2024年07月26日

司法書士は企業法務に転職できる?業務範囲や難易度、求人例など

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近年、法的リスクへの対応やコンプライアンス強化の流れに伴い、法律知識に長けた司法書士を法務担当に起用する企業が増えつつあります
とはいえ、司法書士として一般企業の法務に転職できるのかどうか気になっている人も少なくないでしょう。
本文では、企業の法務に関わる司法書士の業務範囲や転職への難易度などを、求人例も含めて取り上げていきます。

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企業法務とは?役割と業務内容

企業法務とは、企業に関する法律事務全般を表し、事業活動に伴う法的トラブルの予防、対処、支援を含めた総称です。
役割としては、予防法務、臨床法務、戦略法務の3つに分類されます。
多くの企業では、法務部門がその役割を担います。

予防法務は、法的トラブルが発生する前にそれを防ぐための取り組みです。
業務例として、契約書のレビュー・作成、コンプライアンスの強化、社内規定の整備などがあります。
法務部門は、事業活動における法律問題を未然に防ぎ、潜在的な紛争や損失を避けなければなりません。
法律知識を啓蒙するための社内研修を行ったり、定期的に法務チェックを実施したりすることも予防法務の一環です。

一方、臨床法務は、実際に法的トラブルが発生した際にそれを解決に導くための対処活動です。
例えば、クレーム処理や債権回収業務、訴訟対応など、直接的なトラブルシューティングを含みます。
対処としては、訴訟になった際に企業の利益を守るための戦略立案や、和解交渉などを行います。
臨床法務は、勝訴や和解といった形で成果が明確に見えることが特徴です。

戦略法務は、企業の経営戦略を法的観点から支援する業務です。
新規事業の立ち上げやM&Aのサポート、知的財産の戦略的活用などがその代表例です。
新規市場への進出に伴う法的リスクを分析し、それに対応する手段を考案することが戦略法務に該当します。
また、知的財産権の活用によって企業の競争力を高める取り組みも戦略法務の役割です。
法務部門が企業の経営陣と連携し、戦略的な支援を行うことで経営判断に重要な影響を与えます。

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司法書士が担える企業法務の業務範囲は?

企業法務における司法書士の業務範囲は幅広く、予防法務、臨床法務、戦略法務では重要な役割で関わります。

予防法務では、法的トラブルを事前に防止するための措置が取られます。
中小企業などでは法務部門が不在な場合が多く、契約書の作成や法的リスクの評価を外部委託することが一般的です。
この際、司法書士が契約書のリーガルチェックや法的アドバイスを提供し、企業が適切な契約を締結することで法的リスクを最小限に抑えます。
また、コンプライアンス管理や法令遵守の啓蒙活動も重要な業務の一環です。

臨床法務では、企業が法的トラブルに直面した際に、司法書士が介入します。
一般的には弁護士の役割ですが、140万円以下の訴額事案については認定を受けた司法書士が代理人として訴訟に対応することも可能です。
訴訟手続きを進めるほか、法的文書の作成や法廷での立場弁護など、トラブル解決に向けたさまざまな活動を行います。
また、債権回収(債権の確定、債務者への督促・催告など)も司法書士が関わる重要な業務です。

戦略法務では、経営戦略に関連する法的問題を支援します。
M&Aや事業承継などの重要な経営決定において、司法書士は登記や法的文書の整備、株主総会対策などに関わり、企業の戦略的な意思決定をサポートします。
特に事業承継においては、成年後見や遺言などの問題に対応し、法務局との折衝を通じて企業経営者をバックアップします。
また、不動産登記や商業登記の手続きも司法書士の得意とする分野です。

こうした業務を担う司法書士は、身近な法務アドバイザーとして、企業の安定的な成長と法的リスクの最小化に貢献します。

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司法書士が企業法務に転職するのは難しい?

ここでは、司法書士が企業法務に転職する際の難易度について整理してみましょう。

まず、司法書士の専門性と企業法務の要求が必ずしも一致しないケースが見られます。
司法書士の業務は法律の実務に特化しており、裁判所での訴訟代理や登記業務などが主な活動です。
一方、企業法務は法的な知識だけでなく、ビジネスや経済の理解も必要とされます。
一般企業への転職が初めての司法書士であれば、なおさらビジネスに関する知識や経験の不足が転職へのハードルとなるでしょう。

また、企業法務の転職市場では、弁護士や法務部門の経験者と競合することが実情です。
内定を獲得するためには、弁護士資格や法務の実務経験を持つ人材との競争に勝る必要があります。
司法書士が企業法務に適した資格とはいえ、市場における立ち位置が難しく、転職を見通すのは容易ではありません

ただし、このような状況でも司法書士が企業法務に転職するチャンスは存在します。
特に、中小企業やスタートアップ企業など、法務部門が未整備である場合や、外部コストを抑えながら法務業務を遂行したい企業では、司法書士の専門知識が求められやすいです。
前述のとおり、登記業務や契約書の作成など、司法書士が得意とする業務は企業法務においても重要な役割を担います。

つまり、司法書士が企業法務に転職するのは難しいと言える一方で、企業側のニーズに合ったポジションや環境を見つければ、そこで活躍できる可能性もあります
そのためには、自己の専門性や強みを明確にし、転職活動を粘り強く続けることが肝要です。

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司法書士の転職先の選び方

司法書士や司法書士事務所勤務経験者が転職する際には、当然法律の知識を要求されるケースが多いため、法務部門のある企業を選ぶことをおすすめします。
また、自分が過去にどのような業務に携わってきたのかを考慮して、業種を選ぶ必要がありそうです。

