税理士法人のキャリア
会計事務所・税理士法人の
キャリア

公認会計士は所定の手続きを行うことで、無試験で税理士に登録することができるため、公認会計士の中には会計事務所・税理士法人に転職して公認会計士・税理士として活躍する人もいます。
公認会計士が会計事務所・監査法人に転職する目的としては、「将来の独立を見据えて税務業務の経験を積む」、「監査人という立場ではなく、経営者のパートナーとして経営の支援を行いたい」、「業務の幅を広げたい」という3点がよくある転職目的です。
将来独立を目指している人は、税務業務の経験を積むことで、独立後に税務顧問を持った際にスムーズに対応することができ、月額の顧問料といった安定した収入が見込めるため、事務所の経営を安定させることができます。
また、監査法人の公認会計士は会計監査人という立場上、クライアントとはビジネスライクな関係性であることがほとんどです。
一方で、税務業務はクライアントの納税をサポートする業務のため、クライアントから感謝されることも多く、財務や経営についてのアドバイスを求められ、経営者のパートナー的存在になることもあります。
こういったクライアントとの距離の近さは、会計事務所・税理士法人ならではの魅力でしょう。
さらに、会計事務所・税理士法人の場合は、税務顧問先に財務コンサルティングなどを比較的柔軟に行うことができます。
税務業務を軸に、クライアントの求めに応じて、幅広いサービスを提供できる点も、会計事務所・税理士法人でのキャリアの魅力といえるでしょう。
会計事務所・税理士法人の種類
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Big4税理士法人は税理士なら誰もが知っている国内で最大手の4つの税理士法人です。
・デロイトトーマツ税理士法人(Deloitte Touche Tohmatsu)
・KPMG税理士法人(KPMG)
・PwC税理士法人(PricewaterhouseCoopers)
・EY税理士法人(Ernst & Young)
Big4税理士法人のクライアントは国内の大手企業、もしくは外資系企業で構成されており、法人税務の中でも連結納税などの高度な税務業務を取り扱うケースも多いです。
Big4は大手クライアントに対応するため、基本的には縦割りの組織になっており、幅広い業務経験を積むというよりは、特定の業務において専門性を高めるような働き方になります。
Big4税理士法人で働くメリットとしては、大手クライアントの対応を通して高度な税務業務スキルを身に着けることができる、キャリアに箔が付くといったことが一般的に言われます。
また、Big4は優秀な税理士が集まっているため、そういった上司・先輩、同僚とのネットワークができることも大きな魅力です。しっかりと関係性を構築できていれば、後に独立した際にクライアントを紹介してもらえる可能性や、一緒に独立して税理士法人を立ち上げる仲間が見つかる可能性もあります。 -
Big4に次いで国内で大手の税理士法人としては、「辻・本郷税理士法人」「税理士法人山田&パートナーズ」の2つが挙げられます。
大手税理士法人で働くメリットとしては、大手ならではの充実した社員教育が挙げられるでしょう。
辻・本郷税理士法人は研修制度が非常に充実していることで有名であり、税務初心者からマネージャークラスの人材まで、幅広い社員に対応できるような研修のラインナップがあります。
税理士法人山田&パートナーズは、グループ内で幅広いサービスラインナップをそろえており、税理士法人内、またはグループ内異動を通して税務だけでなく幅広い業務に対応できる人材に成長できるように支援しています。 -
準大手・中堅の税理士法人は主に従業員数が数十名~200名程度の規模の税理士法人(会計事務所)を指します。
準大手・中堅税理士法人で働くメリットとしては、幅広い業務経験を積める法人が多いという点が挙げられます。
大手の組織では業務が縦割りになっているケースが多いため、自分の担当業務以外の経験を積むには別チームに異動する必要がありますが、準大手や中堅規模であれば、現在所属しているチームの業務を中心に行いつつ、一部別チームの案件にアサインしてもらえるなど、従業員の希望に合わせて比較的柔軟に業務調整を行っていることも少なくありません。
同じ法人で働きながら、税理士として幅広い業務経験を積めることは、案件数が多く、法人規模が大きすぎない準大手・中堅税理士法人ならではのメリットと言えるでしょう。 -
中小規模の会計事務所については、様々な事務所が存在し、その事務所の運営方針によって働き方は千差万別です。中小規模の事務所の場合は、所長の考え方が色濃く事務所の雰囲気に反映されるため、転職時には面接等で所長としっかりと話し合い、考え方を理解する必要があります。
