経理はやめとけ!と言われる理由を解説!経理にメリットはないの?
「経理に転職はやめとけ」という意見を見聞きし、経理への転職を迷っている方は多いのではないでしょうか。
どのような仕事にも、メリット・デメリットや向き・不向きもあるため、一概に経理に転職すべきでないと言えるはずがありません。
この記事では、経理はやめとけと言われる理由を整理するとともに、経理としてキャリアを重ねていく魅力についても解説していきますので、是非参考にしてください。
経理の役割・仕事内容
まずは、経理の役割と仕事内容について知識を深めていきましょう。
経理の役割
経理の役割は企業規模によって異なります。
大企業では、業務が細分化されているので、個人が担当する業務が局所的である企業も多く見受けられます。
また、管理部門に十分な人員がいるため、経理以外の業務を担うことはありません。
対して、十分な人材を確保しづらい中小企業では、経理担当者が人事や総務などを兼務していることが珍しくなく、企業規模が小さくなるほどこの傾向が強くなります。
経理の仕事内容
経理業務は、以下のように「日次」「月次」「年次」の周期で業務が発生します。
周期 | 仕事内容 |
---|---|
日次 |
・現預金の管理 ・備品購入 ・帳簿や伝票の記入・入力 ・経費の精算 など |
月次 |
・月次決算 ・請求書作成 ・社員の給与・勤怠管理 ・役員報酬の支払い ・売掛・買掛金の回収 など |
年次 |
・商品の棚卸し ・貸借対照表・決算書の作成 ・源泉徴収・保険の管理 ・税務申告書類の作成 ・法人税などの納付 など |
このように日次・月次・年次で行う仕事内容は異なりますが、どの業務も会計基準などで定められたルールに従い、日々の企業活動におけるお金の流れを正確に記録・管理することが求められます。
「経理はやめとけ」と言われる7つの理由
では、なぜ「経理はやめとけ」と言われるのか、ここでは一般的に考えられている7つの理由を見ていきましょう。
AIの発展によって将来なくなる可能性がある
近年におけるAIやRPAの進歩により、経理業務が自動化される可能性が指摘されています。
経理業務で発生するデータ入力や集計、書類作成といった単純作業はAIの得意分野であることから、「経理の仕事自体がなくなるのでは?」といった意見も出ているようです。
ただし、最終的なチェックやイレギュラーな処理は人間が行う必要があるため、経理の仕事が完全になくなるとは考えづらいでしょう。
専門知識が必要で継続的な勉強が求められる
経理業務には、簿記の知識が必要です。知識が全く無いと、日々の業務に支障をきたすこともあるでしょう。
また、大手企業では担当分野に関する深い専門知識が求められます。
中小企業では、様々な経理業務を1人で担うための幅広い簿記知識が必要です。
他の業務と兼務する場合は、税法・会社法・労働基準法などの知識を要求される場面も出てくるでしょう。
さらに、経理業務で携わる法令は改正が多く発生するため、1度勉強して終わりではなく、日々勉強し続ける必要があります。
ミスが許されず、責任が重い
経理は企業のお金を管理する役割を担っているため、小さなミスでも大きな経済的損失を引き起こす可能性があります。
日次業務の小さなミスが、年次業務の決算書の作り直しを引き起こすこともあるでしょう。
その点に大きなプレッシャーを感じる人も多いようです。
成果を数値化できないため、評価されにくい
経理は、営業のように利益を作る部署ではなく、個人の成果が見えないため、評価されにくい職種だと言えるでしょう。
経理の仕事は企業にとって必要不可欠であるのに、正しく評価されていないと感じる人も多いようです。
決算時期は繁忙期で忙しい
一般的に、決算期や月初め・月末が経理の繁忙期であり、業務量が増え、残業が多くなることも珍しくありません。
繁忙期は生活リズムが乱れやすく、長時間労働によるストレスを抱える人も多いでしょう。
経理業務の周期によって繁忙期が決まるため、予定を立てやすいですが、個人の裁量で業務量を調節することはできません。
担当業務によっては年収が低い
経理の平均年収は、一般的な事務よりも高めの水準である傾向ですが、営業などと比較すると歩合給や業績手当がないため、担当業務やポジションによっては「年収が低い」「上がりづらい」と感じることもあるようです。
ルーチンワークに飽きてしまう
経理業務は日次・月次・年次の定型的な動きが多く、2~3年ほど勤めていると飽きを感じる人も少なくありません。
ただし、ある程度決まった仕事の方が好きな場合はその点を魅力に感じるでしょう。
また、配属先によっては非定型的な業務を多く担当できるケースもあるため、就職・転職時に確認してみることが大切です。
経理として働くメリットはあるの?
