【公認会計士の年収】平均年収・中央値、年収アップの方法など
難関国家資格である公認会計士は、その専門性の高さから多くの業界で需要があり、平均年収も高水準です。
この記事では、公認会計士の年収を年代別や業種別に解説します。
また、公認会計士に特化した転職サポートを行うMS-Japanの独自調査を基に、転職時の想定年収や年収アップを実現する方法についても詳しく紹介しています。
公認会計士の平均年収はいくら?
まずは、公認会計士の平均年収について解説します。
公認会計士の平均年収|厚生労働省による調査
厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」では、公認会計士・税理士の平均年収は7,467,300円と発表されました。
この数字は、毎月支給される現金給与額と年間賞与等を合算したもので、内訳は以下の通りです。
内訳 | 金額 |
---|---|
決まって支給される 現金支給額(月給) |
506,400円 |
年間賞与その他 特別給与額(賞与等) |
1,390,500円 |
国税庁による「令和4年分 民間給与実態統計調査」によると、給与所得者全体の平均年収は458万円であるため、公認会計士・税理士の年収が非常に高いことが分かります。
ただし、このデータは公認会計士と税理士を合算したものであるため、正確な公認会計士単独の平均年収ではありません。
公認会計士の平均年収|MS-Japan調査
次に、弊社MS-Japanの転職エージェントサービス「MS Agent」のデータを基に、公認会計士の平均年収を見ていきます。
MS-Japanの調査によると、公認会計士の平均年収は1,021万円、中央値は960万円でした。
項目 | 平均 | 中央値 |
---|---|---|
年収 | 1,021万円 | 960万円 |
※MS-Japan調査による年収データは、2023年1月1日~2023年12月31日に「MS Agent」にご登録いただいた公認会計士の年収をもとに算出しています。
「令和5年賃金構造基本統計調査」における公認会計士の年収と比較すると、約250万円もの差があります。
この差が生じる理由の一つは、「令和5年賃金構造基本統計調査」のデータが公認会計士と税理士を合算している点にあります。
税理士の平均年収は公認会計士よりも低く、結果として全体の平均が下がります。実際に、MS-Japan調査の税理士の平均年収は771万円と、公認会計士の年収よりも低い数値です。
【年代別】公認会計士の年収
続いては、公認会計士の年収を年代別に見ていきましょう。
厚生労働省による公認会計士・税理士の年代別年収
「令和5年賃金構造基本統計調査」における公認会計士・税理士の年齢別平均年収は以下の通りです。
年代 | 年収 |
---|---|
20 ~ 24歳 | 4,496,200円 |
25 ~ 29歳 | 5,896,100円 |
30 ~ 34歳 | 6,828,000円 |
35 ~ 39歳 | 8,288,900円 |
40 ~ 44歳 | 8,776,700円 |
45 ~ 49歳 | 8,377,200円 |
50 ~ 54歳 | 9,304,200円 |
55 ~ 59歳 | 6,222,900円 |
60 ~ 64歳 | 8,702,700円 |
65 ~ 69歳 | 7,228,300円 |
70歳~ | 6,860,800円 |
上記の結果を見ると、40~44歳の年代までは年収が上がっている一方で、45~49歳の年代以降は年代別の平均年収が上がったり下がったりと、ばらつきがあることがわかります。
こちらはあくまで「雇用」されている公認会計士・税理士に限定したデータです。45歳以降になると、監査法人・税理士法人のパートナーに昇格するケースや、独立開業するケースも増えてくることが想定されるため、そういった背景から平均年収にばらつきが出ていると思料できます。
MS Agentによる公認会計士の年齢別年収
2023年1月~12月にMS-Japanの転職エージェントサービス「MS Agent」をご利用いただいた公認会計士の方々の平均年収を集計いたしました。
年齢 | 平均年収 |
---|---|
20代 | 798万円 |
30代 | 955万円 |
40代 | 1,087万円 |
50代 | 1,199万円 |
全年齢 | 1,021万円 |
令和5年賃金構造基本統計調査と比較するとすべての年代で平均年収を上回っていることがわかります。
また、20代でも800万円近い平均年収となっており、いかに公認会計士の給与水準が高いかが見て取れます。
【業種別】公認会計士の年収
続いては、2023年1月~2023年12月における「MS Agent」のデータをもとに、公認会計士の年収を業種別にご紹介します。
公認会計士の就職・転職先としては、一般企業(インハウス)や監査法人、税理士法人・会計事務所、監査法人、コンサルティングファームなどが多くみられます。それぞれの平均現在年収は以下の通りです。
業種 | 平均現在年収 | 中央値 |
---|---|---|