ワークライフバランスを重視した働き方を推奨している事務所や、5~10年後のキャリアとして、独立志向を考えている方を歓迎している事務所など、自らの考えと同じ考えを持つ所長に出会えれば、満足度高く働けるでしょう。 -
ブティック系会計事務所と呼ばれる、少数精鋭で専門領域に特化した会計事務所では、資産税や金融、医療など、特定分野に特化したサービスを提供しています。
特定分野に強みを持つことで、専門性の高い人材になることができる点が大きなメリットです。また、後に独立した際のブランディングもしやすく、クライアント獲得においても競合優位性が保てます。
金融・不動産など、扱う金額の大きいクライアントを抱えている場合は、報酬もその分高額になり、中にはBig4や大手税理士法人よりも高額な年収を所員に支払っている会計事務所も存在するため、隠れた優良事務所が見つかる可能性もあります。
会計事務所・税理士法人の転職市場
会計事務所・税理士法人においても、公認会計士のニーズは常にある程度存在していますが、事務所が提示できる条件面と、転職希望の公認会計士の希望で折り合いがつくか否かという点がマッチングのポイントになるでしょう。

採用する側の事務所からすれば、公認会計士のような優秀な人材は歓迎したい一方で、税務顧問業務という点では未経験からのスタートになるため、入所段階から監査法人時代と同程度の報酬を支払うことは難しく、基本的には会計事務所・監査法人に転職する場合、年収は下がる傾向です。一部例外もありますが、一般的には500~600万円前後が転職時の年収目安になるため、マネージャーやシニアマネージャーになるほど年収の乖離が大きくなります。
そのため、会計事務所・税理士法人への転職を検討している場合は、ジュニア~シニアスタッフといった、比較的若い年次のうちに転職活動を行うことをおすすめします。
会計事務所・税理士法人への
転職成功のポイント
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POINT
01監査法人で監査を行う場合、クライアントは上場企業、もしくは上場準備中の企業になるため、クライアントの経理体制も整っていることが多く、売り上げ規模も一定以上であることがほとんどでしょう。
一方で、会計事務所・税理士法人の場合は個人や中小企業がクライアントになることも多く、顧問先の担当者は経理部長などではなく、社長(経営者)と直接やり取りするケースもあります。会計事務所の場合は、クライアントが必ずしも経理業務に詳しいとは限らないため、時には泥臭く営業マン的なコミュニケーションを取り、信頼関係を構築していく必要があります。
監査法人よりも、営業的なコミュニケーションを求められる場面も多くあるため、監査法人とのギャップを感じる可能性もあります。転職後、ミスマッチにならないよう、転職先の会計事務所・税理士法人のクライアント規模や業務内容については、しっかりと確認しておきましょう。 -
POINT
02監査法人から会計事務所・税理士法人に転職する場合、年収は下がってしまうケースの方が多いです。年収だけにこだわるのではなく、業務内容などのやりがいや、将来の独立のために修行を積みに行くといった、前向きな転職目的を持ち、年収については多少妥協する覚悟でいるほうが、結果的に満足のいく転職をかなえられるでしょう。
尚、転職先の業務内容が税務顧問だけでなく、M&Aや組織再編、IPO支援等の会計士が得意とする業務を扱っている場合、税務業務で経験を積みながら、財務・会計系のコンサルティング業務で売上を立てて、年収を確保するといった方法もあります。
どのような働き方ができるか、年収は下がるのか、それとも現状維持できるのかは転職先の事務所によって異なるため、入念に情報収集したうえで、転職活動を行いましょう。 -
POINT
03大手・準大手の監査法人から会計事務所に転職する場合、就業環境や事務所内の人間関係といった点にも違いがあります。
大手・準大手の監査法人の場合、若手が多く、パートナーに近づくほど人数が少なくなるピラミッド型の年齢構成であるケースが多いですが、会計事務所の場合は、業界的にも若手はそう多くなく、中高年の方が多くなっているため、所内のメンバーとの年齢差による、コミュニケーションの違いがあるかもしれません。
また、特に中小事務所に転職する場合は、対面で面接を行うことをおすすめします。
昨今はリモートでの面接実施も増えていますが、事務所の雰囲気を見学するという意味でも、事務所に直接訪問しておくと安心です。小規模な事務所の場合は、所長の考え方が事務所の運営に色濃く反映されるため、選考の過程で所長税理士とは必ず面接・面談を行いましょう。
MS Agentを利用した会計士の
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税理士法人の転職やキャリアに関する悩みを
転職FAQで解決!
