2024年11月14日

公認会計士試験から撤退!既卒の場合の就職先は?

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毎年多くの人が受験する公認会計士試験ですが、難関資格のためなかなか受からない場合も多いです。就職活動に切り替えようかと悩む方も多いのではないでしょうか。

何年もかけて合格を目指す方も多いですが、撤退するタイミングを見極めることも重要です。今回の記事では、公認会計士試験から撤退するタイミングや、就職活動に切り替えた場合の就職先を解説します。

「公認会計士試験の勉強がどのように活きてくるのか」「就職先の求人事例はどのようなものがあるのか」といった情報も紹介します。ぜひ参考にしてください。

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公認会計士試験から撤退するタイミングは?

公認会計士試験から撤退するタイミングとしてまず考えられるのは、大学在学中に合格できなかった場合です。貴重な新卒カードを無駄にしないためにも、このタイミングで通常の就職活動に切り替えようと考える方も多いでしょう。

論文式試験に3回落ちた場合も、公認会計士試験から撤退を検討するタイミングといえます。いわゆる「三振」と呼ばれるもので、論文式試験に3回落ちると、短答式から受験し直さなければなりません。

勉強を始めた年齢や、試験に費やす年齢を決めていた場合、そのラインに差し掛かったタイミングもやめ時といえます。加えて、経済的な事情で、受験勉強が続けられない場合もあるかもしれません。

公認会計士試験から撤退するタイミングは、人によってさまざまです。だらだらと受験生生活を送らないようにするためにも、「数年以内に受かる」「大学在学中に受かる」などのラインを設定し、あきらめる際は潔く一般的な就職活動に移行するのがよいでしょう。

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公認会計士試験では〇〇力が身につく!

公認会計士試験に向けた勉強では会計・財務関連の知識だけでなく、論理的思考力課題発見能力分析力文章力忍耐力も身につけられます。

効率良く専門知識を習得していかなければならないからこそ、公認会計士試験に向かうにはさまざまな場面で論理的思考力が要求されるため、無意識のうちに論理的思考力を養うためのトレーニングを行っているともいえます。

これに伴い、自身の課題がどこにあるのか見極めるための課題発見能力および、その課題を克服するためにどうすべきなのか対策を講じる分析力も養われてきます。

また、論文式試験にも臨むため文章力も自然と身についてきますし、これらの勉強のプロセスに取り組むために欠かせない忍耐力も養うことができます。

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公認会計士試験から撤退した場合の就職先は?

公認会計士試験を目指して習得してきた専門知識を活かしながら活躍できる就職先として、「監査法人」「上場企業やIPO準備中企業の経理」会計事務所」の3つが挙げられます。

新卒・第二新卒の場合

どのような業界でも売り手市場が続く今日、専門知識を持つ若手へのニーズが高いのは会計業界も同様です。

大学・大学院に在籍しながら合格を目指していた方、既卒3年以内の第二新卒の方の場合には、これまで習得してきた会計・財務関連の知識を活かして、上記の就職先を目指すのはそれほどハードルが高くありません。
とくに、公認会計士試験に取り組んできた方が持つ「日商簿記1級」の資格は、大きな強みとなります。

社会人経験がある場合

中途採用の場合には実務経験が最重要視されます。そこに公認会計士試験に向けて習得してきた体系的な専門知識をプラスした自分の強みを改めて再確認し、今後のキャリアプランを考えるようにします。

上場企業の経理部門や内部監査部門、ベンチャー企業の幹部候補、コンサルティング会社やM&Aファームなどの道も選択肢の候補となり得ます。

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【具体例】公認会計士試験から撤退した場合の就職先は?

経理

経理職は、企業内での帳簿の記帳決算業務などを担当します。会計に関する基礎知識が求められるため、公認会計士試験の勉強で培った簿記や財務諸表の作成、税務の知識が役立ちます。

多くの企業で必要とされており、とくに上場企業や外資系企業では、経理部門の一員としてキャリアをスタートさせ、将来的に財務管理会計などのより専門的な分野へ進むことも可能です。勉強してきた知識を活かすという観点で有効です。一般的な未経験で経理を希望する人に求められる資格の簿記2級よりも高度な知識を有していると判断される場合があるため、上場企業の未経験者ポジションを狙うこともできるでしょう。

会計事務所

会計事務所は、主に中小企業個人事業主向けに、記帳代行税務申告決算書の作成などを行います。公認会計士試験の勉強で得た知識は、会計事務所での実務に直結します。租税法に得意意識があるのであれば、税理士試験に切り替えて、働きながら税理士資格取得を目指す道もあります。

クライアントとの密なコミュニケーションを通じて、実践的な経験も積みやすい環境です。

監査法人

監査法人では、企業財務諸表の監査を通じて、財務情報の信頼性を確保する役割を担います。公認会計士試験で学んだ監査の知識や会計の専門知識を活用できるため、試験を途中で断念した場合でも、監査法人のスタッフとして働けます。