一つの目線としては、過去に対応したクライアントの業種で、自分が業務内容を想像しやすい業種の企業を選ぶのがよいでしょう。
複数の同業他社の事情を把握していれば、仕事の流れが見えやすいという利点もあります。

ちなみに、新しく法務部を立ち上げるという企業でのスタッフ募集については、過去に法務として働いた経験がなく、司法書士事務所での業務しか経験したことがない場合、必ずしも貢献できるとは限りません。
その理由は「一般企業の法務を知らない」からです。

新しい法務スタッフとして法務部全体の構築を任されることと、司法書士として働いてきた経験とでは、求められるスキルは異なります。
司法書士事務所で勤務した際に、パーツとしての業務しか行っていない方であれば、人を束ねるスキルや経験を別にアピールしなければなりません。
同じ法律に携わる職種ではあっても、働く環境が違うことを考慮して、転職活動を進めましょう。

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司法書士を対象とした企業法務の求人例

司法書士を対象とした企業法務の求人例「弊社MS-Japanは、法務をはじめとする管理部門と士業に特化した転職エージェント「MS Agent」を提供しています。
以下にここでは、司法書士を対象とした企業法務の求人例をご紹介します。

金融業界大手サービサーより司法書士募集

仕事内容
・コンプライアンス管理
・契約書のリーガルチェック
・金融機関等から譲り受けた債権への請求訴訟や付随する保全手続き
・債権管理回収に関する相談および事務手続き
・不動産登記、商業登記等の司法書士業務 など
必要な経験・能力
<必須>
・司法書士資格をお持ちの方
想定年収
603万円 ~ 840万円

東証プライム上場企業より法務リーダー候補募集

仕事内容
・契約法務
・個人情報関連業務
・新規事業や新サービス開発に伴うリーガルチェック
・M&Aやアライアンス関連業務
・社内規程管理を含む内部統制業務 など
必要な経験・能力
<必須>
・法務実務経験3年以上 (法律事務所経験でも可)
<歓迎>
・法律事務所での就業経験(アルバイト含む)をお持ちの法科大学院卒者
・司法試験合格に向けて勉強されていた方
・弁護士、司法書士、行政書士の資格保有者
想定年収
500万円 ~ 920万円

急成長中のベンチャー企業より法務総務募集

仕事内容
・債権回収業務(担当業務 動産4:不動産6)
・訴訟対応、外部法律事務所との取り次ぎや調整
・会社設立に関わる書類作成や定款認証、申請手続き
・コンプライアンス関連業務
・不動産の登記申請手続き、法務局との折衝等
必要な経験・能力
<必須>下記いずれか
・司法書士
・社会保険労務士
想定年収
421万円 ~ 800万円

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サイト上で公開されている求人はごく一部です。そのほかの求人情報は会員登録することでご確認いただけます。

司法書士の転職は「MS Agent」にご相談ください

司法書士が企業法務に転職する際、求人数の少なさや採用企業のニーズに合わせる難しさがあります。
事前の情報収集に力を入れる必要があるものの、自力での転職活動だけでは限界を感じることもあるでしょう。
こうした課題に対処する手段として、法務を含む管理部門と士業に特化した転職エージェント「MS Agent」の利用をおすすめします。

MS Agentでは、豊富な転職支援経験を持つキャリアアドバイザーが、個別の相談に応じて最適な転職先をご提案しています。
特に、法務への転職におけるノウハウや業界の動向に精通していることが強みです。
数々の実績に裏付けられたサポートを受けることで、自身に合った業界や必要なスキルを把握し、転職成功へのチャンスを高めることができるでしょう。

MS Agentを利用する最大のメリットは、企業の法務に特化した「非公開求人」を取り扱っていることです。
非公開求人は、一般の求人サイトに掲載されず、転職エージェント経由でしか接触できないため、自身の希望条件にマッチした求人を見つけやすいことが利点です。
応募者が殺到し、採用活動が困難になるのを避けるために、非公開求人を選択する企業は少なくありません。
自身の専門性を活かすことができる企業法務の求人は、MS Agentがご提供する非公開の中でその間口が広がっています。

実際に企業法務への転職をお考えの司法書士の方は、転職活動を効率良くスムーズに進めるためにも、MS Agentにぜひご相談ください
新たなキャリアへ向かう道筋を、キャリアアドバイザーが全面的にサポートいたします。

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まとめ

司法書士は、法律の専門知識を活かして企業のさまざまな法務業務に関わることのできる存在です。
一方で、司法書士が企業法務に転職するには、限られた求人数や企業ニーズ、経験者との競合などの課題があることも事実です。
しかし、逆にそれらを一つひとつクリアにしていくことで、転職への扉が開けてきます。
その後押しとなる手段が、非公開求人を扱う転職エージェントの利用です。
転職支援実績が豊富なMS Agentのサポートを通じて、司法書士としてのキャリアの可能性を広げてみてはいかがでしょうか。

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この記事を監修したキャリアアドバイザー

高根沢 美帆

大学卒業後、新卒でITベンダーに入社し、営業としてエネルギー業界のお客様を担当。その後、損害保険会社で法務業務に従事。
キャリアアドバイザーとしてMS-Japanに入社後は、法務、弁護士、法科大学院修了生などリーガル領域を中心に担当。

人事・総務 ・ 法務 ・ 法律・特許事務所 ・ 役員・その他 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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