簿記2級で経理や会計事務所に転職できる?未経験から採用されるコツを解説



簿記2級を活かせる求人を探す
転職がキャリアの選択肢として一般的になった現代では、未経験分野への挑戦を目指す方も増えていますが、実務経験がない状態での転職は決して簡単ではありません。
そんな中でも、経理や会計事務所といった会計業界では、「日商簿記2級」を取得することで、未経験者でも転職成功の可能性が大きく広がると言われています。
この記事では、未経験からの転職を目指す方に向けて、簿記2級を活かした転職成功のポイントを詳しく解説します。
POINT
・「簿記2級」は、転職市場での認知度や経理実務に繋がる知識を学べることから、未経験から経理や会計事務所に転職したい方にオススメの資格です!
・会計業界特化の転職エージェント「MS Agent」は、業界最大級の求人数と各職種に精通したキャリアアドバイザーが、実務未経験者の転職活動もサポートしています!
簿記2級×未経験可の経理オススメ求人
経理担当/完全未経験可
仕事内容 |
・決算関連業務 ・税務業務 ・財務業務 |
必要な経験・能力 |
・日商簿記2級 ・経理や会計に興味がある方 ・未経験可 |
想定年収 |
370万円~450万円 |
経理スタッフ/週1リモート
仕事内容 |
・決算業務(単体、連結) ・会計監査対応 ・税務申告書作成 |
必要な経験・能力 |
・Office系ソフトの基本スキル ・日商簿記2級 |
想定年収 |
400万円~600万円 |
簿記2級×未経験可の会計事務所オススメ求人
税務・会計スタッフ/会計士試験勉強中の方歓迎
仕事内容 |
・記帳代行業務 ・税理士補助業務 ・経理支援業務 |
必要な経験・能力 |
・社会人経験1年以上 ・日商簿記2級以上 |
想定年収 |
320万円~450万円 |
税務スタッフ/フレックス制度あり
仕事内容 |
・税務会計業務 ・資産税務業務 |
必要な経験・能力 |
・日商簿記2級程度の知識 ・基本的なPCスキル ・普通自動車免許 |
想定年収 |
300万円~650万円 |
未経験から転職をするなら「簿記2級」がおすすめ!
転職活動では、採用基準として実務経験の有無や経験年数が重視されるのが一般的です。
中途採用の求人では「〇年以上の実務経験」が求められることが多く、経理や会計事務所も例外ではありません。
しかし、近年の求職者優位の売り手市場では、経験豊富な人材の確保が難しくなっており、未経験者でも知識やスキルを持つ人材であれば採用されるケースが増えています。
その中で、会計業界に必要な知識やスキルを証明する資格として「日商簿記2級」が基準とされることが多いのです。
実際に、管理部門に特化した転職エージェント「MS Agent」が扱う未経験可の経理や会計事務所の求人では、約2件に1件が日商簿記2級を必須または歓迎資格として挙げています。(2025年1月時点)
簿記2級で未経験から狙える転職先
前章では、簿記2級が未経験から会計業界への転職で有利になる資格であることを解説しました。
では、具体的に簿記2級を活かして未経験から転職できる職場にはどのような選択肢があるのでしょうか。
ここでは、企業の経理部署や会計事務所、その他の部署に分けて、それぞれの仕事内容や簿記2級の知識をどのように活かせるのかを詳しく解説します。
企業の経理部門
企業の経理部門は、簿記2級の知識を直接活用できる場面が多く、未経験からでもチャレンジしやすい転職先の一つです。
経理部門の役割は、会社の財務状態を把握し、健全な経営を支えることにあります。
主な仕事内容は、日常の取引記録、決算業務、税務対応などが挙げられます。
簿記2級は、経理で必要とされる「仕訳」や「財務諸表」の知識を網羅しており、未経験者が実務に対応するための土台となります。
さらに、税務に関する基本知識も身につくため、税務申告書の作成やチェックといった業務でも活躍できるでしょう。
参考:簿記2級で転職は有利になる?簿記2級で狙える年収や経理以外の転職先も紹介!
