2023年06月14日

30代の公認会計士におすすめの転職先をご紹介!

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新卒から公認会計士(試験合格者)として監査法人でキャリアを積んできた人にとって、30代は業務にも慣れ、脂の乗った時期であるとともに、インチャージ等のマネジメント業務も経験し、一通りの業務経験を積めた充足感から、次のキャリアを考える時期でもあると思います。

この記事では、転職市場の現況についてご紹介するとともに、30代の会計士がどのような方向性でキャリアアップを目指すべきなのかについても解説します。

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公認会計士の求人情報

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30代公認会計士の直近の転職市況は?

転職市場における公認会計士向けの求人について

新型コロナウイルスが流行し始めた2020年上半期は、Big4をはじめ、大手~中小まで、監査法人では先行きの不透明さから、中途採用を中止する法人が多かったものの、下半期からは徐々に求人数も回復し、2023年現在では、求人数は完全にコロナ前の採用状況まで戻っております。こういった同行は監査法人のみならず、税理士法人やFASファーム、事業会社も同様で、現在の公認会計士の転職市況は、求職者が転職に優位な「売り手市場」といえるでしょう。

30代公認会計士のニーズ

監査の業務量は過去10年で20~30%ほども増加しており、実際に、JICPAが公表している監査実施状況調査(2021年度)によれば、平均監査時間は2021年度は4,493.1時間と、2020年度の4,441.1時間から1.2%増となっているので、近年も変わらず増加傾向にあるといえます。こういった事情もあり、監査法人では人手不足な状況が深刻となっているため、実務経験があり、即戦力として活躍できる30代公認会計士は、監査法人での採用ニーズは非常に高いです。

また、事業会社においても30代公認会計士は人気が高く、JICPAの「組織内会計士に関するアンケート最終報告」によると、上場企業が採用したい会計士の年齢は31歳~40歳が全体の69%を占め、他年代に比べて圧倒的に高いニーズがあることがわかります。

・参考: JICPA「組織内会計士に関するアンケート最終報告」
・参考: JICPA「監査実施状況調査(2021年度)」


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30代の公認会計士に人気の転職先

公認会計士が転職を考えるにあたり、転職先の選択肢が幅広いため、将来自分がどうなりたいのか、キャリアプランを明確にしておくことが大切です。
以下、30代の公認会計士に人気の転職先について、主なものをいくつかご紹介します。

税理士法人・会計事務所

公認会計士は、監査法人で上を目指す働き方だけでなく、独立という選択肢も選べます。
ただ、独立後のクライアントの多くは中小企業になることが予想されるため、監査以外の分野に関しても知識・経験を蓄える必要があります。

そこで、税理士法人や会計事務所に勤務することで、税務実務を経験しようと考える人は少なくありません。会計コンサルティング業務のみで独立することも可能ではありますが、どうしても案件ベースでの報酬になるため、独立後、事務所のキャッシュフローが安定しづらいというデメリットがあります。税務の経験を積むことで、独立後は税務顧問先から安定した報酬を得ることができ、かつ案件ベースで会計士としての強みを生かしたコンサルティング業務を受注することで、安心して事務所を経営していけるようになるのです。
また、会計事務所で働くことによって、クライアントを獲得するための営業力・コミュニケーション能力を醸成するのにも役立ちますし、監査法人時代には大手クライアントを中心に担当することが多いかと思いますが、 会計事務所での経験を積むことで、中小企業向けの財務コンサルティング等も経験するチャンスが得られます。
さらに、中小規模の会計事務所に転職した場合には、所長の仕事や事務所経営を間近で見ることができるため、独立後の事務所経営に活かせる経験ができるでしょう。

ただ、これまでの積まれてきた監査経験や、公認会計士(・税理士)といった資格は一定評価されるものの、税務実務という面では未経験からの挑戦となるため、 年収等の待遇面で、必ずしも希望通りにいくとは限りません。早い方であれば、30代ですでにマネージャー・シニアマネージャーといった職位まで昇格しており、その場合は年収も1,000万円を超えているでしょう。しかし、税務未経験の会計士の場合、1,000万円を超えるオファーが会計事務所から出るケースは稀ですので、年収ダウンもある程度は覚悟したうえで、転職活動をされることをおすすめします。