ここまでは「経理はやめとけ」と言われる理由についてご紹介しましたが、経理には他の職種にはない魅力もあります。
ここでは、主なメリットを3つピックアップしました。
管理部門の中では平均年収が高い
経理で働くメリットのひとつは、管理部門の中では平均年収が高めであることです。
事務職とはいえ簿記やPCスキルといった専門的な知識が必要となるため、他の事務職よりも待遇が良い傾向があります。
弊社MS-Japanが提供する管理部門・士業特化型転職エージェント「MS Agent」を利用して、2022年4月~2023年3月に転職した経理人材の平均決定年収を年代別に集計しました。
年代 | 平均決定年収 | 決定年収中央値 |
---|---|---|
20代 | 393万円 | 376万円 |
30代 | 503万円 | 472万円 |
40代 | 620万円 | 600万円 |
50代 | 726万円 | 700万円 |
60代以上 | 607万円 | 600万円 |
全体 | 524万円 | 470万円 |
これは一般事務や営業事務などの事務職と比較しても水準が高く、このデータから見ても事務職の中で経理の年収は高めであることがうかがえます。
ノルマがなく、ワークライフバランスを整えやすい
一般的な企業の経理では、売上目標や新規顧客獲得といったノルマが存在しません。
ノルマ達成のためのプレッシャーやストレスが少ないことから、安定した環境で勤務を継続できるでしょう。
また、ワークライフバランスを整えやすいことも経理ならではの魅力です。
先述のように、経理は繁忙期が決まっているため、繁忙期以外の時期であれば勤務後や休日の時間を確保できるだけでなく、有給休暇も取得しやすいでしょう。
企業に必要不可欠な業務で転職しやすい
経理は、企業規模・業種を問わず必須の業務であり、経験者は転職市場で高いニーズがあります。
そのため、転職時に選択肢の幅が広く、経験者は優遇されやすい職種だと言えるでしょう。
経理に向いている人・向いていない人は?
何事にも向き・不向きがあるように、経理にも向いている人と向いていない人がいます。
経理に向いている人の特徴としてまず挙げられるのが、正確かつ計画通りに業務を行えることです。
経理はお金を扱う仕事なのでミスは許されませんし、月次・年次業務の多くは期限が決まっています。
期限までに処理を終えられるよう計画立てて業務に取り組む必要があり、スケジュール管理力や責任感の強さも要求されます。
また、数字に苦手意識がないことも、経理に向いている人の特徴のひとつです。
経理業務で常に数字を扱うだけでなく、税法や会計原則などの知識を習得しなければならず、これらの勉強においても数字を取り扱うからです。
さらに、自発的に勉強に取り組む能力も必要です。
基本的にはルーチンワークが多い日々ですが、自分自身でモチベーションを維持し、積極的に学習に取り組む能力が求められます。
その他、経理で活躍するための重要な資質として、コミュニケーション能力が挙げられます。
経理はいつも同じメンバーで業務を進め、他部門との連携が必要となるため、円滑なコミュニケーションが必須です。
対して、経理に向いていない人の特徴は、基本的に上記とは反対の人です。
大枠で物事を見ることが多く、スケジュール通りの進行を窮屈に思ったり、外出する業務を好んだり、人と関わるのが苦手だったり、といった要件に当てはまるようであれば、経理に向いていないといえるでしょう。
「経理はやめとけ」を乗り越える方法
もし現職が経理の方で、「経理はやめた方がいいのかな」と悩んでいる場合は、他の企業の経理に転職することで「経理はやめとけ」といった言葉を気にせずに働ける可能性があります。
ここでは、「MS Agent」を利用して他の企業の経理へ転職成功した人の事例を3つご紹介します。
ぜひ経理への転職を検討する際の参考にしてみてください。
キャリアアップできる環境のある企業に転職した事例
Hさん(26歳男性)
転職前:売上高20憶円弱 中小企業 年収350万円
転職後:売上高5兆円 上場企業 年収400万円
Hさんは中小企業の経理スタッフとして月次・年次決算補助業務まで担当していましたが、年収の伸びしろや会社の将来性に不安を感じ、転職を決意しました。
