【法学部の学生・法科大学院生必見】企業の法務部に就職・転職するには?
法律を学んでいる法学部の学生や法科大学院生の中には、「企業の法務部で働きたい」と考えている人もいるでしょう。学んだ知識を仕事に活かせれば素晴らしいことです。
今回は、法務部の就職・転職難易度やおすすめの資格、就職・転職活動のポイントをご紹介します。
法学部出身者・法科大学院生向けの法務求人例
弊社MS-Japanでは、管理部門・士業に特化した転職エージェントの「MS Agent」を運営しています。以下では、実際に「MS Agent」が取り扱っている法務求人をご紹介します。
【未経験歓迎!】法務(法務メイン~管理部門幅広)/年休126日
仕事内容 |
・契約書作成/審査 ・法務相談 ・規程整備 ・コンプライアンス研修 ・株主総会対応をはじめとした商事法務 ・弁護士対応 |
必要な経験・能力 |
・法学部卒、法科大学院修了生等の方 (その他、パラリーガルの方や法務業務経験の方は歓迎です!) ・Word/Excelを使用した業務経験 |
想定年収 |
300万円 ~ 450万円 |
【法科大学院修了生歓迎】法務担当/東証スタンダード企業/月平均残業時間20h以下でWLB◎
仕事内容 |
・依頼部門からの相談に対して、ヒアリングを通して状況や課題を把握しスムーズな契約締結につなげるポジションです。 ・依頼部門と方向性を共有し、最適な契約締結に向けてサポートを行います。 ・いずれも依頼部門との協力関係が重要で、各事業所へ訪問する機会もあります。(月2~3回程度) ・英文契約は月に3件程度相談があります。 |
必要な経験・能力 |
・法科大学院修了生で今後法務業務に携わりたい志向のある方 |
想定年収 |
400万円 ~ 500万円 |
法務スタッフ※上場グループ企業/リモートフレックス可
仕事内容 |
・顧客契約書(英文契約書あり)の作成・レビュー ・顧客契約交渉の立ち合い(外資系顧客からリーガルの同席を求められる場合あり) ※顧客契約書は主にサービス提供契約書、サービス変更契約覚書、守秘義務契約書 ・その他資材取引契約書等のレビュー ・新サービス提供時の関係法令チェック、規約等の作成 ・損害賠償発生時(加害・被害とも)の対応支援 ・その他、法務業務全般 |
必要な経験・能力 |
※以下いずれかに該当する方 ・法科大学院修了生 ・法学部卒 ・企業法務経験 |
想定年収 |
450万円 ~ 650万円 |
法学部卒・法科大学院修了生なら企業の法務部への就職・転職は可能
法律の専門知識を備えた法務人材は貴重であり、転職市場では現在売り手市場が続いています。
基礎的な法律知識を身に付けることは、大学の法学部でも可能です。
実際、法務部門の就職・転職市場においては、「法学部卒」「法科大学院修了生」という点が企業側に好印象を与えるケースは少なくありません。
法務の分野にまったく関わったことのない人に比べて、素養があるとみなされるからです。
とくに、新卒で法務部を目指して就職活動する場合や若い20代が転職活動する場合だと、他学部出身者よりも高評価につながる可能性が高いです。
大学時代に法学部生としてしっかりと勉強に取り組んだこと、法律分野の授業・演習での成績がよかったことなどをアピールすると良いでしょう。
ただし、頻繁に法改正が行われるため、法務として評価を得るためには、最新の法律知識が求められます。
大学で学習したことや、そこで使用した専門書の内容が古いこともあり得るので「法律の知識を絶えず更新する」との意識をもつことが大事です。
とくに、転職を志望する企業が属する業界に関連する法律は、自分なりのアンテナを張って改正法の内容を把握しておく必要があります。
法務で働いている実務経験者だと、働きながら法改正に合わせた業界の変化など、ビジネスに関連した知識を豊富にもっています。
そのため、未経験から法務を目指す場合、基礎的な法律知識に加えて、最新の法令へのキャッチアップは最低限必要になります。
