2024年06月10日

社労士の仕事内容をわかりやすくご紹介!年収や勤務先、向いている人など

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企業と従業員間のトラブルが社会問題となる中、労務の観点から企業をサポートする社会保険労務士(社労士)の仕事に注目が集まっています。
社労士業界においては、従来から独占業務となっていた書類作成・提出手続代行といった業務のほか、コンサルティング業務に対するクライアントからの期待が次第に大きくなってきています。

そのような状況の中、社労士としてどのようにキャリアを積み重ねていくためには、まずは詳しい情報を収集することが大切です。
この記事では、社労士の仕事内容について、年収・勤務先・向いている人の特徴などに触れつつ解説します。

社労士の主な仕事内容は3つ

社労士は、人材(従業員)に関する専門家であり、主に次のような点から企業活動をサポートする役割を担います。

  • ・事業の健全な形での発達
  • ・従業員等の福祉向上
  • ・労働・社会保険に関する各種法令のスムーズな実施 など

具体的な仕事内容は、主に以下の3つに分類されます。

1号業務(独占業務)

社労士の1号業務には、行政機関等への申請書類作成・出来上がった書類の提出などの業務が該当します。
例えば、企業の労務担当者が行う以下の業務は、社労士による代行が可能です。

  • ・労働保険・社会保険手続き
    (新規加入や脱退手続き)
  • ・各種助成金の申請手続き
  • ・健康保険の給付申請に関する手続き
    (出産手当金・傷病手当金) など

2号業務(独占業務)

2号業務には、労働社会保険諸法令に基づく帳簿書類等の作成業務が該当します。
具体的には、以下のような書類作成に携わります。

  • ・就業規則
  • ・賃金規定
  • ・従業員名簿 など

3号業務

3号業務は、人材(従業員)に関する相談・指導に携わるコンサルティング業務が該当します。

  • ・労務管理
  • ・労働に関すること
  • ・社会保険に関すること など

労働や社会保険に関する法律は多岐にわたるため、経営者や労務担当者で対応しにくいイレギュラーケースが発生する場合があります。
また、2022年4月からパワーハラスメント防止措置が全企業に義務化されたこともあって、懲戒処分の運用などを考える必要に迫られている企業も少なくありません。

企業と従業員を取り巻く環境の変化とともに、社労士の3号業務の需要は日々高まっている状況です。
3号業務は社労士の独占業務ではないですが、今後よりニーズが高まる業務だといえるでしょう。

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社労士の勤務先・働き方

社労士は、企業経営に不可欠な人材に関連する業務を担うため、やりがいが大きい職種だと言えるでしょう。
ここでは社労士の仕事のやりがいや社労士として働くメリットについて解説します。

従業員の手助けができる

他の士業と比較すると、社労士は「従業員側の立場に立つ士業」です。
健全な企業経営には、従業員が生き生きと働ける環境が重要であり、環境整備において社労士は重要な役割を担います。

例えば、従業員に対して各種保険の必要性やメリットを説明したり、不当解雇に関する相談に具体的な対応方法を教えたりなど、労働環境の改善につなげることが可能です。

企業経営に関わる課題解決に貢献できる

社労士は、従業員側だけでなく、経営者側の立場に立ってアドバイスをすることもあります。
経営者の独断を放置して企業が機能不全に陥らないよう、適切な企業経営に向けたアドバイスが求められます。

特に、経営者に雇用・労働に関する正しい知識を伝えることは、過酷・不当な労働のリスク削減につながります。
労働問題が表沙汰になれば、企業のイメージダウンは避けられないため、それを未然に防ぐ社労士の役割は重要です。

高収入を狙える

社労士として働くメリットとしては、高収入を狙いやすい点があげられます。
独立開業し、法人と顧問契約を結ぶことができれば、収益の拡大も見込めるでしょう。
また、一般的な会社員よりもビジネスの幅を広くとることができるため、努力次第では平均年収を大きく超える高収入を狙うことも可能です。
独立開業に不安がある場合でも、副業でビジネスをスタートすることにより、リスクを低く抑えられるでしょう。

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社労士の年収

社労士の年収は、勤め先や年代によって異なるため、転職を検討する前に相場を知っておくと安心です。
ここでは、弊社MS-Japanが運営する士業・管理部門特化型転職エージェント「MS Agent」の独自データをもとに、社労士の年収について解説します。

勤務先別:社労士の年収

社労士の年収は、勤務先によって次のような差があります。

勤務先 年収
一般企業 500~700万円
社労士事務所 500~700万円
開業 100~1,000万円

一般企業においては、社労士資格だけで大幅に収入が上がるケースは少なく、社内で評価を積み重ねることが年収アップにつながります。
社労士事務所でも、基本的には上の階級を目指すことが収入アップにつながり、高収入を得るためには役員レベルの「パートナー」を狙うのが一般的なキャリアパスとなるでしょう。

開業に関しては、顧客の数や質・社労士本人の力量に大きく左右されるため、年収額にも幅が生じています。
スポット契約ではなく顧問契約を締結し、継続して業務を受注することが、年収アップの鍵になるでしょう。

