【監査法人の基本知識まとめ】役割は?Big4とは?年収は?
監査法人は、監査によって企業が適正な会計処理・決算を行っていることを証明する法人です。
多くの上場企業が事業を展開する日本において、監査法人は日本経済の信頼性を保つ重要な役割を担っており、日本を含む世界各国の取引先・投資家を間接的に保護していると言えるでしょう。
しかし、会計監査の業務を経験したことがない・依頼したことがない人にとっては、具体的な業務内容がイメージしにくいかもしれません。
この記事では、監査法人とはどのような法人なのか、分かりやすく解説します。
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目次
- まずは監査法人の求人をご確認したい方はこちら
- 監査法人は会計監査を行う法人
- 監査法人には会計士以外も働いている
- 監査法人に転職するのは難しい?
- Big4監査法人とは?大手監査法人と中小の違い
- 監査法人の年収は高い?低い?
- まとめ
まずは監査法人の求人をご確認したい方はこちら
監査法人(監査・コンサルティング)の求人情報
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監査法人は会計監査を行う法人
監査法人を一言で説明すると、公認会計士法に基づいて「監査」を行う法人です。
監査とは、企業や組織が「法令・規則に従って正しい会計処理を行っているか」を調査して、結果を株主や債権者に報告・証明することです。
もう少しかみ砕いて説明すると、
「決算書の内容が本当に正しいかどうかチェックを入れて、問題がない旨を利害関係者に報告する」
ことが、監査の大まかな目的です。
監査にもいろいろな種類がある
監査は、監査の目的・監査の実施者が誰なのかによって、以下の3つに大別されます。
・内部監査
・監査役監査
一般的に監査と呼ばれるものは外部監査が該当し、株主・投資家・債権者など社外の利害関係者(ステークホルダー)を保護するために行われます。
上場企業、または非上場の「資本金5億円以上」もしくは「負債総額200億円以上」の企業など、所定の条件を満たす企業が対象となります。
民間企業の外部監査は法定監査と呼ばれることが多く、地方公共団体の外部監査制度を外部監査と呼ぶケースもあります。
内部監査は、組織に属する担当者が、法令・社内規定にのっとって行う監査のことです。
企業の不正防止だけでなく、経営目標達成や業務効率化などを目的として行われます
少しイメージしにくいのが監査役監査ですが、こちらは株主総会で選任された監査役が、取締役の職務執行が適正なものか管理・監督するための監査です。
監査役は、組織内の指揮命令系統から独立した立場・権限が与えられ、取締役の仕事ぶりや計算書類などを監査します。
監査法人には会計士以外も働いている
監査法人で働いている主なスタッフは、監査を担当する公認会計士です。
法定監査は公認会計士の有資格者の独占業務ですが、予備調査や計画の策定後、本監査・評価・報告といった複数のプロセスを踏むため、複数の大企業の監査を公認会計士一人だけで進めるのは、時間的・体力的に困難です。
そのため、公認会計士だけで仕事を回せるような状況のオフィスは限られており、大手監査法人は様々な職種の人が働いています。
代表的な職種の一つがアシスタント職です。
公認会計士の資格がなくても、経理経験・簿記の資格・Excelのスキルがあればアシスタント職として監査法人で働くことができます。
具体的な業務内容は、財務諸表・内部統制の補助や、それらの関連業務である資料作成や電話対応などが該当します。
また、監査業務が未経験の人材向けに、研修制度が用意されている法人もあります。
専門性の高いアドバイザリー業務を任されるスタッフも
無資格で働く監査法人職員の中には、公認会計士の有資格者でなくても対応できる、アドバイザリー業務を任されるスタッフもいます。
一例として、前職で基幹システムの企画開発やITコンサルタント経験のある人は、情報セキュリティ・ITガバナンスに関する各種アドバイザリー業務を担当するなど、前職での実務経験を活かしたアドバイザリー業務を担当します。
監査法人に転職するのは難しい?
