公認会計士の転職で年齢はネックになる?年齢に合わせた転職方法を解説
受験年齢は若い方が合格しやすいといわれている公認会計士試験ですが、実際の合格者は何歳くらいの方が多いのでしょうか。
ここでは合格者の平均年齢、年代別の合格者の割合について詳しく解説していきます。
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公認会計士試験合格者の年齢
合格者の平均年齢は25歳
令和4年度公認会計士試験の平均年齢は24.4歳で、最年長は58歳、最年少は17歳となっています。
公認会計士試験は年齢に関係なく受験可能ではあるものの、若い世代の受験者が多いのが実情です。
弁護士資格も同様ですが、資格取得には長時間の学習期間が必要となるため、比較的時間の確保がしやすい時期に試験に挑戦される傾向があります。
また、公認会計士試験は論文式試験に合格しても、すぐに有資格者となるわけはなく、監査法人や会計ファーム、企業経理などにおいて、3年以上の業務経験を積む必要があります。
加えて、年一回実施される「修了考査」に合格することで、ようやく公認会計士として登録可能となります。
年代別の割合
公認会計士試験の合格者を年代別にみてみましょう。令和4年度試験の年代別合格者数は以下の通りです。
年代 | 合格者数 | 年代別合格率 |
---|---|---|
20歳未満 | 21人 | 5.2% |
20~25歳未満 | 929人 | 10.4% |
25~30歳未満 | 337人 | 8.1% |
30~35歳未満 | 117人 | 5.5% |
35~40歳未満 | 26人 | 2.1% |
40~45歳未満 | 19人 | 2.5% |
45~50歳未満 | 5人 | 1.1% |
50~55歳未満 | 1人 | 0.3% |
55~60歳未満 | 1人 | 0.5% |
60歳以上 | 0人 | 0.0% |
合格者全体の約9割近くが20代です。
また、願書提出者に占める合格者数の割合が最も多いのは20~25歳未満の10.4%で、以下25~30歳未満の8.1%、30~35歳未満の5.5%と続きます。
これらのことより20代は合格者が多く、さらに合格率も高いということが分かります。
ただ、30代以上~40代以上の合格者もおられますが、年齢に反比例する形で合格率は下降傾向にあります。
年齢が高いという理由だけで、資格取得を諦める必要はありません。
受験者の最高年齢は58歳です。
中高年世代で合格を目指している方にとっては、50代の合格者がいることは励みになるのではないでしょうか。
業界未経験だと、会計士の転職は不利になるのか?
就職・転職において年齢軸は多分に影響を受ける要因の一つですが、これは公認会計士の業界においても例外ではありません。
30代より20代を採用したい、業界未経験者であれば尚更若い方を採用したい傾向が強くなります。
20代後半~30代にかけての合格者の中には、新卒でまったく違う業界で仕事をされてキャリアチェンジで会計士資格を目指される方が珍しくありません。
社会人経験を有する分、新卒の方よりも当然年齢は高くなりますが、以前のご経歴も評価の対象となる場合があります。
例えば企業の経理経験などは会計分野のご経験として評価されるでしょうし、金融機関で融資営業やコンサルティングのご経験などもその範疇となり得るでしょう。
そのようなご経験を有する場合は、アドバンテージとなり得ます。
上記のとおり、試験合格された年齢によって、就職・転職に際して優位・不利はあるものの、以前のご経歴も加味した上で、評価される場合もあることをお伝えしておきます。
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20代公認会計士の転職
20代で公認会計士になった場合、転職先の選択肢が豊富にあります。
その理由として挙げられるのが、
未経験でもポテンシャル採用を期待できる点です。
ポテンシャル採用とは潜在的な資質や将来的な可能性で採用を判断することで、20代であればたとえ知識や経験が不十分であってもポテンシャルを見越して採用される可能性が大いにあります。
ちなみに、30代以上の公認会計士においては実務経験や実績によって「即戦力になる人材かどうか」を重視される傾向があり、未経験では転職が難しいのが現状です。
つまり、ポテンシャル採用は20代ならではの特権と捉えて、積極的に転職活動を進めていくとよいでしょう。
また、20代の転職においては自由度が高く、失敗を恐れずにチャレンジしやすいことも大きなメリットです。
30代以上になるとさまざまな責任から保守的な転職活動になりやすいですが、20代であれば何かを背負ったり縛られたりすることがほとんどなく、アグレッシブに転職活動を進められます。
