【内部監査の転職】転職市場から分かる未経験や年代ごとのポイントを紹介
近年、社会のコンプライアンス意識と企業のコーポレート・ガバナンス強化の重要度が高まっており、内部監査の存在価値への注目が高まっています。
内部監査の役割は、社内の従業員の立場ではありますが、合法性と合理性の観点で客観的な立場から、組織の経営活動の状況を検討・評価・改善支援などを行い、経営目標の効果的な達成を促すものです。
そのため、本来は企業経営の健全化を図る重要な役割を担っておりますが、長らく形式的な役割をこなすことが求められてきました。
しかし、昨今、その役割の重要度は見直されており、今後、更に注目を集めていくことでしょう。
この記事では、内部監査の転職市場について解説するとともに、未経験から内部監査に転職するためのポイント、年代別のポイントなどをご紹介します。
内部監査の仕事内容
内部監査とは企業内の透明性と効率性を高めるために、内部監査人が行う組織活動に対する調査・評価です。
内部監査人は調査結果をもとに、対象の部門に対する助言や勧告、経営陣への報告などを行うことで、組織内のガバナンスを強化し、不正行為の防止や業務効率の向上を図ります。
内部監査の仕事の基本的なフローはどの企業も共通していることが多く、まずは監査計画を立てることからスタートし、監査に必要な書類の準備・スケジュール調整などを行う予備調査へと入っていきます。その後、監査として本格的な調査を行います。
監査では、事前に作成したマニュアル・チェックリストなどに従って、 各種文書がきちんと整理されているか、従業員は現場でどのような業務に従事しているかなど、内部監査人が監査対象の部署を訪れて確認します。
そして、監査結果を取りまとめ、結果報告書として、経営者・監査対象の部門長に提出するとともに、問題点の改善案の策定へと進んでいきます。
MS-Japanで紹介可能な内部監査の求人事例
弊社MS-Japanでは、内部監査をはじめとする管理部門と士業に特化した転職エージェント「MS Agent」を提供しています。
ここでは、「MS Agent」で取り扱っている内部監査求人の一部をご紹介します。これから内部監査を目指す方に向けた未経験者歓迎の求人事例ですので、是非お目通しください。
未経験OK!内部監査&法務部門の求人
想定年収 |
400万円 ~ 550万円 |
仕事内容 |
<内部監査業務> ・監査業務および内部統制に関する評価業務 <法務業務> ・契約書の作成&リーガルチェック |
必要な経験・能力 |
・管理部門業務に意欲のある方、監査業務や法務業務に意欲のある方 ・未経験領域にも積極的にチャレンジしたい方 |
未経験者歓迎!大手メーカーの内部監査求人
想定年収 |
550万円 ~ 760万円 |
仕事内容 |
内部監査と内部統制が主な業務です。 次期リーダー候補を目指していただきます。 |
必要な経験・能力 |
・5年以上の管理部門(経理/財務/生産管理など)経験 ・これから内部統制関係業務に挑戦したい方 |
未経験者歓迎!人材会社の内部監査室スタッフ求人
想定年収 |
426万円 ~ 636万円 |
仕事内容 |
・内部監査 ・内部統制監査(J-SOX) ・監査実施予定(出張対応国内、海外もあり) |
必要な経験・能力 |
・管理部門(経理財務/総務/法務など)の実務経験 ・金融/会計事務所/監査法人/コンサルでの実務経験 ・法科大学院修了生 |
未経験OK!東証プライムIT企業の内部監査担当求人
想定年収 |
400万円 ~ 600万円 |
仕事内容 |
・被監査部門からの聞き取りと文書化 ・内部統制文書化(業務プロセス記述書やRCMの作成サポート) ・証憑取得と評価および結果文書化 ・内部統制報告書の計画からまとめまでの文書作成 |
必要な経験・能力 |
・社会人経験がある方 ・MS Office(Excel/Word/PPT)の基本操作 ・責任を持って何かをやり遂げた経験 |
内部監査の転職市場
内部監査の転職市場は、求人数が右肩上がりで成長しており、2015年と比較して倍以上に増加しています。
新型コロナウイルスの影響を受けた2020年は一時的に求人数が減少しましたが、翌年以降は順調に増加していることから、今後もより一層の成長を期待できるといえるでしょう。
これは、昨今のコンプライアンス強化の流れとともに、内部管理体制(ガバナンス・コンプライアンス)の整備を進める企業の増加が背景として考えられるでしょう。
しかし、内部監査部門は主に上場企業やIPO準備企業で設置されるため、経理部門などに比べると求人の絶対数は少ない傾向です。そのため、内部監査の求人は総じて競争率が高くなります。
対象年齢層では若手を求める傾向が強まっており、30~40代前半のスタッフ求人が増えています。
一方で、50代の求人も存在するものの、内部監査のポジションを希望している50代の方の数に対して企業にニーズは少ない傾向です。
【年代別】内部監査への転職のポイント
