2024年11月07日

【令和6年度行政書士試験】日程や概要、5年間の合格率推移など

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2024年11月10日(日)令和6年度行政書士試験が実施されます。行政書士は、「行政へ提出する書類作成の専門家」であり、難関国家資格です。

この記事では、行政書士試験の当日の概要や過去5年間の合格率推移などについて解説します。行政書士試験を控えている方や、行政書士を目指している方はぜひ参考にしてください。

令和6年度行政書士試験について

試験を実施する「行政書士試験研究センター」が公表している内容をもとに、令和6年度行政書士試験に関する基本情報をまとめました。

試験日程

試験日 令和6年(2024年)11月10日(日)
入室開始時間 11時50分
集合時間 12時20分
注意事項の説明 12時30分
試験時間 13時00分~16時00分

なお、座席は指定席です。集合時間までに、受験票に記載されている受験番号と同じ座席へ着席しましょう。

試験内容

試験科目や出題数、内容は以下の2つです。いずれも令和6年4月1日現在施行されている法令が対象です。

行政書士の業務に関し必要な法令等

出題数 46題
試験科目 ・憲法
・行政法(※)
・民法
・商法
・基礎法学
出題形式 択一式または40字程度の記述式

※行政法に関しては、行政法の一般的な法理論、行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法、国家賠償法及び地方自治法を中心とする。

行政書士の業務に関し必要な基礎知識

出題数 14題
試験科目 ・一般知識
・行政書士法等行政書士業務と
密接に関連する諸法令
・情報通信・個人情報保護
・文章理解
出題形式 択一式

当日の持ち物

必ず持参するもの ・受験票(令和6年度は緑色)
・BかHBの黒鉛筆もしくは
シャープペンシル
・プラスチック消しゴム
・上履きと下履き用の袋(土足厳禁の試験会場のみ)
使用可能な
もの
・腕時計1個
・鉛筆削り(電動不可)
・問題用紙に用いる蛍光ペン(複数使用可)
・マスク
・ハンカチ
・ポケットティッシュ
・目薬
・点鼻薬
・ひざ掛けや座布団(使用前に監督員の許可必須)

使用可能なものとして、「腕時計1個」を紹介しましたが、試験室内に時計がないため、可能な限り持っていくことをおすすめします。
なお、計算機能・通信機能が付いている腕時計や置時計は持ち込むことができません。また、アラーム機能が付いている場合は事前に解除しておきましょう。

合格発表

合格発表 令和7年(2025年)1月29日(水)
※「行政書士試験研究センター」のホームページにて公表
合格証の発送 令和7年(2025年)2月14日(金)予定

合格者の受験番号は、以下の期間で「行政書士試験研究センター」の事務所の掲示板に公示されます。

令和7年1月29日(水)~2月4日(火)※日曜を除く
9時00分~17時00分

公示後は、受験者全員に得点記載の合否通知書が発送されます。なお、欠席者・欠席扱いとなった方は対象外です。

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過去5年間の行政書士試験の合格率推移と難易度

次に、過去5年間における行政書士試験と他士業の合格率をもとに、行政書士の難易度を見てみましょう。

年度 行政書士 弁護士 司法書士 弁理士 社会保険労務士
2023年 13.98% 45.3% 5.2% 6.1% 6.4%
2022年 12.13% 45.5% 5.2% 6.1% 5.3%
2021年 11.18% 41.5% 5.1% 6.1% 7.9%
2020年 10.72% 39.2% 5.2% 9.7% 6.4%
2019年 11.48% 33.6% 4.4% 8.1% 6.6%

行政書士の過去5年間の平均合格率は11.64%です。
2023年度の合格率13.98%は、過去5年間と比較して最も高い結果となりました。
他士業と比べると、行政書士は法律系資格の中で比較的合格率が高い資格だと言えるでしょう。
弁護士は、厳しい受験資格が設定されているため、合格率が高い傾向にあります。

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「行政書士試験は難易度が高い」と言われる理由

行政書士は、他士業資格と比較して合格率は高い傾向ですが、それでも「行政書士試験は難易度が高い」と言われることがあります。
ここでは、行政書士試験は難易度が高いと言われる理由について解説します。

試験科目が多い

行政書士試験の科目は、「行政書士の業務に関し必要な法令等」の法令等科目と、「行政書士の業務に関連する一般知識等」の一般知識等科目の2科目です。
法令等科目では、憲法、行政法、民法、商法、基礎法学の5科目から46問、一般知識等科目では、政治・経済・社会、情報通信・個人情報保護、文章理解の3科目から14問出題されます。
試験科目が多く、出題範囲も幅広いことが、行政書士試験の難易度が高い理由の1つです。

出題形式が様々である

行政書士試験は試験科目が多いだけでなく、出題形式も様々です。
法令等科目は5肢択一式・多肢選択式・記述式、一般知識等科目は択一式で出題されます。
試験勉強では、各出題形式に合わせた対策が必要です。
特に、法令等科目の記述式では40字程度での解答が求められるため、法令に関する深い知識に加えて、解答を簡潔にまとめる文章作成スキルも求められます。

