2023年06月01日

30代で公認会計士になるのは遅すぎ?合格率や就職先、転職事例などを紹介

管理部門・士業の転職

30代で公認会計士を目指したいと考えている人もいるでしょう。
しかし、この年代で勉強を始める場合、試験に合格できるのかということに加えて、資格を取得しても就職先はあるのかという点も気になるところです。

この記事では、公認会計士試験における30代の合格率や就職先の種類、30代で公認会計士にキャリアチェンジした事例などをご紹介します。

公認会計士試験における30代の合格率

公認会計士試験の直近5年間における合格者と合格率は、以下の通りです。

試験年度 30~34歳の合格率 35~39歳の合格率
2022年 5.5% 2.1%
2021年 6.4% 4.0%
2020年 7.3% 3.8%
2019年 8.1% 5.0%
2018年 6.8% 4.4%

金融庁の「令和4年公認会計士試験合格者調」によると、令和4年合格者1,456人の最高年齢が58歳、最低年齢は17歳で、女性の割合は22%に値する327人でした。
過去5年間における30代の合格率を遡ると、2019年を境に下降傾向にあるようです。


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30代で公認会計士になった後の就職先

近年、公認会計士の人手不足による売り手市場が続いているため、30代で公認会計士試験に合格した人でも、就職先を見つけやすい状況にあります。
就職先となるのは、主に監査法人一般事業会社です。

監査法人

公認会計士試験に合格した人の約9割が選ぶ就職先が監査法人です。
監査法人は、企業が法令・規則に基づいた正確な会計処理を行っているかを第三者として調査する機関です。調査結果を株主など利害関係者に報告します。
日本には4大監査法人(有限責任監査法人トーマツ、新日本有限責任監査法人、あずさ監査法人、PwC Japan有限責任監査法人)があります。

一般事業会社

公認会計士資格を活かして、一般事業会社の経理・財務部門などで、決算業務や予実管理業務、工場経理業務に従事することもできます。
資本金5億円以上の企業であれば、会計士登録のための実務要件を満たすことも可能です。近年は、監査法人から一般事業会社へ転職し、企業内会計士のキャリアを選択する公認会計士も増えています。

監査法人・一般事業会社の平均年収比較

ここでは、弊社MS-Japanが提供する士業・管理部門特化型転職エージェント「MS Agent」のデータをもとに、監査法人と一般事業会社に勤める公認会計士の平均年収を比較します。

監査法人・一般事業会社の平均年収比較

2023年上半期において、「MS Agent」を利用して転職成功した公認会計士の平均年収を、監査法人と一般事業会社(インハウス)に分類しました。
それぞれ平均年収は、監査法人が960万円、一般事業会社が1,164万円と、200万円以上の差があることが分かります。


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監査法人・一般事業会社の転職活動時期・ポイント

監査法人の場合

監査法人の就職活動期間は大変短く、短期決戦になる傾向があります。
合格発表がある11月中旬から就職活動がスタートすることが一般的です。早いケースでは、2週間後の12月初旬には内定がでることもあります。
監査法人の合否は、エントリーシートによる書類選考と面接で決まるため、面接対策をしっかりと行うことが、就職成功のポイントです。

面接の質問のなかでも、特に重要なのは志望動機です。「なぜこの業界を選んだのか・なぜその監査法人を希望したのか」だけでなく「なぜ自分を採用すべきなのか」を明確に答えられるようにしましょう。
まずは、業界研究と監査法人の特徴把握を入念に行うことが重要です。

一般事業会社の場合

一般事業会社を目指す転職活動では、まず転職サイトや転職エージェントの求人に申し込みます。書類選考やWebテスト、面接を経て採用となります。
転職活動時期は、一般的には4月入社の求人が最も多いため、2・3月に募集をかける企業が多いですが、欠員募集や増員など必要に応じて随時採用活動を行っています。

