2023年04月01日

弁護士が法務に転職するときの履歴書・職務経歴書の作成ポイント

管理部門・士業の転職

伝統的な弁護士のあり方として、法律事務所に所属するもしくは独立後、依頼主のために裁判における弁護人活動を行うイメージが強い時代が長らく続きました。
弁護士の活躍の場は年々広がりを見せており、特に顕著なものの一つに「企業内弁護士」への転職があげられます。

しかし、これまでの経験をそのまま企業活動に応用できるとは限らず、企業への採用を勝ち取るためには、業界によっては知財などに特化した実務経験や法律事務所との組織構成の違いに対する順応性など、応募書類に記載するアピールポイントを絞る必要があります。
この記事では、弁護士が法務に転職する際に知っておきたい、履歴書・職務経歴書の作成ポイントについてご紹介します。

弁護士が企業内法務部門に転職する際は、書類のアピールも重要

日本弁護士連合会の統計情報「組織内弁護士の推移」によると、2010年時点で428人だった企業内弁護士数は、2020年には2,629人にまで増加し、年々増加傾向にあります。
社会・経済情勢の複雑化にともない、企業が優秀な弁護士を自社の戦力として確保する動きを強めていること・ワークライフバランスを重視する弁護士が増加していることなどが、企業と弁護士のマッチングに貢献しているものと推察されます。

このように、弁護士のキャリアパスとして年々存在感を増している企業内弁護士ですが、ただ有資格者というだけでは、必ずしも企業にとって魅力的に見えるとは限りません。
というのも、企業内弁護士の大半は法務部門で働くケースがほとんどのため、法律事務所に転職するケースと同様に履歴書・職務経歴書をまとめてしまうと、企業側に誤解されてしまう可能性があります。

逆に言えば、初めて企業に転職する場合、書類の書き方に迷う弁護士は多いものと予想されるため、ここで差をつけておくと採用率の向上が見込めます。
倍率が高い企業などに応募する場合は特に、狭き門をこじ開けるため、応募書類でのアピールも重要になってくるでしょう。

もちろん、履歴書・職務経歴書など応募書類の書き方は、所定の書き方を守って書いている限り「こう書くべき」という絶対的なルールはありません。
しかし、企業にとって魅力的な情報を限られた枚数の中に盛り込むには、ノウハウを理解しておいた方が効率的です。

以下に、できるだけ企業にとって魅力的な書類を書くためのポイントをまとめています。
ぜひ、新たな未来を手に入れるために、情報を活用していただければと思います。

【参考URL】
弁護士の活動領域の拡がり

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弁護士が法務に転職するときの履歴書の作成ポイント

それでは、弁護士が法務に転職する時に押さえておきたい、履歴書の作成ポイントをお伝えします。 ご紹介する内容の中には、一見すると一般常識に近いものもありますが、応募は一期一会ですから、基本的なことこそ手を抜かず、書類作成に取り組むことが大切です。

写真

顔写真は、採用担当者がまず目にする部分です。 多くの企業はキャリアを重視して採用を検討するはずですが、中には第一印象を重視する担当者もいることから、最低限「履歴書用の証明写真」で「スーツ姿」のものを履歴書に貼り付けましょう。

写真を好印象なものに仕上げるには、できれば証明写真機を使うのではなく、写真屋さんに頼むことをおすすめします。
プロによる適切なライティング・アングルでの撮影が期待でき、お気に入りのカットを選ぶ・自然な修正をしてもらえるなどのメリットがあります。

学歴・職歴欄

学歴欄に学歴を記入する場合、高校から記載すると、その分だけ職歴欄を増やせます。
飛び級で法科大学院に進学している場合は、以下の通りその旨を記載しましょう。

例:
○○大学 法学部 中退(▲▲法科大学院 飛び級合格のため)

また、司法修習については記載の義務はありませんが、もし記載する場合は、以下の通り職歴欄の最初に書きます。

例:
20××年 12月 司法研修所入所(第○○期)
20○○年 12月 司法修習終了

職歴欄については、転職回数によって記入する事務所・企業の数が変わってきます。
職務経歴書と照らし合わせて、同じ事務所・企業数を書き入れれば問題ありません。
下書きの段階で職歴欄が余るようなら、それぞれの職場で担当した仕事や立場について簡単に触れておくとよいでしょう。

例:
20▲▲年 4月 ○○法律事務所入所
 海外進出支援を中心に、M&A案件・渉外案件などを担当

免許・資格欄

企業内弁護士として採用されることが目標であっても、働くフィールドは企業法務ですので、司法試験に関する情報だけでなく、ビジネスに活かせそうな免許・資格は一通り記入しておきましょう。

