公認会計士って副業出来る?おすすめの副業4選を紹介!
働き方改革の一環で、厚生労働省作成の「モデル就業規則」から副業禁止規定が削除され、企業が副業を認める動きが進んでいます。
公認会計士も例外ではなく、監査法人や会計事務所、コンサルティングファーム、あるいは事業会社で勤務する公認会計士の多くが副業を始めています。
この記事では、公認会計士の副業にはどのようなものがあるか、および副業を始める際の注意点を見ていきましょう。
公認会計士は副業出来る?
企業によっては副業をしても問題がなかったり、逆に禁止していたりするケースも考えられます。公認会計士は副業が可能なのでしょうか。公認会計士の副業に関して解説します。
結論:公認会計士でも副業は可能!
公認会計士でも副業は可能です。しかし、可能なのは本業の雇用主が副業を許可している場合のみです。多くの企業や組織では副業に関するポリシーが定められているため、副業を始める前に必ず確認しておく必要があります。
また、「禁止されていてもバレなければよい」という考えは推奨できません。禁止されている副業を行っていることが発覚した場合、大きなリスクがともないます。
また、雇用主や公認会計士の団体などによっては、禁止事項に抵触すると信用失墜を引き起こし、懲戒処分の可能性が高くなってしまいます。場合によっては職業倫理を問われる問題になり、本業への悪影響が懸念されます。
最終的な判断は個々の状況や雇用主のポリシーによって異なるため、実際に副業を行う場合は慎重に法令や契約条件を確認する必要があります。本業に与える影響やリスクを考慮し、適切な選択を心がけましょう。
監査法人では副業禁止の職場が多い?
副業が禁止されるケースもあります。特に多くの公認会計士が勤務する監査法人、中でも大手4社では副業禁止の傾向が見られるようです。
監査法人はクライアントの数が多く、公正かつ客観的な業務が求められます。副業によって監査法人の独立性が損なわれる可能性がないとは言い切れません。
また、監査法人では公認会計士法において「社員の競業の禁止」を順守しなくてはいけません。公認会計士が副業を通じてクライアント企業と競合する企業やビジネスに関わると、利益相反や情報漏えいなどの問題が発生する可能性があります。
このような理由から、監査法人(特に大手4社)では副業を禁止する傾向があると考えられます。
しかし、副業を認めている企業は多いことも事実です。2022年に一般社団法人 日本経済団体連合会が行った「副業・兼業に関するアンケート調査結果」によると、53.1%の企業が副業を認めています。従業員が5,000人以上の企業に限れば66.7%にものぼります。
社会的な流れでは副業が認められ、広がりつつあります。公認会計士も禁止されているわけではありません。副業を行う場合は、先述の通り所属する監査法人のポリシーや規定を確認し、規則に適した行動が求められます。
公認会計士のスキルが活かせる副業4選
それでは、公認会計士のスキルや経験が活かせる副業として、どのようなものがあるかを見てみましょう。
執筆業
公認会計士の副業として執筆業は人気です。
専門知識を活かして専門書やビジネス書の執筆、あるいは雑誌、ウェブサイトのコラムを担当する公認会計士は多くいます。 いきなり書籍や雑誌、ウェブサイトというとややハードルが高いため、自身でブログを立ち上げるなどして文章作成のスキルを見につけるとともに、実績づくりをするのも良いでしょう。
書籍をチームなどで執筆すれば、他の著者との情報交換や人脈づくりも期待できます。
会計や税務のサポート
個人事業主や小規模企業の会計・税務サポートを副業としている公認会計士も多いです。
最初は知り合いなどから頼まれるというパターンが多く、そこで高い評価を得られると、口コミなどでさらに依頼先が広がります。
個人事業主や小規模企業の会計・税務の実務、およびそれを担当することによりできる人脈は、将来の独立開業を考える場合には大きな財産にもなります。
開示書類のチェック業務
開示書類のチェック業務も、公認会計士の副業として一般的です。
経理部門の人員が不足している上場企業などでは、開示書類のチェック業務をアウトソーシングする例は多いからです。
アウトソーシングされた開示書類は、公認会計士が網羅性や正確性を確認し、必要な修正・改善点をフィードバックします。書類を受け取り、指定の期日までにフィードバックを行う業務であるため、時間や場所を選ばず取り組め、本業とのバランス調整がしやすいといえるでしょう。
予備校や大学での指導
予備校や大学で公認会計士試験の受験生に対する指導を副業として行う公認会計士は多くいます。
具体的な業務は、講座の講師およびテストの採点などです。
公認会計士の後進を育てることも、やりがいのある仕事といえるでしょう。
公認会計士が副業を探す方法とは?