法務部への就職・転職を有利に進めるなら資格取得がおすすめ
法律知識の充実度という観点でみると、法務部への就職・転職は法学部卒や法科大学院修了生というだけでは決め手に欠ける面があります。
法律関係の業務経験がない場合は、それを補うための対策が必要となるでしょう。
そのままの状態で転職市場に出ても、法務部門経験者より高評価を得ることが難しいからです。
法務で重視される実務能力を証明するためには、資格取得が有効です。 資格を得るための試験では、基本的な法律知識に加えて最新の法改正の内容を踏まえた問題が出題されるので、合格に向けた学習を通して最新の法知識を得られます。
ビジネス実務法務検定
ビジネス実務法検定は、3級から1級までの試験があります。転職市場で多くの企業が資格取得者に高評価を与えているので、転職準備の一環として、1級を目指して段階的に勉強を続けておくとよいでしょう。
法務部門はもちろんのこと、総務部門や人事部門など、あらゆる部署で必要となる法知識を身に付けていることをアピールできます。
ビジネスパーソンとしての法律知識の豊富さを示せる資格です。
司法書士
国家資格であり、取得により法務部門で活用できる法知識を豊富にもっていることが証明できます。
資格を得るには司法書士試験に合格する必要がありますが、難易度が高いです。
ゼロから法律を学ぶという人だと約3,000時間の学習時間が必要になるといわれています。
もし転職に備えて司法書士の資格取得を目指すなら、年単位での計画を立てるようにしましょう。
司法書士資格があれば、不動産・法人の登記・供託の代理業務や、裁判所・法務局に提出する書類の作成などを行えます。
資格取得が難関である分、有資格者は転職市場で重宝されます。
個人情報保護士
個人情報保護法の施行に合わせて創設された民間資格で、個人情報を管理、運用できる知識・能力があることを示せる資格です。資格取得には「個人情報保護士認定試験」への合格が必要になります。
難易度は高くなく、資格取得にかかる学習時間は1~2カ月ほどです。
個人情報という限られた領域ではありますが、現在はマイナンバー制度の導入も始まったこともあり、個人情報保護士へのニーズが高まりつつあります。
法務での転職市場でも評価される可能性が高いので、取得しておいて損はない資格です。
ビジネスコンプライアンス検定
初級と上級とがあり、資格取得の難易度は低いです。学習時間は初級が20時間、上級が40時間ほどで、法務の業務未経験・無資格の人がこれから勉強しようとするなら、ビジネスコンプライアンス検定から始めるのも一つの方法です。
取得により、法律に則った価値判断基準をもっていること、基礎的な法務知識をもっていることを証明できます。
比較的取得しやすい資格ではありますが、検定試験は受ければ確実に合格できるというものではなく、合格率は初級で6割程度です。
しっかりと勉強しないと不合格となるので注意しましょう。
TOEIC
外資系企業や海外の顧客がいる企業の法務部は英語力も重視されます。英文契約書の作成やレビューなど英語を使用する業務がある場合、英語力が求められますので、TOIECの受検もお薦めです。
目安700点以上のスコアをお持ちであれば高い評価を得られます。
法務部への就職・転職活動のポイント
未経験可の法務求人を多く扱うサービスを利用する
売り手市場ではあるものの、決して未経験可の法務求人が豊富にある状態ではありません。
より希望に合う就職先・転職先と出会うためには、「未経験可の法務求人」を多く扱う求人サイトや転職エージェントに登録することが重要です。
総合型の求人サイトやエージェントは、一見すると求人数が多い印象を持つかもしれません。しかし業界や職種に特化したサービスの方が、その分野の求人を多く取り扱っていることが多いです。
求人サイトや転職エージェントは無料で登録できるため、大手の求人サイトと法務や管理部門に特化した転職エージェントを併用しましょう。
複数のサービスを活用することで、理想の求人を見つけるチャンスを最大限に広げることができます。