30代公認会計士の転職
続いては、30代公認会計士の転職事情を見ていきましょう。
30代公認会計士の需要
30代の公認会計士が転職を目指す際には、
監査関連の実務経験に加えて、M&Aやコーポレートファイナンス、コンサルティングなどの経験があると有利です。
それに加えて、英語力にも自信がある人材が重宝される傾向があり、転職成功に向けて大きなアピールポイントになります。
なお、未経験求人においては30代の需要は少ない傾向がありますが、「前職で培った知識や経験がどのような即戦力になるのか」を明確に提示できれば採用の可能性は大いにあるでしょう。
30代公認会計士の転職で気を付けるポイント
監査法人から事業会社やコンサルティングファーム、税理士法人等への転職を目指す場合は、遅くても30歳半ばくらいまでに転職先を見つけることをおすすめします。
企業側としては30代の公認会計士には即戦力を求めて採用活動を行っていることから、その時期を過ぎると「新たな環境で一からスキルを学ぶには年齢的に遅い」と判断される可能性があるためです。
ちなみに、30代の転職においては資格の有無ではなく「前職での実務経験や実績」に焦点を当ててアピールすることがポイントです。
30代公認会計士の転職先
30代公認会計士の転職先としては、監査法人と一般事業会社が主流です。
ここでは、それぞれの転職方法について押さえておきましょう。
■監査法人に転職する方法
監査法人への転職を目指す際には、規模による採用状況の違いを把握しておくことが大切です。
最大手のBig4監査法人(PwCあらた監査法人・有限責任監査法人トーマツ・EY新日本有限責任監査法人・有限責任あずさ監査法人)には数百人規模の公認会計士が所属しており、規模が非常に大きい法人であることから採用活動も随時行われています。
募集しているポジションも幅広いため、これまでの実務経験とキャリアプランを考慮しながら自分に合った求人を見つけるとよいでしょう。
一方、準大手や中小規模の監査法人においては、退職・転職によって公認会計士の欠員が出た場合に随時採用活動を行うケースが多い印象です。
常に募集が出ているわけではないため、求人情報をこまめにチェックし、自分に合った案件があれば早めに応募することをおすすめします。
なお、監査法人への転職を目指す場合は、しっかりとした「志望動機」を準備することが大切です。
数ある選択肢のなかでなぜその監査法人を希望するのかを明確に説明できるように、企業研究は入念に行っておきましょう。
■一般企業に転職する方法
近年は、30代で一般企業への転職を目指す公認会計士も増えてきています。
監査法人よりもワークライフバランスを実現しやすいこと、充実した福利厚生のもとで勤務できることなどが人気の理由です。
一般企業の場合は比較的求人の選択肢が多いものの、企業によって担当する業務内容や方針が異なる点に注意しましょう。
なお、中途採用では30代に突入するとより実務経験を求められる傾向があるため、求められている人材と自分のスキルがしっかりとマッチしていなければ転職成功は難しくなります。
なお、30代の公認会計士が一般企業に転職する場合、経理や経営企画といったポジションで採用されるケースが多い印象です。
ただし、企業によってはジョブローテーションによって数年後に全く異なる部署への異動を命じられることもあるため、入社後の異動の可能性についても事前に確認しておくことをおすすめします。
40代公認会計士の転職
続いては、40代公認会計士の転職事情を解説します。
40代公認会計士の需要
40代公認会計士の転職においては、
マネージャーや管理職クラスのポジションで比較的高い需要があります。
逆に、通常の監査業務を行う人材としての採用は難しいと認識しておきましょう。
40代公認会計士の転職で気を付けるポイント
40代では家庭を持っている方が多いため、年収とワークライフバランスを慎重に照らし合わせながら自分に合った転職先を見つけることが大切です。
20代・30代と比較すると求人数は少ないですが、妥協することなく条件にマッチするポジションを探してみましょう。
転職後のミスマッチを回避するためには、まずは転職の目的や希望条件を明確にすることが大切です。
じっくりと時間をかけて自己分析を行うことで、志望企業のイメージが自然と見えてくるでしょう。
また、40代の公認会計士は何よりも「即戦力」や「企業への貢献度」を求められることから、『これだけは誰にも負けない』といったアピールポイントをどれだけ多く提示できるかが重要なポイントです。
特にマネジメント経験や課題解決の実績があると高く評価されやすいため、書類選考や面接時にしっかりとアピールすることを意識してみてください。