合格基準点が科目別に設定されている

行政書士試験では、各科目の合格基準点が設定されています。試験合格には、それぞれの合格基準点を満たすことが必要です。

  • (1) 行政書士の業務に関し必要な法令等科目の得点が、122点以上
  • (2) 行政書士の業務に関連する一般知識等科目の得点が、24点以上
  • (3) 試験全体の得点が、180点以上

全ての条件を満たすためには、幅広い出題範囲を偏りなく学習する必要があります。

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行政書士試験合格後の流れ

試験に合格しただけでは、行政書士として名乗ることができません。
以下の手順を踏んで行政書士会に登録することが必要です。

1.書類提出

試験合格後、登録に必要な下記の書類を行政書士会に提出します。

  • ・行政書士登録申請書
  • ・履歴書
  • ・誓約書
  • ・本籍地の記載された住民票の写し(3ヶ月以内に交付されたもの)
  • ・身分証明書(3か月以内に交付されたもの)
  • ・顔写真(3か月以内に撮影したもの無帽、正面、上三分身、無背景の縦3cm×横2.5cm)

行政書士登録申請書、履歴書、誓約書は、日本行政書士会連合会の「新規登録の手続」からPDF形式でダウンロードして記入しましょう。
また、書類の提出は予約制で、所属する行政書士会によっては1日の定員が数名のケースもあります。合格発表後は予約が殺到するため、合格発表から書類提出まで1カ月以上かかることもあるでしょう。

現地調査(無いケースも有)

行政書士登録には、登録後の働き方を明確化して提示する必要があります。
行政書士資格を活かして独立開業する場合、事務所の現地調査が実施されます。ただし、所属する行政書士会によっては、事務所を撮影した写真で調査を行うケースもあるため、事前に確認しましょう。

また、行政書士事務所などで勤務行政書士として働く場合は、現地調査や写真提出も不要です。ただし、雇用契約書などの提出が求められることもあります。

登録完了

書類と現地調査の内容をもとに日本行政書士連合会による審査が行われ、この審査を通過することで登録完了となります。
審査に1か月程度かかるため、入社・開業時期に間に合うように申請手続きを行いましょう。

行政書士の登録には、登録手数料と入会金が必要です。金額は所属する事務所のある都道府県によって異なります。
登録料以外にも、3か月の月会費前払い分やバッジ代、名刺代など様々な費用が発生するため、初期費用は十分に準備しておきましょう。

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行政書士登録しなくても良い?

行政書士を名乗って働くためには登録が必須ですが、行政書士登録は義務ではありません。
しかし、行政書士登録をしないことで、下記の2つの弊害が生まれます。

行政書士を名乗って仕事ができない

行政書士法第十九条の二で、下記の通り定められています。

  • ・行政書士でない者は、行政書士又はこれと紛らわしい名称を用いてはならない。
  • ・行政書士法人でない者は、行政書士法人又はこれと紛らわしい名称を用いてはならない。
  • ・行政書士会又は日本行政書士会連合会でない者は、行政書士会若しくは日本行政書士会連合会又はこれらと紛らわしい名称を用いてはならない。

行政書士登録をしていない場合は、行政書士として名乗って仕事を受けることができません。独立開業だけでなく、行政書士事務所などで働く場合も、登録は必須と言えるでしょう。

行政書士会の研修に参加できない

行政書士業務で携わる法令は毎年のように改正が行われているため、試験合格後も常に勉強する必要があります。
各行政書士会では、法改正や社会情勢に合わせて様々な研修を実施しています。この研修は各行政書士会の登録者が対象です。
自主的に勉強すれば最新情報を得ることもできますが、研修に参加することで効率的に役立つ情報を入手することができるでしょう。

ただし、行政書士は試験合格から登録までの期限がありません。そのため、合格後にすぐ登録する必要はなく、独立準備完了後や定年退職後などに登録することもできます。

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まとめ

この記事では、行政書士試験について令和6年度の概要や過去5年間の試験結果、登録後の流れなどを解説しました。
行政への提出書類作成をはじめ、申請代行、相談対応など、業務の幅が広い行政書士は、独立開業だけでなく、企業に勤務したり、副業として業務を受けたりなど、働き方の幅も広い資格です。

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この記事を監修したキャリアアドバイザー

佐藤 颯馬

大学卒業後、新卒でMS-Japanに入社。
法律事務所・会計事務所・監査法人・FAS系コンサルティングファーム等の士業領域において事務所側担当として採用支援に従事。その後、事務所側担当兼キャリアアドバイザーとして一気通貫で担当。

会計事務所・監査法人 ・ 法律・特許事務所 ・ コンサルティング ・ 金融 ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ 税理士科目合格 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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