2024年06月14日

税理士が大企業で働くには?会計事務所から転職可能?平均年収や役割など

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税理士が大企業で働くためには、求められる役割を理解して準備することが大切です。
こちらの記事では、大企業での税理士の役割や、転職した場合の年収の注意ポイントなどについて解説します。また、会計事務所から上場企業へ転職した事例もご紹介しています。

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大企業が税理士を雇用する理由

大企業が税理士を雇用する理由は「複雑化した経理・財務作業を、正確かつ効率的に処理するため」です。

売上や従業員数の多い大企業では、経理や財務作業が複雑になる傾向があります。近年では支払い方法や売上の入金方法が多様化していることも、決済処理の複雑化に拍車をかけているのです。また、事業規模が大きくなると、決済処理が複雑化する一方で正確さや迅速さが求められるケースも増えます。
外部の税理士では対応が難しく、経理や会計だけでなく、自社のシステムや内情にも精通した専任税理士を雇用するケースがみられます。

また、大手企業の中にはグローバル化を推進している法人も少なくありません。そのような企業では、国際税務に関する知見が深い税理士が重宝されることもあるようです。

近年では、安価で質の高い会計ソフトや低価格で勝負する会計事務所なども普及しています。その結果、一般的な経理・財務業務ができるというだけでは、大企業への転職は難しくなっています。自分の強みややりたいことと、企業が求めていることがマッチしているかどうかを見極めることが、転職活動において非常に重要でしょう。

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大企業での税理士の役割

大企業での税理士の役割は、一般的には経理業務が多いです。とくに財務会計が重視されます。
大企業であれば、特定の分野を専門的に担当する可能性が高いでしょう。税務部門がある場合は、税務リスクの抽出などを担当することもあります。
税理士資格の有無よりも、業務を遂行していく能力が評価を分けます。資格を持っていることだけに慢心せず、求められている仕事以上の成果を出していくことが大切です。

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大企業に所属する税理士の年収は?

MS Agentは、管理部門・士業に特化した転職エージェントです。30年以上の実績とノウハウ、専門性の高いキャリアアドバイザーのサポートによって、多くの税理士の転職を支援してきました。
この章では、MS Agentの調査によって判明したインハウス税理士のデータを基に、大企業に所属する税理士の年収について解説します。

税理士の転職理由の11.7%が「年収アップ」です。専門性が高く、スキルや実績次第では高年収も見込める税理士ですが、実際に企業からはどのようなオファーがあるのでしょうか?

MS Agentの調査では、会計事務所の平均オファー年収が560万円、インハウスの平均オファー年収が652万円と、インハウスの方がおよそ100万円も高い結果となりました。

インハウス求人と一口に言っても、企業の事業規模はさまざまです。平均年収を算出したデータの中には中小企業の求人も含まれるため、「大企業に所属する税理士の年収は、652万円以上であることが多い」と言えるのではないでしょうか。

しかし、会計事務所で経験を積んだ税理士がインハウスに転職するというステップを踏む方が多いため、必然的にインハウスの方が年収は高くなるという見方もできます。スキルの高い税理士であれば会計事務所に所属していても大企業並みの年収を得られることもあります。反対に、自分のスキルが足りなければ、大企業に転職しても大きな年収アップにつながらないケースもあるでしょう。

また、オファー年収はあくまでも1年目の見込み年収であり、スキルアップや役職などに伴い、昇給が見込めます。そのため、20代から40代までは、年齢を重ねるにつれて、年収も上がる傾向にあります。

一方で50代を過ぎると「フルタイムの正社員としてさらなる高年収を求める方」と、「時短勤務などを選択して収入と自由時間のバランスを取ることを目指す方」に分かれるため、収入は個人によって大きく変動するようです。

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税理士資格は大企業で評価されるのか?