内部監査の転職市場は、年代ごとに押さえておくべきポイントが異なります。そのため、それぞれのポイントを抑えて転職活動を進めることが重要です。
以下に30代・40代・50代、それぞれの内部監査の転職ポイントを簡単にまとめます。
30代の内部監査の転職ポイント
内部監査の転職市場で、30代は3年以上の内部監査経験があれば高く評価されます。
未経験の場合も管理部門での経験があれば転職可能だと言えるでしょう。また、J-SOX利用経験や監査法人での経験があれば、特に有利になります。
厚生労働省によると、内部監査人の平均年齢は43.7歳とされているため、30代で内部監査の経験を積めば、キャリア構築に大いに役立つと考えられるでしょう。
40代の内部監査の転職ポイント
40代の転職市場では、内部監査や類似業務の経験が重視されます。
加えて、マクロとミクロの両視点で組織を見る能力や、他部門に監査内容を説明するコミュニケーション能力も求められます。
30代よりも実務経験が重要視されるため、未経験からの転職は難航する可能性が高いと言えるでしょう。
しかし、監査法人での勤務経験や公認内部監査人(CIA)、公認会計士などの資格を保有していれば評価ポイントとなります。
50代の内部監査の転職ポイント
内部監査の転職市場で50代は、豊富な経験を活かし、スペシャリストとしての活躍が求められます。
従来は30~40代の経験者を対象とした求人が主流でした。しかし、内部監査のニーズの高まりに対して経験者の数が少ないため、対象範囲を広げる企業が増えています。内部経験豊富な50代であれば転職は可能だと言えるでしょう。
内部監査の転職には転職エージェント!
内部監査の転職活動では、転職エージェントの利用がおすすめです。
上場企業やIPO準備中企業など、設置されている企業が少ない内部監査部門は、他の管理部門に比べて求人件数が少ない傾向があります。また、採用枠が少なく、競争率も高いため、常に最新の求人情報を追いかけ、自分に合った求人を迅速に見つけ出すことが重要です。
現在の職場で仕事を続けながら転職活動する場合は、時間的な制約があり、タイムリーな求人情報の収集が困難であることが多いでしょう。
転職エージェントでは、無料会員登録後に自身の希望条件や経歴を伝えることで、最適な求人を紹介してもらうことができます。自分で求人情報を探す手間を省けるため、働きながら効率的に転職活動を進めることができます。
また、応募書類作成のアドバイスや添削、応募先企業に合わせた面接対策、内定後の条件交渉など、転職活動全般にわたったサポートを受けることが可能です。
弊社MS-Japanの転職エージェント「MS Agent」では、内部監査を含め、管理部門・士業に特化した様々な求人を取り扱っています。
転職支援経験豊富なキャリアアドバイザーによるカウンセリングを通して、内部監査への転職に向けて徹底的にサポートいたします。
内部監査への転職でお悩みの方は、お気軽にご登録ください。
内部監査の転職に有利な資格
ここでは、内部監査の転職で有利に働く資格を7つご紹介します。
公認内部監査人(CIA)
内部監査の専門性を証明するアメリカ発祥の資格であり、信頼性が高く、不正会計問題の高まりに伴い需要が増しています。
公認情報システム監査人(CISA)
情報システム監査に関する専門知識を証明します。
DXの進展とともに重要性が増しているため、今後も高い需要が期待されます。
公認不正検査士(CFE)
特に金融業界での需要が高く、不正防止の専門家としての地位を確立しています。
公認リスク管理監査人(CRMA)
リスクマネジメントの専門性を証明する資格であり、英語力も要求されます。
内部統制評価指導士(CCSA)
組織内の内部統制自己評価プロセスに関する資格で、内部監査やリスク管理のキャリアアップに役立ちます。
内部監査士(QIA)
内部監査に関する幅広い知識を習得するための資格です。情報システム監査専門内部監査士は、IT関連のリスク評価と監査に関する専門知識を証明します。
金融内部監査士
金融業界の内部監査専門家としての知識を証明します。IPO・内部統制実務士は、上場企業や上場を目指す企業での内部統制実務能力を証明します。
内部監査のキャリアパス
内部監査のキャリアパスは、「社内での昇進を目指す」か「転職でキャリアアップを図る」の2つが考えられます。
まず、社内での昇進を目指す場合の目標は内部監査室長です。内部監査室長は、企業の内部監査活動全体を統括し、監査計画の策定、結果の報告、経営陣への提言など多岐にわたる重要な業務を担います。
内部監査室長になると経営層とのコミュニケーションが増え、企業全体の戦略や動向を深く理解する機会が得られるでしょう。また、内部監査の経験は、経営の理解に大いに役立つため、最終的に経営陣や取締役、執行役員などのポジションを目指すことも可能です。
転職によるキャリアアップを考える場合、社内昇進の不確実性や組織の事情に左右されるリスクを回避できます。
転職では、内部監査の専門性を活かせる職場選びが重要です。