一方で、M&Aや組織再編など、コンサルティング業務を扱っている事務所であれば、会計士としての知見を活かしてコンサルティング業務で売り上げを立ててもらい、並行して税務実務を任せることで、高い年収で採用しても、採算が立つという考え方の事務所もあります。

実際に転職を検討する際は、転職エージェントのキャリアアドバイザーから情報をもらうなど、転職活動の方向性をある程度決めた上で、実際に選考に進まれることをお勧めいたします。

一般事業会社

監査法人や会計事務所などで、繁忙期の激務を経験したことで、プライベートとのバランスを考えて転職する30代会計士も少なくありません。
ワークライフバランスの充実を理由に転職する会計士には、一般事業会社が人気です。

具体的なニーズとしては、上場企業の経理・財務や内部監査の分野などが挙げられます。
ベンチャー企業など歴史が浅い企業の場合、IPO準備関連の求人や、CFO(候補)として迎え入れられるケースなども考えられます。

一般事業会社では、組織の一員として働くことが求められるため、社風の柔軟性・自分自身の順応性が転職の成功を左右します。

ベンチャー・スタートアップ企業の場合、以前まではなかなか高年収でオファーを出すことが難しく、ストックオプションを付けることを条件に、年収を下げて転職するケースが往々にしてありましたが、最近ではスタートアップ企業の資金調達が大型化していることもあり、監査法人時代と遜色ない条件でオファーを出せる企業も増えてきました。

また、大手事業会社の場合、給与テーブルがしっかりと決まっていることから、給与水準が高い監査法人からの転職では年収が下がるケースが多いですが、近年では、専門職採用枠を企業側が用意し、特別待遇で公認会計士を迎え入れるケースも増えてきました。年収もあまり落とさずに、かつワークライフバランスの改善も実現する転職成功例が弊社でも増えており、いま30代公認会計士に非常に人気の選択肢となっています。

監査法人

公認会計士としては一般的な転職先の一つが監査法人で、最初の就職先が監査法人だった場合、転職後も業務に関して戸惑いを覚える機会は少ないでしょう。
大手から中堅以下のクラスに転職するのか、あるいはその逆の形になるのかによって、働き方も変わって来るでしょう。

新卒や第二新卒の方の場合、ほとんどの方が大手監査法人からキャリアをスタートされるかと思います。
大手監査法人で監査経験を積んだ方の場合、中堅~中小監査法人への転職は現在の転職市況において、容易であるといえます。
中堅~準大手監査法人の場合は、法人ごとに特徴は異なり、「監査を続けながらワークライフバランスを整える」「監査に加え、アドバイザリーなどの領域にも挑戦する」といった、ご志向に合わせた転職先の選択が可能でしょう。

また、大手で働いていた場合、中堅~中小監査法人へ転職した際に、職位が上がるケースもあります。

一方、これまで監査法人以外で働いてきた公認会計士の方が監査法人に転職する場合、一概に大手監査法人がお勧めというわけではなく、これまでのキャリアやご年齢、経験等によってご転職先候補は変わってくるかと思います。
ご自身で応募先の選定が難しい場合には、転職エージェントにご相談いただくこともお勧めです。

アドバイザリー・コンサルティングファーム

監査法人で働く中で、より専門知識を活かして働きたい・コンサルティングに携わってみたいという気持ちが生まれた会計士の中には、コンサルティングファームで働くことを希望する人もいます。

一口にコンサルティングファームといっても、どのような分野のコンサルティングを行うのかは様々ですが、会計士の知見を活かせる転職先の一つに、FAS(ファイナンシャル・アドバイザリー・サービス)が挙げられます。
大手監査法人で勤務している場合は、グループ内にFASファームが併設されているため、社内異動で移籍するケースもありますが、現在働いている監査法人以外のグループ内FASへ転職するケースなど、さまざまです。
同じ大手のFASファームでも、法人によって業務方針や、教育方針は異なるため、転職エージェントに相談し、現在勤務しているグループ内で異動するのか、他のグループに移動するのかを検討されることをお勧めします。