一般企業 (インハウス) |
1,126万円 | 1,000万円 |
監査法人 | 993万円 | 946万円 |
税理士法人・ 会計事務所 |
949万円 | 740万円 |
コンサルティング ファーム |
1,058万円 | 1,000万円 |
各業種について詳しく見ていきましょう。
一般企業(インハウス)
一般企業でインハウス公認会計士として勤務する場合は、所属企業が定めた昇給フローに沿って報酬が決定されます。大手企業や上場企業の場合は年次を重ねるにつれて安定的に昇給・昇格していけるケースが多く、スタートアップ・ベンチャー企業では実績次第でCFOなどの役員のポジションを狙うことも可能です。
公認会計士はファーストキャリアとして監査法人を選択し、のちにインハウス会計士として一般企業に転職するケースが多いため、インハウスに転職する会計士はシニアスタッフ~マネージャークラスのある程度の年次であるケースが多いです。そういった背景から、インハウス会計士の平均年収が高くなっている点も特徴です。
監査法人
監査法人においる公認会計士の年収は、所属する監査法事の規模と自身の役職によって決定されます。一般的な監査法人の昇給フローは下記の通りです。
年次目安 | 役職 | 平均年収 |
---|---|---|
1~4年目 | スタッフ | 500~650万円程度 |
5~8年目 | シニア スタッフ |
650~800万円程度 |
9~11年目 | マネージャー | 900~ 1,200万円程度 |
12~14年目 | シニア マネージャー |
1,200~ 1,500万円程度 |
15年~ | パートナー | 数千万円~億円単位 (個人差が大きい) |
特に「Big4」と呼ばれる日本最大手監査法人(EY新日本有限責任監査法人・有限責任あずさ監査法人・有限責任監査法人トーマツ・PwC Japan有限責任監査法人)は年収水準が高い傾向で、マネージャー職で1,000万円前後に到達します。
弊社の集計ではインハウス会計士と比べて平均年収が低い結果となっていますが、これは監査法人の組織的な特徴からくるものです。
監査法人の人員構成は基本的にはピラミッド型になるケースが多く、スタッフ層が最も多く、パートナーに近づくほど人数が少なくなる傾向です。そのため、監査法人で働く会計士の母集団は若手のスタッフ層の割合が多く、平均年収としてはインハウス会計士よりも下がるという特徴があります。
税理士法人・会計事務所
平均年収で比較すると他業種と大きな差はありませんが、中央値が低くなっている点が特徴です。
理由としては、監査法人から税理士法人・会計事務所に転職する場合は、年収が下がるケースが一般的なためです。税理士法人・会計事務所の主となる業務は税務顧問業務であり、監査経験が豊富な会計士であっても、即戦力としてすぐに活躍することは難しいため、入所時の年収はどうしても監査法人時代よりも低くなってしまうのです。しかし、税務業務をキャッチアップしていけば、税理士法人の規模にもよりますが、監査法人時代の水準に戻していくことは可能です。
また、コンサルティングファームを併設している税理士法人等では、税務関連業務以外にも、M&AやIPO、組織再編支援といった業務を行っているケースがあり、こういった会計士が得意とする会計・統制系の業務において税務業務+αの付加価値を発揮することで、監査法人時代よりも高収入を得ることも可能です。実際にそういった方法で高収入をかなえている人たちが税理士法人・会計事務所に所属する会計士の平均年収を引き上げているため、中央値が他業種よりも低い一方で、平均年収はそう大きく他業種と差が開かないという結果になっています。
コンサルティングファーム
公認会計士のなかには、コンサルティングファームにてコンサルタントとして勤務するケースも少なくありません。会計・財務系のコンサルティングファームに転職するケースが多く、特に多いのはFASに転職するケースです。
Big4などの大手監査法人であれば、系列にFASファームを有していることが一般的なため、転職ではなく、転籍という形でFASに移籍するケースも多いです。
コンサルティングファームに共通して言えることとしては、業務量が多い一方で、収入も高いという点でしょう。コンサルティングファームに転職した場合、他業種よりも忙しくなることが往々にしてありますが、その分多くの経験を積むことができ、年収アップも期待できます。
平均年収としては一般企業に次いで2番目の結果となりましたが、コンサルティングファームにおいても監査法人同様、ピラミッド型の人員構成であるケースが多いため、母集団にスタッフ層が多く含まれていることが要因といえるでしょう。
女性会計士の年収は低い?男女での違い
次に、「令和5年賃金構造基本統計調査」の公認会計士・税理士データをもとに、企業規模に応じた男女別の年収相場をご紹介します。
企業規模 | 男性の平均年収 | 女性の平均年収 |
---|---|---|
10~99人 | 7,517,000円 | 5,174,300円 |
100~999人 | 7,198,500円 | 7,136,400円 |
