税理士の独立開業で年収アップは見込めるか?現実は、厳しいのか…
税理士として独立開業したいと考えている人は多いでしょう。
しかし、税理士の独立は、厳しい状況であることが現実です。社員税理士から独立して開業すると、年収が大きくダウンするおそれもあります。
この記事では、独立した税理士の年収について、社員税理士の年収の比較や税理士の独立が「厳しい」「食えない」と言われる理由などについて解説します。
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独立した税理士の年収は?社員税理士との比較
まず、独立した税理士の年収を見ていきましょう。
少し古いデータですが、日本税理士連合会は平成26年に発表した「第6回税理士実態調査報告書」による開業税理士と社員税理士の平均年収比較をご紹介します。
開業税理士 | 社員税理士 |
---|---|
774万円 | 886万円 |
開業税理士の平均年収は、社員税理士より低いことが分かります。また、同調査では、年収300万円以下の開業税理士が3割以上を占めていると発表しています。
税理士が独立しても食えない理由は?
税理士の独立開業は、「厳しい」「食えない」と言われることも多いようです。このようなマイナスイメージが持たれる理由は、以下の通りです。
- 1. 税理士は増えているのに顧客となる小規模企業は減っている
- 2. 会計ソフトが税理士の仕事を奪っている
- 3. 税理士は定年がないためベテランが多い
- 4. 公認会計士などに仕事を取られている
それぞれの理由について詳しく解説します。
1. 税理士登録者数が増えている
税理士が独立しても食えない大きな理由は、税理士登録数が増加していることが考えられます。
日本税理士連合会の調べによると、税理士の登録数は以下の表の通り、右肩上がりで増え続けています。
年度 | 登録者数 |
---|---|
平成30年度 | 78,028人 |
令和元年度 | 78,795人 |
令和2年度 | 79,404人 |
令和3年度 | 80,163人 |
令和4年度 | 80,692人 |
令和5年度 (令和6年3月末日時点) |
81,280人 |
【参考】
・日本税理士連合会
税理士登録者数
直近5年間でも3,000人以上増加していることが分かります。 今後も税理士が増え続けることで、将来的に税理士業界が飽和状態となる可能性もあるでしょう。
2. 会計ソフト・AIが税理士の仕事を奪っている
近年、ほとんどの企業で「クラウド会計ソフト」が導入されています。クラウド会計ソフトは、税務の素人でも日常の経理業務や税金の申告を簡単にできるほどの利便性を備えています。
また、入力作業や計算、定型的な書類作成業務などはAI化されていく可能性が高いでしょう。
従来は税理士の業務であった中小企業の経理業務・税務申告がクラウド会計ソフトやAIに置き換わることにより、税理士の仕事が奪われているともいわれます。
3. 開業税理士は定年がないためベテランが多い
開業税理士には定年はありません。そのため、ベテランの税理士は意欲がある限りずっと働き続けます。
長年培った経験やスキルがあり、新規の顧客を獲得しやすいベテラン税理士が業界に居座り続けることにより、若い開業税理士に仕事が回ってこなくなるといわれています。
4. 弁護士や公認会計士などに仕事を取られている
税理士登録をしている人のなかには、弁護士や公認会計士も多くいます。
弁護士や公認会計士は、それぞれの資格と組み合わせて税務の業務を行うために、より広い範囲の業務を受注することができます。
そのために、税理士の資格のみで業務を行う開業税理士が仕事を取られているともいわれます。
大手税理士事務所へ転職するのも1つの選択肢に
ここまで解説した通り、税理士として独立開業するには厳しい現実があることが分かります。
もし、目的が「年収アップ」である場合、選択肢は「独立開業」だけではありません。
「大手税理士事務所への転職」も1つの選択肢と考えても良いでしょう。
下記グラフは弊社MS-Japanが提供する士業・管理部門特化型転職エージェント「MS Agent」で2023年に募集された税理士求人の想定年収分布です。
全体の21.6%が年収800万円以上想定している求人であることが分かります。
年収アップの目標額によっては、大手税理士事務所への転職も選択肢に入るでしょう。
また、独立開業するにしても、大手税理士事務所で大規模法人の税務顧問業務を経験し、高度な専門性を身に付けてからでも決して遅くはありません。
独立支援制度のある会計事務所であれば、将来的な独立を視野に入れつつ、独立に役立つ実務経験を積むことができます。
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想定年収 |
500万円 ~ 800万円 |
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・月次決算 ・経営分析資料作成 ・年次決算および申告 ・納税支援および税務届出 ・新規顧客の対応 等 |
想定年収 |
600万円 ~ 1,200万円 |
まとめ
今回ご紹介したデータからも分かる通り、税理士の独立開業は、厳しい状況であることが現実です。
独立開業して成功するためには、ネットワークの構築とスキルの習得が求められます。
そのため、まずは大手税理士事務所へ転職し、年収アップと独立開業に役立つスキルの習得を実現することも独立開業に向けた選択肢のひとつです。
弊社「MS Agent」では、独立支援制度のある会計事務所求人も多数取り扱っています。予め独立希望を採用担当者へ伝えておくことで、入社後のミスマッチも少なくすることが可能です。
「MS Agent」は、希望を満たす求人の紹介だけでなく、応募書類の添削や面接対策、内定後の条件交渉まで、転職活動の全てをサポートします。
ぜひお気軽にご相談ください。
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この記事を監修したキャリアアドバイザー
大学卒業後、外資系小売り業に就職、セールスマネジメントや採用、教育研修を経験。
人がいかに業績を左右するかについて認識し、現職のMS-Japanに転職する事を決断。
入社以来、東海エリアのキャリアアドバイザーとして、キャリアチェンジやスキルアップを目的とした若年層の支援を中心に担当しております。
経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 法務 ・ 経営企画・内部監査 ・ 会計事務所・監査法人 ・ 役員・その他 ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!
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