また、司法試験合格の記載は資格欄に行い、選択科目・合格順位(500位以内の場合)も書いておくと、実力のアピールになります。

例:
20××年  9月 司法試験合格(選択科目:○○法、総合順位:△位)
20○○年 12月 弁護士登録

趣味・特技欄

趣味・特技欄に書く内容は、法律に関連する内容でも、そうでなくても構いません。
採用担当者側に対して、自分の性格や特徴を知ってもらうイメージで、どのくらいのレベルで好きなのか・得意なのかを書いておくと、より印象に残る内容になるはずです。

注意点として、個人的な趣味を記載する場合は、ギャンブルなどの企業が敬遠しそうな内容は記載を避けるのが無難です。
また、採用担当者がコーポレートサイトのブログなどを更新している場合、自分が担当者と似た趣味を持っているなら、その点をアピールしてみてもよいでしょう。

志望動機欄

志望動機欄について特記すべき点としては、法律事務所から企業への転職を志す場合、なぜ事務所を離れ企業を選んだのかについて、具体的な記述があるとポイントが高くなります。
例えば、臨床法務の現場で経営者と話す場面が増えたことで企業法務に興味が湧いたなど、実務とからめて動機を説明できるのが理想です。

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弁護士が法務に転職するときの職務経歴書の作成ポイント


職務経歴書を作成する場合、履歴書との整合性を保ちつつ、キャリアの一つひとつを掘り下げて記述することが、採用率を高めることにつながります。
以下のポイントを押さえるだけでも、採用担当者に与える印象は強まるはずです。

職務要約

過去の職務すべてについて、職務経歴書の限られたスペースの中でまとめるのは、現実的ではありません。
また、経験内容を丸ごと要約するのも、読み手にとって分かりにくい印象を与えてしまう恐れがあります。

対策としては、応募先の企業にとって「魅力に感じそうな内容」を中心にしてまとめるのがよいでしょう。
例えば、法律事務所で企業法務・一般民事案件をおよそ半分の割合で担当していた場合、企業法務の経験の方をメインに記載した方が、採用担当者にとっては評価しやすくなります。

職務経歴

こちらも職務要約と同様に、応募先での仕事内容と親和性が高い経歴をメインに書くことを意識しましょう。
可能であれば、クライアントの企業規模・業種について触れつつ、どのような業務に・どのような立場で・どのくらい関わっていたのか、一通りまとめておきましょう。
情報が具体的であればあるほど、採用担当者は自社のケースに当てはめやすくなります。

自己PR

自己PRを構成する際に注意したいのは、アピールポイントのギャップです。
弁護士としてのアピールポイントと、企業法務として働くことを想定した際のアピールポイントが、必ずしも一致するとは限りません。

自分の強みは必ずしも一つとは限りませんから、過去の経験の中で企業向けのエピソードを絞り込んでおくと、内容をまとめやすくなります。
具体的には、チームワークへの適性の強さ・社内の人間として企業法務に携わることを決意した強い動機などを盛り込んで、説得力を高めることが大切です。

備考欄

備考欄を利用する場合、応募先が不安に思うと考えられる事実を伝える際に利用するとよいでしょう。
具体的には、以下のようなケースが考えられます。

・前職の在籍期間が1年未満など、短期間で転職を行う場合
・病気、結婚、育児など、何らかの事情から職歴に数年のブランクがある場合
・その他、就業前に伝えておくべき内容など

なお、特に上記のような備考がない場合は、備考欄について書くことを準備する必要はありません。

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まとめ

企業の法務部門への転職・企業内弁護士という選択肢は、弁護士の新たな選択肢として注目されています。
ただ、2018年の弁護士実勢調査を見る限り、その割合は全体の4.4%にとどまり、就業形態としては法律事務所ほど一般的ではないと言わざるを得ません。
そのため、転職を希望する弁護士の中には、企業向けの応募書類を作成・推敲するのに苦労している人もいることでしょう。

面接で実力を判断してもらえればよいのですが、その前の関門として存在する書類選考を通らなければ、面接官と話をすることもできません。
応募書類は、選考の最初の一歩であり、自分の未来を切り開く重要な役割を果たすものですから、できるだけ自分の魅力を伝えられるような書類を作りたいものです。

しかし、応募書類を作成する作業は、基本的に孤独な作業です。
一人で作って、一人で見直しても、確認の精度を高めるには限界があります。
適宜、転職エージェントのキャリアアドバイザーなどに確認を依頼して、企業により伝わりやすい内容にブラッシュアップすることが大切です。

【参考URL】
近年の弁護士の実勢について

この記事を監修したキャリアアドバイザー

小島 亜里紗

大学卒業後、ウェディングプランナー、業界大手で求人広告の企画提案営業を経て、MS-Japanへ入社。
企業担当のリクルーティングアドバイザーを経験した後、現在は転職を考えられている方のキャリアアドバイザーとして、若手ポテンシャル層~シニアベテラン層まで多くの方の転職活動のサポートをしています。
人材業界での経験も長くなり、いつまでも誰かの記憶に残る仕事をしていたいと思っています。

経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 法務 ・ 経営企画・内部監査 ・ 会計事務所・監査法人 ・ 役員・その他 ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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