監査法人の転職は、リーマンショックや合格者増などにより就職難の時代があったものの、その後は売り手市場が続いています。
よって、今転職先として監査法人を目指すことは、決して不可能なことではありません。
ただし、有資格者であれば誰でも転職できるような状況ではなく、年齢やキャリアが問われます。
特に、大手監査法人の方が採用のハードルは高くなる傾向で、年齢も20~30代が基本です。
しかし、実務経験のある場合は40代以降でも採用されるチャンスがあります。
また、外資系のクライアント企業も多いことから、英語力がある方が選考では優位になるでしょう。
監査法人への転職で求められるスキル
監査法人の中途採用において、会計士として法定監査等を進めるために必要な会計スキルは、「上場基準での経理を理解しているか否か」です。
また、複数人でチームを組んだり、クライアント企業の担当者や経営陣とコミュニケーションをとったりする機会も多くなるため、コミュニケーションの円滑さも重要視されます。
英語力に関しては、読み書きが苦にならないレベルであれば採用の可能性が高まるはずです。
【参考URL】
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公認会計士の就職難は再来するのか?
Big4監査法人とは?大手監査法人と中小の違い
多くの公認会計士にとってのファーストキャリアは監査法人となりますが、監査法人は大きく「大手監査法人」と「中小監査法人」に分かれます。
以下、大手監査法人と中小監査法人の違いについて、かんたんにご紹介します。
大手監査法人とは
大手監査法人とは、上場企業を概ね100社以上監査し、かつ常勤の監査実施者が1,000名以上の監査法人のことを指します。
法定監査だけでなく、財務に関するアドバイス・サポートを行うFASや、M&Aに関連するサービスも幅広く提供しています。
大手監査法人には「Big4」という通称があり、以下4つの監査法人が該当します。
・EY新日本有限責任監査法人
・有限責任監査法人トーマツ
・PwC Japan有限責任監査法人
監査業務に強い法人もあれば、監査以外の業務に強い法人もあるため、転職時にどの監査法人を選ぶのかについては個々のキャリアと相談する形になるでしょう。
大手監査法人はワークライフバランスの向上に取り組んでいるものの、多様な業務とクライアントを抱えていることから、総じて激務になることが予想されます。
中小監査法人
中小監査法人には、大手監査法人「以外」の監査法人が該当します。
Big4に比べて規模は小さいとはいえ、数百名の人員を抱える監査法人もありますから、採用難易度や忙しさは監査法人次第です。
監査業務に関しては、本質的にBig4と変わらないものの、クライアントは上場企業の中でも比較的小規模な企業が多く、クライアントと一緒に成長する醍醐味を味わえるでしょう。
監査法人の年収は高い?低い?
監査法人で働くスタッフの年収は、有資格者かそうでないかで違いはあるものの、一般企業と比較すると高めの傾向にあります。
職歴の内容、地域や規模によって差こそあるものの、大手監査法人のシニアスタッフであれば500~800万程度からのスタートになるでしょう。
公認会計士の論文式試験合格者は、実務未経験者でも400万円台からスタートし、役職が上がれば年収も増えていきます。
シニアマネージャー・パートナーなどの上級役職の席につけば、年収1,000万円以上を狙うことも可能です。
ただし、繁忙期はその分忙しくなることも考えなければなりません。
そのため、ワークライフバランスを優先して監査法人から事業会社に転職する人も少なくありません。
まとめ
監査法人は、クライアント企業の誠実な経営を証明する存在です。
SDGs・ESG投資の重要性が浸透している中、世界の投資家に向けて企業がポジティブな情報を発信するのに、一役買っている存在と言えます。
法律で定められた内容の監査だけでなく、財務やM&Aに関する専門的なアドバイスなど、監査法人に対するニーズも多様化しています。
そのため、公認会計士だけでなく、ITの専門家やデータサイエンティストなどが働いている監査法人もあります。
もちろん、公認会計士の監査をサポートするアシスタントも、大手監査法人を中心に多数働いています。
たくさんのスタッフが働いているものの、人材は不足しがちなため、監査法人では新卒・中途を問わず優秀な人材を募集しています。
転職を検討している場合は、監査法人によって業務内容や就業環境は異なるので、事前にしっかりと調査し、自身に合った転職先を選びましょう。
この記事を監修したキャリアアドバイザー
大学卒業後、カーディーラ・小売業を経験し、2008年からMS-Japanでリクルーティングアドバイザーとキャリアアドバイザーを兼務しております。
会計事務所・監査法人 ・ コンサルティング ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ USCPA ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!
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