簿記論は独学でも合格できる?甘い考えは落とし穴!
試験合格によって税理士になるためには、税理士試験で会計科目・税法科目それぞれに合格しなければなりません。
必須科目の一つ・簿記論は、税理士を目指す上で避けて通れない試験科目で、まずは独学で簿記論合格を目指すという受験生は少なくありません。
見事、簿記論に合格できれば、会計事務所への転職にも有利に働きますが、独学での勉強には落とし穴もあります。
この記事では、簿記論に独学で合格することは可能かどうか、独学の注意点や具体的な勉強方法に触れつつ解説します。
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簿記論は独学でも勉強することは可能!
簿記論を独学で勉強すること自体は可能ですが、独学で合格圏内に入るとなると、非常に難しいと言わざるを得ません。
すでに日商簿記1級クラスの実力を身につけている人など、受験生の実力次第で難易度は変わってくるものの、総じて難易度は高いものと考えてよいでしょう。
簿記論の合格率とおおよその勉強時間
税理士試験は、会計科目・税法科目を合わせて全11科目が存在します。
その中でも、簿記論は合格が必須の試験であることから、難易度も高めに設定されています。
簿記論の大まかな合格率は15%程度で、合格に必要な勉強時間は500時間程度といわれています。
難関国家試験ということもあり、付け焼き刃の勉強法では太刀打ちできないでしょう。
また、勉強時間はあくまでも目安であり、簿記に関する用語・知識に乏しく、数字を読むのも一苦労といった人であれば、さらに多くの時間がかかるものと推察されます。
その上、独学では「分からないことが出てきても先生に聞けない」ので、より多くの時間を要するかもしれません。
独学者は少ない
そもそも、税理士試験の独学者は少なく、予備校・通信講座などを活用して最短での合格を目指す人が一般的です。
予備校・通信講座では、試験に関する最新の情報や、効率的・効果的な勉強法を学ぶことができるため、結果的に合格までにかかる時間が短縮できるでしょう。
もし、独学で簿記論に挑む場合、最新情報・勉強方法などを自力で獲得しなければなりません。
よって、多くの人にとっては険しい道のりとなるでしょう。
独学で簿記論にチャレンジするメリット
独学で簿記論にチャレンジするメリットとして、勉強のための費用を抑えられる点があげられます。
予備校・通信講座を選んだ場合、学校・講座によって差はあるものの、概ね十数万円以上の費用が発生することを想定しなければなりません。
しかし、独学で各種教材を揃えて自力で勉強した場合、実力が伴っていれば、数万円にも満たないコストで合格できる可能性があります。
また、自力で分からない問題の「解答の根拠」を探し求めたり、時間をかけて答えを考えたりする時間は、税理士の実務にも直結するプロセスです。
もちろん、合格に至るまでには強い意志が必要不可欠ですが、コストと経験という観点から見ると、独学で簿記論にチャレンジすることにも十分なメリットがあるといえるでしょう。
気を付けるべき独学の落とし穴とは?
簿記論を独学で攻略することには、確かに大きなメリットがあります。
しかし、独学には以下のような落とし穴があるため、注意して取り組む必要があります。
モチベーションの維持が難しい
税理士試験は難関試験ですが、長期的に合格までの計画を立てられる試験のため、あきらめなければやがて合格できる試験ともいわれています。
しかし、暗記が要求される問題が多いため、多くの受験生のモチベーションを下げている一因となっています。
この点に関しての対策としては、例えばSNSで受験仲間を見つけてコミュニケーションをとったり、あえて息抜きの時間を作ってモチベーションを維持したりする方法があげられます。
分からないことを質問する相手がいない
独学の問題点は、分からない問題に遭遇したとき、正しい答えを教えてくれる存在が近くにいないことです。
自力で答えにたどり着いたとしても、その根拠が本当に正しいのかどうか、自分で判断できない場面も多くなります。
このようなケースにおいては、Web上のQ&Aサービスを活用するなどして、不特定多数の人から有効な答えを得られるようにするとよいでしょう。
働きながらの勉強の場合、繁忙期などで勉強に時間が割けない時期がある
会社で働きながら勉強する場合、職場の繁忙期などは十分な勉強時間を確保できない可能性があります。
一般企業において、試験勉強の優先順位を上げるのは難しいため、どうしても勉強が後回しになってしまいます。
本気で簿記論に合格しようと考えているのであれば、税理士試験の受験を応援するスタンスの会計事務所に転職することをおすすめします。
簿記論の独学勉強法の基本3選!