1,000人以上 | 9,898,400円 | 7,286,600円 |
全体としては男性の方が高い傾向にありますが、100~999人の企業規模においては、大きく差が開かない結果となりました。
詳しい内訳をみてみると、100~999人規模の企業においては、男性のきまって支給する現金給与額が48.21万円に対して、女性は45.51万円。男性の年間賞与その他特別給与額が141.33万円に対して女性が167.52万円と、年間賞与その他特別給与額においては女性の方が高いことがわかります。
公認会計士の年収が高い理由とは
ここまでの解説からも分かるように、公認会計士の年収水準は非常に高い傾向があります。 その理由は、監査法人の年収水準、公認会計士業務の専門性の高さ(需要の高さ)にあるでしょう。
監査法人の年収水準
公認会計士試験に合格した人の約9割がファーストキャリアとして監査法人を選択します。監査報酬は非常に高額であり、監査業務に従事する公認会計士の年収は高額です。
一般企業などの監査法人以外の企業が会計士を採用する際には、監査法人の年収からあまりにかけ離れた金額でオファーを出しても、公認会計士からは魅力を感じてもらえないため、採用する側としても監査法人の年収水準に基づいて、オファー金額を決定する必要があります。こういった背景から、公認会計士の多くが所属する監査法人の年収水準が公認会計士の年収水準の目安となっているため、公認会計士は転職する際に高い金額でオファーを獲得することができ、結果としてあらゆる業種において、公認会計士の年収が高額になっていることが要因の1つです。
公認会計士業務の専門性の高さ(需要の高さ)
公認会計士試験は合格率10%前後の難関試験であり、その試験を突破した公認会計士は非常に高い専門性を有しています。公認会計士は企業活動の様々な場面で求められる、非常に需要の高い存在です。
上述したように公認会計士を採用するには高い年収を提示する必要がありますが、高い年収を提示してでも、会計・財務に関して専門性の高い公認会計士を採用したい企業が多いのです。
昨今の高度・複雑化する企業活動における公認会計士の需要の高さが、公認会計士の高年収を支えている最も大きな要因でしょう。
公認会計士が年収アップを目指す3つの方法
続いては、公認会計士がさらに年収をアップさせる方法を3つご紹介します。
1.監査法人で昇給を目指す
公認会計士が年収アップを目指す王道としては、監査法人で昇格していくことでしょう。スタッフ職の場合は、監査経験を重ねていくことで昇格していくことが可能な場合が多いですが、マネージャー以上の職位では監査業務の経験に加えて、マネジメント能力や交渉力といったビジネススキル、語学力などの個人のスキルも重視されてきます。
監査法人で昇格を狙うためには、こういった監査以外のスキルも身に着けていく必要があるため、業務外での自己研鑽も必須となるでしょう。
2.転職する
高年収をかなえる方法としては、転職することも一手です。転職による年収アップには様々な方法があります。
年収水準の高い職場に転職する
もっとも早く年収を上げる方法としては、監査法人よりも年収水準が高い職場に転職する方法でしょう。具体的には、FASなどのコンサルティングファームや、ファンドや銀行の投資部門といった金融関連領域が挙げられます。
この場合、一般的には働き方が監査法人時代よりも忙しくなる可能性が高いため、バリバリ働いて高年収をかなえたい方に向いています。
大手企業に転職する
監査法人から大手企業に転職する場合、入社時には年収が下がってしまうケースもありますが、長期的な目線で見た場合には、年収アップにつながる可能性があります。
大手企業の場合は、勤続年数に応じて着実に昇給・昇格していける可能性が高いため、監査法人でずっと同じ職位にとどまってしまっている場合などには、大手企業に転職した方が長期的には高年収をかなえられる可能性があります。
また、監査法人よりもワークライフバランスが整いやすい、福利厚生が充実しているといったメリットもあるため、プライベートを充実させたい方には、魅力的な選択肢でしょう。
スタートアップ・ベンチャー企業に転職する
他の選択肢に比べてリスクはありますが、リターンも大きいのが、スタートアップ・ベンチャー企業への転職です。
大手企業と異なり、年功序列よりも成果主義であるケースが多いため、中長期的に着実に昇給・昇格していけるとは限りませんが、パフォーマンスによってはCFOなどの役員ポジションを狙うことができ、そういったポストにつけた場合は企業や監査法人に雇用されるよりも多くの報酬を得られる可能性があります。
また、IPOを目指す企業などでは公認会計士を採用するために、年収に加えてストックオプション(SO)の付与をオファー条件に加えるケースもあり、高い時価総額でIPOを達成した際には、大きな資産を築けるという夢もあります。
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3.独立開業する
士業の資格を持っている人であれば、一度は独立開業を考えたことがあるのではないでしょうか?