公認会計士が副業を探す際、有効な方法として3種類が挙げられます。
ネット上の副業情報の参照
まずはネット上にある副業情報の参照です。ネット上にはさまざまな副業情報があります。公認会計士に特化した案件や求人を探すのであれば、クラウドソーシングサイトや求人情報サイトを利用してみましょう。
公認会計士の専門プラットフォームの活用
また、公認会計士ならではの専門プラットフォームの活用もおすすめです。公認会計士向けのプラットフォームやマッチングサービスを活用することで、副業の案件を見つけやすくなります。自分のスキルや経験に合った条件を見つけるために、専門のサービスを積極的に活用しましょう。
人的なネットワークの活用
ほかには人的なネットワークを活用する方法があります。知人や同僚、業界のネットワークを活かし、副業になる案件があれば紹介してもらいましょう。今までの業務で培った人間関係が頼りになります。ほかの公認会計士や業界関係者とのコネクションをたどり、副業のチャンスになる情報をつかんでください。
副業可の公認会計士求人例
弊社MS-Japanは、公認会計士をはじめとする士業と管理部門に特化した転職エージェント「MS Agent」を提供しています。
ここでは、「MS Agent」で取り扱っている副業可の公認会計士求人の一例をご紹介します。
監査法人【公認会計士】非常勤可(週3日~)
POINT |
・兼務・副業・時短も可 ・1年単位の変形労働時間制 |
仕事内容 |
・監査業務 (金融商品取引法監査・会社法監査・IPO監査・投資事業組合、資産流動化による特定目的会社等の監査) ・アドバイザリー業務 (デューデリジェンス・株式公開支援・内部統制支援業務・IFRS対応) |
必要な経験・能力 |
<必須>下記いずれかに該当される方 ・公認会計士又は公認会計士論文試験合格者 ・大手監査法人業務経験3年以上 ※非常勤の場合、週3もしくは1か月に12日間まとめて勤務可能な方 |
想定年収 |
500万円 ~ 1,300万円 |
【副業OK】時間に融通が利く中小監査法人
POINT |
・副業可 ・正社員 契約社員 業務委託 |
仕事内容 |
・会計監査 ・株式公開 ※複数名でチームを組んでクライアント対応を行います。 |
必要な経験・能力 |
<必須> ・公認会計士資格 ・監査法人での勤務経験 |
想定年収 |
600万円 ~ 1,000万円 |
独立系FASファームのM&Aコンサルタント
POINT |
・副業可/非常勤可 ・裁量労働制 ・各自の裁量で在宅や事務所で自由に働ける |
仕事内容 |
・トランザクション・アドバイザリー (買収ストラクチャー検討支援・財務税務デューデリジェンス・財務モデリング支援など) ・バリュエーション (株式価値/事業価値評価・統合比率算定・PPA支援など) ・リストラクチャリング (財務実態把握/財産評定/経営課題分析・再生計画作成支援・計画実行/モニタリング支援など) |
必要な経験・能力 |
<必須>下記①②③のいずれかに当てはまる方 ①・公認会計士資格者(修了考査合格発表待ち含む) ・監査法人・監査法人系FAS業務経験者 ②・USCPA試験合格者もしくは、科目合格者 ・財務/経理/経営企画等の数字を扱う部署のご経験 ③・非常勤希望者の場合は、FAS領域に関する豊富な経験値 |
想定年収 |
700万円 ~ 1,500万円 |
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公認会計士が副業をするメリットは?
一般に副業は、働き方改革による残業の削減で、減少した収入を補填する意味合いがあります。
公認会計士の場合にも、収入アップを図りたいという人も多いでしょう。
公認会計士が副業をする最も一般的なメリットは、追加の収入を得ることです。特に一般企業に勤める公認会計士や監査法人のスタッフクラスの場合、本業だけでは収入が限られていることがあります。副業によって、本業の給与以外に収入を得ることで生活の安定や将来への備えが出来るでしょう。
しかし、公認会計士の副業は収入だけが目的ではありません。 例えば、副業により異なった業種・職種の業務を経験できれば、そこで得られたスキルを現在の仕事に活かすことも出来るでしょう。
副業をすることで、新たなスキルを磨く機会が増えます。公認会計士が専門的な知識と経験を持つ一方で、副業を通じて別の分野でのスキルを身につけることにつながるはずです。これにより、多様なスキルを持つことで市場価値が高まり、キャリアの幅が広がる可能性があります。
また、独立や転職を考えている場合は、副業によりそのために必要なスキル、人脈などを得ることが出来る可能性もあります。
副業は異なる業界や職種との交流の場にもなります。公認会計士の本業では接点の少ない人々と出会いや、新たな発見があるはずです。これによって、他分野の業界やビジネスのトレンドを把握するだけでなく、将来的なビジネスチャンスや仕事の機会を得ることも可能になります。
このように副業には、収入アップ以外にさまざまなメリットがあります。
将来のキャリアアップに副業の経験を活かすと考えれば、副業の選択肢はさらに広がるのではないでしょうか。
副業をすることで収入面の安定化、スキルの向上、そして広がる人脈による新しい機会の獲得などが公認会計士にとってのメリットとなります。
副業を始める前に注意すること
副業を始める際には注意すべきこともあります。計画的なスタートは成功への第一歩ですので、ぜひ心に留めておいてください。
就業規則を確認する
副業を考える際、勤務先の就業規則の確認を最初に行う必要があります。
勤務先が副業を禁止している場合、隠れての副業を行うことはトラブルの原因となりますのでやめましょう。
本業に支障がでないように注意する
副業をする際には、本業に支障がでないよう注意することも重要です。
副業の負担が多くなり疲労がたまってしまうと、本業がおろそかになってしまう可能性も考えられます。
また、特に気をつける必要があるのは秘密保持です。
本業の機密情報をうっかり漏らしてしまわないよう、十分に注意しましょう。
副業を優先したことで本業に悪影響があっては本末転倒です。
本業と副業のバランスは慎重に調整しましょう。
副業が認められなかった...そんな時はどうする?