監査法人での経験は、将来的に内部監査コンプライアンスリスク管理などの分野への転職にもつながります。昨今では、監査法人で働きながら試験合格を目指す「監査トレーニー」の制度もあるため、一度検討するとよいでしょう。監査トレーニーについては、後の項目で詳しく解説します。

会計系コンサルタント

会計系コンサルタントは、企業会計システムの改善財務分析内部統制の構築などに関するアドバイスをする職種です。公認会計士試験の学習で得た財務・会計の専門知識を活かしつつ、クライアントの問題解決に貢献できます。

とくに会計基準の変更対応などプロジェクトに関わることが多く、実務経験を積みながら高度なスキルを磨ける環境です。コンサルタントという職種の性質上、コミュニケーション能力や論理的思考力が求められるため、そうした素養を持った方に適しています。

戦略コンサルタント

戦略コンサルタントは、企業経営戦略事業戦略マーケティング戦略などを立案・実行支援する役割を担います。公認会計士試験で培った財務分析能力や経営の視点を活かし、さまざまな経営課題に取り組めるでしょう。

とくにM&A(合併・買収)新規事業開発国際展開など、企業の成長戦略に関わる案件が多くあるため、幅広いビジネススキルを身につけられる点が特徴です。分析力、プレゼンテーション能力、クライアント対応力など、さまざまな能力が求められます。

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公認会計士試験の勉強は就職・転職の際どう活きる?

公認会計士試験に向けた勉強は専門知識を幅広く習得する必要があるため、すべての科目での合格まで至らなかったとしても、十分な知識を持つ人材として評価されやすくなります。

たとえば、短答式試験合格または科目合格、簿記1級取得、といった項目が必須条件・歓迎条件となっている経理・財務職、監査法人、会計事務所の求人もあります。

たとえ科目合格に至らなかったとしても、公認会計士試験に向けた勉強を通じて習得した会計や企業法務の知識を強みとしてアピールできれば、会計業界での就職・転職活動において大きな武器となります。

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必須・歓迎条件に「短答式合格」「科目合格」「日商簿記1級」とある求人はどれ?

公認会計士試験合格まで至らなくても、短答式試験や科目に合格していたり、日商簿記1級を取得していたりすると優遇されやすい求人について具体的な事例を紹介していきます。

大手上場子会社 経理スタッフ

仕事内容
・決算業務
・FP&A(管理会計)
・子会社支援 等
必要な経験・能力
※いずれか必須
・事業会社で経理/財務業務を経験された方
・会計士/税理士(科目合格も可)
・日商簿記1級保持者で、今後事業会社でキャリアを形成していきたい方
想定年収
470万円~600万円

東証プライム上場企業 経理スタッフ~リーダー候補

仕事内容
・仕訳計上
・月次・年次決算
・振込データ確認
・CF実績・予測
・税務対応 等
必要な経験・能力
・上場企業での経理経験3年以上
・日商簿記1級以上
想定年収
600万円~900万円

監査法人 財務会計コンサルタント

仕事内容
・国際財務報告基準(IFRS)、日本会計基準並びに米国会計基準に関連する会計アドバイザリー業務
・会計基準変更に伴う決算経理業務の再構築、決算早期化、ならびに決算期統一支援
・海外子会社の内部管理体制高度化支援
・国内外市場への株式上場(IPO)支援
・決算開示資料作成支援 等
必要な経験・能力
※いずれか必須
・監査法人における会計監査経験
・コンサルティング会社におけるコンサルティング経験
・一般事業会社における経理実務経験、あるいは経営管理業務経験
・公認会計士有資格者・合格者(短答式のみも可)
・USCPA有資格者
想定年収
500万円~1,500万円

監査法人、経理・財務、会計事務所の求人事例

監査法人、経理・財務、会計事務所の求人事例

公認会計士でなくても、専門知識を活かしながら就業できるポジションの求人について具体的な事例をご紹介します。

Big4監査法人 不正調査・コンプライアンス対応支援コンサル

仕事内容
・コンプライアンスリスク対応支援
・不正対応支援
・不正調査
必要な経験・能力
<必須>
・不正やコンプライアンスに強い関心をお持ちの方
・英語:ビジネスレベル以上/日本語:流暢以上
<歓迎>
以下のようなご経験をお持ちの方
・内部統制構築
・評価業務
・内部監査業務
・不正調査業務
想定年収
530万円 ~ 800万円

東証プライム上場企業 経理担当

仕事内容
・経理財務に関する海外子会社管理
・経理財務に関する業務 など
必要な経験・能力
※いずれか必須
・日商簿記2級以上
・経理経験1年程度以上
想定年収
500万円~650万円

会計事務所 税務・会計コンサルタント

仕事内容
・税務会計業務(各種申告書作成 / 巡回監査 / MAS監査サポート等)
・資産税・相続関連業務(相続税申告書作成 / 不動産相続 / 不動産オーナーの節税対策等)
必要な経験・能力
※いずれか必須
・簿記2級以上または同等の知識を有する方
・会計事務所での実務経験がある方
・税理士資格保持者または科目合格者優遇、営業・コンサルティング経験のある方
想定年収
350万円~650万円

あきらめられない場合は監査トレーニーがおすすめ!