独立することで、事務所の業績次第では多額の報酬を得ることができます。公認会計士が独立する場合は、監査法人からすぐに独立するケースもありますが、一度税理士法人・会計事務所で税務顧問の経験を積んでから独立する方が多いです。
公認会計士の仕事は、監査業務以外は単発のプロジェクト型であるケースが多く、十分な案件を獲得できるコネクションがあればそれだけでも事務所は経営できますが、税務顧問業務も提供できた方が、月々で顧問料を得ることができるため、事務所のキャッシュフローが安定します。
上述の業種別の年収で見た通り、税理士法人・会計事務所に転職した場合には一時的に年収が下がるケースが多いですが、将来の独立を見据えて、税務業務の経験を積むために税理士法人・会計事務所に転職する公認会計士の方は少なくありません。
年収1,000万・2,000万・3,000万円以上を実現させるために
厚生労働省が発表した公認会計士の平均年収は7,467,300 円ですが、その平均を超え、1,000万・2,000万・3,000万円以上を実現させることは、現実的に不可能ではないと言えるでしょう。
年収1,000万円をかなえるには
前述した通り、監査法人のマネージャーは年収900~1,200万円程度ですので、1,000万円以上の年収は監査法人で昇格していくことで十分にかなえることができる水準です。残念ながら、パートナーに昇格できない場合には2,000万円程度が監査法人で勤務する際の実質的な上限になってしまいますが、一方で監査法人のパートナーの年収は青天井であり、出資金や監査法人の業績によって個人差はありますが、億円単位の報酬を得ることも可能です。
また、一般企業でも1,000万円以上のオファーで公認会計士を採用するケースは多いため、公認会計士はどのフィールドにいたとしても、年収1,000万円は努力次第で十分に実現できる年収といえるでしょう。
年収2,000万円をかなえるには
雇用されている状況で年収2,000万円を目指すには、コンサルティングファームであれば実現できるでしょう。コンサルティングファームはきまって支給される給与の水準が高いだけでなく、成果主義の側面も強いため、パフォーマンス次第で多くの賞与を得ることができます。
また、大手企業などに転職し、役職者のポストに就任した場合も、年収2,000万円をかなえられるでしょう。ただし、大手企業の場合は年功序列であるケースも多いため、若いうちに2,000万円以上の収入を得るということは、少し現実的ではないかもしれません。
年収3,000万円をかなえるには
年収3,000万円以上をかなえるためには、主に監査法人・税理士法人でパートナーを目指す、独立開業して高い業績を上げる、スタートアップ・ベンチャー企業で役員クラスの職位に就く、といった方法があります。
監査法人・税理士法人でパートナーを目指すには、熾烈な出世競争に勝つ必要があります。また、独立開業して高い業績を上げる、スタートアップ・ベンチャー企業で役員クラスの職位に就く場合には、事務所・企業の業績が非常に重要な要素になるため、一定のリスクを許容したうえでチャレンジする覚悟が必要になります。
年収3,000万円以上をかなえるには並大抵の努力では難しいため、個人の努力や、仕事に対する姿勢が最も大切な要素になってきます。
【関連FAQ】
・年収2000万円以上を目指しており、このまま監査法人でパートナーを目指すか、独立開業を目指せる転職をするかで悩んでいます。
独立した公認会計士の年収目安は?独立に重要なスキルも紹介
独立した公認会計士の年収目安