大企業に転職後、出世・昇進を目指す場合は、税理士資格が評価に直結するとは言い難いでしょう。資格や仕事の実績はもちろん重要ですが、管理職や役員レベルになると、それらに加えて人物面や職場内での協調性などが問われます
大企業の場合、会計のスペシャリストとして腕を磨くよりも、長く付き合える人柄やコミュニケーション能力が重要になることが多いかもしれません。最初のうちは、専門家としてのプライドをいったん脇に置いて、日常の経理業務から始めていこうといったような謙虚さが大切です。

大企業に転職すると、有価証券の開示資料の作成など会計事務所では経験しない業務もあります。 今まで未経験だった分野にチャレンジでき、会計人として自分のフィールドを広げることができます。会計事務所で働いていた税理士が大企業へ転職することは、業務の幅を広げるといった点でもメリットが大きいです。

一口に大企業と言ってもさまざまな会社があります。プライム市場・スタンダード市場に上場している上場企業だけでなく、グロース市場では、起業数年から10年ほどで急成長した、時代の先端を行くスタートアップ・ベンチャー企業が株式を公開しています。
いずれも上場企業ですが、グロース市場に上場している企業は、専門的な知識を持つ社員が少なく、組織が未整備な場合もあるので、税理士のニーズが大手企業より高いケースもあります。 プライム市場やスタンダード市場に上場しているほどの大企業で、税理士資格が面接官の目に留まり、それが決め手となって採用になる可能性はそう高くありません。外部にいる税理士の方が、客観的な立場から自社を分析してくれるので、社内にいる大勢の役員や管理職を説得しやすいという考え方をもっていることも多いためです。

決して税理士資格者のニーズがないわけではありませんし、優秀な経理人材を求める企業は多くあります。しかし、もし採用になったとしても、それは税理士の資格が決め手になったわけではないでしょう。人柄やコミュニケーションスキルなど、総合的に評価された結果と考えられます。

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大企業で税理士に求められるスキルとは

大企業が税理士に求める主なものとして「経理や財務に関する専門的な知識やスキル」「リーダーシップ」「マネジメント能力」「経験と実績」が挙げられます。
それぞれ、詳しく見ていきます。

経理や財務に関する専門的な知識・スキル

一般的な経理や財務処理だけを求めるのなら、企業は雇用ではなく業務委託という形で税理士に仕事を依頼するケースもあります。わざわざ自社で税理士を雇用する大きな理由の1つが、「専門性の高さ」です。

たとえば、世界展開を進めている企業では、国際税務やそれに関する法律に詳しい税理士を求めるでしょう。他にも、CFOに近いポジションでの採用となれば、経営やマーケティングに関する知識やスキルが必要になります。

リーダーシップ

大企業が税理士を自社で雇う場合、「自社で税理士を採用して、経理や財務、税務における体制を強化する」という目的があることがほとんどです。そのため、組織をまとめたり、他の部署と連携して事業を進めたりできる、リーダーシップのある税理士は活躍の幅が広がります。

マネジメント能力

大企業の税理士には「組織を円滑に運営する」「人材を育てる」「他部署と連携する」など、マネジメント能力を要する業務も求められます。自身の活躍やスキルアップだけでなく、組織の利益の最大化に貢献できる税理士を必要としている大企業は多いのです。

経験と実績

会計事務所と異なり、税理士を雇っている多くの大企業では、税理士を育成する環境やノウハウが乏しいのが現状です。そのため「経験や実績が豊富で即戦力となる税理士」を求める傾向にあります。
大企業税理士への転職を検討している方は、「これまでどのような仕事をしてきたのか」そして、「これまでの経験によって、企業にどれほどの利益をもたらすことができるのか」を整理するとよいでしょう。

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上場を目指すIPO準備中企業も選択肢の1つ

上場を目指すIPO準備中企業も選択肢の1つ税理士資格を発揮できる場として、IPO準備中企業も選択肢の1つとなるでしょう。
上場準備中の企業では上場基準に耐えうる決算体制を構築する必要があり、会計事務所でクライアントの決算や決算体制構築を支援していた税理士であれば、これまでの経験を活かして社内フロー整備において活躍できるでしょう。