40代公認会計士の転職先・年収
40代公認会計士の転職先を検討する際には、「これまでどのような仕事をどのようなポジションで行ってきたか」「今後どのような仕事をどのようなポジションで行いたいのか」を軸に選定するとよいでしょう。
たとえば監査業務でのキャリアアップや年収アップを目指す場合は、監査法人におけるパートナーの求人へ応募することをおすすめします。
また、これまでの経験を活かしつつ新たなフィールドで勤務したい場合は、スタートアップCFOへの転職を目指すのもひとつの方法です。
上記のようなマネジメント業務に携わるポジションであれば、大きなやりがいを得られると同時に高収入も期待できます。
ただし、公認会計士としての専門スキルはもちろん、クライアントを開拓する営業能力やコミュニケーション能力、計画をスムーズに遂行するための管理能力やリーダーシップなど、多彩なスキルが求められます。
なお、40代公認会計士の年収相場は1,000万円~2,000万円程度で、就業先や所属するポジションによって大きく異なります。
一般的に監査法人は年収水準が高いため、もし監査法人から一般事業会社へ転職した場合は年収が少なくなる可能性もある点に注意しましょう。
とはいえ、一般事業会社には「ワークライフバランスを実現しやすい」「福利厚生が手厚い」といったメリットがあります。
単純に年収のみを見るのではなく働きやすさも考慮しながら、満足のいく転職を目指してみてください。
公認会計士が必要とされるのは監査法人だけじゃない
現在、企業内会計士(インハウス会計士)という働き方が一般的になっており、公認会計士の勤務先は監査法人や会計事務所だけに制限されず、一般的な事業会社にも広がっています。
もしも未経験で会計士を目指すなら、資格取得まで一般企業で働くという選択肢もあります。
また経験者の場合でも、その知識とスキルを活かして、活動の場を一般企業にシフトすることも可能です。
では企業内での公認会計士の役割とはどのようなものでしょうか。
公認会計士を必要とする事業会社とは?
現代ビジネスの中で、それぞれの企業は独自の経営戦略を立てなければなりません。
そのためには財務と経理に精通した人材が必要です。
さらに財務管理が経営の中で重みを増してきたため、自社内で財務・経理全般を扱う人材が求められています。
企業内会計士の需要は、企業形態や企業規模を問わずに高まっています。
上場企業から新興ベンチャー企業まで、多くの事業会社が財務・経理を扱う公認会計士を求めています。
企業内会計士の仕事内容
企業内で働くことになると、会計事務所での勤務よりも担当する業務の幅が広がるでしょう。
企業が求めるのは経理担当者ではなく、財務面で経営戦略をサポートする人材です。
主な業務は財務管理を中心に、資金計画、金融機関との交渉、決算、内部監査など多岐にわたります。
場合によってはマーケティング業務や経営計画など、企業経営に直結することまで担当することになるかもしれません。
会計士が企業に所属するメリット
企業内で働く場合、会計士は他の部門をサポートする機会も多くなります。
自然にさまざまな業務の知識を身につけることになるでしょう。
しかも専門知識を活かしてアドバイスができるため、周囲から頼りにされると同時に、大きなやりがいも感じられるはずです。
実績を上げれば、経営に携わるポジションを手に入れることも可能です。
監査法人以外にも!公認会計士資格を活かせる転職先
具体的にどんな転職先があるのか、ご紹介します。
会計士歓迎:大手SIer、上場企業/連結・開示担当
仕事内容 |
・連結決算手続き ・決算開示資料作成(有価証券報告書、決算短信、計算書類、等) ・国内・海外の子会社、関連会社の決算手続き支援、指導など ※将来的には経理部門を引っ張って頂けるリーダー候補としてご活躍を期待しております。 |
必要な経験・能力 |
<必須> ・連結決算、決算開示の実務経験 ・監査法人での監査実務経験 (※上記いずれかを満たす方) <歓迎> 資格:会計士、日商簿記検定1級、TOEIC500点以上など |
想定年収 |
550万円 ~ 800万円 |
経理<公認会計士または税理士対象>東証プライム上場/大手化粧品メーカー/ワークライフバランス
仕事内容 |
・連結処理業務 ・決算業務 ・税務申告業務(国内申告・国際税務(移転価格)) ・監査(監査法人、社内監査室)対応 |
必要な経験・能力 |
<必須> ・公認会計士または税理士の有資格者 ・税務業務経験 <歓迎> ・事業会社での経理業務経験、消費税務、法人税事業税申告業務 |
想定年収 |
400万円 ~ 750万円 |
思い描くキャリアを築くには?
