2021年度法務転職市場のまとめと今後の動向
2021年度上半期の法務の求人数は多く、依然として法務担当の人材不足が続いています。
この記事では、法務の2022年度の転職市場の傾向を、「年収」・「年齢」・「経験年数」「資格・スキルの有無」などといった観点からまとめました。
是非、今後の転職活動のご参考にしていただけたらと思います。
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目次
- まずは法務の求人をご確認したい方はこちら
- 法務経験のある転職者希望者が増えた時期
- 法務経験者が希望した職種とは
- 法務転職希望者の年収
- 法務転職希望者の英語力と年収の関係
- 法務転職希望者の年齢
- 法務転職希望者の経験年数
- 法務転職希望者の転職回数
- 法務未経験者が転職を希望する年齢
- 転職を成功させた方の平均活動日数
- 転職を成功させた方の年齢
- 転職を成功させた方の決定年収
- 転職を成功させた方の保有資格・スキルについて
- 法務の転職事例
- 2021年の転職傾向を踏まえた、今後の傾向は?
法務求人をご確認したい方はこちら
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法務経験のある転職希望者が増えた時期
法務の転職希望者が最も多かったのは5月でした。
1月から5月・6月に向けて最大の高まりを見せ、その後12月に向けて緩やかに下降していく結果になりました。
前年の傾向を踏まえると、今後転職希望者の数は今後徐々に増えていくと予想されます。
未経験で法務への転職を目指す方は、転職希望者が減る年末がチャンスといえるでしょう。
また、早期の転職を希望の方は、転職希望者が増える5・6月までに短期集中の転職活動を進めていきましょう。
法務経験者が希望した職種とは
法務経験者の転職先の職種は、「法務」を希望する方が圧倒的な数でした。
法務で転職を希望している方は、積み上げた専門知識を活かして転職先を探す方が多いためでしょう。
2番目に多かった「人事・総務」については、商事法務や規定整備などの総務経験を含んでいる方が多いため、その経験を活かして総務業務が含めて希望する方多かった結果であり、加えて経験業務を広げていきたい方も多かったからだと思われます。
また、「法律・特許事務所」に転職を希望される方のほとんどが弁護士で、企業法務から弁護士としてのキャリアを積んでいくために転職を検討しています。
また、数は少ないですが、よりスキルの幅を広げたいという理由から「経理・財務」「経営企画」「内部監査」を希望される方もいました。
法務転職希望者の年収
法務の転職希望者の現年収で最も多かった層は「400~699万円」でした。
700万円以上の年収を得ている転職希望者が43%と、弁護士も多いことから比較的年収層の高い職種であるといえるでしょう。
法務転職希望者の英語力と年収の関係
法務転職希望者では英語力によって、年収の差が大きく出る結果となりました。
399万までの年収帯の方の英語力の有無の差異は大きくはありませんが、400~699万の方では、英語力を持っている方の割合は60%、700~999万の方では67%、1000万以上の方では71%と、年収が上がるにつれて英語力を持っている方の比率が増える結果となりました。
法務職で更なる年収アップを希望するのであれば、英語力のスキルアップも併せて取り組むことをおすすめします。
法務転職希望者の年齢
法務転職希望者の年齢は、30代・40代・50代・20代といった順に多かったです。
法務のキャリアをスタートされる年齢は20代後半~30代前半である場合が多いため、法務として数年の経験を積んだうえで、さらに専門性や年収を高めるために、30代で転職を希望する方が多いようです。
法務転職希望者の経験年数
転職希望者の中で、3年未満での転職を希望する方が全体の27%、5年未満が46%、5年以上が54%となりました。
法務の実務経験を踏まえ3年から5年の間に転職を希望する方が多く、その転職先にて法務のコアとなるキャリア形成をされる方が多いことから5年~9年目の方はやや少ない結果になったと推測されます。
40代以上の方は10年以上の経験を積まれた方多かったです。
法務転職希望者の転職回数
転職回数が多くなるにつれて少なくなる結果となりました。
法務経験がある方の転職回数として一番多かったのは0回でした。
業界や事業によって扱う法律が異なり、また、会社のフェーズや規模によって経験できるスキルも異なることから、実務経験を積んだ一社目の会社からの新たな環境への転職を希望する方が多いという傾向が読み取れます。
法務としての二社目の経験がキャリアのコアになる可能性が高いため、初めての転職を希望する際は、しっかりと検討して納得した転職先を選択しましょう。
法務未経験者が転職を希望する年齢
法務未経験者が法務職への転職を希望する年齢として、一番多い年齢は25~29歳となりました。
理由としては法科大学院修了後に法務職のキャリアをスタートさせたいと考える方が多いということが挙げられます
転職を成功させた方の平均活動日数
ここからは転職を成功させた人のデータを見ていきたいと思います。
上記のデータは、求職者がカウンセリングしてから内定までにかかった日数を示したグラフです。
1番多かったのは「31日~60日間」、次いで「61日~90日」「91日~180日」といった結果でした。
3ヶ月以上かけて、転職先を決めた方が全体の91%であり、中長期的に転職活動を進める方が多い傾向があります。