公認会計士として独立した場合、年収は自分で決めることになります。1年目は十分なクライアントや業務量を確保することが難しいため、400~600万円程度に設定する人が多いようです。1年目の不安定な事務所収入を補填するために、非常勤の公認会計士として監査業務を行う方も少なくありません。
地道に営業活動を行い、顧客を増やすことができれば、自らの報酬は事務所の業績次第になるため、数千万円や、場合によっては億円単位の年収をかなえることもできるでしょう。
独立に重要なスキル
独立した公認会計士の顧客は、主に中小企業や個人です。中小企業の会計処理は納税のために行うため、会計業務と税務業務をワンストップで担うことが求められます。会計処理よりも税務が優先されるため、税務の知識がないと機会損失につながる可能性が高まります。
公認会計士としてため、独立するためには「税務に関する知識」は持っておいた方が安心でしょう。
また、独立後は自身で顧客を獲得するための「営業力」も重要です。今まで所属していた組織の看板が無くなり、個人の看板を使って人脈を築く必要があります。 独立前の同僚や顧客と信頼関係を構築しておくことで、独立後に顧客や案件を紹介してもらえる可能性が高まるでしょう。
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独立を目指す公認会計士必見!失敗しない独立開業!
公認会計士求人の平均想定年収
年収を上げるために転職を検討している公認会計士の方も多いかと思います。
2023年に「MS Agent」で募集された公認会計士が応募可能な求人データ(時短勤務・非常勤勤務を除く)を基にした公認会計士求人の平均想定年収は、約779万円でした。
さらに、求人を募集要件別に分けると、以下のような傾向が見られます。
募集要件 | 平均想定年収 |
---|---|
経験者募集求人 | 793万円 |
未経験者OK求人 | 590万円 |
このように、経験者を対象とした求人は未経験者OKの求人よりも約200万円高い水準となっています。
MS-Japanの調査による公認会計士の平均年収が1,021万円であることを踏まえると、公認会計士が転職で年収アップを実現するためには、これまでの経験を活かせる求人を狙うことが重要です。
また、想定年収の高い求人に応募することで、現在の年収からさらに上昇を期待できる可能性があります。
次の章では、高年収の職場に転職する上での注意点を解説します。
高年収の職場に転職したい公認会計士が注意すべきこととは?
転職で年収アップを目指す場合の注意点を2つご紹介します。
差別化できるスキルを身に着ける
一般企業の転職活動でも言えることですが、年収が高い職場の求人は応募者が多く、競争率が高まります。競争率の高い選考を切り抜けるためには、他の応募者と差別化を図ることが重要です。
監査経験だけでなく、DDやバリュエーションの経験を積む、コンサルティングファームで経営のノウハウを獲得する、語学力などのスキルを磨くといった、監査+αの強みを持っている公認会計士は、転職市場でも高い評価を得ることができます。
激務である可能性を考慮する
年収が高い職場は仕事内容が幅広く、業務量が多いため、慢性的に激務である可能性が高いといえるでしょう。
年収の高さだけに注目して転職活動を行うと、ワークワイフバランスが崩れるリスクが高まります。収入はあるが、使うためのプライベートの時間がない状況となり、ワークライフバランスを求めて、再び転職先を探すことにもなりかねません。
年収が高い職場は、それに釣り合う業務量が伴うことを踏まえ、持続可能な働き方のできる職場を見つける、もしくは多い業務量に耐えられる体力を身に着ける必要があるでしょう。
「実は年収が低い」と言われる噂の真相は?
