2024年11月15日

【令和6年公認会計士試験】論文式試験の合格発表速報!結果発表後の流れもご紹介

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2024年8月16日~18日にかけて実施された「公認会計士試験論文式試験」の合格発表が11月15日にありました。
受験された皆様、本当にお疲れさまでした。合格された方はおめでとうございます!

公認会計士になる際、試験合格後の就職活動は約2週間の超短期決戦となり、スピーディーな対応が重要になるでしょう。

本記事では、令和6年の公認会計士試験論文式試験の概要をはじめ、論文式・短答式それぞれの試験の受験者数・合格率の推移や、公認会計士試験全体の傾向について分析したうえで、試験後の流れ・ポイントなどを解説します。

今回の試験を受験した方だけでなく、公認会計士を目指して勉強中の方も早めに情報収集を行うことで、より効率的に公認会計士への道を進めることができます。ぜひ参考にしてください。

令和6年公認会計士試験の論文式試験の合格率は?

今回の公認会計士試験論文式試験の結果は下記の通りです。

願書提出者数 21,573人
受験者数 4,354人
合格者数 1,603人
合格率
(合格者数/受験者数)
36.8%

令和6年公認会計士試験論文式試験では、受験者数4,354人(昨年比+162人)、合格者数1,603人(昨年比+59人)、合格率36.8%(昨年比0.0%)という結果でした。

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過去5年間の公認会計士試験論文式試験の受験者数・合格率は?

過去5年間に実施された受験者数・合格率は下表です。

令和2年
(2020年)
令和3年
(2021年)
令和4年
(2022年)
令和5年
(2023年)
令和6年
(2024年)
願書提出者数 13,231人 14,192人 18,789人 20,317人 21,573人
受験者数 3,719人 3,992人 4,067人 4,192人 4,354人
合格者数 1,335人 1,360人 1,456人 1,544人 1,603人
合格率 35.9% 34.1% 35.8% 36.8% 36.8%

願書提出者数、受験者数、合格者数いずれも増加しています。
合格率は、34%台~36%台で安定して推移しており、直近5年間の論文式試験における難易度は大きな差がないと考えられるでしょう。

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過去5年間の公認会計士試験短答式試験の受験者数・合格率は?

この章では、直近5年間の公認会計士短答式試験の受験者数・合格率の推移を見ながら、短答式試験の傾向を分析してみましょう。
下表は、過去5年間の短答式試験の結果です。

令和2年
(2020年)
令和3年
(2021年)
令和4年
(2022年)
令和5年
(2023年)
令和6年
(2024年)
短答式 第I回 第Ⅱ回 第I回 第Ⅱ回 第I回 第Ⅱ回 第I回 第Ⅱ回 第I回 第Ⅱ回
願書提出者数 9,393人 9,385人 14,192人 12,719人 14,958人 14,550人 15,883人 15,681人 16,678人
受験者数 7,245人 5,616人 9,524人 9,949人 9,870人 11,401人 10,429人 12,100人 11,003人
合格者数 1,139 人 722人 2,060人 1,199人 780人 1,182人 921人 1,304人 1,041人
合格率 15.7% 12.9% 21.6% 12.0% 7.9% 10.3% 8.8% 10.8% 9.5%

※受験者(答案提出者)をベースに合格率を算出
※令和3年の第II回短答式試験はコロナのため中止。

過去5年間でみると、第Ⅰ回試験よりも第Ⅱ回試験のほうが合格率は低い傾向にあり、今年の試験においても同様の傾向でした。
また、合格率は年々低下している傾向も読み取れ、短答式試験は難化傾向にあると言えるでしょう。

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過去5年間の公認会計士試験全体の受験者数・合格率は?

前章では論文式試験・短答式試験それぞれに注目して合格率をご紹介しましたが、論文式試験も含めた公認会計士試験全体の結果は下表のとおりです。

令和2年
(2020年)
令和3年
(2021年)
令和4年
(2022年)
令和5年
(2023年)
令和6年
(2024年)
願書提出者数 13,231人 14,192人 18,789人 20,317人 21,573人
短答式試験受験者数 11,598人 12,260人 16,701人 18,228人 19,564人
短答式試験合格者数 1,861人 2,060人 1,979人 2,103人 2,345人
論文式試験受験者数 3,719人 3,992人 4,067人 4,192人 4,354人
最終合格者数 1,335人 1,360人 1,456人 1,544人 1,603人
合格率 10.1% 9.6% 7.7% 7.6% 7.4%

試験受験者最終合格者数が毎年増加している傾向に対して、最終合格率は減少傾向となっています。
前述の通り、論文式試験のみの合格率は安定しているため、短答式試験の難易度が高いと考えられます。

さらに、令和5年4月1日からは「公認会計士法及び金融商品取引法の一部を改正する法律」も施行されており、これまで2年だった実務経験(業務補助等)の期間が3年以上に改められました。

近年、企業活動のグローバル化や業務内容の複雑化・専門化に伴い、監査の現場でこれに対応できる能力を養う観点から、実務経験を通じて学ぶ知見の重要性が高まっています。
年々複雑化する監査業務に対応する人材を育成するためにも、公認会計士試験も難化傾向にあると言えるでしょう。