女性会計士、シングルマザーです。 年収500~600万円でワークライフバランスを保てる事務所はありますか?
ママさん公認会計士に理解がある事務所もございますので、子育てをしながら事務所で働くことも可能です。 ただし、ワークとライフをどの程度でバランスさせたいのかによって、希望の年収を得ることが出来るかは変わります。ご本人の現在年収や経験にもよりますが、公認会計士が会計事務所に転職するとなると、フルタイム勤務で600~800万円程度が相場です。(尚、税務業務の経験者であればこの限りではありません)。 フルタイム勤務が可能であれば500~600万円の収入も見込めますが、時短勤務や7時間勤務となると、希望年収に満たない可能性もあります。 詳しくは、事務所領域に詳しいキャリアアドバイザーにご相談いただく事をお勧め致します。
現在Big4監査法人でシニア職に就いている公認会計士なのですが、監査法人から会計事務所へ転職すると年収はどのくらい下がるのでしょうか。
現職での残業手当を含めた年収がどの程度かによりますが、監査法人で頂いていた年収より下がる可能性があります。 入所時の提示年収は500~600万円前後の会計事務所が多いかと存じます。 尚、入所後に担当する業務内容や、事務所によっても給与水準は異なるため、詳しくは事務所領域に詳しいキャリアアドバイザーにご相談いただく事をお勧め致します。
公認会計士資格を持っており、将来的に独立を視野に入れています。税務やFASなど監査以外の実務経験を積みたいと考えているのですが、業務未経験でも受け入れてもらえる法人はあるのでしょうか?
ここ数年で会計士の方向けの求人は非常に増えてきており、会計事務所や独立系コンサルティングファーム等、その分野における実務経験が無い方も転職がしやすい市況感です。 特に、所長が会計士の会計事務所等では、税務だけではなく「税務+FAS」といったような、会計士の知見を活かしつつも新しい業務経験を積む事が出来るポジションもあるため、魅力に感じていただきやすい傾向があります。
将来、父親の会計事務所を継ぐことを考慮して、税理士法人へ転職することは可能でしょうか?
現状、未経験の公認会計士の方でも採用を積極的に行っている税理士法人は複数あるため、転職可能性は十分にあるかと存じます。 家業を継ぐに当たり、どのようなご経験を積みたいかによってお勧めする税理士法人が変わります。一方で、ご年齢によっては即戦力性を求められるので、監査経験を活かす会計アドバイザリー業務と並行して税務経験も積める事務所を検討すると良いかと存じます。
会計事務所で、在宅勤務を許可してくれる求人はあるのでしょうか?
在宅勤務を許可して下さる会計事務所や財務会計系のコンサルティングファームは存在します。 例えば、M&Aの財務DDレポートやバリュエーションシートの作成などを、業務委託で契約して在宅形式で仕上げるようなパターンは現実的な選択肢の一つだと思います。 また、クライアントの決算書類や税務申告書類の作成などを、自宅で対応することが出来るような制度を設けている会計事務所もあるようです。現時点では数こそ多くはないですが、徐々に上記のような柔軟性のある働き方も受け入れられていくのではないかと思います。
MS Agentの転職サービスとは
大手上場企業や監査法人、会計事務所(税理士法人)など、公認会計士の幅広いキャリアフィールドをカバーする求人をもとに、公認会計士専門のキャリアアドバイザーがあなたの転職をサポートします。
キャリアカウンセリングや応募書類の添削・作成サポート、面接対策など各種サービスを無料で受けることができるため、転職に不安がある公認会計士の方でも、スムーズに転職活動を進めることができます。

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