また、就職・転職における軸にもよりますが、兼任ポジションの求人も見ておきましょう。
大手企業における法務は、独立した部門として存在しているケースがほとんどです。実務経験やより高いレベルの専門性が求められる傾向があることから、就職・転職のハードルが高いと言えます。
対して中小企業やベンチャー企業では、法務に関する業務量は大手企業ほど多くはなく、人事や総務などと兼任している場合も少なくありません。
兼任の場合は比較的ハードルが高くない傾向があるため、目指すキャリアを踏まえた上で選択肢の一つにしてください。
「法務に興味を持ったきっかけ」を伝えられるようにする
実務経験がない場合、面接で「なぜ法務職に就きたいか」を聞かれることが多いです。具体的に説明ができると、面接官に好印象を与えられるでしょう。
法学部や法科大学院で学んだ内容や、その知識を活かして何にどのように貢献したいかを意識してみてください。
また、「なぜこの企業で働きたいか」も関連づけて話せると説得力が増します。そのためには、業界研究はもちろん、理念や事業の方向性や優位性、キャリアパス、社風に関する情報を応募前に調べておく必要があります。
情報収集の際は、求人だけでなく、企業のHPや代表、社長のインタビュー記事、ビジネス誌などをチェックしましょう。どのような人材が求められているかも把握できるため、魅力的な志望動機を作成することができます。
法務部への就職・転職は、「MS Agent」にご相談ください!
法務部門に就職・転職する場合、大きな助けとなるのが転職エージェントです。
一口に「法務部門」といっても、企業によって法務を行う部署・分野が異なります。
実際に就職・転職活動をする場合、ネット上で分からないことも多く、苦戦することが多いでしょう。
また、自分の経験と知識を把握して、転職先のニーズと合致しているのかどうかを確認する作業も不可欠です。
この点がズレていると、能力・経験があっても転職先がなかなか決まらない、という事態が起こります。仮に転職できたとしても、転職先の仕事に馴染めず苦労することにもなりかねません。
転職エージェントは、こうした法務への転職に関わる問題を一気に解決してくれます。
中でも「MS Agent」は、30年以上の実績をもつ管理部門・士業特化型の転職エージェントです。
法務分野の専門知識をもったキャリアアドバイザーが多数在籍しており、キャリアプランのご提案から、求人のご紹介、応募書類の添削や面接対策など、納得のいく就職・転職ができるようにサポートいたします。
また、業界や企業に関する特徴だけでなく、基本的な就職・転職に関する疑問も丁寧に説明します。
「どのような流れで転職活動を進めるの?」と疑問に思われた方は、 「MS Agent」の転職サービスの流れをご確認ください。
法務部への就職・転職でよくある質問
Q.司法試験に専念してきた法科大学院修了生は何歳までに就職を考えるべき?
A.法学部卒や法科大学院修了生をターゲットにした法務部の求人は増加傾向で、弊社でも多数の支援実績があります。
しかし、社会人としての基礎を身に付けていく必要があるため、20代~30代前半を中心とした求人が多いのが現状です。
司法試験の結果待ちで就職か再受験かで迷われている方も、キャリアアドバイザーが実例をもとにお話しさせていただきます。少しでも就職が選択肢にある場合は、早めにご相談ください。
Q.法科大学院修了生が企業の法務部に就職する場合の年収は?
A.法科大学院修了生が就職する時の年収相場は、一般的に350万~450万程度です。
法科大学院や司法試験に向けた勉強などを通じて、高い法律の知識を習得されていると思います。しかし、社会人としての基礎を先輩社員に教えてもらいながら実務経験を積んでいく必要があるため、一般の新卒より少し高めの年収提示となるケースが多いでしょう。
なお、社会人経験がある方や語学力のある方は、上記の限りではありません。
Q.企業法務で市場価値が高いキャリアパスは?