会計事務所
会計事務所は、企業や個人事業主の会計業務をサポートする専門的な役割を担っています。
仕事内容には、クライアントの記帳代行や決算業務補助など、経理業務と共通する部分が多く、簿記2級を活かして未経験から挑戦できる転職先の一つです。
さらに、企業の経理部門と比較すると、会計事務所のほうが未経験者を歓迎する求人が多いため、転職のハードルが低い傾向があります。
加えて、複数のクライアントを担当することで短期間で業務経験を積めるため、スキルの習得が速い点も魅力です。
その他(経営企画やFAS、営業など)
簿記2級を活かせる職種は、経理や会計事務所に限りません。
経営企画やFAS(財務アドバイザリーサービス)といった専門性の高い職種でも簿記2級の知識は役立ちます。
ただし、これらのポジションに未経験から転職することは容易ではなく、実務経験や公認会計士などの難関資格が必要な場合が多いです。
一方で、営業職や一般事務といった会計業務に直接関係のない職種でも、簿記2級の知識を活かすことは可能です。
簿記2級では、企業の財務状況や収支を把握する基本的なスキルが身につくため、会計以外の幅広い職種でも「ビジネスマンとしての基礎知識」をアピールすることができます。
未経験から転職を目指す際には、簿記2級を自分の強みとして積極的に活用しましょう。
未経験の転職でも簿記2級が評価される理由は?
簿記2級は、未経験から会計業界への転職で役立つ資格として高い評価を得ています。
では、なぜ簿記2級がこれほど評価されるのでしょうか。
この章では、簿記2級が未経験者の転職活動で求められる理由や、その魅力を解説します。
転職市場で知名度のある資格だから
簿記2級が未経験の転職で評価される理由の一つは、その高い知名度にあります。
多くの資格学校が発表する人気資格ランキングで毎年上位にランクインしており、採用担当者にも広く認知されています。
そのため、「基礎的な会計知識がある」と評価されやすい資格と言えるでしょう。
ただし、人気資格である分、保有者も多く、希少性をアピールすることは難しいです。
そのため、転職活動では簿記2級に加えて、他のスキルを組み合わせてアピールすることが重要です。
経理の実務に直結する知識が身につくから
前章で紹介したように、簿記2級で身につく知識やスキルは経理の実務に直結します。
特に「仕訳の処理」や「財務諸表の作成・分析」といった基礎的なスキルは、日常の経理業務に欠かせないスキルのため、未経験者であってもそのスキルが身についていると評価してもらえます。
合格率20%で難易度が高いから
簿記2級はその知名度から、「比較的簡単な資格なのではないか」と思われがちですが、実際には合格率が約20%前後の難関資格です。
以下は、2023年度・2024年度の日商簿記2級試験の合格率の表です。
回 | 試験日 | 合格率 |
---|---|---|
169 | 2025/2/23 | 20.9% |
168 | 2024/11/17 | 28.8% |
167 | 2024/6/9 | 22.9% |
166 | 2024/2/25 | 15.5% |
165 | 2023/11/19 | 11.9% |
164 | 2023/6/11 | 21.1% |
グラフに記載している第164回~第169回までの簿記2級の平均合格率は20.2%です。
同じ日商簿記の3級から試験範囲が大幅に広がっており、資格取得には一般的に250~350時間ほどの学習時間が必要とされ、入念な準備が不可欠です。
簿記2級を活かした未経験転職のポイント
簿記2級を取得して未経験からの転職を目指す場合、資格をただ保有しているだけでは不十分です。