簿記1級やTOEIC800点といった資格を武器に東証プライム(当時東証一部)企業をターゲットに転職活動を行い、上場企業への転職を成功させました。
社風が合う企業に転職した事例
Gさん(24歳男性)
転職前:大手製造業子会社 経理スタッフ
転職後:大手上場IT企業 経理スタッフ
大手子会社に勤めていたGさんは、昔ながらの社風やキャリアアップの遅さに不安を感じ、転職を決意されました。
高度な経理スキルを身につけられることと教育制度が整っていることを条件として、大手~準大手の独立系上場企業を目指して転職活動をスタートしました。
結果的にスピード感があり、若手が多く活躍している独立系大手IT企業の内定を獲得し、社風の合う企業への転職を成功させました。
柔軟に働きやすい企業へ転職した事例
Kさん(30代女性)
転職前:上場グループ 事業会社 年収490万円
転職後:非上場 事業会社 年収520万円
Kさんは、出産後、育児と仕事の両立の難しさを感じて転職を決意しました。
当初は「残業はほとんどできない』「在宅勤務必須』「子供のお迎えに行ける」といった条件に合う求人を探していましたが、なかなか候補先が見つかりませんでした。
Kさんが希望する条件が抽象的であったため、「繁忙期の1週間程度はリモートであれば夜の時間帯に1~2時間程度残業可能』「在宅勤務は週2~3日を希望(繁忙期は出社が増えてもOK)」「18時30分までに最寄駅に到着したい」と希望条件を具体的に言語化しました。
最終的に、Kさんが前職で主体的に業務へ取り組んでいた姿勢を評価され、週2~3日の在宅勤務があり、残業もほとんどなく、時差出勤可能な企業に転職成功しました。
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「経理から他職種にキャリアチェンジするべきなのか、判断が難しい」
「経理から他の企業の経理に転職したい」
このようにお考えの方は、転職エージェントの利用がおすすめです。
転職エージェントはそれぞれ特化した分野を持っているため、経理の転職でお悩みの場合は、経理を含めた管理部門に特化した転職エージェントを選びましょう。
弊社MS-Japanが提供する「MS Agent」は、管理部門と士業に特化した転職エージェントです。
転職サポート経験豊富なキャリアアドバイザーによるカウンセリングを通して、転職活動に重要な過去の経歴の棚卸しや、今後のキャリアの明確化をしっかりとサポートします。
さらに、応募書類の添削や面接日程調整代行、応募先企業に合わせた面接対策などのサポートも提供しているので、内定獲得に向けて効率的な転職活動を進めることが可能です。
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まとめ
どのような職種であっても、それを良しとする人がいれば、反対の意見を持っている人もいるものです。
自分が希望する職種の否定的な意見を聞くと、転職を躊躇するかもしれませんが、実際に働いてみると、想像以上に自分に合う職種である可能性も十分にあります。
経理に興味はあるけど、周囲の声が気になって前に進みづらい方、現職が経理で転職したいと考えている方は、是非MS-Japanにご相談ください。
この記事を監修したキャリアアドバイザー
カナダ州立大学卒業後、新卒でMS-Japanへ入社。求人企業側の営業職を経験した後、2014年にキャリアアドバイザーへ異動。
2016年からは横浜支社にて神奈川県内の士業、管理部門全職種を担当し、現在は関東全域の士業、管理部門全職種を担当。
経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 法務 ・ 経営企画・内部監査 ・ 外資・グローバル企業 ・ 会計事務所・監査法人 ・ 役員・その他 ・ IPO ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ USCPA ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!
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