副業が認められなかった場合でも、どうしても副業をしたいという人がいるかもしれません。そのような時にはいくつかの選択肢があります。個々の事情やキャリアプランなど、多方面から考慮し、慎重に照らし合わせながら選択しましょう。
副業可能な職場に転職する。
現在勤務している企業で副業が認められていないのであれば、副業を希望する公認会計士にとって大きなネックになります。そのような状況なら、思い切って副業が可能な職場に転職することも解決策の1つです。
また、副業を希望するために転職をするのであれば、副業に関するポリシーが明確になっている企業や組織を見つけましょう。
現職との兼ね合いで転職先を見つけることが難しければ、転職エージェントの利用がおすすめです。スムーズな転職活動はもとより、求人票に書かれていない副業に関する情報も転職エージェントを通じて入手しやすくなります。
現在の職場で副業の目的が達成できないか検討する
副業の目的によっては、現職で達成できるものがあります。例えば収入アップであれば副業が認められない場合でも、現職でのキャリアアップによって収入を増やせる場合があります。
勤続年数が長くなれば収入が上がりやすいのは企業の常ですが、専門性が高い公認会計士の場合、勤続年数よりも実力や実績を重視する傾向です。一般的な企業なら20年ほどのキャリアが必要な職階(部長職など)でも、公認会計士の世界では実力さえ発揮できればそれよりも短い年数で到達できる可能性があります。
監査法人などの公認会計士が多く勤める場所では、マネージャークラスまで昇格することで年収が向上するケースが多い実状があります。場合によっては1,000万円を超える年収が実現することも期待できるはずです。
もしも現職で副業を試みるのであれば、キャリアアップに焦点を当て、収入やスキルアップの目標を達成できる方法を模索しましょう。特に、上位職になれば副業が認められる監査法人もあります。
また、上司や人事と相談して副業に関する柔軟な対応を求めることも有効な選択肢です。相談することによって活路が見出されるかもしれません。
正社員から非常勤に雇用形態を変更する
一般企業や監査法人では正社員として副業が制限されている場合でも、非常勤の場合には副業が認められるケースがあります。非常勤の公認会計士は通常、フルタイムの正社員よりも残業時間が少ない場合が多く、副業を行いやすい場合があります。
副業を実現する可能性があるのなら、雇用形態の変更も検討すると良いでしょう。非常勤としての働き方には柔軟性があり、仕事とプライベートのバランスを取りやすい特徴もあります。
ただし、非常勤となることで給与や福利厚生面での影響もあるため、よく検討して判断する必要があります。
まとめ
公認会計士の副業は収入アップ以外にも、副業で得られるスキルや経験、人脈を本業や将来の独立・転職で活かすなど、さまざまな目的を持って始める方が増えています。 本業に支障がでないようバランスを調整しながら、積極的に副業に挑戦してみてはいかがでしょうか。
副業が禁止されている企業や組織にでも、適切な選択で活路が開かれることもあります。現状を把握し、さまざまな条件を考慮しながら、最善の選択肢を選んでいきましょう。
この記事を監修したキャリアアドバイザー
大学卒業後、不動産会社にて個人向けの営業を経験。その後MS-Japanへ入社。会計事務所・コンサルティングファーム・監査法人・法律事務所・社会保険労務士事務所等の法人側担当として採用支援に従事。現在はキャリアアドバイザーも兼務し一気通貫で担当しております。
会計事務所・監査法人 ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ 税理士科目合格 ・ USCPA を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!
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