会計士資格を取得された時点のご年齢や今までのキャリアによって、合格後の選択肢に影響はあります。
が、それを差し引いても公認会計士という強い資格を有することで、キャリアにおいて優位性は取れるものです。
そして、資格取得を目指されるのであれば出来るだけ早い段階で資格取得に向けて準備を進められることを推奨します。
監査業界未経験でも評価してくれる転職先に出会うためには
監査業界未経験でも評価してくれる転職先に出会うためには上述の通り年齢は、経験とのバランスより、選考に影響します。
但し、年齢以外の要素を高く評価する企業や求人ポジションも存在します。
そのような転職先に出会うためには、次のような方法があります。
①知人から紹介で人となりを担保してもらう
②転職エージェントを利用して第三者に企業や求人とのマッチング度を推薦してもらう
①については、これまで出会ってきた人脈をフル活用して、人となりや仕事ぶりといった定性的な面を重視している求人に巡り合うことです。
もちろん、年齢や経験が考慮されないわけではないですが、知人紹介のアドバンテージは非常に大きいものです。
ただし、一点、課題があるとすれば、選択肢が少ないということです。
求人情報を持っている知人は限られていますし、その中でご自身の希望を叶える求人は更に限定的です。
転職のメインではなく、サブの手段と考えておくと良いでしょう。
よって①と並行して②を上手く活用しながら活動を進めていくことが賢明です。
転職エージェントに寄せられる情報は、人脈を辿るよりはるかに量が多いですし、貴方のやりたいことをカウンセリングでヒアリングした上で、転職先を紹介してくれます。
また、多くの選択肢の中から複数の求人紹介を同時に紹介してもらえるので、比較検討がしやすいというメリットもあります。
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まとめ
どの業界でも言えることですが、公認会計士の転職でも年齢によって条件が変わるのはやむをえません。
若くても未経験であったり、経験者でも年齢が高めであったりすると、転職ハードルは高くなる場合もあるかもしれません。
この状況を突破して転職を成功させるためには、じっくりと腰をすえて転職計画を立てることと平行して、ご自身の人脈やプロのエージェントに依頼して適切な情報を得る事が重要です。
しっかりと準備を行った上で転職に臨むと、必然的に転職成功する確率が高くなります。
ご自身ではなかなか気づかなかったキャリアの強みや志向性などを転職エージェントの活用によって見いだして、納得のいく企業選びにつなげていきましょう。
この記事を監修したキャリアアドバイザー
大学卒業後、食品メーカー営業を経て2005年MS-Japan入社。企業側営業担当を1年半経験し、以降はカウンセラー業務を担当。若手中堅スタッフの方から、40~50代のマネージャー・シニア層の方まで、年齢層問わず年間500名以上をカウンセリングさせていただいています。
企業管理部門全般~会計事務所など士業界、会計士・税理士・弁護士資格者まで弊社の特化領域全般を担当しています。
経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 法務 ・ 経営企画・内部監査 ・ 会計事務所・監査法人 ・ 役員・その他 ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!
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