実際に簿記論の独学をスタートさせるのであれば、まずは基本的な独学勉強法について理解を深めましょう。
以下、簿記論を独学で勉強する際のポイントを解説します。
簿記論を勉強する前に「日商簿記2級」合格を狙う
税理士試験の簿記論で求められる知識は幅広く、しかも受験のチャンスは年1回です。
試験問題自体も難しいですが、そもそも合格するのが難しいため、限られたチャンスを有効に活かせるよう勉強しなければなりません。
そこでおすすめなのが、簿記論を勉強する前に「日商簿記2級」の勉強をして、現在の自分の能力を把握することです。
まだ日商簿記2級に合格していないなら、この段階で合格を狙い勉強するのがよいでしょう。
日商簿記2級も確かに難しい試験ですが、簿記論に比べると合格のハードルは低めです。
学習した内容も、簿記論の試験に役立つため、勉強して損はないはずです。
演習問題を繰り返し解く
簿記論に合格する上で重要なのは、演習問題を繰り返し解いて、すべての問題を正確に回答できるまで継続して学習することです。
記憶力に自信がない人であっても、解き直しを続けるうちに、頭の中には解法が自然とインプットされるはずです。
テキストを読み込むことも重要ですが、アウトプットが正確でなければ、得点には結びつきません。
【問題を解く→テキストで確認→解き直し】といったサイクルを継続し、知識を確実に定着させましょう。
ポイントは、二度と同じ問題を間違えないよう意識するのではなく、とにかく間違えた箇所を徹底して復習することです。
解き直しのサイクルを数回続けていくうちに、ある日スラスラと問題が解けているのが理想です。
可能であれば財務諸表論と並行学習をする
簿記論を攻略しようと考えているのであれば、同時に財務諸表論の勉強も行うと効率的です。
財務諸表論は、簿記論で行う計算の理論的な背景について学ぶジャンルのため、簿記論・財務諸表論を並行して学習すると、理解度と計算スピードの向上が見込めます。
また、2科目を勉強していれば、仕事の繁忙期などの事情から十分な勉強時間が確保できなくなった際、1科目に絞って勉強を継続することも容易になるでしょう。
予備校・通信講座でも、簿記論・財務諸表論はワンセットと考えているところが多いため、税理士試験の合格を目指すのであれば、2科目同時の学習をおすすめします。
簿記論(税理士試験)の受験のために転職したい方におすすめの求人
簿記論または税理士試験の受験のため、本格的に勉強したい人は、会計事務所や税理士法人への転職を目指すのも一手です。
以下、MS-Japanがおすすめする求人をご紹介します。
中堅税理士法人にてジュニア~シニアスタッフ候補の募集です/向上心の高い方を歓迎
仕事内容 |
国内の上場会社、上場子会社、オーナー企業に対する税務コンサルティング ・会計コンサルティング業務 ・法人税、所得税、相続税などの各種税務申告書作成 ・M&Aの税務対応、株式の評価 ・月次会計帳簿のチェック ・決算、四半期決算の支援 ・事業承継プランニングなど |
必要な経験・能力 |
下記いずれか必須 ・簿記2級をお持ちで税理士試験の受験経験者もしくは受験予定者(科目合格者歓迎)※実務経験は問いません ・法人税申告書作成経験者で税理士を目指して勉強中の方 ・銀行等で資産家に対して相続に関する経験があり、キャリアチェンジを希望される方 |
想定年収 |
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クライアントに入り込んだ支援したい方へ。神奈川県の優良中堅税理士法人より税務スタッフの募集
仕事内容 |
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必要な経験・能力 |
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想定年収 |
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関西での知名度が高い優良税理士事務所での税務スタッフ求人【大阪市内・残業少ない】
仕事内容 |
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必要な経験・能力 |
税理士試験にチャレンジしている方 |
想定年収 |
310万円 ~ 500万円 |
簿記論合格で広がるキャリアの幅
税理士試験は、最終的に全科目に合格して税理士登録することが一つのゴールになります。
しかし、就転職という観点から見ると、簿記論に合格しただけでも一定のアドバンテージが存在します。
会計事務所・税理士法人だけでなく、一般企業の経理部への転職においても、科目合格者は優遇されやすいでしょう。
基本的に、科目合格者だからといって低く評価されることはありませんから、その点は安心できます。
以下、各科目の合格者が、どのような職場で優遇されやすいのかについて解説します。
簿記論・財務諸表論に合格している場合
簿記論・財務諸表論の合格者は、会計事務所・経理業界に転職する場合、即戦力として評価されやすいでしょう。
もちろん、実務経験を優遇する職場も少なくありませんが、会計を理解しているという点においては、一定の評価につながるはずです。
所得税法・法人税法・消費税法に合格している場合
所得税法・法人税法・消費税法は、企業会計において特に重要な科目のため、多くのクライアントを抱える会計事務所・税理士法人で評価されるのはもちろん、一般企業でも合格者はプロフェッショナルとして期待されることでしょう。
簿記論・財務諸表論に加えて、3法いずれか1科目を合格していると、転職で有利に働きます。
相続税法に合格している場合
不動産・株式といった資産管理、成年後見を行う会計事務所への転職を目指す場合は、相続税法に合格していると転職で有利に働きます。
少子高齢化が進む中、相続税法に精通した人材はより重宝されるものと考えられますから、チャレンジする価値のある科目といえます。
まとめ
簿記論を独学で勉強することは、非常にハードルの高い行為ではあるものの、決して不可能ではありません。
予備校・通信講座を利用する場合に比べて、低コストで受験勉強に臨むことができ、税理士の実務にも役立つ経験ができます。
ただし、一般企業で働きながらの独学に関しては時間的なハードルがあるため、本格的に合格に向けて勉強したいのであれば、税理士試験受験を応援してくれる会計事務所に転職することをおすすめします。
簿記論を含む科目合格者はキャリアの幅を広げられますから、会計業界への転職を希望している方にとって、簿記論はチャレンジする価値のある科目といえるでしょう。
この記事を監修したキャリアアドバイザー
大学卒業後、カーディーラ・小売業を経験し、2008年からMS-Japanでリクルーティングアドバイザーとキャリアアドバイザーを兼務しております。
会計事務所・監査法人 ・ コンサルティング ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ USCPA ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!
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