A.大手企業の法務スペシャリストとして、特定業界での専門性を高めたり、M&Aなど戦略法務中心のキャリアを築いたりする方向性があります。
また、中規模からベンチャーで、契約法務に限らず、労務や商事法務なども幅広く担当するゼネラリストとしての活躍を目指すという方向性でも需要があるでしょう。
さらに、近年は自社の事業や技術、経営戦略に明るい法務人材の評価が高まっています。比較的守りの要素が強い管理部門ですが、法務はその中では攻めの要素が期待される職種といえます。
理想のキャリアを叶えるためには、企業の知名度等に囚われ過ぎずに求人票から担当業務の幅や詳細を確認しましょう。また、エージェントからそのポジションのキャリアパスを聞くなど情報を集めることが不可欠です。
法学部卒・法科大学院修了生が法務部に就職・転職した事例
法科大学院修了から事業会社法務へ挑戦!20代女性の事例
・Aさん(20代女性)
・就職後:IPO準備企業(年収:350万円)
法科大学院を修了後に司法試験を受験したAさんは、惜しくも合格が叶わず法務への就職を決心しました。
始めは自身に合う業界・規模を見定めるために、様々な企業との面接を進めました。その中で「教育体制」「社風」「早期のキャリア形成」を軸に絞り、最終的には組織内弁護士や法務部員が多く在籍するIPO準備企業に入社することになりました。
ITベンチャー企業へ就職した法科大学院修了生の事例
・Yさん(20代男性)
・就職後:IPO準備中のITベンチャー企業(年収:327万円)
Yさんは法科大学院を修了後、弁護士を目指して司法試験を3回受験されましたが、なかなか結果が振るわず、法務部への就職をすることに決めました。
チャレンジできる機会が多い環境への希望が強かったYさんに対し、裁量をもって働ける求人をご紹介しました。
最終的には、IPO準備中のITベンチャー企業に入社し、無事に上場を果たしたことで市場価値の高いキャリアを進んでいます。
まとめ
新卒者が企業の法務部門への就職・転職を考える場合、やはり法学部卒・法科大学院修了生であることは有利といえます。
法律の素養があるとみなされ、就職後の学習もスムーズに行えると判断されるからです。
しかし、大学で学ぶ法律はあくまで基礎分野であり、ビジネスの場で使える法律知識は、実務経験や独自の勉強を通して身に付ける必要があります。
そのため、法学部卒・法科大学院修了生であることだけが、確実に法務部門への就職・転職につながるとは言い切れません。
もし法学部卒で希望にあった法務部門への就職・転職を目指すなら、一つの方法として資格取得を目指すのが有効です。
ビジネス実務法務検定、司法書士、個人情報保護士、ビジネスコンプライアンス検定などの資格をもっていると、就職・転職の際の高評価につながる可能性があります。
実際、資格の勉強で身に付けたことは、就職・転職後にも必ず役立ちます。
また、転職エージェントを利用することも、就職・転職成功の近道です。
とくに当社は、法務分野における就職・転職実績が豊富であり、専門知識をもったキャリアアドバイザーが多数在籍しています。
法務部門への就職・転職を本気でお考えなら、ぜひ当社にご登録ください。
- #法学部卒が法務に就職・転職
- #法科大学院修了生が法務に就職・転職
- #未経験から企業の法務に
この記事を監修したキャリアアドバイザー
大学卒業後、新卒でITベンダーに入社し、営業としてエネルギー業界のお客様を担当。その後、損害保険会社で法務業務に従事。
キャリアアドバイザーとしてMS-Japanに入社後は、法務、弁護士、法科大学院修了生などリーガル領域を中心に担当。
人事・総務 ・ 法務 ・ 法律・特許事務所 ・ 役員・その他 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!
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