どうしても公認会計士があきらめられない場合は、監査トレーニーという選択肢もあります。

監査トレーニーとは?

監査トレーニーとは、監査法人で実務をこなしながら、公認会計士試験の合格を目指す制度です。一部の監査法人で導入されているもので、昨今では監査トレーニー制度を活用した受験の例が増えつつあります。

監査トレーニーの大きな特徴は、監査法人で給料をもらいながら公認会計士試験の勉強・受験ができることです。従来は、自分の力で公認会計士試験に合格し、監査法人に就職しなければなりませんでした。しかし監査トレーニー制度の登場によって、会計事務所で働きながら税理士試験合格を目指すように、仕事と勉学の両立が可能になっています。

監査トレーニー制度が導入された背景としては、慢性的な人材不足が挙げられます。製造業やサービス業など、人材不足となっている業界・業種は多く、会計業界も例外ではありません。そこで、公認会計士試験に合格できるポテンシャルを持った人間を採用するため、こちらの制度が設けられました。

監査トレーニーのメリット

監査トレーニーの大きなメリットは、先ほども触れたように、仕事と試験勉強を両立できる点です。監査法人で実務の経験を積みながら、試験勉強で理論的な部分も身につけられるため、相乗効果が見込めます。

独学もしくは予備校などに通って合格を目指す場合、どうしても経済的な問題に直面します。監査トレーニー制度を利用していれば、経済的な理由で試験をあきらめざるを得ない状況を避けられるでしょう。

修了考査受験の要件を達成できるのも、監査トレーニーのメリットです。修了考査受験とは、公認会計士試験に合格した後、実際に公認会計士として登録を済ませるために必要とされるものです。3年以上の業務補助、実務補修所での実務補修、終了考査をクリアしなければなりません。

監査トレーニー制度を利用していれば、上記のうちの「3年以上の業務補助」が不要になります。つまり試験勉強をしながら、終了考査で必要となる業務経験が積めるため、効率良く公認会計士を目指せます。

試験合格後の就職活動で強みを発揮しやすいのも、監査トレーニー制度を利用する大きなメリットです。一般的な合格者とは異なり、監査トレーニーは試験合格に加えて、実務経験を積んでいます。

監査トレーニーとして雇用してもらった監査法人で働くのが一般的ではありますが、実務経験を活かして自分にとってよりよい就職先を探す選択肢もあります。

監査トレーニーになるには?

監査トレーニーになるには、まずは制度を導入している監査法人の募集要項を確認します。トレーニー制度は法人ごとに資格要件や待遇が異なり、公認会計士試験の短答式試験合格が必要な場合もあれば、簿記資格がなくても応募可能なケースもあります。

監査法人が見つかったら、自分の強みをアピールするためのポイントを整理しましょう。たとえば短答式試験の成績に自信がある場合は、具体的な数字と、どのように勉強してきたかなどを強調します。

最後に、応募書類の作成や面接対策を行います。自己流で行うよりも、経験豊富なエージェントのサポートを受けるとより効果的です。公開されていない非公開求人を紹介してもらえる可能性もあるため、自分に合った監査法人をより効率的に見つけられます。

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まとめ

公認会計士試験から撤退するタイミングとしては、大学在学中に合格できなかった際や、論文式試験に3回落ちた際など人によってさまざまです。数年かけて合格を目指していたものの、経済的な理由で勉強が続けられない場合もあります。

公認会計士試験から撤退し、就職活動に切り替えた場合は、経理や会計事務所、監査法人、会計系コンサルタント、戦略コンサルタントなどさまざまな選択肢があります。自身のキャリアプランに応じて、適切な就職先を選びましょう。

就職活動を続けるなかで、どうしても公認会計士になる夢をあきらめきれない人もいるかもしれません。監査法人で働きながら試験を受ける「監査トレーニー制度」は、そうした人にとって1つの選択肢になるでしょう。

監査トレーニーとして働く場合は、エージェントを利用するのがおすすめです。監査法人と自分のパーソナリティーとの相性も重要です。専門的な意見を取り入れつつ、就職先を探すとよいでしょう。

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この記事を監修したキャリアアドバイザー

窪塚 勝則

大学卒業後、大手出版系企業を経て現職へ入社。
主に大手・新興上場企業を対象とする法人営業職を4年、キャリアアドバイザーとして10年以上に及ぶ。

経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 法務 ・ 経営企画・内部監査 ・ 会計事務所・監査法人 ・ コンサルティング ・ 役員・その他 ・ IPO ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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