在宅勤務ができる会計事務所が増加中!転職前に抑えるべきポイントや求人例など
近年、働き方改革やコロナ禍の影響により、会計事務所などの税理士業界でも在宅勤務(リモートワーク)への注目が高まりました。
これまでの常識では、「事務所に行かないと仕事にならない」と思われていました。しかし、コロナ禍に在宅勤務を導入した事務所の多くでは、仕事の生産性・効率性が特別落ち込むことはなかったようです。
その結果、コロナ禍が落ち着いた後も、引き続き在宅勤務制度を続けている事務所が多数あります。
そこで今回は、在宅勤務ができる会計事務所に転職する際のポイントや求人例についてご紹介します。
在宅勤務ができる会計事務所は増えている?
大手税理士法人やIT分野に強い会計事務所では、出産や育児のため出勤が難しい職員に対して、コロナ禍以前から在宅勤務体制が整えられつつありましたが、職員数が少ない中小会計事務所では、出勤型の働き方が原則とされていました。
しかし、コロナ禍の緊急事態宣言によって、強制的に在宅勤務をせざるを得ない事態が到来したことで、状況は大きく変わります。中小会計事務所でも、勤務制度の見直しやITツールの導入が進み、在宅勤務が急速に普及していったのです。
一旦在宅勤務体制を整えて運用したことで、その働き方がスタンダードとして認識されるようにもなります。結果としてコロナ禍が終わった現在も、規模を問わず多くの会計事務所で継続されています。
ただし、在宅勤務を導入している事務所であっても、入所直後すぐに在宅勤務が可能になるケースはまだ少ないと言えます。入所後しばらくは出勤が必要で、ある程度仕事を覚えて在宅勤務でも問題ないとの信頼を得られれば在宅勤務が可能になるケースが多いようです。
在宅勤務できる税理士求人の割合
弊社MS-Japanは、管理部門・士業特化型転職エージェント「MS Agent」を提供しています。
ここでは、「MS Agent」の最新求人データをもとに、税理士の在宅勤務状況を見ていきましょう。
上記グラフの通り、2023年に「MS Agent」で掲載された税理士求人の内、在宅勤務可の求人の割合は48.5%でした。
フルリモートや週1~4回など、頻度は様々ですが、半数近い求人が在宅勤務できる条件であることが分かります。
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会計事務所で在宅勤務をするメリット
会計事務所で在宅勤務をすることには、以下のようなメリットがあります。
時間を効率よく使える
在宅勤務により出勤のための移動が必要なくなるため、出勤にかけていた時間を自己啓発などの時間に充てることが可能です。
また、勤務中も、会議のために会議室などに移動する必要もありません。クライアントもWeb会議が可能であれば、打ち合わせのために移動時間も削減できるため、空いた時間で別の仕事に取り組むことも可能です。
育児・介護中の人は両立しやすい
育児や介護などプライベートで多くの時間が必要な人も、在宅勤務であれば仕事との両立がしやすいでしょう。
育児や介護によって時間に制約があり、出勤ができないことで、離職・退職するケースも少なくありません。在宅勤務できれば、保育園の送迎時間などに間に合う生活リズムを実現できます。
現在は育児・介護に追われているものの、将来的には引き続きキャリアアップを図りたい人にとっては、在宅勤務は望ましい働き方です。在宅勤務をしたからといって、キャリアに傷がつくことはありません。
一方、育児・介護を理由に離職してしまうと、それがブランクとなって再就職が難しくなり、もともと望んでいたキャリアの達成が難しくなることも考えられます。キャリアを守るという点でも在宅勤務によるメリットは大きいです。
長期的に働きやすい
出産や育児、介護といったライフイベントが生じても、在宅勤務であれば家でのプライベートを大切にしながら勤務を続けられるので、退職の必要がありません。そのため結果として、長期的に働きやすくなります。
会計事務所で在宅勤務をするデメリット
メリットに注目されやすい在宅勤務ですが、会計事務所で在宅勤務をする場合、以下のようなデメリットがあります。
オンとオフの区別かつきにくい
在宅勤務だと、仕事の始まりと終わりがルーズになり、オンとオフの区別がつきにくくなるケースがあります。
フルリモート・フレックスタイム制度で勤務すると、育児や介護など家のことに取り組める反面、プライベートなことに引きずられて仕事が夜までずれこみ、結果的に労働時間が長くなってしまうということもあります。
また、クライアント対応するポジションの場合、仕事をどこで区切るかの線引きが難しく、昼夜問わずメールやチャットへの対応をする状況に陥ることもあるでしょう。出勤スタイルであれば、帰宅して家で自由に過ごしている時間帯であっても、在宅勤務だとまだ仕事を続けてしまう人も多いようです。
家庭環境によっては仕事に集中できないことも
プライベートと仕事を両立するために在宅勤務を選ぶ場合、プライベートの側が忙しくなりすぎ、仕事に集中できなくなる可能性もあります。
とくに負担が大きい育児や介護だと、ケアを必要とする相手が目の前にいるため、状況によっては仕事とプライベートの両立が難しいでしょう。
また、夫婦仲があまりよくない家庭で、パートナーも在宅勤務や主婦・主夫として一日中家にいる場合、喧嘩が増えて仕事に身が入らない事態になることもあるようです。
現場を見て学習したい人は不向きな可能性あり
在宅勤務はパソコンの画面を通して上司や同僚と会話をするため、仕事・作業の現場を直接見たり、触れたりすることはできません。