監査経験に加え、FASファームでの経験を積むことで、より幅広い業務対応ができる会計士になることができるため、事業会社へ転職する際にも有利になる可能性が高いです。

ファンド・投資銀行

転職前の段階で、M&Aアドバイザリーや戦略コンサルティング等の分野で実績をあげられている場合、ファンド・投資銀行への転職を検討される方もいらっしゃるのではないでしょうか。
有名ファンドの場合は、フロントポジションは大手戦略コンサル会社出身者に限定しているケースなどもあり、学歴・実務経験もシビアに判断され、公認会計士であることが必ずしもアドバンテージになるとは限らないため、狭き門ではあります。

しかし、FASでの経験などがあれば、デューデリジェンスやバリュエーションの経験を買われ、大手ファンドのミドルポジションで活躍することも可能でしょう。

一口にファンドといっても、その規模や投資対象等によって採用条件は変わってきますので、ご自身のご経歴ではどういった選択肢があるのか、転職エージェントに相談することもおすすめです。

【おすすめ記事】
・ 公認会計士が転職先を選ぶなら?目的ごとに人気の転職先をピックアップ!


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監査未経験の30代会計士試験合格者でも転職できる?

社会人として働きながら会計士試験を受験し、30代になってから公認会計士試験に合格するなど、監査実務未経験で監査法人等に転職することは、現実問題として可能なのでしょうか。

結論から言えば、30代で公認会計士としてのキャリアをスタートさせることは、十分可能です。

令和4年試験では、最終合格者1,456人のうち、「会社員」は 94 人(構成比 6.5%)となっており、100人近い方が、働きながら会計士試験を突破したことがわかります。

公認会計士という難関試験を突破している人材はそれだけで貴重ですので、30代でも十分に転職は可能です。大手監査法人などを狙うこともできますが、35歳以上の場合は、前職での経験も加味した自己アピールが求められます。

所定の業務補助・実務従事経験があれば、一般事業会社でも実務補習を修了して公認会計士名簿への登録を行うことは可能ですが、監査法人に比べるとサポート体制が充実していない可能性がありますので、公認会計士として登録できる状況に近づくためには、やはり監査法人への転職は選択肢の一つとして持っておくべきでしょう。

現職に残るか、監査法人へ転職するか、どちらの選択肢を選ぶにせよ、最終的には自分の経験をどう伝えるかが重要です。
キャリア・経験の棚卸しや、監査業務への熱意の文章化などを通して、アピールポイントはできるだけ多く用意しておきましょう。

・参考: 公認会計士・監査審査会「令和4年公認会計士試験の合格発表について」


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まとめ

公認会計士の転職において、30代という年代は、決してマイナスには働きません。
公認会計士試験に合格した年代に関しても、20代に次いで30代が多いため、監査法人側もそのような事情を踏まえて採用活動を行います。

ただ、監査経験者・未経験者を問わず、30代ではこれまでの経験について問われる場面が多くなります。
年齢相応のスキルや実績がないと判断されれば、シビアな結果が下される可能性は高いでしょう。

公認会計士として実際に転職先を選ぶ際は、監査法人だけでなく、税理士法人や一般事業会社など、幅広い選択肢の中から選べる自由があります。
他の公認会計士と違うキャリアを構築したい場合は、コンサルティングファームやファンドなども選択肢に含まれます。
それぞれ異なる特徴・メリットがあるため、キャリアアップのイメージにもっとも近い転職先を選ぶことが、転職後の充実度につながります。

未経験者の転職に関しては、公認会計士として働く場合、30代という年齢がハンデになるリスクはそれほど高くありません。
これまでの実務経験を活かせる職場であること・公認会計士としてキャリアを構築する強い熱意があることなどをアピールする形で、前向きに志望動機や自己PRを組み立てていくことが大切です。

この記事を監修したキャリアアドバイザー

佐藤 颯馬

大学卒業後、新卒でMS-Japanに入社。
法律事務所・会計事務所・監査法人・FAS系コンサルティングファーム等の士業領域において事務所側担当として採用支援に従事。その後、事務所側担当兼キャリアアドバイザーとして一気通貫で担当。

会計事務所・監査法人 ・ 法律・特許事務所 ・ コンサルティング ・ 金融 ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ 税理士科目合格 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!

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