また、株式市場への上場を目指すIPO(新規株式公開)準備のプロセスでは、監査法人による監査も必要です。高い経理・財務の専門知識を有する税理士であれば、監査法人の公認会計士ともスムーズにコミュニケーションをとることができ、外部とのコミュニケーションにおいても活躍できるでしょう。

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会計事務所から大企業への転職成功事例

ワークバランスを重視して転職を決意

Mさん

Mさん(30歳・女性)資格:税理士(簿記論 財務諸表論 法人税 消費税 固定資産税)

業種
企業規模:Big4税理士法人
年収:700万円

矢印 矢印

業種
企業規模:上場企業
年収:600万円

30代女性のMさんは、Big4税理士法人から上場企業へ転職しました。結婚を機にキャリア志向よりワークバランスを重視するようになり転職を決意。「ワークライフバランスを保ちつつも、長期就業が望める環境」を探し、第一志望の上場企業に転職を成功させました。採用に際しては、税理士資格があることだけではなく、これまでの経験や人柄などが評価ポイントとなりました。

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②キャリアアップのための転職

Cさん

Cさん(32歳・男性)資格:税理士(簿記論 財務諸表論 法人税 他免除)、USCPA

業種
企業規模:中堅税理士法人
年収:600万円

矢印 矢印

業種
企業規模:大手企業
年収:650万円

32歳のCさんは、中堅税理士事務所から大手企業への転職を成功させました。税理士資格の他にも高い英語力を持ち、自身のスキルを活かせる職場を探したキャリアアップの転職です。弊社キャリアアドバイザーの提案を受け、自分自身では気づきにくい強みを最大限に活かして、希望するキャリアへつなぐことに成功しました。実務経験を積み上げることで、自身の希望をしっかりと把握し、税理士以外にも必要な資格を取得していることなどが評価につながったようです。日々の業務経験は、転職の際に評価されるポイントといえるでしょう。

⇒詳細はこちら

会計事務所で求められることと、上場している一般企業で求められることには違いがあります。会計事務所や税理士事務所に務めた経験を活かしつつ、一般企業が求めていることに柔軟に対応することが肝心です。会計事務所や税理士法人からの転職であれば、弊社のように管理部門に特化した転職エージェントを活用して、アピールポイントや目指すキャリアプランを整理すると、望む転職につながりやすいといえます。

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上場企業・IPO準備企業の管理職や20~30代向け、未経験OKなど幅広い経理求人と 財務のキャリアアップを目指すせる求人や、スペシャリスト向けの財務求人など、数多くご用意しております。
弊社のみが扱っている求人も多いため、ぜひご確認ください。

まとめ

税理士が大企業へ転職することは可能です。ただし、大企業は優秀な人材が集まる傾向にあるため、税理士資格があるからと言って、評価されるとは限りません。
大企業へ入社した後の姿をイメージし、企業が求めている役割をこなしていくことが大切です。

会計事務所から大企業への転職では、これまでと仕事のやり方などを変えていく必要もあることを理解しましょう。専門知識だけではなくコミュニケーション能力なども求められます
また、少しでも転職を有利に進めたい場合は、英語力など他のスキルを磨いておくと有利です。

管理部門・士業の転職

この記事を監修したキャリアアドバイザー

佐藤 颯馬

大学卒業後、新卒でMS-Japanに入社。
法律事務所・会計事務所・監査法人・FAS系コンサルティングファーム等の士業領域において事務所側担当として採用支援に従事。その後、事務所側担当兼キャリアアドバイザーとして一気通貫で担当。

会計事務所・監査法人 ・ 法律・特許事務所 ・ コンサルティング ・ 金融 ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ 税理士科目合格 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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