未経験転職を成功させるためには、簿記2級をどのように活かし、自己アピールにつなげるかが重要なポイントとなります。
この章では、簿記2級を最大限に活かして転職を成功させるための具体的なポイントを解説します。
履歴書の資格欄に正しく記載する
まずは、履歴書の資格欄に簿記2級の取得情報を記載しましょう。
記載する際は、以下の2点に注意してください。
- ・正式名称で記載すること
- ・合格証明書に記載されている合格日を記載すること
簿記資格には「日商簿記」以外に「全商簿記」や「全経簿記」などもあるため、誤解を防ぐためにも、日商簿記の場合は「日本商工会議所簿記検定試験」と正しく記載することが重要です。
また、簿記1級を目指して勉強中の場合は、「日本商工会議所簿記検定試験 1級 勉強中」と記載することで、学習意欲をアピールすることができます。
年齢に合わせて簿記2級をアピールする
簿記2級を活かして未経験から転職する際は、年齢に応じてアピール方法を変える必要があります。
20代であれば、簿記2級を保有しているだけで一定の評価を得られるため、転職活動を進めやすいでしょう。
一方、30代以上では、簿記2級だけでは転職を成功させるのが難しくなります。
簿記2級は必須資格と考えられるため、それに加えて他のスキルや実績をアピールすることが重要です。
また、年齢が理由で未経験からの転職が難しい場合は、契約社員など正社員以外の雇用形態で実務経験を積む方法も有効です。
2~3年の経験を経てから正社員として転職することで、選択肢を広げることができます。
簿記2級以外のスキルや経験もアピールする
特に30代以上では、簿記2級だけで未経験からの転職を成功させることは難しいため、資格以外のスキルや経験をアピールすることが重要です。
選考時にアピールポイントが簿記2級のみでは、採用担当者に物足りなさを感じさせてしまう可能性があります。
まずはこれまでの職務経験や身につけたスキルを棚卸しし、自分の強みを整理しましょう。
具体的に経理で評価されるスキルや経験に関しては、次の章で紹介します。
簿記2級以外に役立つスキルや経験
この章では、経理や会計事務所への転職で簿記2級以外に評価されやすいスキルや経験について解説します。
Excelスキル
経理業務では、ルーティン作業やさまざまな書類作成にExcelが頻繁に活用されます。
特に、データの集計や管理、計算式を使った効率化など、Excelを活用するスキルは経理業務を円滑に進めるために欠かせません。
また、Excelだけでなく会計ソフトを利用している企業も多いため、最低限のパソコンスキルを習得しておくことも重要です。
経理の関連業務経験
転職活動において実務経験があれば有利になりますが、経理の実務経験がない場合でも、経理に関連する業務経験があれば転職成功の可能性が上がります。
例えば、人事総務職での給与計算業務やToB営業で原価を考慮した提案などの経験は、経理の業務にも関連します。
また、これまでの業務経験を振り返り、経理に興味をもったきっかけも明確にできれば、志望動機などにも繋がります。
コミュニケーションスキル
経理の業務では、専門知識を活かすだけでなく、周囲との連携を円滑に進めるコミュニケーションスキルが求められます。
他部署との情報共有、経営陣への財務報告や予算案の説明、税理士など社外との連絡など、幅広い関係者とやり取りする場面が多いため、相手の立場を理解しつつ柔軟に対応する力が重要です。
簿記2級×未経験の転職成功事例
日商簿記2級で未経験から経理へのキャリアチェンジ&年収アップに成功!