公認会計士の年収についてインターネットで調べていると、「会計士の年収は低い」「会計士では食えない」といった記述を目にすることもあります。
この章では、そういったケースに注意すべきかどうかを探るべく、噂の真相について解説していきます。
公認会計士の就職率が低下した時期がある
就職・転職市場で最強と言われている公認会計士ですが、実は2006年の公認会計士試験制度の変更により合格者が急増し、一時的に就職活動が難しくなった時期があります。
さらに、2008年のリーマンショックが追い打ちをかけ、採用人数が減少したことも大きな影響を与えました。
しかし、現在では景気回復とともに採用人数は増加しており、試験の難化に伴い合格者数は減少傾向にあります。
その結果、公認会計士の就職率は回復し、現在は安定した雇用状況が見込めています。
AIに仕事を奪われるという論文の影響
もう一つの要因として、2014年に英国オックスフォード大学のマイケル・オズボーン准教授が発表した論文による影響が挙げられます。
この論文では、会計士および監査人が94%の確率でAIに代替される可能性があると予測されました。
ただ、定型的な作業はAIに置き換わるリスクが高いとされましたが、実際には公認会計士には柔軟なコンサルティング能力が求められるため、AIに取って代わられる危険性は少ないと考えられます。
以上のことから、「年収が低い」「食えない」といった噂を気にする必要はありません。
公認会計士業界は安定しており、高い需要と収入が見込める職業であるといえます。
最近増えている非常勤公認会計士
近年、コロナ渦の影響を受け、働き方の多様化が広がったことにより、時給制や日当制による非常勤勤務の公認会計士も増えています。
週5日間フルタイムではなく、週〇日や月〇日などの雇用契約を結びます。
業務内容やスキルなどで時給が決まり、公認会計士資格をもっていれば、時給5,000~7,000円、主査経験があれば時給7,000~10,000円になることもあります。
前述したように独立直後で収入が不安定な人だけでなく、子育てや介護でフルタイム勤務ができない人など、ライフスタイルに合わせた働き方が可能です。
非常勤の公認会計士を募集は、求人広告サイトなどではなく、以前勤務していた人や身内の紹介などで手短に済ますことが多い傾向にあります。
そのため、非常勤を希望する場合は、公認会計士に強い転職エージェントに登録し、希望の条件を伝えておくと良いでしょう。
年収アップの公認会計士転職成功事例
ここでは、弊社「MS Agent」を利用して年収アップに成功した公認会計士の事例をご紹介します。
転職サポートを担当したキャリアアドバイザーからのポイントも併せてご紹介します。
中堅監査法人からBig4監査法人へキャリアアップ転職!
Yさん(31歳・男性)資格:公認会計士
中堅監査法人
企業規模:100名
年収:750万円
Big4監査法人
企業規模:6,000名
年収:800万円
担当キャリアアドバイザーより
Big4監査法人ではビジネスの拡大と人材不足が重なり、採用を強化しております。特に準大手監査法人や中堅監査法人出身の公認会計士は「一連の監査手続きを心得ている」という評価をいただきやすい状況です。今こそ大手監査法人を目指すという方にとっては有利な転職市場ではないかと思います。
【全文はこちら】中堅監査法人からBig4監査法人へ。監査スキルの更なる向上を目指して
中堅監査法人からベンチャー企業へのキャリアチェンジ
Bさん(33歳・女性)資格:公認会計士
中堅監査法人
年収:600万円
ベンチャー企業
年収:650万円
担当キャリアアドバイザーより
Bさんは、監査だけではなくアドバイザリー経験もあり、若いうちから幅広い経験を積んでいたため、多くの企業から高く評価されていました。しかし、Bさんは安易に企業規模やネームバリューで判断するのではなく、裁量をもって働ける環境であることや、長期的に働くイメージができる社風など様々な側面から比較検討していました。複数社の面接を受け、Bさんが入社を決めたのは小規模のベンチャー企業です。女性の活用に非常に積極的で、働き方の自由度が高く、長期就業や幅広く業務に取り組める点が決め手となりました。自分が望む条件によっては企業規模なども重要な判断材料ですが、目指すキャリアパスを叶えるためにはどこに注目すべきか、という点で求人を見ていくと良いのではないかと思います。
【全文はこちら】ベストマッチな転職先と出会う活動方法とは!?30代・会計士の成功事例
ベンチャー企業間でのキャリアアップ転職!