とくに新しい部署に配属されたり、不慣れな仕事を任されたりした場合、上司や同僚の仕事を直接見て作業を覚えたいという人もいるでしょう。そのような場合、在宅勤務は適した働き方とは言えなくなります。
在宅勤務が可能な会計事務所へ転職するときのポイント
在宅勤務可の会計事務所に転職する際、抑えておくべきポイントとして以下の点を挙げられます。
自身の希望・状況に合うか条件をよく確認する
「在宅勤務」と一口に言っても、実際の働き方のパターンは多様です。
フルリモートで一切出勤しなくてもいい場合、週に1回の出勤が必要な場合、週に2~3回の出勤が必要な場合、さらには繁忙期のみ出勤し、それ以外は在宅勤務のケースも考えられます。
様々なパターンがあるので、在宅勤務ができる転職先を探す場合は、自分の希望や状況に合った働き方ができるかどうかを事前に確認しましょう。
求人情報に「在宅勤務可」と書いてあっても、実際にはどのような働き方なのかを面接の場などで確認する必要があります。
実際に在宅勤務をしている人の話を聞く
在宅勤務にはメリットがある一方で、デメリットもあります。メリットとデメリットとを天秤にかけて、自身の状況にとってメリットの方が大きいと判断できる場合は、在宅勤務制度のある事務所を探しましょう。
しかし、在宅勤務未経験者の場合、事前に判断するのは難しい面もあります。
在宅勤務未経験者は、実際に在宅勤務をしている人の話を聞くのが有効です。業界や業種が異なっても、在宅勤務のメリット・デメリットには共通点があり、参考できるでしょう。
転職したいと思ったら早めに活動をする
管理部門と士業の専門サイト「Manegy」で、就職・転職を希望している利用者を対象にアンケートを実施したところ、在宅勤務希望者は全体の約8割でした。
一方、弊社の求人データからみると、在宅勤務が可能な会計事務所求人は約37.5%にとどまっています。つまり、在宅勤務が可能な求人は、極めて競争率が高いと言えるでしょう。
そのため、在宅勤務ができる会計事務所への転職を考えている場合は、早めに活動を始めるのが得策です。ゆっくりと構えていると、すぐに別の人に採用が決まってしまいます。
素早く動くためには、転職エージェントを活用するのが有効です。
転職エージェントでは、転職市場に詳しいキャリアアドバイザーとのカウンセリングや、非公開求人の紹介、応募書類の添削、面接対策、面接日程調整代行など様々な転職サポートを受け、効率的に転職活動を進めることができます。
また募集側の事務所にもヒアリングを行っているため、在宅勤務の状況も含めたよりリアルな情報収集が可能です。
在宅勤務が可能な会計事務所の求人例
ここでは、「MS Agent」で取り扱っている在宅勤務可能な会計事務所求人の一部をご紹介します。ご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。
有資格者割高の会計事務所より税務スタッフ募集※ワークライフバランス◎
働き方! |
・フレックス有(コアタイム 10: 00 ~ 15: 00) ・時短勤務・リモートワーク可 |
想定年収 |
350万円 ~ 600万円 |
仕事内容 |
・税務会計業務 ・税務申告書作成、相談、税務対策の立案 など (相続案件も年3~5件は発生しております) |
必要な経験・能力 |
<必須> ・社会人経験者がある方(3年以上) ・税理士勉強中の方(受験経験がある方) <歓迎> ・会計事務所でのご経験がある方 ・税理士または科目合格者の方 |
駅から徒歩5分の好立地の会計事務所から税理士・公認会計士募集
働き方! |
・フルリモートワーク相談可能 ・2024年以降は変形労働時間制に変更予定 |
想定年収 |
1,000万円 ~ |
仕事内容 |
・月次税務、決算・申告書、確定申告のチェック ・決算前検討会 ・税務相談やアドバイス ・税務調査の立ち合い |
必要な経験・能力 |
・税理士資格取得者または公認会計士 ・決算・申告業務のご経験が5~8年以上ある方 |
港区の年収高水準な会計事務所から税務スタッフ(マネージャー候補)募集
働き方! |
・リモート可 ・時差出勤可 |
想定年収 |
450万円 ~ 800万円 |
仕事内容 |
・税務・経営相談 ・法人税、所得税、消費税、相続税等の税務申告、各種手続き ・生前相続対策 ・事業承継対策 ・税務調査立会 |
必要な経験・能力 |
<必須> ・会計事務所経験 <歓迎> ・税理士科目合格者 ・税理士有資格者 |
まとめ
会計事務所の仕事はデスクワークがメインであり、税務の申請関連の業務やコンサルティング業務などは、すべてオンラインで行うことが可能です。
在宅勤務との親和性は高いため、今後ますます在宅勤務を導入する会計事務所が増えていくと予想されます。
ただし、在宅勤務にはメリットだけでなくデメリットがあるのも事実です。
転職活動を始める際は、自分の希望する働き方とプライベートの状況を十分に考慮し、最適な選択肢を選ぶようにしましょう。
この記事を監修したキャリアアドバイザー
大学卒業後、化粧品会社へ入社し美容部員として店舗販売業務に従事。
その後キャリアアドバイザーとしてMS-Japanに入社し、
主に経理財務や会計事務所などの会計転職希望の方を中心に担当。
経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 経営企画・内部監査 ・ 会計事務所・監査法人 ・ 税理士科目合格 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!
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