- Zさん(20代・男性)
- 転職前:フィールドエンジニア
- 転職後:上場子会社 経理(年収20万円アップ)
Zさんは、飲食店のクライアント向けのフィールドエンジニアとして働いていましたが、コロナ禍での企業の経済的困難を目の当たりにし、経理への転職を決意しました。
活動を始めた際、書類通過率の相場は1~2割程度でした。
その中でZさんは、誤字脱字がないことはもちろん、文字の大きさ・全角半角の統一などを徹底することで文章作成能力をアピールしました。
また、自己PRにて他職種の人が見てもイメージできる文章を意識しつつ、事務業務の処理スピードや正確性と業務改善を主体的に行った経験を記載しました。
その結果、書類選考率が2割以上という結果となりました。
最終的に上場子会社の経理スタッフとして内定を得ましたが、面接での評価ポイントは「素直さ」や「チームとの相性」でした。
資格や経歴だけではなく上記のような部分も戦略的にアピールできるよう、事前準備をしっかり行う事で、キャリアチェンジの実現に近づくことができるでしょう。
未経験者にチャンス!SEから会計事務所に転職成功!20代・女性の事例
- Yさん(20代・女性)
- 転職前:IT系企業 SE
- 転職後:個人会計事務所(年収50万円アップ)
SEの経験を持つYさんは、財務会計システムの設計・開発を通じて会計業界に興味を持ち、会計事務所への転職を考えました。
しかし、会計事務所の内情はわかりにくく、業界未経験のYさんも事務所の比較が難しい状況でした。
そこで弊社のアドバイザーは、事務所の所長先生や所員の人柄や風土、クライアントの傾向、教育体制などの情報を提供し、Yさんは未経験者の育成実績がある小規模の会計事務所に転職を決意しました。
最近は未経験者の採用を考慮する会計事務所が増えているものの、その情報は公開されているものだけではなかなか分かりません。
ミスマッチを避けるため、内情に詳しい業界専門の転職エージェントの利用をおすすめします。
簿記2級×未経験に関するFAQ
簿記2級取得者が未経験で転職した際の年収は?
未経験から一般企業の経理職として転職した場合、簿記2級程度以上のスキルを持っていたならば、年収目安は300万円ほどとなります。
1~2年ほどの実務経験を積んだ場合には300~450万円ほど、3年以上の実務経験を積めば350~600万円ほどが目安となっていますので、いかに実務経験が重視されているかがわかります。
未経験時には簿記2級相当のスキルに対するポテンシャルが評価されており、実務経験は貢献度の評価として上乗せされているとイメージすれば、より分かりやすいのではないでしょうか。
未経験から会計事務所へと転職した場合には、20代で300万円ほど、30代で350万円ほどが入社年度の年収目安となります。
会計事務所の場合、1年勤務するごとに1万円昇給することが多いため、勤務年数に応じて月給が増えるほか、上位資格の取得によって大きく年収がアップします。
簿記2級勉強中でも転職はできる?
現在、簿記2級合格に向けて勉強中の場合でも、未経験から経理や会計事務所への転職は可能です。
ただし、未経験可の求人の約半数が応募条件として日商簿記2級の取得を指定しているため、応募できる求人の選択肢は限られる可能性があります。
さらに、人気企業の求人では競争率が高く、簿記2級を既に保有している応募者と比較されると、選考で不利になる場合もあります。
そのため、転職活動を進める際は、簿記2級の取得見込みや学習意欲を積極的にアピールしつつ、資格以外のスキルや経験も合わせてアピールすることが重要です。
まとめ
簿記2級以上の取得は、特に実務未経験で経理や会計事務所への転職をする際はスキルとして求められることが多いです。
実際に求人を見ても、簿記2級以上が必須・歓迎条件になっている企業・事務所が多いため、取得していると応募できる求人幅がぐっと広がります。
実務未経験である場合は、自分のスキルで応募できる求人はあるのか、簿記以外にどのような点をアピールすべきか、志望動機はどのように記載すれば良いのか、ポイントがわからず不安になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
もちろんご自身で向き合うことも大事なことですが、タイミングを逃さず効率的にポイントを抑えることも重要です。
MS-Japanは、経理をはじめとする管理部門や士業、事務所系の転職に強く、業界特化のノウハウ・業界最大級の求人数を活かし、転職決定までサポートをいたします。
経理や会計事務所など、職種ごとに精通したキャリアアドバイザーが応募書類の添削や面接対策をすることで、より精度の高いアピールができるようになり、書類・面接突破率の上昇が期待できます。
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この記事を監修したキャリアアドバイザー

大学卒業後、新卒でMS-Japanに入社。
法律事務所・会計事務所・監査法人・FAS系コンサルティングファーム等の士業領域において事務所側担当として採用支援に従事。その後、事務所側担当兼キャリアアドバイザーとして一気通貫で担当。
会計事務所・監査法人 ・ 法律・特許事務所 ・ コンサルティング ・ 金融 ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ 税理士科目合格 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!
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