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公認会計士試験に合格した後の流れ

晴れて公認会計士試験に合格した場合の流れをご紹介します。

就職活動を行う

公認会計士試験に合格した人の9割は、監査法人へ就職します。
監査法人への就職活動は、11月中旬に始まり、12月初旬には内定がでます。
また、就職活動開始から企業からの内定合否は、エントリーシートでの書類選考+面接のみが基本です。
そのため、事前準備をしっかりと行う必要があります。

内定のためのポイントは「志望動機」です。
①業界を選んだ理由②応募する監査法人を選んだ理由③自分を採用するメリットを明確にしましょう。

そのためには、業界や監査法人の特徴や強みを研究し、応募する監査法人がどのような人物を求めているのかを洗い出します。
また、自分のこれまでにしてきた勉強や強みを洗い出しましょう。それらを踏まえて監査法人の担当者に伝わる志望動機を作成しましょう。

業務補助を3年間行う

業務補助の基準としては、以下があります。

①公認会計士が経営・所属する事務所での勤務を行う
②国・地方自治体で「資本金5億円以上の法人の会計」に関する検査・監査、国税調査や検査の事務を行う
③金融機関または保険会社で、貸付・債務の保証やそれに関連する資金の運用に関する事務を行う
④資本金5億円以上の法人で、原価計算や財務分析に関する事務を行う

約9割の人は①で経験を積みます。
なお、条件としてこれらの業務を行った期間は、試験合格前後どちらでも構いません。

3年間の実務補習を受講する

全国各地の補習所・補習支所で「会計」「税務」「監査」「法規・職業倫理」「経営・IT」に関する内容を受講します。
講義は3年間のスケジュールで、週1~2日平日夜土日に行われます。
そのため、監査法人で働きながら講義に参加する人も多くいます。

修了考査に合格する

業務補助と実務補習で必要な単位を獲得した後は、修了考査に挑みましょう。
修了考査は、年に1回(令和6年は12月14日・15日)実施され、実務補習で学んだ5つの内容が出題されます。

令和5年の修了考査における対受験者数合格率は76.4% と、8割近くの人が合格していました。
令和4年は69.6%、令和3年は64.6%、令和2年は49.5%、令和元年は48.8%、平成30年は56.1%と、直近5年は増加傾向ですが、決して油断できる試験ではありません。

監査法人に勤務している方は、試験準備のために10日間程度の休暇が与えられることが一般的ですが、有給休暇を調整してしっかり試験準備を行うことも、確実に合格する手段の一つでしょう。

開業登録を行う

修了考査に合格したとしても、開業登録をしなければ、正式に公認会計士として認められません。
公認会計士協会(JICPA)へ必要書類の提出と費用の支払いを行いましょう。
不備がなければ1週間程度で登録完了通知が届きます。

必要書類には「勤務証明書」「財務局長名での業務補助などの報告書受理番号が記された通知書のコピー」など、勤務先での対応が必要なものもあるため、計画的に手続きを進めましょう。

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公認会計士試験に不合格だった場合は?

不合格だった場合は、次回以降に再度受験するか就職・転職をすることになるでしょう。
「不合格でも就職・転職はできるのか」と不安になる方もいらっしゃると思いますが、ご安心ください。
社会人としてのキャリアがある人は、その経験が買われ、大手企業の経理部門などで採用される事例は数多くあります。

また既卒3年以内の人向けにも、大手企業の第二新卒枠はもちろん、ベンチャー企業IPO準備企業会計事務所などでも若手ポテンシャル層向けの採用活動が行われています。

とはいえ、自分自身のやりたいことや業界・企業研究を行わずに就職・転職活動を進めると、選考がうまく進みにくいでしょう。
また、内定が出た際も選考時の印象で入社を決めてしまい、あなたが望まない条件・環境で働くことになりかねません。

就職・転職活動を成功させるためには、気持ちを切り替えて「今までの知識をどう活かしていくか」「将来どのような働き方を考えているか」を明確にすると良いでしょう。

「不合格だった時の不安を少しでも取り除きたい」という方は、下記をご確認ください。

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公認会計士になるためには、合格率10%以下の高難易度な試験の突破、就職活動を経て業務補助2年・実務補習3年、修了考査に合格、開業登録が必要です。
決して楽な道のりではありませんが、それまでのあなたの努力は確実にキャリアアップに繋がります。

試験の合格・不合格に関わらず、将来のキャリアに関わることについて早めに準備するに越したことはありません。
弊社は管理部門・士業に特化したエージェントとして、公認会計士試験受験者へのキャリアサポートも無料で行っています。
「試験後のキャリアを事前に考えておきたい」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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この記事を監修したキャリアアドバイザー

林 良樹

大学卒業後、カーディーラ・小売業を経験し、2008年からMS-Japanでリクルーティングアドバイザーとキャリアアドバイザーを兼務しております。

会計事務所・監査法人 ・ コンサルティング ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ USCPA ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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