一般事業会社の中途採用では、30代になると実務経験を求められ、一般的には未経験職種への転職は難易度が高いと言われています。
30代で一般事業会社へ転職を希望する場合、これまでの勤務経験や会計士試験の勉強で得た知識やスキルを、今後どのように活かせるのかなど、自分を採用することのメリットをしっかりとアピールすることが重要です。

公認会計士にキャリアチェンジした30代の成功事例

公認会計士にキャリアチェンジした30代の成功事例30代で公認会計士資格を取得し、キャリアチェンジに成功した事例を見てみましょう。

Aさんの成功事例(銀行⇒大手監査法人)

Aさんは大学卒業後に銀行に就職し、企業への融資担当としてのキャリアを積んでいました。
しかし日頃から各企業の財務諸表に触れるうち、公認会計士として働くことに興味を持つようになり、試験の受験を決意します。

当初は働きながら勉強を続けていましたが、仕事後の疲れた体で勉強に向かっても意識を集中できず、計画を立ててもその通りに実行できない、という状態が続いたそうです。
そこでAさんは勉強の途中で勤務先を退職し、公認会計士試験合格後に改めて就職活動をすることを決意。
専門学校に通いながら、1日の大半を勉強時間に充てることにしました。それでも30代を過ぎると記憶力や集中力が若い頃よりも落ちてくるため、思うように学習が進まないこともあったといいます。
しかし、自分に合った学習方法と学習リズムを確立するようになってからは勉強がはかどり、結果として勉強を始めてから1年で合格することができました。

もともと銀行で働いていたので、財務諸表の読み方など基本的な会計知識は身に付けており、そのことも勉強では役に立ったようです。
また、金融機関特有の法令や業務の流れも理解していたこともあり、就職活動では前職の銀行時代の経験をアピールし、見事大手監査法人の金融事業部に就職できました

Bさんの成功事例(一般事業会社→監査法人)

Bさんは、大学を卒業したあと就職した一般事業会社で経理に従事していました。 さらなるキャリアアップを目指し、退職をして、公認会計士試験を目指す決意をしました。 苦労の末、合格したのは30代に突入してからでしたが、Bさんは結果として、第一志望だった監査法人の内定を見事に獲得します。 Bさんは、前職では経理として決算業務の経験があり、一部監査法人の対応も経験しておられました。 これまでのキャリア・経験を棚卸しし、面接の際にしっかりとアピールできたこと、また、「なぜ監査業務に関わりたいか」も自身の中でかみ砕きしっかりとアピールできたことが成功の鍵でした。

就職は、どこの監査法人でも同じではありません。 自分のこれまでの経歴、およびこれからの将来像によって選択していかなければなりません。 Bさんは、自分にとって最善と思える監査法人への就職が決まったため、満足の行く就職活動となりました。


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まとめ

30代になると、公認会計士の資格を取得しただけでは評価は得にくく、「前職で何をしていたか」などの総合的なスキル・実務経験が問われるようになります。
しかしこれまでの職務経験の中で、財務や経理など公認会計士の仕事に活かせるような能力を磨いてきた人であれば、30代以降でも活躍の場は十分にあるといえるでしょう。
30代になってからでも、4大監査法人で働くことは決して無理なことではありません。
大切なのは自分の強み・得意分野をしっかりとアピールすることです。

この記事を監修したキャリアアドバイザー

河本 俊範

大学卒業後、食品メーカー営業を経て2005年MS-Japan入社。企業側営業担当を1年半経験し、以降はカウンセラー業務を担当。若手中堅スタッフの方から、40~50代のマネージャー・シニア層の方まで、年齢層問わず年間500名以上をカウンセリングさせていただいています。
企業管理部門全般~会計事務所など士業界、会計士・税理士・弁護士資格者まで弊社の特化領域全般を担当しています。

経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 法務 ・ 経営企画・内部監査 ・ 会計事務所・監査法人 ・ 役員・その他 ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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