2021年09月07日

【速報】令和3年司法試験論文式試験の合格発表と合否別の今後の進路について

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2021年（令和3年）9月7日、司法試験論文式の合格発表がありました。合格された皆様、本当におめでとうございます！

一方で残念ながら不合格だった方も、本当にお疲れ様でした。

この記事では、2021年（令和3年）司法試験の結果の概要と考察をお伝えします。

合否別の進路や就職活動についても詳しく解説していますので、是非今後の参考にしてください。

令和3年司法試験論文式試験の結果概要

2021年（令和3年）司法試験受験者数、合格者数、合格率は下記の通りです。

受験者数：3,424人

合格者数：1,421人

合格率：41.50％

	2020年（令和2年）	2021年（令和3年）	差異
受験者数	3,703人	3,424人	-279人
短答式合格者数	2,793人	2,672人	-121人
合格者	1,450人	1,421人	-29人
合格率	39.16％	41.50％	＋2.34pnt
法科大学院生の合格者	1,072人	1,047人	-25人
論文式平均点	393.50点	380.77点	-
総合平均点	807.56点	794.07点	-
合格点（総合点）	780点	755点	-
合格者平均年齢	28.4歳	28.3歳	-

受験者数は2020年と比べて7.5％減。一昨年の2019年（受験者数4,466人）と比較すると、23%減少しています。法科大学院への進学率の低下などの理由に加え、新型コロナウイルスの影響を受けて受験者数は減少を続けています。

合格率は、41.50％と昨年と比べて2.34ポイントアップしました。

合格者の平均年齢は28.3歳（最高年齢は69歳、最低年齢は18歳）でした。

法科大学院別の合格者数TOP10

	法科大学院名	合格者数	合格率
1位	予備試験合格者	374人	93.5％
2位	慶応義塾大法科大学院	125人	55.1％
3位	早稲田大法科大学院	115人	49.8％
4位	京都大法科大学院	114人	61.6％
5位	東京大法科大学院	96人	48.2％
6位	中央大法科大学院	83人	31.8％
7位	一橋大法科大学院	64人	58.2％
8位	神戸大法科大学院	47人	41.6％
8位	大阪大法科大学院	47人	40.9％
10位	同志社大法科大学院	39人	35.5％

合格者のうち最も多かったのが予備試験合格者で374人、法科大学院の中で最も高かったのは慶応義塾大法科大学院で125人でした。また、ランキングには入っていませんが、合格率が最も高かったのは愛知大法科大学院で66.7％（合格者2名）、次いで京都大法科大学院で61.6％でした。

過去10年間の司法試験結果の推移

過去10年のデータをみると、受験者・合格者数は減少傾向ですが、合格率は2016年から上昇しています。2012年の合格率は25.1％だったので、2012年と比べると合格率は16.4ポイントアップしています。

令和3年司法修習スケジュール

第75期司法修習は、2021年（令和3年）11月15日から実施されます。最初の約3週間は導入修習があり、その後全国にある修習地に移動後、実務修習という流れです。

導入修習開始後わずか数日で起案が課され、試験後に少し気が緩んでしまった修習生の中には焦りを感じる方もいるようです。そのため、最初の講義までに基本知識を復習しておいた方が、焦らずに講義を受けられるでしょう。

なお、導入修習は例年、司法研修所にて行われていましたが、第74期司法修習では導入修習をオンライン方式で実施しています。第75期の導入修習についても、実施方法について今後発表がある可能性がありますので、修習開始前に必ず確認しておきましょう。

司法試験不合格の場合の進路・就活について

進路は大きく2つに分かれます。

①来年の司法試験受験を目指す

②就職する

来年の司法試験受験を目指す

令和4年（2022年）司法試験の日程は、例年と同様5月(5/11～5/15)実施です。少しリフレッシュした後、気持ちを切り替えて勉強していきましょう。

就職する

司法試験受験者主な就職先としては、企業と法律事務所があります。

未就業、未経験であっても、司法試験受験経験があり就業意欲の高い方であれば、法務職などの知識を活かしやすい職種への就職の可能性も十分にあります。

企業への就職を希望する場合、多くは新卒枠ではなく、中途採用枠での選考になるでしょう。法務部門のニーズは年々高まっており、法科大学院修了生や司法試験受験経験のある方を採用する企業は増えています。ただ、法科大学院修了生などを対象とした未経験応募可能な求人情報を個人で集めるのは容易ではないため、法科大学院修了生の支援に強いエージェントなどを活用するのがおすすめです。

面接などの選考では、これまで学んできたことに加え、今後のキャリアについての目標、コミュニケーション力などをアピールする必要があります。特に初めての就職活動の場合はしっかりと事前準備する必要があるので、早めに情報収集を始めると良いでしょう。

法律事務所の場合は、企業の求人と比較すると数は限られるものの、パラリーガルなどの募集が出ているケースもあります。

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2021年法務の採用動向

新型コロナウイルスの影響を受け、未経験者の採用に慎重になった企業が多かった昨年同時期と比較し、今年は法科大学院修了生対象の求人数が2.6倍にまで増加。コロナ禍前よりも求人が増えています。

とはいえ、未就業、未経験で応募可能な法務求人の数は就業希望者よりも少ないのが現状です。また、司法試験合格発表後のこれからの時期は、例年就職希望者が急増するタイミングです。法務のキャリアをつかみ取るためには、理想通りの求人のみにターゲットを絞るのではなく、まずは就業経験、法務経験を積むことを重視し、幅広く検討されることをおすすめします。