躍していましたが、転勤のない環境でのキャリアアップを目指し、大手企業のFP&A専門部門へ転職を成功させました。 日商簿記1級を活かし、より高度な経営企画業務に挑戦したいという意欲が転職成功のカギとなりました。大手企業での管理会計業務に携わることで、Pさんは年収アップとキャリアアップを同時に実現しました。
管理部門・士業に特化した転職エージェントであるMS Agentでは、これまで日商簿記1級を活かして、大手上場企業の経理や経営企画、会計事務所などへの転職を希望される方々にキャリアサポートを行ってまいりました。
具体的にどのようなキャリアサポートが受けられるのか気になる方は、「MS Agent」の転職サービス紹介をご確認ください。
日商簿記1級に関するQ&A
日商簿記1級を取得するまでの勉強時間は?
独学の場合は、500~1,000時間ほどの勉強が必要と言われています。毎日3時間勉強する場合でも、取得までは半年~1年弱かかります。予備校や通信講座を利用して効率的に学習を進めても、500時間程度の勉強時間は必要と考えておきましょう。
なお、この500~1,000時間は、日商簿記2級の取得者が1級を取得する際に必要とする時間です。もし簿記初学者の場合、まずは3級、2級の取得を目指すのが通例のため、そちらに向けた勉強時間が別途かかります。また2級取得後に長いブランクがある場合、2級までに学習したことを復習する必要があるため、その学習時間も必要です。
独学で日商簿記1級に合格できる?
1年近くにわたって勉強のモチベーションを維持できるのであれば、独学でも合格は可能です。ただし独学の場合でも、書店で市販されている参考書や過去問題集などの購入は必要です。
通信講座を利用すると、教材の発送スケジュールなどに合わせて勉強ができ、独学よりも計画的・効率的に学習を進められます。講師への質問もできるため、わからないところを解決しながらの勉強も可能です。モチベーションの維持もしやすい一方で、独学よりもお金がかかるのが難点です。
まとめ
合格率が1割程度である日商簿記1級は希少性が高いです。
簿記の学習を進めてきて3級、2級と取得してきた人でも、1級合格にはたどり着けていない人も多いでしょう。
また、学習過程では経営管理を分析する手法も学ぶため、全社的な視点から経理処理を行う能力も身につけることができます。
日商簿記1級は、専門性が高いがゆえに、一般的には転職活動では必ずしも評価されるものではありません。しかし、より大きな企業に挑戦する場合、競争相手が多い人気企業に挑戦したい場合には、ライバル候補の中で頭ひとつ抜け出るポイントになる可能性があります。
また、何より自分自身がより専門的な仕事をしていきたいと考えるのであれば、試験勉強の過程で学ぶ内容自体も仕事に活かせます。
そのため、自己研鑽の一環として日商簿記1級を目指しつつ、より汎用性が高いITスキルやコミュニケーション能力、経理の実務経験をしっかりと身につけるようにしましょう。
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この記事を監修したキャリアアドバイザー
大学卒業後、航空会社に新卒で入社し国内外各地へのフライト業務に従事。
その後キャリアアドバイザーとしてMS-Japanへ入社。
現在は主に経理財務や会計事務所などの会計転職希望の方を中心に担当。
経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 経営企画・内部監査 ・ 会計事務所・監査法人 ・ 税理士科目合格 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!
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