年代別:社労士の年収

2023年月~2024年3月に「MS Agent」経由で転職を決定した社労士の転職決定年収の平均値・中央値をご紹介します。

年代 年収(平均値) 年収(中央値)
20代 401万円 400万円
30代 450万円 423万円
40代 514万円 502万円
50代 606万円 572万円
60代以上 552万円 552万円

※当データは2023年4月~2024年3月の1年間で、MS-Japanの転職エージェントサービスMS Agentを利用して転職された方のオファー年収に基づいて算出しております。
※オファー年収は月額給与及び定期的に支給される賞与の合計額であり、別途支給される時間外手当や決算賞与等の変動要素がある金額に関しては含まれておりません。

本記事における転職決定年収とは、入社時に提示される金額(転職直後の年収)です。
上記の表を見ると、40代・50代の年収が比較的高めとなっています。
このことから、社労士は「実務経験・実績を重ねるにつれて収入が増える」職種の一つといえるでしょう。

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社労士に向いている人

社労士に向いている人社労士は、経営者・従業員双方の視点から問題をとらえる必要があり、丁寧に作業をすることも求められます。
これらの点を踏まえ、社労士に向いている人の特徴をご紹介します。

細かい作業が得意な人

コンサルティングのニーズが高まっているとはいえ、社労士の本分はやはり各種手続きや書類作成の代行です。
正確かつ丁寧に仕事をこなせる、細かい作業が得意な人の方が、顧客からの信頼を勝ち取る上で有利だと言えるでしょう。

労働課題に関心がある人

社労士には、従業員側の権利について正しく理解した上で実務を進めていくことが求められます。
そのため、普段から労働課題に関心がある人は、従業員側のニーズをつかみ、それを経営者に反映させやすいでしょう。

コミュニケーション能力が高い人

経営者と従業員は、時に立場が対立してしまうこともあるため、社労士は良き仲介者として相談を受け、労働問題等の課題解決に向けて動く必要があります。
双方の立場に理解を示しつつ、円満解決に向けた提案ができる人は、社労士の仕事に対する適性があると言えるでしょう。

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社労士になるには

社労士として働くためには、国家試験合格後に所定の要件を満たしてから登録する必要があります。
以下、具体的なスケジュールや試験の概要等をご紹介します。

社労士になるまでの流れ

社労士資格を取得するためには、まず社会保険労務士試験に合格し、次のいずれかの要件を満たす必要があります。

  • ・2年以上の実務経験(試験の前後は問わず)
  • ・事務指定講習修了(実務経験がない場合)

上記要件を満たしたら、全国社会保険労務士会連合会に社労士名簿への登録を申請します。

社労士試験の概要

社労士試験の試験科目は、健康保険法・厚生年金保険法など計8科目で、出題形式は、選択式(8問40点)・択一式(70問70点)で配点が分かれています。
合格基準点は、選択式試験・択一式試験それぞれの総得点・科目ごとに定められ、合格発表日に公表されます。

どれか一つの成績が良くても、総得点または科目の成績が合格基準点に満たない場合、不合格となる厳しい試験です。
なお、受験料は15,000円で、払込みにかかる手数料は受験申込者負担となります。

社労士試験の直近5年における合格率

社労士試験の合格率はその年によって異なり、直近5年における合格率は以下の通りです。

年度 申込者数 受験者数 合格者数 合格率
令和
5年度
53,292名 42,741名 2,720名 6.4%
令和
4年度
52,251名 40,633名 2,134名 5.3%
令和
3年度
50,433名 37,306名 2,937名 7.9%
令和
2年度
49,250名 34,845名 2,237名 6.4%
令和元年 49,570名 38,428名 2,525名 6.6%

5年間の推移を見る限り、概ね合格率は5~7%台となっています。
100人が受験して5~7人しか合格しない計算となるため、合格を勝ち取るためには、十分に勉強した上で試験に臨む必要があるでしょう。

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まとめ

社労士には、各種手続きや帳簿書類等の作成などの独占業務がありますが、近年ではコンサルティング業務のニーズが高まっています。
企業と従業員双方の観点から課題を見据え、適切な対応・アドバイスができる社労士には、多くの仕事が舞い込むでしょう。

社労士の勤務先は、一般企業・社労士事務所など様々で、やりがいや収入を求めるのであれば、独立という選択肢もあります。
合格率は6%程度の狭き門ですが、合格後の展望は明るく、チャレンジする価値のある試験の一つです。

この記事を監修したキャリアアドバイザー

柴 優太朗

大学卒業後、現職(MS-Japan)へ入社。
入社後は、RA(リクルーティングアドバイザー)として100社以上を担当し、業界問わずスタッフクラス~管理職クラスまで幅広い中途採用支援に従事。
異動の機会をいただき、2021年4月からCA(キャリアアドバイザー)として、管理部門及び士業領域幅広い方の転職支援に従事しています。

経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 法務 ・ 経営企画・内部監査 ・ 役員・その他 ・ 社会保険労務士事務所 ・ 公認会計士 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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