Iさん(35歳・男性)資格:公認会計士
IPO準備中ベンチャー企業
企業規模:100名程度
年収:800万円
IPO準備中ベンチャー企業
企業規模:30名程度
年収:900万円
担当キャリアアドバイザーより
Iさんは、Big4監査法人を経験後、IPO準備中のベンチャー企業のIPO準備責任者兼経理部長ポジションに従事していました。所属企業のIPOが頓挫してしまったことで、監査法人に戻るのか、VCやIPOコンサルティングファームに転職するのか、今後のキャリアを検討したいという事で、「MS Agent」にご相談いただきました。Iさんの中で、より積極的に経営者に提言をする事が出来れば、業績を伸ばせたのではないかという後悔があったため、今回の転職では、経営者との距離が近い20~40名程度の小規模企業をご紹介しました。その結果、公認会計士としての専門性とベンチャーマインドをバランス良くお持ちのIさんは、複数のIPO準備企業から採用内定を獲得し、中でもビジネスモデルに共感できた30名程度の企業に転職を決めました。
【全文はこちら】CFOを目指す公認会計士が、敢えて小規模ベンチャー企業を選んだ理由/30代男性
年収1,000万円以上の求人情報
ここでは、MS Agentにおける年収1,000万円以上の公認会計士求人事例をいくつかご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
注目を集めるベンチャーIPO準備企業の管理部長(CFO候補)求人(フルリモート・フルフレックス)
仕事内容 |
本ポジションでは、急成長するSaaSスタートアップのCFOとして、投資家とのコミュニケーションや資金調達活動を中心に以下のような業務をお任せします。 ・投資家とのコミュニケーションと資金調達活動 ・証券会社、東証上場審査部、監査法人との折衝 ・経営戦略の立案・社内外への説明 ・資金調達の必要性の是非の検討・実行 ・市場・資金調達環境の把握 |
必要な経験・能力 |
<必須> ・投資家との折衝(スタートアップの資本政策と事業計画への深い理解) ・新興上場企業または上場準備企業のCFO・管理部長・上場準備室の経験 ・事業計画の策定、予実管理、キャッシュアウトの予測 ・月次、四半期、年次決算のマネジメント <歓迎> ・IPO経験 ・管理部のピープルマネージメント経験 ・スタートアップ(高成長企業)の予実管理経験 ・公認会計士 ・経営企画の経験 |
想定年収 |
1000万円 ~ 1500万円 |
日本を代表する金融機関からの内部監査求人
仕事内容 |
本部各部室・海外拠点に対する、監査業務を行って頂きます。 経験に応じて、下記の業務をお任せいたします。 ・財務報告に係る内部統制監査(SOX監査) ・コンプライアンス監査 ・システム監査 ・AML(アンチマネーロンダリング)監査 |
必要な経験・能力 |
<必須> 内部監査業務経験、または金融機関経験を有し監査業務に意欲のある方 <以下のいずれかの条件を満たせば尚可> ・公認内部監査人(CIA)を保有または同等の知見のある方 ・業務遂行に必要な英語力をお持ちの方(目安:TOIEC730点以上) ・財務諸表監査経験があり、公認会計士資格を保有または同等の知見を有する方 ・弁護士資格をお持ちの方 |
想定年収 |
1000万円 ~ 1500万円 |
年収ランキング上位企業のコーポレートアドバイザー求人
仕事内容 |
・ディールにおける論点相談 ・デューディリジェンスにおけるチームサポート ・企業評価/案件概要書の作成/クオリティマネジメント ・ビッグディールの同行やサポート ・外部専門家チームとの連携 |
必要な経験・能力 |
<必須>下記いずれか ・公認会計士としてM&Aの案件サポート経験2年以上 ・DD、バリュエーション、FA、ストラクチャー検討等のうち、1つ以上の経験有り |
想定年収 |
1080万円 ~ 1920万円 |
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公認会計士の年収は?年代別・勤務先別の平均年収や年収を上げる方法など
※この記事は厚生労働省:「令和5年賃金構造基本統計調査」を参考にしています。
【参考】
・
厚生労働省:令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況
・
e-Stat:賃金構造基本統計調査
この記事を監修したキャリアアドバイザー
大学卒業後、食品メーカー営業を経て2005年MS-Japan入社。企業側営業担当を1年半経験し、以降はカウンセラー業務を担当。若手中堅スタッフの方から、40~50代のマネージャー・シニア層の方まで、年齢層問わず年間500名以上をカウンセリングさせていただいています。
企業管理部門全般~会計事務所など士業界、会計士・税理士・弁護士資格者まで弊社の特化領域全般を担当しています。
経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 法務 ・ 経営企画・内部監査 ・ 会計事務所・監査法人 ・ 役員・その他 ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!
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