内部監査の経験や知識は多くの企業でニーズが高く、他企業や異なる業界での内部監査職、リスク管理職、コンプライアンス職への転職で有利に働きます。
内部監査への転職成功事例
弊社MS-Japanの「MS Agent」を利用して、内部監査への転職を成功させた方の事例を2件ご紹介します。
未就業/未経験から内部監査への就職に成功したTさんの事例
Tさん(30代/男性)
転職前:法科大学院修了後未就業
転職後:大手金融子会社の内部監査ポジション(年収400万円)
法科大学院を修了後、弁護士資格取得には至らず、一般事業会社への転職を決意し、未就業状態から大手金融子会社の内部監査ポジションに転職しました。
不動産経営の経験を持つ父親の影響で不動産事業に関心を持ち、法務にこだわらず内部監査への転職を選択されました。
ワークライフバランスを重視し、内部監査室長からマンツーマンでの教育を受けられる環境に魅力を感じたことが入社の決め手となりました。
上場会社の内部監査経験ナシで上場会社4社から内部監査ポジションの内定を得たAさんの事例
Aさん(30代前半/女性)
転職前:経理経験10年程、非上場で内部監査経験5年程(年収650万円)
転職後:上場会社/内部監査ポジション(年収650万円)
非上場企業での経理経験10年と内部監査経験5年を経て、上場会社の内部監査ポジションに転職しました。
上場会社にて内部監査の経験を積みたいと考え、転職活動を開始しました。
当初の不安や懸念を乗り越え、4社から内定を獲得しました。上場子会社での経験が評価されたほか、レジュメの補足などエージェントからのサポートを上手く利用して転職に成功されました。
内部監査の転職に関するよくある質問
「MS Agent」に寄せられる内部監査への転職に関するよくある質問と、その回答をご紹介します。
未経験でも内部監査へのキャリアチェンジは可能ですか?
内部監査は大きく会計監査、業務監査、システム監査に分かれており、特に会計監査では経理の経験がある場合、未経験でもポテンシャル採用が見込めます。
業務監査やシステム監査は、事業内容や親和性によって異なるため、求人情報を詳しく確認することが大切です。
また、内部監査組織の教育体制が整っている場合や急募の場合は、未経験でも転職の可能性が高まります。
内部監査で求められるスキルは何ですか?資格は必要でしょうか?
内部監査には、会計知識やリスク管理、コンプライアンス、データ分析、コミュニケーションスキルなどが必要です。
公認内部監査人(CIA)をはじめとする関連資格を持っているとキャリアに優位に働くこともありますが、決して必須ではありません。
非上場企業で内部監査の需要はありますか?
非上場企業でも内部監査の需要はあります。
内部統制の目的は企業の健全性の担保やリスク対策なので、コンプライアンス意識の高まりにより、非上場企業でも内部監査人材の募集が増えています。
内部監査ポジションでキャリアアップするにはどのような点に着目すればよいですか?
内部監査でのキャリアアップには、前例として内部監査室長ポジションの社内登用があるかが重要です。
社内登用の前例がなく、社外からの採用が通例の場合は、現職より上位のポジション・年収の求人を狙って転職する方が効率的だと言えるでしょう。また、経験者を優先する企業への転職もキャリアアップにつながりやすいと言えます。
まとめ
内部監査への転職は、経験や年代によって押さえておくべきポイントが異なり、未経験からの転職も決して不可能ではありません。特に会計や法務、システムの知識を持つ方は、未経験でも高く評価されるでしょう。
内部監査は非上場企業からの需要も高まっているため、数年前よりも様々な内部間求人が増えています。
年代別に見ると、30代はポテンシャル採用のチャンスが多く、40代、50代は豊富な経験を活かしてより高いポジションを目指せる可能性があります。
内部監査への転職では転職エージェントの利用がおすすめです。完全無料で利用できるので、弊社MS-Japanの転職エージェント「MS Agent」に是非ご登録ください。
この記事を監修したキャリアアドバイザー
大学卒業後、外資系小売り業に就職、セールスマネジメントや採用、教育研修を経験。
人がいかに業績を左右するかについて認識し、現職のMS-Japanに転職する事を決断。
入社以来、東海エリアのキャリアアドバイザーとして、キャリアチェンジやスキルアップを目的とした若年層の支援を中心に担当しております。
経理・財務 ・ 人事・総務 ・ 法務 ・ 経営企画・内部監査 ・ 会計事務所・監査法人 ・ 役員・その他 ・ 公認会計士 ・ 税理士 ・ 弁護士 を専門領域として、これまで数多くのご支援実績がございます。管理部門・士業に特化したMS-Japanだから分かる業界・転職情報を日々更新中です!本記事を通して転職をお考えの方は是非一度ご相談下さい!
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