一方、半年(180日)以内に決めた方も全体の90%であることから、中長期的な活動をしながら180日以内に転職を成功させる方が割合としては高くなった結果になりました。
一方、181日以上の活動で成功させている方も全体の10%もいいて、「良いところがあれば」というスタンスで転職を成功している方も一定数いることがわかりました。
転職を成功させた方の年齢
転職が決まった年齢は30代が43%と一番多い結果となりました。
転職希望者30代の割合が全体の34%であったことを考えると、企業のニーズが高い年代と言えます。
お互いのニーズがマッチし、多くの転職決定を生んだ結果といえるでしょう。
また、20代の転職希望者の全体の13%程度だったにも関わらず、転職成功の結果としては全体の35%にもなることから、企業からのニーズの高い年代は20代といえます。
人材不足を背景に、経験豊富な即戦力人材よりもポテンシャルの高い若手人材を採用している企業が増えてきています。
転職を成功させた方の決定年収
転職先の決定年収で最も多いのは「400万円~699万円」の層で、年齢は20代後半から30代が大半を占めていました。
700万以上の決定では30代・40代が全体の70%と大半を占めていました。
最も高い年収で転職を成功された方の決定年収は1625万円、30代の男性でした。
転職を成功させた方の保有資格・スキルについて
転職決定者の保有資格(国家資格)・スキルをみると、法科大学院修了後の就職が一番多くなっています。
なお、このデータ上での法科大学院修了生は、「法科大学院を修了し、法務経験がない方」を指します。
このデータと前述のデータより、企業側からの20代の採用ニーズが希望者の数より相対的に最も高く、また転職を成功させた方のほとんどが法科大学院を修了された方と読み解けます。
近年、深く法律を学んだ実績と今後の活躍を期待し、法科大学院修了生の採用を積極的に行う企業も増えているための結果でしょう。
次いで弁護士の方も高く、企業法務経験の有無に問わず弁護士資格の評価が高い傾向にあります。
法務の転職事例
①20代後半・男性
前職:中堅建設会社
内定先:建設業界最大手のひとつ
年収:654万円(104万up)
資:弁護士、TOEIC900点
転職に要した期間:423日
キャリア:一社目よりインハウス弁護士として活躍。さらなるスキルアップとして、同業界の大手の企業に転職。
②30代後半・男性
前職:東証一部上場 物流関連企業
内定先:IPO準備中IT企業
年収:700万円(120万円up)
資格:TOEIC915点
転職に要した期間:359日
キャリア:現職にて、法務としての一連の業務を経験できたと感じたことをきっかけとし働き方の柔軟性が高まる新しい環境で新規課題に挑戦しつつスキルアップしたいと考え成長中IT企業へ転職。
③40代前半・男性
前職:IPO準備中IT企業
内定先:IPO準備中IT企業
年収:804万円(84万円up)
資格:2級ビジネス実務法務検定2級、ビジネス著作権検定上級、ビジネス会計検定試験2級、TOEIC815点、知的財産管理技能士試験1級、コンテンツ専門業務
転職に要した期間:69日
キャリア:旧司法試験トライ後、様々な業界で法務職として活躍。直近のIPO準備企業にて上場を目指すも、先行きが怪しくなり、さらに成長過程最中であるIPO準備企業へ責任者ポジションで転職。
2021年の転職傾向を踏まえた、今後の傾向は?
法務の転職市場は活発であり、今後も売り手市場は続くと思われます。
冬場は求職者の数は落ち着いていますが、また春先にかけて増えていくでしょう。
法務職で早期の転職を狙っている方は、競争が激しくなる5・6月前に転職活動を始めることをおすすめします
30代・40代・50代・20代の順に転職希望者が多かったですが、転職が成功した年齢は30代・20代・40代・50代の順になっていることから、30代・20代のうちは転職の機会が多い年代だと言えるでしょう。
ちなみに、20代の大半は企業法務経験のない法科大学院修了生でしたので、やはり法的な知識を持っている方の評価が高いようです
さらに、年収が上がれば上がるほど英語力を持っている方の割合が高まっていくため、英語力のアップを図ってからの転職もおすすめです。
法務の転職の全体のまとめとして、若手の引き合いとしては法的知識の素養としての知識量が大きく評価される傾向にありますが、30代以上は実務経験が重要視される市況です。
法務経験を持っていれば、転職の可能性は十分ある市況感のですので、目指すべき環境があればまずは情報収集からでもスタートしてみることをおすすめします。
また、30代までの方であれば、30代で選択する2社目の経験が法務のコアキャリアとなる傾向が高いため、どのようなキャリア形成をしたいか、専門性を高めたいか、いくらの年収を希望するか、法務のキャリアをスタートしたら早い段階から考え選択していくことがおすすめです。
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この記事を監修したキャリアアドバイザー
大学卒業後、飲料メーカー営業、学習塾の教室運営を経て19年MS-Japanに入社。キャリアアドバイザーとして企業管理部門、会計事務所などの士業界の幅広い年齢層の転職支援を担当。
経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 法務 ・ 経営企画・内部監査 ・ 会計事務所・監査法人 ・ 公認会計士 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!
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